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何かがおかしい……
けれど、そう思っているのは自分だけのようだ。
雨の日の出会いをきっかけに、拓海と数回デートを重ねた。初めてのデートの時から、一緒にいて波長が合うと感じたし、心地よさも感じていた。
時間を忘れるほどたくさん話をしたが、あの日のことには触れずにいた。触れると、何かが崩れてしまうような気がしたからだ。
付き合おうと言ったのは拓海だったが、そんな予感はあったし、萌香もそれを望んでいた。
直感を信じてみようと思えた。
気付けば「萌香ちゃん」から、「萌香」と呼ばれるようになっていた。
「もうすぐ一年だな」
「そうだね」
あの日、萌香の心を震わせ、激しく打ちつけていた胸の鼓動が、今は安心感に変わり、拓海の腕の中で穏やかに刻まれている。萌香は幸福感に満たされていた。
気がかりなのは、あの日拓海が言った『また会えたね』のひとことだった。萌香はどうしても思い出せずにいた。
本当は、いつどこで会った誰かも分からないまま付き合っていた、なんていうことを拓海が知ったら、どんな気持ちになるだろうか。流石に穏やかな拓海でも、ふざけるな、と怒るだろうか。最低だ、と冷たい目を向け、信じられない、とショックを受けるのだろうか。けれど、このまま隠し通せる自信もなかった。
萌香は意を決して、交際一年の記念日に拓海に尋ねてみることにした。それが、吉と出るか凶と出るか……
けれど、そう思っているのは自分だけのようだ。
雨の日の出会いをきっかけに、拓海と数回デートを重ねた。初めてのデートの時から、一緒にいて波長が合うと感じたし、心地よさも感じていた。
時間を忘れるほどたくさん話をしたが、あの日のことには触れずにいた。触れると、何かが崩れてしまうような気がしたからだ。
付き合おうと言ったのは拓海だったが、そんな予感はあったし、萌香もそれを望んでいた。
直感を信じてみようと思えた。
気付けば「萌香ちゃん」から、「萌香」と呼ばれるようになっていた。
「もうすぐ一年だな」
「そうだね」
あの日、萌香の心を震わせ、激しく打ちつけていた胸の鼓動が、今は安心感に変わり、拓海の腕の中で穏やかに刻まれている。萌香は幸福感に満たされていた。
気がかりなのは、あの日拓海が言った『また会えたね』のひとことだった。萌香はどうしても思い出せずにいた。
本当は、いつどこで会った誰かも分からないまま付き合っていた、なんていうことを拓海が知ったら、どんな気持ちになるだろうか。流石に穏やかな拓海でも、ふざけるな、と怒るだろうか。最低だ、と冷たい目を向け、信じられない、とショックを受けるのだろうか。けれど、このまま隠し通せる自信もなかった。
萌香は意を決して、交際一年の記念日に拓海に尋ねてみることにした。それが、吉と出るか凶と出るか……
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