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~第四章~
70.サバスside ~魔術師育成学校2~
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「ねぇ!ねぇったら!」
あの日助けて以降、デイジー・オレフが俺の後を追いかけてくるようになった。
「何か用か?」
「私と一緒にカフェでお茶しよ!」
「悪いがこの後、授業がある」
「待ってる!」
「いいよ」
「遠慮しないで!」
「いや、遠慮してないんだが……」
デイジー・オレフはかなり強引だ。俺の話を全く聞いていない。
だがここで俺が根負けしたら最後、これから先もずっと付きまとわれるだろう事は目に見えている。
それに……。
ちらりと教室のドアに目を向ける。そこには同級生と思しき少年が数名、こちらをうかがっている。
彼らはデイジー・オレフに気があるのだろう。
デイジー・オレフは美少女だ。鮮やかな赤毛に琥珀色の瞳。小柄で可愛らしい少女だ。彼女が俺に付きまとっているんだ。さぞ面白くない事だろう。
現に今だって俺を射殺さんばかりに睨んでいる奴もいる。
「兎に角、俺は忙しいだ。暇なら彼らに相手にして貰うんだな」
俺はデイジー・オレフから逃げるようにその場を立ち去った。
全く……変なのに懐かれたものだ。
「遅かったね。何かあった?」
次の授業の教室に辿り着くと、友人のエヴァンが心配そうに声をかけてきた。俺は首を横に振ると、エヴァンの隣に座った。
「デイジー・オレフに付きまとわれてる」
「あぁ、あのお姫様」
エヴァンは納得顔で頷いた。
「このところずっとだね。よっぽど気に入ったのかな?ま、サバスは美形だからね」
「勘弁してくれ……」
俺はため息をついた。全く……、迷惑だ。
「ははっ。お疲れ様。でも悪い子じゃないよ?」
「それは分かるが……」
どうも苦手だ。
距離感が近過ぎるというか、遠慮がないというか。
「グイグイ来る女の子は苦手?サバス」
「まぁ……な。そんなところだ。もう少し慎みのある子がいい」
「大人しい子が好きなんだ」
「いや……そういうわけでは……」
逆に大人し過ぎるのも苦手だ。
昔、大人しめの令嬢と会話して話しが全く続かなかったという苦い経験があるからな。
「そうなると貴族の令嬢?大人し過ぎず、慎みを持つ淑女がタイプ?え!?意外!サバスはそういうの苦手そうだと思ってた!」
「勝手に決めるな!」
「まあ、サバスって結構古風なタイプを好みそうだもんね。そういうタイプって反発するけど、実はタイプってオチ?」
「そんな訳あるか!」
エヴァンは俺の反応が可笑しかったのか、くつくつと笑う。
今日は厄日だ。
デイジー・オレフに付きまとわれるわ、エヴァンにはからかわれるわ。全く……。
あの日助けて以降、デイジー・オレフが俺の後を追いかけてくるようになった。
「何か用か?」
「私と一緒にカフェでお茶しよ!」
「悪いがこの後、授業がある」
「待ってる!」
「いいよ」
「遠慮しないで!」
「いや、遠慮してないんだが……」
デイジー・オレフはかなり強引だ。俺の話を全く聞いていない。
だがここで俺が根負けしたら最後、これから先もずっと付きまとわれるだろう事は目に見えている。
それに……。
ちらりと教室のドアに目を向ける。そこには同級生と思しき少年が数名、こちらをうかがっている。
彼らはデイジー・オレフに気があるのだろう。
デイジー・オレフは美少女だ。鮮やかな赤毛に琥珀色の瞳。小柄で可愛らしい少女だ。彼女が俺に付きまとっているんだ。さぞ面白くない事だろう。
現に今だって俺を射殺さんばかりに睨んでいる奴もいる。
「兎に角、俺は忙しいだ。暇なら彼らに相手にして貰うんだな」
俺はデイジー・オレフから逃げるようにその場を立ち去った。
全く……変なのに懐かれたものだ。
「遅かったね。何かあった?」
次の授業の教室に辿り着くと、友人のエヴァンが心配そうに声をかけてきた。俺は首を横に振ると、エヴァンの隣に座った。
「デイジー・オレフに付きまとわれてる」
「あぁ、あのお姫様」
エヴァンは納得顔で頷いた。
「このところずっとだね。よっぽど気に入ったのかな?ま、サバスは美形だからね」
「勘弁してくれ……」
俺はため息をついた。全く……、迷惑だ。
「ははっ。お疲れ様。でも悪い子じゃないよ?」
「それは分かるが……」
どうも苦手だ。
距離感が近過ぎるというか、遠慮がないというか。
「グイグイ来る女の子は苦手?サバス」
「まぁ……な。そんなところだ。もう少し慎みのある子がいい」
「大人しい子が好きなんだ」
「いや……そういうわけでは……」
逆に大人し過ぎるのも苦手だ。
昔、大人しめの令嬢と会話して話しが全く続かなかったという苦い経験があるからな。
「そうなると貴族の令嬢?大人し過ぎず、慎みを持つ淑女がタイプ?え!?意外!サバスはそういうの苦手そうだと思ってた!」
「勝手に決めるな!」
「まあ、サバスって結構古風なタイプを好みそうだもんね。そういうタイプって反発するけど、実はタイプってオチ?」
「そんな訳あるか!」
エヴァンは俺の反応が可笑しかったのか、くつくつと笑う。
今日は厄日だ。
デイジー・オレフに付きまとわれるわ、エヴァンにはからかわれるわ。全く……。
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