15 / 16
緋色の宿命
2ー7 強盗と殺人
しおりを挟む
事の発端は一昨日の晩。
この警察署から一キロほど離れた通りにある『ジュエリー・ロンリーヒル』という宝石店に強盗が入った。
手口は至って単純。
人通りの少ない路地裏にある裏口のドアをこじ開け店内に侵入し、ショーケースを壊して宝石を盗み出すというものだった。
だが犯人にとって思わぬ事態が起きた。
誰もいないはずの時間に偶々残業をしていたこの宝石店の店主『グラハム・ロンリーヒル』がいたのだ。
グラハムと鉢合わせた犯人は店内に置かれていたオブジェで彼を撲殺。宝石を持って逃げだした。
これが午前二時頃。
何故正確な時間がわかるのかというと、宝石店から逃げだすように出てきた人影を目撃した人がいたからだ。
目撃者は近所に住む銀行員。
奥さんと喧嘩して家を追い出されてしまったため、彼女の怒りが冷めるまで辺りをぶらぶらしていたらしい。
彼は酔ってもおらず月明かりもあったため宝石店から出てくる男の顔もはっきり見ていた。
その目撃証言から容疑者として浮かび上がったのはグラハムと面識はないが過去に盗み、暴行の前科があった三日月型の傷の男。
バリー・ネルソン。
その後警察はバーで酔いつぶれていたバリーを捕まえ自宅を捜索。
結果、床下から盗まれた宝石が見つかった。
こうしてバリーは逮捕され、レスレード警部らが勤める警察署の取調室で聴取を受けることとなったのだ。
*
「こういう事件ってどこの世界にもあるんだな……」
俺は目の前の机の上に広げられた捜査資料を眺めながらため息を漏らした。
先程、俺は隣で取り調べを受けていた三日月型の傷の男、バリーは犯人ではないと言った。
いや犯人ではないと断言するのは少々語弊があるのだが嘘を見抜く魔法からバリーが嘘をついていない部分もあるとわかった以上言わずにはいられなかった。
だけど正直信じてもらえないと思った。
だって俺は怪しげな魔女に連れられてきた男。
嘘を見抜けると証明したとはいえ、俺自身が嘘をつかないかどうかまでは証明できていない。
しかしどういうわけかレスレード警部は俺の意見に異論を唱えることなく、ただ容疑者が隣にいるのにこれ以上話をするのはまずいから場所を変えようと言いだした。
そして案内されたのは取調室より二階ほど上の階にある十畳ほどの広さの執務室。
シンプルながらも美しい彫刻が施されたアンティーク調の本棚や机。
黒みがかった赤色の壁には木枠の振り子時計が掛けられている。
どうやら机の上に置かれた『アルヴィン・レスレード』と書かれたプレートを見るにレスレード警部の専用の部屋らしい。
さっきまで容疑者として牢屋にぶち込まれていた俺を自分の仕事部屋に招き入れたことに驚きだったが、それ以上に驚きだったのがその部屋の本棚から今回の事件の詳細が書かれた資料を取り出し見せてきたことだ。
急な態度の変化に困惑したが目の前には異世界のだが警察の事件資料。
好奇心の方が勝った俺は好意に甘えて見せてもらうことにした。
書かれていた事件の内容は俺の世界にもよくある単純な強盗殺人事件。
目撃証言も証拠もある。
俺が犯人じゃないって言った言葉を否定しなかった理由がますますわからなくなった。
首を捻る俺にレスレード警部は険しい表情で訊ねた。
「それで、どうしてお前はあいつが犯人じゃないと思った? 嘘をついていなかったからか?」
「え? あー。ほら、さっきあいつが言った言葉で『俺は強盗も殺人もやっちゃいねぇ』って言ってただろ? そこに嘘ついてない部分があったんだ」
「あいつは無実だと言いたいのか?」
「いや、無実ではないと思う。『強盗をしてない』っていうのは嘘だったし」
「強盗は嘘……ということは」
レスレード警部は俺が言いたいことを理解したようで息を呑んだ。
「やはりあいつは強盗はしたが殺人は犯してないのか?」
「……多分」
やはりと言ったレスレード警部の言葉に違和感を覚えるが俺は肯定する。
レスレード警部の表情はますます硬く強ばりメアリーさんは口元を手で覆った。
なんだ?
俺そんなに変なこと言ったか?
キョトンとする俺を見てレスレード警部は机に置いてあるファイルから紙を取り出した。
その紙を見た俺は顔を引きつらせる。
紙に描かれていたのは整理整頓された書斎のような部屋の中で男が顔を下にして倒れている姿。
高級そうなスーツをきっちりと着こなした中年男性。
彼の寂しい後頭部から赤い液体がべっとりと流れだし顔には一切の表情がない。
初めて見たがすぐにわかった。
これはまさしく死体の写真……いや。
「絵か?」
「そうだ。うちの鑑識には『写生師』っていう現場を見たままに描ける魔法を使える奴がいるんだ。そいつが遺体の状態を描いた」
「魔法で!? 凄えな、まるで写真みたいだ!」
興奮する俺に訝しげな視線を向けるレスレード警部。
「『写真』? なんだそれは」
「何言ってんだ。写真は写真だよ。カメラ使って撮った物がそっくりそのまま画像に出る、あれ!」
説明するがレスレード警部は首を捻るばかり。
「……わかるか? メアリー」
「うーん……わかんない」
メアリーさんも怪訝そうな表情で首を横に振る。
ロンドンに似た街並みだし、てっきりある物とばかり思っていたがこの二人の反応を見るにどうやらこの世界に『写真』という概念がないらしい。
どうもこの世界の基準がわからない。
『魔法』や『警察』はあるのに『カメラ』はない。
まぁ、魔法でこれだけ正確に描ける人がいるならカメラなんて作ろうとは考えないのかもしれないが。
しかし凄いな。この絵。
まるで今にも動き出しそう……いや、本物だとしても死んでるから動き出しはしないか……あれ?
「これなんかおかしくねーか? ほら、被害者が倒れている位置」
俺は絵に描かれた男とドアを交互に指差した。
「この部屋はドアしか出入りできる場所がないから犯人はドアから入ってくるはず。なのになんで被害者はドアの方に頭を向けて死んでいるんだ?」
イレーネは俺の指差した先を見て首を傾げた。
「これのどこが変なのよ?」
「だってこの捜査資料を見る限り被害者が襲われたのは強盗と偶々鉢合わせたからだろ。ということは被害者が書斎にいた時に強盗が入ってきた。普通強盗が入ってきたらまず逃げる。強盗がいるのはドアの前だから被害者が逃げるのはドアから遠い部屋の奥のはず。なのにドアの前に倒れているのは変だろ」
「なんでよ? 強盗が襲いかかってきたけど初めは避けれたからそのまま逃げようとドアへ向かった。でも追いつかれて『ボコり』。ドアの前で殴られた。変でも何でもないわ」
「だったらもっと部屋や服が乱れているはずじゃないか? それがないってことは不意を突かれて殴られたってこと。遺体を動かした様子がないからもしかしたら被害者は……」
「ドアに向かおうとした時、顔見知りに背後から殴られた」
レスレード警部の言葉にイレーネは眉をひそめた。
「なんで顔見知りって思うのかしら?」
「被害者が倒れていた位置から考えるに被害者は強盗よりドアに近い場所にいたことになる。出入口はドアしかないのだから強盗に不意を突かれたとなるとその立ち位置は不自然。しかし犯人が被害者と顔見知りとなればわからなくもない」
「……なんでよ」
「顔見知りであれば部屋に入ることもドアへ向かう被害者の背後を取ることも簡単だからだ。だがバリー・ネルソンは被害者と知り合いではない。だからその遺体の位置が不自然なんだ。しかしバリー・ネルソンが事件現場から去る所を見たという証言もある。話を聞く限り目撃者が嘘をついているとは考えにくい」
「あ、だから『やはり』って言ったのか。あの男が殺人犯だと思えなかったけど宝石とか強盗に入った証拠は出てきていたから確信を持てなかった。けど……」
俺の『嘘を見抜く魔法』が本当であれば推測が正しいかどうかわかった。
「もしかして事件の詳細を言わなかったのは先入観を持たせたくなかったからか?」
「そうだ。しかし絵を見ただけでこの不自然さに気づくとは……お前結構やるな」
「そう? いやー」
伊達に休日に推理小説を読み込んでないからな。
本物の刑事に褒められ照れる俺を横目にイレーネはにやつき顔でレスレード警部に近づいた。
「ほら、凄いでしょ?」
「気づかなかったくせになんでお前が自慢げなんだ」
「だって魔法を彼に授けたのは私だし、私が無理を言わなかったらあなた彼を使おうなんてこれっぽっちも思わなかったでしょ?」
イレーネはレスレード警部の頬を人差し指でぐりぐりと押す。
「調子に乗るな……!」
レスレード警部はイレーネの手を叩き落とそうとする。
だがイレーネが素早く手を引っ込めたためレスレード警部の手は空を切った。
「遅い、遅い」
「………………くそっ!」
レスレード警部は舌打ちをする。
もっと仲良くしようぜお前ら……
いがみ合う二人を見ながら俺は苦笑する。
するとメアリーさんがレスレード警部とイレーネの間に割って入った。
「落ち着いてよ、二人とも。互いの推理があってよかったじゃない」
「だが……」
「アルヴァン。魔女の態度が気に入らないのはわからなくもないけど、あなたの推測が合っているとなると別の問題が出てくるわ。そっちを考えるほうが先なんじゃない?」
「別の問題?」
「ええ。実は……」
メアリーさんに視線を向けられたレスレード警部はため息を漏らした。
「強盗が侵入するまでこの店は完全な密室だったんだよ」
この警察署から一キロほど離れた通りにある『ジュエリー・ロンリーヒル』という宝石店に強盗が入った。
手口は至って単純。
人通りの少ない路地裏にある裏口のドアをこじ開け店内に侵入し、ショーケースを壊して宝石を盗み出すというものだった。
だが犯人にとって思わぬ事態が起きた。
誰もいないはずの時間に偶々残業をしていたこの宝石店の店主『グラハム・ロンリーヒル』がいたのだ。
グラハムと鉢合わせた犯人は店内に置かれていたオブジェで彼を撲殺。宝石を持って逃げだした。
これが午前二時頃。
何故正確な時間がわかるのかというと、宝石店から逃げだすように出てきた人影を目撃した人がいたからだ。
目撃者は近所に住む銀行員。
奥さんと喧嘩して家を追い出されてしまったため、彼女の怒りが冷めるまで辺りをぶらぶらしていたらしい。
彼は酔ってもおらず月明かりもあったため宝石店から出てくる男の顔もはっきり見ていた。
その目撃証言から容疑者として浮かび上がったのはグラハムと面識はないが過去に盗み、暴行の前科があった三日月型の傷の男。
バリー・ネルソン。
その後警察はバーで酔いつぶれていたバリーを捕まえ自宅を捜索。
結果、床下から盗まれた宝石が見つかった。
こうしてバリーは逮捕され、レスレード警部らが勤める警察署の取調室で聴取を受けることとなったのだ。
*
「こういう事件ってどこの世界にもあるんだな……」
俺は目の前の机の上に広げられた捜査資料を眺めながらため息を漏らした。
先程、俺は隣で取り調べを受けていた三日月型の傷の男、バリーは犯人ではないと言った。
いや犯人ではないと断言するのは少々語弊があるのだが嘘を見抜く魔法からバリーが嘘をついていない部分もあるとわかった以上言わずにはいられなかった。
だけど正直信じてもらえないと思った。
だって俺は怪しげな魔女に連れられてきた男。
嘘を見抜けると証明したとはいえ、俺自身が嘘をつかないかどうかまでは証明できていない。
しかしどういうわけかレスレード警部は俺の意見に異論を唱えることなく、ただ容疑者が隣にいるのにこれ以上話をするのはまずいから場所を変えようと言いだした。
そして案内されたのは取調室より二階ほど上の階にある十畳ほどの広さの執務室。
シンプルながらも美しい彫刻が施されたアンティーク調の本棚や机。
黒みがかった赤色の壁には木枠の振り子時計が掛けられている。
どうやら机の上に置かれた『アルヴィン・レスレード』と書かれたプレートを見るにレスレード警部の専用の部屋らしい。
さっきまで容疑者として牢屋にぶち込まれていた俺を自分の仕事部屋に招き入れたことに驚きだったが、それ以上に驚きだったのがその部屋の本棚から今回の事件の詳細が書かれた資料を取り出し見せてきたことだ。
急な態度の変化に困惑したが目の前には異世界のだが警察の事件資料。
好奇心の方が勝った俺は好意に甘えて見せてもらうことにした。
書かれていた事件の内容は俺の世界にもよくある単純な強盗殺人事件。
目撃証言も証拠もある。
俺が犯人じゃないって言った言葉を否定しなかった理由がますますわからなくなった。
首を捻る俺にレスレード警部は険しい表情で訊ねた。
「それで、どうしてお前はあいつが犯人じゃないと思った? 嘘をついていなかったからか?」
「え? あー。ほら、さっきあいつが言った言葉で『俺は強盗も殺人もやっちゃいねぇ』って言ってただろ? そこに嘘ついてない部分があったんだ」
「あいつは無実だと言いたいのか?」
「いや、無実ではないと思う。『強盗をしてない』っていうのは嘘だったし」
「強盗は嘘……ということは」
レスレード警部は俺が言いたいことを理解したようで息を呑んだ。
「やはりあいつは強盗はしたが殺人は犯してないのか?」
「……多分」
やはりと言ったレスレード警部の言葉に違和感を覚えるが俺は肯定する。
レスレード警部の表情はますます硬く強ばりメアリーさんは口元を手で覆った。
なんだ?
俺そんなに変なこと言ったか?
キョトンとする俺を見てレスレード警部は机に置いてあるファイルから紙を取り出した。
その紙を見た俺は顔を引きつらせる。
紙に描かれていたのは整理整頓された書斎のような部屋の中で男が顔を下にして倒れている姿。
高級そうなスーツをきっちりと着こなした中年男性。
彼の寂しい後頭部から赤い液体がべっとりと流れだし顔には一切の表情がない。
初めて見たがすぐにわかった。
これはまさしく死体の写真……いや。
「絵か?」
「そうだ。うちの鑑識には『写生師』っていう現場を見たままに描ける魔法を使える奴がいるんだ。そいつが遺体の状態を描いた」
「魔法で!? 凄えな、まるで写真みたいだ!」
興奮する俺に訝しげな視線を向けるレスレード警部。
「『写真』? なんだそれは」
「何言ってんだ。写真は写真だよ。カメラ使って撮った物がそっくりそのまま画像に出る、あれ!」
説明するがレスレード警部は首を捻るばかり。
「……わかるか? メアリー」
「うーん……わかんない」
メアリーさんも怪訝そうな表情で首を横に振る。
ロンドンに似た街並みだし、てっきりある物とばかり思っていたがこの二人の反応を見るにどうやらこの世界に『写真』という概念がないらしい。
どうもこの世界の基準がわからない。
『魔法』や『警察』はあるのに『カメラ』はない。
まぁ、魔法でこれだけ正確に描ける人がいるならカメラなんて作ろうとは考えないのかもしれないが。
しかし凄いな。この絵。
まるで今にも動き出しそう……いや、本物だとしても死んでるから動き出しはしないか……あれ?
「これなんかおかしくねーか? ほら、被害者が倒れている位置」
俺は絵に描かれた男とドアを交互に指差した。
「この部屋はドアしか出入りできる場所がないから犯人はドアから入ってくるはず。なのになんで被害者はドアの方に頭を向けて死んでいるんだ?」
イレーネは俺の指差した先を見て首を傾げた。
「これのどこが変なのよ?」
「だってこの捜査資料を見る限り被害者が襲われたのは強盗と偶々鉢合わせたからだろ。ということは被害者が書斎にいた時に強盗が入ってきた。普通強盗が入ってきたらまず逃げる。強盗がいるのはドアの前だから被害者が逃げるのはドアから遠い部屋の奥のはず。なのにドアの前に倒れているのは変だろ」
「なんでよ? 強盗が襲いかかってきたけど初めは避けれたからそのまま逃げようとドアへ向かった。でも追いつかれて『ボコり』。ドアの前で殴られた。変でも何でもないわ」
「だったらもっと部屋や服が乱れているはずじゃないか? それがないってことは不意を突かれて殴られたってこと。遺体を動かした様子がないからもしかしたら被害者は……」
「ドアに向かおうとした時、顔見知りに背後から殴られた」
レスレード警部の言葉にイレーネは眉をひそめた。
「なんで顔見知りって思うのかしら?」
「被害者が倒れていた位置から考えるに被害者は強盗よりドアに近い場所にいたことになる。出入口はドアしかないのだから強盗に不意を突かれたとなるとその立ち位置は不自然。しかし犯人が被害者と顔見知りとなればわからなくもない」
「……なんでよ」
「顔見知りであれば部屋に入ることもドアへ向かう被害者の背後を取ることも簡単だからだ。だがバリー・ネルソンは被害者と知り合いではない。だからその遺体の位置が不自然なんだ。しかしバリー・ネルソンが事件現場から去る所を見たという証言もある。話を聞く限り目撃者が嘘をついているとは考えにくい」
「あ、だから『やはり』って言ったのか。あの男が殺人犯だと思えなかったけど宝石とか強盗に入った証拠は出てきていたから確信を持てなかった。けど……」
俺の『嘘を見抜く魔法』が本当であれば推測が正しいかどうかわかった。
「もしかして事件の詳細を言わなかったのは先入観を持たせたくなかったからか?」
「そうだ。しかし絵を見ただけでこの不自然さに気づくとは……お前結構やるな」
「そう? いやー」
伊達に休日に推理小説を読み込んでないからな。
本物の刑事に褒められ照れる俺を横目にイレーネはにやつき顔でレスレード警部に近づいた。
「ほら、凄いでしょ?」
「気づかなかったくせになんでお前が自慢げなんだ」
「だって魔法を彼に授けたのは私だし、私が無理を言わなかったらあなた彼を使おうなんてこれっぽっちも思わなかったでしょ?」
イレーネはレスレード警部の頬を人差し指でぐりぐりと押す。
「調子に乗るな……!」
レスレード警部はイレーネの手を叩き落とそうとする。
だがイレーネが素早く手を引っ込めたためレスレード警部の手は空を切った。
「遅い、遅い」
「………………くそっ!」
レスレード警部は舌打ちをする。
もっと仲良くしようぜお前ら……
いがみ合う二人を見ながら俺は苦笑する。
するとメアリーさんがレスレード警部とイレーネの間に割って入った。
「落ち着いてよ、二人とも。互いの推理があってよかったじゃない」
「だが……」
「アルヴァン。魔女の態度が気に入らないのはわからなくもないけど、あなたの推測が合っているとなると別の問題が出てくるわ。そっちを考えるほうが先なんじゃない?」
「別の問題?」
「ええ。実は……」
メアリーさんに視線を向けられたレスレード警部はため息を漏らした。
「強盗が侵入するまでこの店は完全な密室だったんだよ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる