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三章
第84話 おやつを食べてみる
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「わざわざご足労いただいて、ありがとうございます」
話していると、教会から勝手に神父が出てきた。
マヤはすかさず頭を下げる。
「いえいえ!こちらこそ、シオンくんからご紹介にあずかりまして、ありがとうございます!」
「とてもおいしいパンを売っていると聞きまして、ぜひにと思いまして」
「そんな、恐れ多い……」
「町で評価されているパンのようですし、子どもたちに食べてもらうのが楽しみですよ」
「いえ、評価は、えっと、あまり期待しない方が……」
いきなりマヤはしどろもどろになる。
町で評価されているという言葉を聞いて、気負いしている様子だ。
俺は超評価してるぞ。
「期待していますよ」
神父は笑って言うと、俺たちに向き直り、
「きみたちもよく来てくれましたね。町の子にとっては退屈かもしれないが、ゆっくりしていってください」
優しげな瞳で俺とラミナに言った。
どうやら俺たちを城下町から来た子どもだと思っているらしい。
少し香のにおいが漂ってくる。
教会で焚いているのだろうか。
心なしか清らかなオーラが出ていてまぶしい。
これが聖人とかいうやつか。初めて見たぞ。
「神父よ」
俺は遠慮なく言った。
「勉強とかやっとると聞いたが、何を教えているのだ?」
「普段は、文字の読み書きや簡単な計算などですね」
「ほう、なるほど。基本的だが大事なところだな」
「領内の子なら誰でも学ぶことができますよ。そこには貴族の子も百姓の子も関係ありません」
「遊んでいるのは皆孤児か?」
「いえ、近所から遊びに来ている子のほうが多いですよ。なにせおやつが出ますので」
「おやつだと!?」
おやつを餌にして子ども相手に布教しているのか。やりおるな。えらい。
「もうすぐなので、食べて行かれます?」
「無論だ」
即答だった。
こういうとき大人なら遠慮しがちだが、今は子ども。遠慮などせんのである。
おやつは、女の修道士が表まで持ってきてくれた。
「おおっ、待っていたぞ!」
俺とラミナは否応なくテンションが上がる。
出てきたのは、クッキーみたいな生地に赤いジャムみたいなのが入っている焼き菓子だ。
「木苺のトルテです」
と神父が言った。
よくわからんがうまそうだ。
大皿に乗ったそれを切り分けていると、同じくらいテンションの上がった子どもたちが集まってくる。
「私もいただいちゃっていいんでしょうか」
マヤが苦笑して言うと、
「もちろんです」
神父はうなずいた。
「では、私たちを見守ってくれている精霊たちに感謝をささげましょう。いただきます」
復唱する子どもたち。
外の風景を見ながらのおやつとは。最高ではないか。
「しかし『精霊たちに感謝』ってノームどものことか?」
俺は気になって神父に訊いた。
「ええ。それに火の精霊サラマンダー、水の精霊ウンディーネ、風の精霊シルフですね」
「ほう?」
どれも魔族だな。聞いたことあるぞ。
そいつらもこっちに来てるのか。
ほう、なるほど。
時間あるときに探してみてもいいかもな。
「しかしなぜメシ食う時に感謝を捧げねばならん。たまにお供えとかやってるのだろう?施しをやっているなら、むしろ感謝される側ではないのか」
「それが精霊教会の教義ですからね。我々が今こうして生きていけているのは、精霊たちが守ってくれているおかげなのです」
「そうなのか」
魔族としては腑に落ちんところがあるが……
そういう教えなら仕方ないな。
「昔に起きた魔物との戦いのときに、人間たちを守ってくれたのがこの四大精霊といわれている精霊たちです。それ以来、私たちは彼らに感謝の祈りをささげるようになったのですよ」
「バクルモアティ伯が英雄の一人として活躍したというやつだな?」
境界戦争のときだ。人間界侵攻のときに人間たちに味方をしたのがその四種の魔族というわけか。
そしてそのまま魔界に帰らず人間界に住み着いてしまったと。
「なるほどなぁ」
担ぎ上げられて帰りたくなくなったのだろうか。
まあ、気持ちはわからんでもないな。
俺は相槌を打ちながら切り分けられた木苺のトルテを手でつまむ。
「おおっ!うまいな!」
柔らかいクッキーのような口当たりで、ほんのりとあまい風味が溶けるように広がっていく。
砕いたクルミも入っていて食感が豊かだ。
ラミナもうなずく。
「やさしみ」
「それな」
無性に茶が飲みたくなるな。
これも歳だろうか。
「本当、おいしいですね。……香り付けはクローヴとシナモンですか?」
マヤが言うと、神父はうなずいた。
「ええ、気に入っていただけてうれしいです」
「今度私も作ってみます」
笑うマヤの横で舌鼓を打っていると、
「あんたたち見ない顔ね」
青っぽい長い髪を揺らして、勝気そうな少女が近づいてきた。
七、八歳ほどだろうか。
シオンより若干年下といった風の女児だった。
少女の周りには取り巻きのように同じような歳の女の子が付き従っている。
「ん?……おお、この村の人間ではないからな」
俺が答えると、青髪の女の子は馬鹿にするように笑った。
「変なしゃべり方!」
「変!」
取り巻きの女の子たちもそれを復唱する。
「そうか?」
「変な髪、変な目!」
そういえば珍しいんだったな、金色の瞳。
おやつをむしゃむしゃと頬張りながらラミナがにらみを利かせようとするが、俺が手でそれを止める。
「いいだろう?誰も持っていない髪と瞳だぞ」
俺がしたり顔で言うと、青髪の子は眉を吊り上げた。
「なんですって!?」
「しかしお前には及ばないな。その髪も瞳も、正直きれいで羨ましいぞ」
「……ふん、話せるじゃない」
ちょろい。
「まあいいわ。あんたたちもあたしたちの仲間に入りなさい。命令よ」
「仲間?」
青髪の子は胸を張ってうなずいた。
「追いかけっこよ!今日こそシオンに勝ってやるんだから!」
「ほう、それは楽しそうだな。よかろう」
「……先生もやるんですか?」
シオンが苦笑しながら言う。
「安心しろ。ただの遊びだ。お前は全力でかかったほうがよいかもしれんがな」
「……『先生』?」
神父がシオンの発言を拾って首を傾げた。
シオンの周りに、おやつを食べ終えた子どもたちが集まってくる。
青髪の子が追いかけっこをする旨を伝えると、子どもたちのテンションが爆上がりした。
どうやらこの青髪と取り巻きたちが子どもたちのリーダー格らしいな。
「じゃあ、新入りの俺が鬼な」
俺が言うと、子どもたちが逃げ始め、追いかけっこは始まる。
十秒待つ。
その間、俺は逃げる子どもたちをしり目に、魔王然として高笑いを上げた。
「フハハハハッ!逃げまどえ人間ども!全員捕まえて八つ裂きにしてくれるわ!さあ、最初に犠牲になりたい奴は、どこのどいつだ!?」
「楽しそうですねコーラルさん」
入り口前の石畳に座り込みながら、マヤが言った。
「よかった……小さい女の子になったって聞いたときは驚いたけど、ちゃんといつもの先生だ」
なぜシオンはそこでホッとするんだ。
運動能力は落ちていたが、さすがに幼児よりは上だった。
なので手加減して追いかけっこをしていた。
そうしないとほかの子どもたちは詰まらんだろうからな。
シオンも同様だったが、俺が鬼のときのみ全力で逃げていた。
ちなみに、俺の魔王っぷりは小さい子たちにかなり好評だった。
ほかの子たちも真似をし始め、やがて鬼になった者は魔王みたいな言動になる魔王ごっこなる追いかけっこのバリエーションが開発された。
「サラ、ミリー、シオンを取り囲みなさい!」
青髪の子が鬼になったときは、なぜか取り巻きの子を使いシオンを捕まえようとやっきになっていたが、どうしても捕まらなかった。
「カミラちゃんのずるい攻撃だ!」
「さすがずるい!」
「でもシオンちゃん捕まらない!」
ずるい子にはシオンは本気を出すらしい。
身軽さと素早さを生かして逃げ切っていた。
そして青髪の子――カミラは結局シオンに勝てず悔しがっていた。
「休憩休憩。さすがにしんどい」
同じく超手加減して遊んでいるラミナを残し、俺は遊びの集団から抜け出た。
あいつらよくひたすら遊んでいられるな。
「見ていて楽しかったですよ」
にこにこしながら、マヤが迎えてくれる。
俺はマヤの隣に座り込んだ。
神父は教会の中に入っていったようだ。
「いや、程よく楽しんだ。童心に帰ったようだったぞ」
「わりといつものコーラルさんでしたよ」
ははは、それはないだろう。
「しかしすごいパワーだな、子どもというのは」
こういうのも、たまには悪くない。
純粋に楽しんで運動できたような気がする。
「しかしこの状態で敵とか来たらやばいかもな……」
なにせ魔法が使えない。
急にバアル一味並みの敵が来たら、今の俺ではきついかもしれないな。
そんなとき、
「探したぞ――貴様!」
怒鳴りながら教会に足を踏み入れる一つの影があった。
「――!」
俺は素早く立ち上がって身構える。
言ってるそばから、どうやら敵が来てしまったようだ。
話していると、教会から勝手に神父が出てきた。
マヤはすかさず頭を下げる。
「いえいえ!こちらこそ、シオンくんからご紹介にあずかりまして、ありがとうございます!」
「とてもおいしいパンを売っていると聞きまして、ぜひにと思いまして」
「そんな、恐れ多い……」
「町で評価されているパンのようですし、子どもたちに食べてもらうのが楽しみですよ」
「いえ、評価は、えっと、あまり期待しない方が……」
いきなりマヤはしどろもどろになる。
町で評価されているという言葉を聞いて、気負いしている様子だ。
俺は超評価してるぞ。
「期待していますよ」
神父は笑って言うと、俺たちに向き直り、
「きみたちもよく来てくれましたね。町の子にとっては退屈かもしれないが、ゆっくりしていってください」
優しげな瞳で俺とラミナに言った。
どうやら俺たちを城下町から来た子どもだと思っているらしい。
少し香のにおいが漂ってくる。
教会で焚いているのだろうか。
心なしか清らかなオーラが出ていてまぶしい。
これが聖人とかいうやつか。初めて見たぞ。
「神父よ」
俺は遠慮なく言った。
「勉強とかやっとると聞いたが、何を教えているのだ?」
「普段は、文字の読み書きや簡単な計算などですね」
「ほう、なるほど。基本的だが大事なところだな」
「領内の子なら誰でも学ぶことができますよ。そこには貴族の子も百姓の子も関係ありません」
「遊んでいるのは皆孤児か?」
「いえ、近所から遊びに来ている子のほうが多いですよ。なにせおやつが出ますので」
「おやつだと!?」
おやつを餌にして子ども相手に布教しているのか。やりおるな。えらい。
「もうすぐなので、食べて行かれます?」
「無論だ」
即答だった。
こういうとき大人なら遠慮しがちだが、今は子ども。遠慮などせんのである。
おやつは、女の修道士が表まで持ってきてくれた。
「おおっ、待っていたぞ!」
俺とラミナは否応なくテンションが上がる。
出てきたのは、クッキーみたいな生地に赤いジャムみたいなのが入っている焼き菓子だ。
「木苺のトルテです」
と神父が言った。
よくわからんがうまそうだ。
大皿に乗ったそれを切り分けていると、同じくらいテンションの上がった子どもたちが集まってくる。
「私もいただいちゃっていいんでしょうか」
マヤが苦笑して言うと、
「もちろんです」
神父はうなずいた。
「では、私たちを見守ってくれている精霊たちに感謝をささげましょう。いただきます」
復唱する子どもたち。
外の風景を見ながらのおやつとは。最高ではないか。
「しかし『精霊たちに感謝』ってノームどものことか?」
俺は気になって神父に訊いた。
「ええ。それに火の精霊サラマンダー、水の精霊ウンディーネ、風の精霊シルフですね」
「ほう?」
どれも魔族だな。聞いたことあるぞ。
そいつらもこっちに来てるのか。
ほう、なるほど。
時間あるときに探してみてもいいかもな。
「しかしなぜメシ食う時に感謝を捧げねばならん。たまにお供えとかやってるのだろう?施しをやっているなら、むしろ感謝される側ではないのか」
「それが精霊教会の教義ですからね。我々が今こうして生きていけているのは、精霊たちが守ってくれているおかげなのです」
「そうなのか」
魔族としては腑に落ちんところがあるが……
そういう教えなら仕方ないな。
「昔に起きた魔物との戦いのときに、人間たちを守ってくれたのがこの四大精霊といわれている精霊たちです。それ以来、私たちは彼らに感謝の祈りをささげるようになったのですよ」
「バクルモアティ伯が英雄の一人として活躍したというやつだな?」
境界戦争のときだ。人間界侵攻のときに人間たちに味方をしたのがその四種の魔族というわけか。
そしてそのまま魔界に帰らず人間界に住み着いてしまったと。
「なるほどなぁ」
担ぎ上げられて帰りたくなくなったのだろうか。
まあ、気持ちはわからんでもないな。
俺は相槌を打ちながら切り分けられた木苺のトルテを手でつまむ。
「おおっ!うまいな!」
柔らかいクッキーのような口当たりで、ほんのりとあまい風味が溶けるように広がっていく。
砕いたクルミも入っていて食感が豊かだ。
ラミナもうなずく。
「やさしみ」
「それな」
無性に茶が飲みたくなるな。
これも歳だろうか。
「本当、おいしいですね。……香り付けはクローヴとシナモンですか?」
マヤが言うと、神父はうなずいた。
「ええ、気に入っていただけてうれしいです」
「今度私も作ってみます」
笑うマヤの横で舌鼓を打っていると、
「あんたたち見ない顔ね」
青っぽい長い髪を揺らして、勝気そうな少女が近づいてきた。
七、八歳ほどだろうか。
シオンより若干年下といった風の女児だった。
少女の周りには取り巻きのように同じような歳の女の子が付き従っている。
「ん?……おお、この村の人間ではないからな」
俺が答えると、青髪の女の子は馬鹿にするように笑った。
「変なしゃべり方!」
「変!」
取り巻きの女の子たちもそれを復唱する。
「そうか?」
「変な髪、変な目!」
そういえば珍しいんだったな、金色の瞳。
おやつをむしゃむしゃと頬張りながらラミナがにらみを利かせようとするが、俺が手でそれを止める。
「いいだろう?誰も持っていない髪と瞳だぞ」
俺がしたり顔で言うと、青髪の子は眉を吊り上げた。
「なんですって!?」
「しかしお前には及ばないな。その髪も瞳も、正直きれいで羨ましいぞ」
「……ふん、話せるじゃない」
ちょろい。
「まあいいわ。あんたたちもあたしたちの仲間に入りなさい。命令よ」
「仲間?」
青髪の子は胸を張ってうなずいた。
「追いかけっこよ!今日こそシオンに勝ってやるんだから!」
「ほう、それは楽しそうだな。よかろう」
「……先生もやるんですか?」
シオンが苦笑しながら言う。
「安心しろ。ただの遊びだ。お前は全力でかかったほうがよいかもしれんがな」
「……『先生』?」
神父がシオンの発言を拾って首を傾げた。
シオンの周りに、おやつを食べ終えた子どもたちが集まってくる。
青髪の子が追いかけっこをする旨を伝えると、子どもたちのテンションが爆上がりした。
どうやらこの青髪と取り巻きたちが子どもたちのリーダー格らしいな。
「じゃあ、新入りの俺が鬼な」
俺が言うと、子どもたちが逃げ始め、追いかけっこは始まる。
十秒待つ。
その間、俺は逃げる子どもたちをしり目に、魔王然として高笑いを上げた。
「フハハハハッ!逃げまどえ人間ども!全員捕まえて八つ裂きにしてくれるわ!さあ、最初に犠牲になりたい奴は、どこのどいつだ!?」
「楽しそうですねコーラルさん」
入り口前の石畳に座り込みながら、マヤが言った。
「よかった……小さい女の子になったって聞いたときは驚いたけど、ちゃんといつもの先生だ」
なぜシオンはそこでホッとするんだ。
運動能力は落ちていたが、さすがに幼児よりは上だった。
なので手加減して追いかけっこをしていた。
そうしないとほかの子どもたちは詰まらんだろうからな。
シオンも同様だったが、俺が鬼のときのみ全力で逃げていた。
ちなみに、俺の魔王っぷりは小さい子たちにかなり好評だった。
ほかの子たちも真似をし始め、やがて鬼になった者は魔王みたいな言動になる魔王ごっこなる追いかけっこのバリエーションが開発された。
「サラ、ミリー、シオンを取り囲みなさい!」
青髪の子が鬼になったときは、なぜか取り巻きの子を使いシオンを捕まえようとやっきになっていたが、どうしても捕まらなかった。
「カミラちゃんのずるい攻撃だ!」
「さすがずるい!」
「でもシオンちゃん捕まらない!」
ずるい子にはシオンは本気を出すらしい。
身軽さと素早さを生かして逃げ切っていた。
そして青髪の子――カミラは結局シオンに勝てず悔しがっていた。
「休憩休憩。さすがにしんどい」
同じく超手加減して遊んでいるラミナを残し、俺は遊びの集団から抜け出た。
あいつらよくひたすら遊んでいられるな。
「見ていて楽しかったですよ」
にこにこしながら、マヤが迎えてくれる。
俺はマヤの隣に座り込んだ。
神父は教会の中に入っていったようだ。
「いや、程よく楽しんだ。童心に帰ったようだったぞ」
「わりといつものコーラルさんでしたよ」
ははは、それはないだろう。
「しかしすごいパワーだな、子どもというのは」
こういうのも、たまには悪くない。
純粋に楽しんで運動できたような気がする。
「しかしこの状態で敵とか来たらやばいかもな……」
なにせ魔法が使えない。
急にバアル一味並みの敵が来たら、今の俺ではきついかもしれないな。
そんなとき、
「探したぞ――貴様!」
怒鳴りながら教会に足を踏み入れる一つの影があった。
「――!」
俺は素早く立ち上がって身構える。
言ってるそばから、どうやら敵が来てしまったようだ。
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