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第76話未来へ~ユリウス元国王(現男爵)side~
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シーラ帝国で、東方の国々との国交樹立の式典が執り行われた。
その様子を会場の端で眺めてた僕は、一応、国賓という形で出席してた。東方の国々との条約締結に一役買った人物そして、東方の国王が直々に呼んだ人間。僕はそう紹介されていた。だからだろうか、会場にいる人々の僕を見る目は違っている気がする。数年前、国王として訪れた時とは明らかに違う。
帝国は二年前に新しい皇帝が即位した。
元婚約者は帝国の皇后となった。子供にも恵まれ、国内外から『賢妃』として名高い。今も皇帝の隣にいる。噂では、皇帝は皇后を片時も離すことなく、常に側へと置いといていると言う話だ。
「僕とは大違いだな……」
嘗ての婚約者は幸せそうに微笑んでいた。作り物のような笑顔ではなく、花が綻ぶような微笑みが、今は眩しい。あの笑顔を引き出す事が出来なかった。彼女の貴族らしさを疎ましく思っていた。傲慢な態度、人を見下し蔑むかのような言動。その何もかもが不快だった。それだけではない。国のために奔走してくれていた。それを知ろうとしなかった。いや見ようとしなかったのだ。彼女の苦労を労ることもせずにいたのだ。
「まぁ……今更だな……」
僕たちの道はこれから先も交わることは無い。それに、あの皇帝ならきっと彼女を幸せにしてくれるだろう。
この式典が終われば国に戻る事になっている。五年ぶりの故郷だ。懐かしい。その前に、皇后に一言謝罪がしたかった。まぁ、今の僕では会う事も困難だろう。だから手紙を書いた。彼女に届かないかもしれない。それでも書かずにはいられなかった。
謝罪と感謝の言葉を――
その様子を会場の端で眺めてた僕は、一応、国賓という形で出席してた。東方の国々との条約締結に一役買った人物そして、東方の国王が直々に呼んだ人間。僕はそう紹介されていた。だからだろうか、会場にいる人々の僕を見る目は違っている気がする。数年前、国王として訪れた時とは明らかに違う。
帝国は二年前に新しい皇帝が即位した。
元婚約者は帝国の皇后となった。子供にも恵まれ、国内外から『賢妃』として名高い。今も皇帝の隣にいる。噂では、皇帝は皇后を片時も離すことなく、常に側へと置いといていると言う話だ。
「僕とは大違いだな……」
嘗ての婚約者は幸せそうに微笑んでいた。作り物のような笑顔ではなく、花が綻ぶような微笑みが、今は眩しい。あの笑顔を引き出す事が出来なかった。彼女の貴族らしさを疎ましく思っていた。傲慢な態度、人を見下し蔑むかのような言動。その何もかもが不快だった。それだけではない。国のために奔走してくれていた。それを知ろうとしなかった。いや見ようとしなかったのだ。彼女の苦労を労ることもせずにいたのだ。
「まぁ……今更だな……」
僕たちの道はこれから先も交わることは無い。それに、あの皇帝ならきっと彼女を幸せにしてくれるだろう。
この式典が終われば国に戻る事になっている。五年ぶりの故郷だ。懐かしい。その前に、皇后に一言謝罪がしたかった。まぁ、今の僕では会う事も困難だろう。だから手紙を書いた。彼女に届かないかもしれない。それでも書かずにはいられなかった。
謝罪と感謝の言葉を――
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