お前ら、何でスキルを1度しか習得しないんだ?ゴミスキルも回数次第で結構化けます

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小さい方は割と聡いヤツだ

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 マジックバッグに収まりきれない荷物を置くために、タララの家にやって来た。

「カケル様、お帰りなさいませ。いつでも準備は出来ております」

 何の?とは聞かない。

「するならあたいが先だから!で、何しに来たの!?」

「タララを抱きに来た…」

「え!?」

「…なんて言うと思ったか?赤くなるな。荷物を置きに来たんだよ。それに夕食まだだろ?」

「え、う、うん…。まだ」

「ゲイン様、石炭をお持ちでしたらタララ様にお分けして頂きたいのですが」

「あ、そうだ。お風呂のお湯を沸かすの!水は井戸から汲んだんだけど、あたいの石炭濡れてんの!」

「デリートウォーターで乾かせるぞ。荷物を置いて来るから乾燥させながら待っとれ」

「キッチンの奥にいるね」

 部屋に入って敷物敷いて、いろいろ入った箱の上に板。竈と翡翠は窓際に置いておこう。装備と衣類の籠をベッドの横に置いたらタララ達の元に向かった。

「あんた、何でいるのよ?」

 キッチンの奥は広さ25平方ハーン程の小部屋になっていて、風呂の湯を沸かす専用の竈があった。竈の正面の壁からは太さ10ドン程の鉄管が壁から突き出てぐるっと1周して壁に刺さっていた。
 この管を温めるとお湯ができるのだと思う。

「石炭は乾かせたか?」「無視しないでよ!」

「これでどうかな?」

 タララが手渡した石炭と、俺のを持ち比べてみる…、大丈夫だと思う。MP消費量が違うだけで効果は同じだと思うしな。とは言え少し心配なので石炭の籠を出して半々で焚べて火を付けた。白い煙が上がってるのでタララの石炭はもう一度乾燥させる必要があるな。

「タララの石炭は乾燥2回やって、俺のみたいに籠に入れとけ。それと、石炭拾いはたまに行こう」

「わかった。お湯ってどんくらいで沸くのかな?」

「浴槽見てないからわからん。混ぜて適温になるまで沸かすしかないよな。後、この竈は使う薪の量が多かったみたいだな。石炭だとちょっと火が遠いから明日直してやるよ」

 石炭を追加して浴室に向かう。竈の場所的にキッチンの隣だろう。暗いので竈からもらい火したランタンを持って風呂場に移動した。

「灯りが無いとダンジョンみたいだねー」

「家用のランタンを揃えないといけないな」

「広いのも考えものだね」

 ドアを開けると脱衣場。その奥に浴室があった。小さいけど公共浴場と同じ作りだ。浴槽からはほんのり熱気を感じる。

「桶、買おうぜ?」

「あ…」

「洗濯にも使えるんだぜ?」

「ゲイン、持ってないの?」

「馬のを借りてたから持ってない」

「ゲインから馬の匂いしてたのって…」

「多分違うぞ?直接舐められてたからだ」

 お湯が温まるまで時間もあるので先に飯にしよう。とは言え放ったらかして火事など出たら大変だ。みんなを残して飯を買いに出た。
 酒場に着くと御者の人達が揃ってたので、明日部屋を出るのを伝えて全員にエールを振舞った。そして焼肉8枚、ソーサー12食、干し肉8食買って帰る。額が多いのでギルド証払いにしてもらった…、と言うかギルド証使えたのかよ。とは言え店的には現金が良いらしい。大量の食料を持ち運びするのはマジックバッグ様々だ。スープは容器が無いので買えなかったよ。寸胴は部屋に置いてきちゃったし、飯は飯用に欲しいのだ。

「遅いよゲイーン。お腹すいたよぉ~」

「肉が焼けるのに時間がかかってたんだ。テーブル…、ないのか…。仕方ない、俺の部屋に行こう。食器持って集まれー」

「はーい」「承りました」

 テーブルを囲んで座り、それぞれのお皿にソーサー3枚と焼肉2枚、コップに水を注いだら、みんな揃っていただきます。

「スープないの?」

「明日は鍋と調理器具と食材を買わなきゃな。調味料もか」

「ゲイン、自炊するの?」

「朝飯がソーサーと干し肉だけじゃ寂しいかと思ってな。俺いつも水で流し込んでるし。鍋持ってけばスープ売ってくれるとも言ってたぞ」

「なんとなくわかる」

「甘いの飲みたい」

「それも明日だな。鍋とヘラが要る」

 明日はみんなで買い物に行く事に決まり、食事を終えた。食器を纏めてウォッシュ&デリートウォーターして片付けたら、タララに明日の分の食事を渡して帰宅した。風呂は風呂屋で入ったよ。一緒に入るってうるさかったから。着替えをタララんちに置き忘れたのが悔やまれる。
 厩にて、馬達全員に別れを告げる。頭を撫でて、鼻っ面を撫でて、頬を撫でる。顎を肩に乗っけて来るので首を撫で擦り、隣のと交代。それを2周して部屋へ向かった。鍵は明日、大家の所に持って行く事になっているので朝食食べたら先に大家の家に行こう。
 忘れずに奴隷取り扱い用の冊子も読む。主人の出した命令はどんな事も従ってしまうそうだ。食事と休養を与えなければいけないし、借金奴隷の場合、借金の残高を提示出来るようにしなければならない。人前に出すマナーとして、清潔に保つ必要があるそうな。紙とペンが要るな…。


 翌朝、顔を洗って朝食を齧り、大家の家に鍵を返しに行ってからタララんちに向かう。

「おはよ。もう朝ご飯食べちゃったよ?」

「大家の家に鍵を返しに行ってたんだ。俺も食べて来たから問題ない。準備が出来たら買い物に出よう」

 部屋に入って金属鎧を全部出し、革鎧を装備する。更に、外に出て庭の片隅に小石大と石大を全て排出した。小石中は用心のために持っておく。これでマジックバッグにあるのは小石中と財布だけになった。

「ゲイン、石ころ置いてくの?」

「全部ではないけどな。マジックバッグの容量は確保しておきたい」

「んじゃ、あたいもそーするー」

 俺の石から少し離してタララが石を出して行く。黄銅鉱も出すのかよ。

「タララ様、それは金ですか?」

「違うよ。銅だよ」

「タララ、一応売り物だし、外に置くのはどうかな?」

「んー、そだね。居間にでも置き直すよ」

 黄銅鉱を拾い集めるのにちょっと時間がかかったが、ちゃんと集めきれたようだ。居間がキレイに輝いてる。

「お金持ちに見えますね」

「実際は大した額じゃないんだけどな、銅だし」

「採りまくって売りまくれば私の借金返せるわね!採りに行くわよ?」

「それがねー、今値下がり中で売りにくいの。もっと儲かるのにしようね」

「需要減ってるのかー」

「鉄の方が良いみたい。けど黄鉄鉱は毒が出るからダメだって」

 みんなの準備が整ったようなので街に繰り出した。今日買うべき物は、テーブルに椅子に敷物。ランタンと油、鍋と調理器具にスープ用のお椀、そして食料と調味料だ。スープは買っても良いが、水飴は買うより作った方が安いからな。多分売ってないと思うし。そして奴隷の帳簿用に紙とペン、インクも要るのか。
 まずは洗濯屋のおばちゃんに洗濯を頼み、建具屋に向かう。以前板を買った店だ。

「こんにちはー」

「いらっしゃい。前に来た子だね。板の調子はどうだい?」

「良い感じだよ。テーブルとしても使えてるし良い買い物だったよ。今日は食事用のテーブルと椅子を買いに来たんだ」

「予算…と言っても安い方が良いだろうね。見繕うから待っといで」

 よろしくどうぞと待ってると、職人の人に注文を出して奥の方に消えて行った。在庫を探しに行ったのかな?辺りには出来合いの家具が置いてあるので見て回る。ローテーブルにソファー、良いなぁ。

「ゲイン、あたい泣きそう」

「確かにそれは高いな。けど、板を平らに切る技術は安売り出来ないよな?」

「分かるけど、数字があたいをいじめるの」

「よしよし…」

「板より装飾よ」

「それもあるか」

「お客さん、待たせたね」

 女将さんの後ろに立つ数人の職人が持って来たのは、少し隙間がある天板に、少し歪な脚の付いた味のあり過ぎるテーブルに、背もたれの無い、丸い座板ざばんの椅子で、4脚全て高さが違うと言う、これまた味の濃い椅子だった。

「見習いの作ったもんだが建付けを直して使えるようにしたもんだ。素材は良いが腕が悪いから安いぞ。揃いで2万だ」

「バラして一回り細いの作った方が値が上がるわね。即決で買いなさい」

「アンテルゼ、口を慎むべきです」

「いや、そちらさんの言う通りだよ。作り直さなかったのは初心を忘れないためさね。ねぇ棟梁」

「心のこもった家具なら是非買いたい。俺達も忘れちゃいけない感情だしね」

「あたい、買う~」

 泣きそうな顔で支払いをしていたが、棟梁の若い頃の作品に心打たれている訳ではないからな?勘違いするなよ?セットとは言えバラバラなので容量5つ取られてしまった。お礼を言って、次は雑貨屋だ。
 ランタンや鍋などは買えると言ってタララは店内に入って行った。気兼ねなく買える金額の上限がこの店なのだろう。俺は外で油売ってるおじいさんに手持ちの油の補充と、新規で1ナリ瓶2本買った。並んでる瓶は空瓶で、ちゃんと量り売りする誠実な商売をしてくれた。4800ヤン也。
 中に入って店員に筆記用具を見繕ってもらうと獣皮紙にペンとインク、そしてペン立てを持って来た。ペン立ての概念は無かったなー。

「そのペンダメ、他のになさい」

 俺には何がダメなのかさっぱりだが、店員と一緒に探して出して来たペンは、店員が持って来たのより上質だった。さっきのは草を斜めに切ったペン先だったが、これは捻れたガラスで出来ている。

「壊さない限り壊れないわ。買うならそれ」

 お値段4000ヤン。2ドン程の先っちょに4000ヤン…。小さい奴隷が変な威圧して来るので買ったよ。他のを含めて7000ヤン也。
 タララの方は、鍋3つにお玉と木ベラ、お椀5個セット、ランタンは4つ買っていた。タララが普段使ってる六角のはここで買ったようだ。
 残るは敷物と食料と調味料だが、敷物は織物店で、食料等は食料品店にあると言う。店員は織物店の場所を知らなかったので外のおじいさんに聞いてみたら丁寧に教えてくれたよ。けどその店に行ってみると凄く敷居が高かった。

「寝具店のフェルトの方がマシね」

 その言葉にみんな納得。寝具店に向かいフェルトを10枚、タララが泣きそうな顔で買っていた。最後に訪れた食料品店だが、スープは宿や酒場で買うので肉や野菜は買わない事にした。調味料は今後の遠征等で使う機会もあるだろうって事で、焼き塩と粉にした香辛料を購入。小瓶に入って各1500ヤン。そして袋に入ったマタル粉を買った。塩とコイツと水を練って焼けばソーサーになる麦の1種だ。家では更に雑穀の粉も混ぜてたよ。今回は甘いのを作るために買う。1ナリで500ヤン、袋は1500ヤン。

「お鍋に入れたら良いじゃない。どうせすぐ使うんでしょ?」

 的確なヤジに促され、タララの鍋に2ナリ量り売りしてもらったよ。1000ヤン也。全ての買い物が終わったので洗濯物を回収し、串焼き買って帰った。


「ゲイン、泣きそう…」

 買い物から帰宅したが、まだタララの心は折れているようで泣き言を言っている。早く昼飯にしなければならない。

「食堂にテーブルを置いて昼飯にしような、よしよし」

「ゲインが優しい~」

 馬にするように撫でてやったら食堂に向かい、椅子とテーブルを配置する。他のはまた後にして、とっとと飯にしてしまおう。みんなの食器を出させたら、タララはソーサー、俺は串焼きを乗せていく。水は俺の部屋だったが、大きい奴隷が新しい鍋に水を汲んで来たのでお玉で注ぎ、みんな座っていただきます。

「ねえゲイン、何であたい、ここなの?」

「俺、そこに椅子置いたかなぁ…?」

タララの席はテーブルの短辺、俺達は長辺で、俺の隣に大きい奴隷が座ってる。

「私はここから動きませんので悪しからず」

「食事中に席を立つのは平民だから?貴族はフォークで刺されるわよ?」

「うぐぇ…」

「配置はまた後で調整すれば良いさ、とにかく食べてしまおう。温もりは待ってくれないぞ」

串焼きとソーサーと水で腹を満たし、黄銅鉱が山になってる居間にフェルトを4枚敷いて食休み。家主は早速昼寝しだしたよ。部屋で寝れば良いのに。俺は各部屋にフェルトを敷いて、余った3枚の内、1枚を脱衣場に敷いた所で桶を買うのを忘れてた事に気が付いた。

「残り湯でも飲みに来たの?」

「飲めるのか?」

「飲まないでよ?」

「なら掃除するから水を入れるようみんなに連絡してくれ」

 返事もせず脱衣場を出て行ったので、浴室を掃除する。浴室を閉め切って、ウォッシュ。部屋全体に水が満たされ、渦を巻き、50ピル程で水が消えた。浴室全体がビシャビシャになり、掃除されたようだ。ビシャビシャになった俺がキレイになってるので間違いない。死ぬかと思った…。脱衣場で洗いたての服に着替え、部屋に戻って乾燥させたよ。

「ゲイン、着替えたんだ」

「風呂を洗おうとしたら俺まで洗われたんだ」

「お背中流しましたのに」

「その時間は無かったよ」

 タララ達が浴槽に水を入れてる合間に、桶やタライを買いに行く。また雑貨屋だ。桶とタライを3つずつ5400ヤンで購入しとんぼ返りした。

「おかえり~。水入れたよ」

「お疲れさん。桶とタライを買って来たよ。俺はこれから火を使うから、ランタンに油を入れといてくれ」

「私にお任せ下さい」

 大きい奴隷に油瓶を2つ渡し、タララと共に勝手口へと向かって行った。俺もそれに続いてキッチンへ。鍋と調理器具が竈の上に安置されてる。空鍋2つにマタル粉の入った鍋。どれも蓋が付いている。タララが置いた物だが、これらを仕舞う棚やテーブルも必要だな。
 井戸で鍋に水を汲み、中に粉を入れてトロトロにしたらコンロに乗せて石炭を焚べて火にかける。そしてとにかく混ぜる。トロトロがドロドロになってペタペタしたら水を足し、透明なサラサラになればひとまずの完成だが、更に煮込んでネトネトにすると長持ちするようになる。ちなみに糖の実は煮込んで待つだけでネトネトになる。これを脱水して、粉にして砂糖にする訳だ。多分、こいつでも同じように出来ると思うが、どうだろう?
 粉にする手段がないから今回は諦めて、サラサラで飲めるようにしといたよ。なんせもう夕方だ。竈の火を風呂焚き用の竈に移動し、石炭を追加しておいた。

「ゲイーン、出来たー?」

「居たのかよ」

「やる事なかったし」「素敵でした」

「キッチン用のテーブルと鍋仕舞う棚買ってこいよ」

「あたい1人で買えると思う?泣いちゃうよ?」

「そうだな、また今度買いに行こう。取り敢えず、鍋持って酒場に飯買いに行くか」

「お供します」

「あたい火の番してるー」

「甘いのよこしなさいよ」

「冷めたらな。まだ熱いから食後にでも出してやる」

 タライに水を汲み、熱々の鍋を漬け込んだ。タライの水が温まったら替えるようにとタララに指示を出し、鍋を持って夕飯の調達に出た。

「ゲイン様、酒場には行かないのですね?」

「ギルドに寄って金下ろすんだ。後、直営宿のスープの方が具沢山で美味い」

「なるほど」

 ギルドにて金を下ろし、裏手の直営宿で焼肉8枚とソーサー12食、スープを10杯分量り売りをしてもらう。全部で4600ヤン。暗くなったのでランタンに火をもらって帰宅するとタララが居間で切なくなっていた。

「ご飯買ってきたぞ。起きれ」

「ゲイーン、抱っこー」

「お前がそこでぐったりしてる間に火事でも起きたらどうするつもりだったんだ?風呂の湯沸かしてただろ」

「沸いたから平たくしたもん」

 風呂の湯を確認し、キッチンに行くと小さい奴隷が甘いの飲んでた。

「お腹空いてたのよ!」

「なら飯にするから皿とか準備しろ。真っ暗な中でそうしてるとお化けと間違えるだろうが」

「お化けなんていないわ!」

「居るだろ、スケルトンとかレイスとか」

「居ない居ない居ない!居ないったら居ないの!」

 どうやらその手の物が嫌いらしい。俺も出来れば会いたくないけどな、多分敵わないから。
 逃げ出した奴隷と追う奴隷。俺はタライと鍋を竈に片付け食堂に向かう。今度は俺が短辺に座るのか…。長辺両側にタララと大きい奴隷、対面に小さいのが座ってた。お皿に焼肉とソーサー、お椀にスープを流し入れ、コップに水を注いだら食事の時間だ。

「昨日よりはマシだけど、やっぱり暗いな」

「酒場はランプいーっぱいあるもんねー」

「ランタンが一方向しか照らさないのもあるな」

「属性魔石でも買ったら?」

「ゲイン様、高いので買わなくても結構です」

「家を維持するのは大変だな」

「心折れそう。ゲイン、添い寝して?」

「私も添い寝を希望します」

「初めて使うベッドだから1人で寝かせてくれ。明日からは仕事に行くぞ」

「あの遠いダンジョン?」

「新しい方が入れるならそっちだな。飯を食ったら風呂に入って寝てしまえ」

「ゲインも一緒に入ろーよ」

「俺、風呂洗う時に体も洗っちゃったし、いーかなーって」

「ゲイン様、お風呂に入ってもよろしいでしょうか」

「ゲインと一緒じゃなきゃやだー」

「タララ、しつこい。3人で入ってこい」

「私は甘いの飲みたい!」

「みんなの分も残しとけよ?後、飲んだら口をゆすげ」

 3人がランタンを持って出て行った食堂は、暗くて静かでお化けが出そうな雰囲気だ。食器を纏めてウォッシュ&デリートウォーターしたら、自分の食器と鍋を収納して自室に戻った。

 テーブルの前に座って筆記用具等を取り出し、奴隷の帳簿を付ける。医療費、保釈金、衣類・装備代、食費、家賃に雑費。こんなものだろう。
 697300ヤン。これが明日の昼までの2人の借金だ。そこに月額50000ヤンの家賃が発生する。明日はこいつを見せ付けて、しっかり働いてもらおう。


 夜明けもまだなのに騒がしさで目が覚める。みんな起きてるみたいだな。部屋の外ではタララと大きい方が対峙してた。

「何やってんだ?」

「おはようございますゲイン様。お目覚めの挨拶に参りましたのですが…」

「2人っきりになんてさせないもん!」

「仲良くここまで来たんなら、一緒に起こしたら良いだろ?」

「私はそう提案したのですが…」

「はぁ。タララは俺と2人っきりになりたかったんだな、よしよし。鍋温めるから食事の支度をしてくれ」

 ランタンを持って食堂へ。タララにソーサーを渡して配膳してもらおう。その間に俺はキッチンへ向かい収納していた鍋を温める。種火を残せないのが面倒だ。ランタンの火で竈に残っていた燃えさしに着火して、追加の石炭と共に竈に焚べた。


「みんな、準備は出来たか?」

「出来てるよー」「問題ありません」

 食事と支度を済ませて玄関に集合した4人は、ダンジョンに向かうためまだ薄暗い街を歩く。

「ヒヒーン」「ブヒーン」

「何だ、ゲインか。乗ってくのか?」

「おはよう。今日は歩きだよ」

 門前に居る乗合馬車の御者さんと馬達、そして門番さんに挨拶して外に出た。

「またゲインが馬臭くなっちゃった」

「撫でただけだろ?」

「いつでも女の匂いにしてさしあげます」

「あんた意外と痴女だったのね」

「大人なだけです」

「大人も言わないよ?」

 周りを歩く冒険者の視線がこっちに飛んでくる。騒がしくして迷惑かけてしまったか。

「体を温めるのに少し走るぞ」

「あーい」「了解です」「やだー」

「息を整えることに集中しろ。走れ走れー」

 一斉に走り出し、直ぐに小さい奴隷がバテた。

「も、むり…」

「早足で歩け。歩きながら息を整えろ。次からはこいつのペースで移動するぞー」

「あーい」「了解です」「ひーふーひー」

「体力とスタミナは何をするにも必要だ。逃げ切りたいなら走り続けられるようになれ」

「う、ま、で、に、げ、た、い!」

「馬に乗るのも体力要るだろうが。そろそろ走るぞ」

 走ってはーやーあーしー、走ってはーやーあーしーー。結果、木の門にたどり着く頃には完全に歩いてた。門番さんに挨拶したら草藪の中で小休止だ。

「ほれ、これでも齧ってろ」

「馬になった覚えはあむむっ……甘い…」

「カツリョクソウだ。ポーションの材料で常設依頼で買い取ってもらえる。しかも甘い。10本1束で800ヤンだ。採り方も教えるからしっかり覚えとけ」

 甘さを覚えて元気になった小さいヤツは、直ぐに採り方を覚えてもりもり食べだした。大きいヤツもちまちま食べている。

「10本採ったぞ!返済に当てろ!」

「冒険者ランクの実績を上げるのにも使われるから後で自分で換金してもらう。それまでは預かっておくよ」

「でしたら私も」

 2人の草束を布カバンに入れて収納した。そろそろ行こうか。全員抜剣、2人鈍器だけど抜剣。草藪から森に分け入り緩斜面を登って行くと、石造りの建造物が見えて来た。

「また来たねー」

「あん時ゃ辛かったな。もう野盗は居ないと信じたい」

「ホントにね」

 入口付近には誰も居ない…と感知系スキルには見えているが、中は分からない。

「注意事項だ、必ず守れ。タララの盾の後ろからはみ出ると死ぬから気を付けろ」

「了解です」「うむ…」

 タララ以外がランタンを付けて、盾を構えたタララの後ろに小さいヤツ、大きいヤツ、俺の準備で並んで入る。中に野盗が居なくてすげーほっとする。

「ここから少し行くと止めどなく矢が飛んでくる。当たるなよ?ではタララ、よろしく」

「あーい、くれぐれもはみ出ないでねー」

パスッパカンッカカガガガガガガガッ!!

「ひっ!」「ううっ」

 この罠やっぱり生きてたか。入り口に罠のあるダンジョンなんて珍しいよな。みんな小さくなって進んでく。ダンジョンを切り取ったブロックは全てキレイに直ってたよ。

「ゲイーン、着いたよー!」

「よーし、ちょっと待ってろー」

 前回同様、壁をブロック状に切り取りタララの前に投げ込む。ちょっと隙間ができたので二重の壁にして解決。矢を防ぐ壁となった。

「お疲れタララ」

「緊張するー。盾壊れてないかなぁ」

「お前、それ何だ!?」

「アンテルゼ、ゲイン様です」

「金を稼ぐとこんな事が出来るようになるんだ。盾の確認が終わるまで休憩な」

「お金の力では無いと思うよ?」

「さすがゲイン様です!」

「…あたいも出来るけどね」

「さすがタララ様です」

「覚えりゃ誰でも出来る」

「素直に褒められてください」

「返済の目処が立ったら覚えさせてやろう」

「そう言って返済を伸ばす訳か」

「その通りだ。だがこれすげー役立つんだよ。切り取ったブロックで壁と濠が作れるから野営するのに便利だし」

「そう言えば野宿したよねー」

「屋根作れなかったけどな。マジックバッグ、マジ便利」

「盾、大丈夫そうだよ」

「なら行こうか」

 ダンジョンの中はキレイなモンで、隠し部屋の壁までキレイな壁に直ってた。これ、毎日開け直さないとダンジョンとしては使いにくいのではなかろうか?壁の奥は何もいなそう。ブロックを切り出して道を作った。

「壁の奥に階段がありますね」

「野盗はこれに気付かなくて、ずっと東西の移動ルートにしてたんだ。知ってたらぼろ儲けだっただろうな」

「他の冒険者は来てないのかな?」

「少なくとも今日はこっちの入口からは来てないんじゃないか?」

「塞いで入れないようにしてしまえ!私達が独り占めにするのよ」

「こらアンテルゼそのような事「良いな。タララ壁作るぞ」」

「あーい」「良いのですか?」

「自分のパーティー以外の冒険者は敵になる事が多い。冒険者に扮した野盗もいる。パーティー以外は敵と言う認識でいるべきだ」

「なるほど…」

 隠し部屋の壁を両側の通路にみっちりはめ込み通れなくしてやった。まあ、マジックバッグ持ってれば抜けられるけどな。

「充分休んだな、では行こうか」

 別に通せんぼする為だけでやった訳じゃない。こいつらの休憩も必要だったのだ。ここから先は敵が出る。しっかり休ませないと足でまといになっちまう。階段を降りて、前回行かなかった方向を進むと、タララが謎の感知能力を発揮して道をどんどん進んでく。

「いたよ」

「2人はタララの左右で前を照らせ」

 盾を横にして構えるタララ、左右に灯りを照らす奴隷、ランタンを仕舞い、タララの後ろに両手で構える俺。同じペースでのしのし往くと、正面に4匹のウルフが屯ってた。明かりに気付いて寄ってきたよ。

「当てるのは任せろ、全体に散らせ」

「あいよー」

「私達は…」

「明り取りだ。見てろ」

 ウルフが飛び上がるのを合図にタララの盾から大量の小石が射出され、数発が命中した。泣きっ面に更に小石を叩き込み、顔をグチャっとさせると地面に密着し、煙になって消えた。

「凄いです。ただの石ころなのに…」

「その石ころを拾い集めるのがお前達の仕事だ。弾切れになったら武器でも戦うが、体力は温存すべきだろ?」

「ふん、1個いくらよ?」

「残念ながら日給だ。ちゃんとやれたらまた甘いのを作ってやる」

「足元見て…やるわよ!」

「ゲイーン、チップ出たよー?」

「ドロップしたアイテムも忘れずにな。石ころより高いから頼むぞー。タララは前に集中。拾うのは2人に任せろ」

「あーい。石ころ集めたら持って来てねー」

「心得ました」

 その後もタララを前衛に、小石をドバドバ、拾わせ補充しノシノシ奥に進んでく。小部屋の中のゴブリンもドバっとしたらすぐ消える。しかも回収が楽だ。部屋の隅に安置されてる宝箱に小さいのが飛びかかって行ったが、止まれと言ったらすぐに止まった。

「私が見つけたのよ!?」

「無いと思うな思えば死ぬぞ。それが罠だ」

「うぅ…」

「感知系スキルは高いけどとても役立つ。ちと待ってろ」

 地下1階とは言え、入口にあんな罠があるダンジョンだ、気は抜けない。箱と、その周りを慎重に見て、罠の無いのを確認した。

「よし、開けて良いぞ」

「私のだからね!」

「良いのが入ってると良いな」

 中身は瓶だった。鑑定スキルが欲しくなるな。

「鑑定行きだな。薬草よりは高いから当たりだと思うぞ」

「きっとソーマかエリクサーよ!」

 夢を見るのは自由だ。絶対違うとも言い切れないしな。けど絶対、箱の方が高いと思うので、俺は箱を収納した。



現在のステータス

名前 ゲイン 15歳
ランク C/F
HP 100% MP 100%
体力 D
腕力 E
知力 E
早さ D-
命中 E-
運 D

所持スキル
走る☆☆ 走る☆☆ 走る 走る 走る
刺突☆☆ 刺突
硬化☆☆ 硬化 硬化
投擲☆☆ 投擲
急所外物理抵抗☆☆
飛躍☆ 飛躍
木登り☆
噛み付き☆☆ 噛み付き
腕力強化☆ 腕力強化 腕力強化
脚力強化☆ 脚力強化☆ 脚力強化
知力強化☆
体力強化☆ 体力強化 体力強化
ナイフ格闘術☆ ナイフ格闘術
棒格闘術☆
短剣剣術☆
避ける☆
魅力☆

鎧防御術
察知
探知
マジックバッグ

魅了
威圧

水魔法☆ 水魔法
ウォーター
ウォッシュ
デリートウォーター
ウォーターバレット
ウォーターウォール
ボーグ

土魔法☆
ソイル
サンド
ストーン

火魔法
エンバー
ディマー
デリートファイヤー

所持品

鉄兜E
肩当E
胸当E
腰当E
上腕当E
脛当E
鉄靴E

革製ヘルメット
革製肩鎧
革製胴鎧
皮手袋
皮の手甲
混合皮のズボンE
皮の脚絆
耐水ブーツ
耐水ポンチョ

草編みカバンE
草編みカバン2号E
布カバンE(カツリョクソウ20、未鑑定瓶1)
革製リュックE
宝箱(未鑑定チップ他ドロップアイテム等)

木のナイフE
ナイフE
剣鉈E
解体ナイフE
ダガーE
革製ベルトE

小石中496
小石大☆450
石大☆20

冒険者ギルド証 6009991→5964791ヤン

財布 銀貨18 銅貨16
首掛け皮袋 鉄貨31
 
冊子
筆記用具と獣皮紙
奴隷取り扱い用冊子
寸胴鍋
お玉
コップ

カトラリー

五徳
木ベラ
籠入り石炭22(貸出中)
洗濯籠
多目的板
蓋の無い箱
敷物
ランタン
油瓶0.7ナリ
着火セット
翡翠特大

中古タオル(使用済み)
中古タオルE
中古パンツ(使用済み)
パンツE
ヨレヨレ村の子服セット(使用済み)
サンダル
革靴
街の子服Aセット
街の子服Bセット(使用済み)

奴隷
エリモア
アンテルゼ

スキルチップ
ウサギ 3022/4391
ウサギS 0/1
ウサギG 0/1
ハシリトカゲ 2056/3166
ハシリトカゲS 0/1
ハチ 1742/2859
ハチS 0/1
カメ 2000/3459
カメS 0/1
ヨロイトカゲS 0/2
石 0/1853
石S 0/1
スライム 1023/2024
鳥? 213/1360
トンビS 0/4
サル 715/857
ウルフ 0/1051
ワニS 0/1
蝶 0/204
花 0/161
腕 440/541
腕S 0/1
腕G 0/1
脚 549/650
脚S 0/101
脚G 0/1
頭 475/576
体 422/523
体S 0/1
体G 0/1
棒 526/627
ナイフ 112/504
ナイフS 0/1
短剣 0/220
鎧S 0/1
袋S 0/1

水滴 157/394
水滴S 0/1
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