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引力
しおりを挟む初めて、少女と視線があう。
(僕はー)
誠一は今まで感じたことない感情にとらわれ、それを恋と呼ぶのをこの時はまだ解れずにいたー。
「すまない・・。」
「いえ。」
誠一は少女に付き添い、少女は松葉杖をつきとことこと二人ホームを歩く。
「急に僕なんかがついていくことになってしまって。」
「いえ、いつも一人だったから、助かってます。」
二人、打ち解け微笑み会う。
「なぜ、君はチャリティーコンサートをしているのか解らないんだ。」
「え・・・」
「どうして普通のコンサートを開かない?君の着ているものを見たら、そんなにお金に余裕があるようには見えない。」
「心配してくださっているのですね、ありがとうございます。」
「それで君は本当にどういう生活を送っているんだ?」
「あ・・・」
少女は歩きながらうつむく。
「嫌なら言わなくてもいい。無理にとは・・・」
「・・・・生活保護、受けているのです。」
誠一の表情が変わる。
「そうか。でも、それならなお更普通のコンサートを開いたほうがいいんじゃ。」
「そうですね。本当はそうかもしれません。」
誠一は少女をほうって置けなくなってきた。
「君の両親は?」
いったいどういう親なんだ。怒りが誠一を襲う。
「もう、他界しておりません」
その瞬間。
ふたりは言葉を紡ぐことなく、立ちつくし、見つめあったー。
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