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第14話公式愛妾5
しおりを挟む一ヶ月後、国王陛下が崩御なさいました。
表向きは病死です。
事実は王妃様が殺したようなものです。
まさか、使用した刃物に毒が仕込まれていたなんて誰も想像がつかなかったようです。それも即効性ではなく遅効性のものでした。王妃様の刑が執行された後で分かったことです。
「毒の入手先は分からず終いですか?」
「ああ、実行犯とその関係者がいないのだ。これ以上は調べようがない」
「ですが、男爵家の者があの手の毒を入手できるとは思えません」
陛下に使用された毒は希少価値の高いものでした。
「確かに。フアナ……」
「御安心ください、伯父様。これ以上の詮索は致しません」
「そうしてくれ……」
本当は黒幕を突き止めて陛下の仇討ちをしたいところですが、こればかりは致し方ありません。私はアウストラリス侯爵家と三人の子供達を守らなければならないのですから。
陛下は気まぐれな性格でした。
多くの者が振り回されていました。
そして、優秀な統治者でもあったのです。
惜しむべきは、我が国の「王家の血」を引いていない事でしょうか。
母君である王太后様は大国の姫君でした。御年十三歳で我が国に輿入れなさったのです。前国王陛下とは同じ歳で夫婦の仲は良かったらしいのですが、前国王陛下は先天的性不能を患っていたのです。治療は長期に渡りました。要するに、御長男である陛下は王太后様と愛人の子供なのです。大きな声では言えませんけれど王家に近い者達は殆ど知っていました。所詮は、公然の秘密といったところです。あぁ、次男である王弟殿下は「王家の血」を引いていますから次代は大丈夫でしょう。
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