13 / 17
第13話公式愛妾4
しおりを挟む「王妃が国王陛下を刺殺未遂した」
「刺殺!? 何故、そんなことになったのですか?」
情報通の伯父様の事です。
詳しい内容を知っているはず。
「……噂を鵜呑みにしたせいだな」
「どういうことです?」
「今、社交界を騒がせている噂を知っているな」
「私と陛下の事ですか?」
「陛下が我が子可愛さに王妃を離縁してフアナを正式に娶る算段をしているという内容の、な」
「いつの間に離縁の話まで追加されたのですか……」
「噂など、尾ひれがつくものだ」
確かに。
伯父様の言う通りです。
「元々、ここ数年情緒不安定であったようだ。結婚当初から城の者達から厳しい目で見られていた上に、陛下は生来移り気な方だ。結婚一年目には数人の愛人がいた位にな。愛人の存在に気付いてヒステリックになった事で陛下からの愛情に陰りを見せ始めたのが運のツキだった。陛下は王妃を嫌ってはいないが、昔のように愛がある訳ではない。まあ、愛着はあったようだし、これといって離縁の理由も無かったから今まで結婚生活が続いていたんだろう。王妃も子供がいない事に負い目を感じてもいたようだしな」
「私が陛下の子供を産んでしまったせいですね」
「精神のバランスを崩したらしいが、フアナのせいではない。後見人の侯爵家が王妃との養子縁組を解消したのが決め手だ」
王妃の後ろ盾でいても、もう旨味が無いと判断したのでしょう。それとも別の思惑があったのかもしれません。
「侯爵家の養女になっても、男爵家の庶子の身分は王城では侮蔑の対象だったでしょうに……」
きっと、王妃様の最大の後ろ盾は陛下だったはずです。
陛下の愛情だけを頼りにしていたのでしょう。
伯父様が仰るように陛下は移り気です。熱しやすく冷めやすい。愛妻家とは程遠い方です。恋人にするなら最高の相手ですが、結婚相手となると最悪でしょう。私も陛下の『愛妾』だからこそ今まで付き合ってこれたと思います。結婚して一緒に暮らすとなると……難しいですね。
「王妃様はどうなるのですか?」
「いずれ、毒杯を賜る事になるだろう」
ああ、やはり。
となると、今は処分を待つ身ということですか。
「生家の男爵家も連座だ。子供ができない事を長年責め立てていたらしい」
実の親兄弟から言われるのは堪えますね。
何とも嫌な事件です。
私の息子が玉座に就くはずありませんのに。
いいえ、そもそも就けるはずがないのです。
子供達に王家の血は流れていないのですから――
559
あなたにおすすめの小説
【完結】陛下、花園のために私と離縁なさるのですね?
紺
ファンタジー
ルスダン王国の王、ギルバートは今日も執務を妻である王妃に押し付け後宮へと足繁く通う。ご自慢の後宮には3人の側室がいてギルバートは美しくて愛らしい彼女たちにのめり込んでいった。
世継ぎとなる子供たちも生まれ、あとは彼女たちと後宮でのんびり過ごそう。だがある日うるさい妻は後宮を取り壊すと言い出した。ならばいっそ、お前がいなくなれば……。
ざまぁ必須、微ファンタジーです。
私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
政略結婚の意味、理解してますか。
章槻雅希
ファンタジー
エスタファドル伯爵家の令嬢マグノリアは王命でオルガサン侯爵家嫡男ペルデルと結婚する。ダメな貴族の見本のようなオルガサン侯爵家立て直しが表向きの理由である。しかし、命を下した国王の狙いはオルガサン家の取り潰しだった。
マグノリアは仄かな恋心を封印し、政略結婚をする。裏のある結婚生活に楽しみを見出しながら。
全21話完結・予約投稿済み。
『小説家になろう』(以下、敬称略)・『アルファポリス』・『pixiv』・自サイトに重複投稿。
【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
貴方に側室を決める権利はございません
章槻雅希
ファンタジー
婚約者がいきなり『側室を迎える』と言い出しました。まだ、結婚もしていないのに。そしてよくよく聞いてみると、婚約者は根本的な勘違いをしているようです。あなたに側室を決める権利はありませんし、迎える権利もございません。
思い付きによるショートショート。
国の背景やらの設定はふんわり。なんちゃって近世ヨーロッパ風な異世界。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる