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羨望
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フィーナは今日も、シーツに包まって丸くなる。
毎日のように身体を重ねているからか、体力の回復が追いつかなくなって来ていた。昼間でも目を閉じたらそのまま眠ってしまうことが増え、今では起きている時間の方が圧倒的に少ない。
身体がひどく重く感じられて言うことを聞かなくなっている。
いかに慈悲深い神でも、人間との悦楽に耽るフィーナ自身をとうに見放しているだろう。そろそろ堕天がはじまっているのかもしれない。
神に見捨てられるのは怖くなかった。
だけど、天使という物珍しさを失くしたフィーナは、レイジの関心も失くしてしまうかもしれない。
そう思うと怖かった。
レイジは今日も王城に行っている。
フィーナは聞かないし、レイジは言わないから何の用事かは分からない。王子様らしく、いずれ婚姻を結ぶ貴族令嬢や他国のお姫様との交流を深めているのかもしれない。
今までそんなことを考えもしなかったのに頭をよぎってしまうのはきっと、彼の母親の情念を垣間見たせいだ。
今、レイジがいる王城をあの出窓から見たら、フィーナも同じ想いに駆られてしまうのではないか。
怖くて、ますますシーツの中で丸くなる。
そうしていつになく不安を抱えながら微睡んでいると、ドアノブが回る音がした。
「――レイジ?」
フィーナはゆっくりと身を起こしてドアを見つめる。
レイジはいつ帰って来るか教えてくれない。帰って来るには、まだ少し早い気がする。リュシフェルならドアを開ける必要がない。
それなら誰がドアを開けようとしているのだろう。
鍵がかかっているのか、ドアはなかなか開かなかった。
そのことが逆にフィーナの警戒心を煽る。鍵を開けられないけれどこの部屋に用がある存在なんて、レイジにとっては望まぬ来訪者に他ならない。
シーツを掴み、来訪者が諦めて帰ってくれるよう必死で祈る。
でもフィーナに加護を与えてくれる神などもういないのだ。無情にもドアは開けられてしまった。
見たことのない青年が入って来る。
年齢はレイジと同じくらいだろうか。でもレイジとは違って明るい金色の髪で、精悍な顔立ちは全く似てはいなかった。
身を固くするフィーナへの元へ穏やかな笑みを浮かべながら歩み寄り、片膝をついて頭を下げた。
「お目にかかれて光栄です。美しい天使の姫君」
「だ、誰……?」
フィーナは警戒の目を青年へと向ける。
羽を持っている気配はない。
でも確かに、この青年は天使の言語でフィーナに話しかけていた。首輪のクリスタルを通して聞こえるようなレイジの声と違って、フィーナに直接聞こえていたのだ。
「怖がらせてしまい申し訳ありません。私はこの国の第二王子であり、名をアレクと申します」
「第二、王子……? じゃあ……レイジの、弟君なの?」
「仰る通りにございます」
伝わらないならそれで良いと口を開いたけれど、やはり天使言語で会話ができている。彼が独自に習得しているらしい。長いやりとりでは、ところどころぎこちなくなっていた。
自分のことすらほとんど話さないレイジが家族の話などするはずもない。
そういえば、とリュシフェルに見せられた彼の記憶を思い出す。国王と正妃の間にはレイジより一つ年下の王子がいた。ならば今、目の前にいてアレクと名乗った青年がその王子なのだろうか。
「囚われの姫君。私があなたを逃がしてあげましょう」
フィーナはシーツに包まったままベッドの上を後退り、首を振った。
「私は、ここにいます。レイジが帰って来るまで待っています」
「兄上は今日は戻ってこられません。それに姫君は《天界》に戻りたくはないのですか?」
フィーナは頷かない。
レイジに飽きられ、捨てられるその時まで、ここにいたいのだ。
「困りましたね」
アレクは溜め息を吐いた。
「兄上に脅されているのですか? 逃げようとしたら恐ろしい目に遭わせると」
フィーナは再び首を振った。
レイジは一度たりとてフィーナに手をあげてはいない。もちろんそれ以上にひどい仕打ちはしているけれど、暴力は揮わなかった。
「――そう、ですか」
アレクは独り言ち、何かに納得したように頷く。
ベッドに乗り上げた。フィーナはさらに激しくかぶりを振る。レイジと、二人だけの場所を踏み荒らされた気がした。
「やめて……! 来ないで!」
悲鳴に似た声をあげて拒絶すると、ぱちんという小さな音の後で頬に鋭い痛みが走った。
「きゃ……」
呆然とアレクを見つめる。
左の頬が、熱い。はたかれた――のだろうか。フィーナの視線を受け止め、アレクは悠然と笑った。悪意の滲むその表情は、どことなくレイジと似ているような気がする。
アレクはシーツごとフィーナを抱えて右手をかざす。
初めてレイジの部屋に連れられた時のように眩い光が溢れる。
フィーナは咄嗟に目を閉じた。
アレクの右手の中指にも連なる蛇が見えたのは、レイジのことを思い出したせいだろうか。
「お待たせ致しました、ミハエル様」
光が収まるにつれゆっくりと目を開け、フィーナはアレクの出した名前にその相手を探した。
客間と思しき広い部屋にその人物がいる。
豪奢な椅子に腰を下ろし、フィーナを見ていた。
「お兄様……!」
駆け寄ろうとして、アレクに抱えられたままだと気がつく。はたかれた恐怖から身動ぎもできず、視線を落とした。
「ごめんなさい、私……」
「話は《天界》に戻ってからゆっくり聞くよ、フィーナ。ずいぶんと怖い目に遭わせてしまったね」
「ううん。お兄様の言うことを聞かなかった私が悪いの」
変わらずに優しい兄の声に涙が潤む。
兄の態度から見るに、まだフィーナは堕天していない。迎えに来た兄と共に《天界》に帰れるのだ。
でもやっぱり、嬉しくなかった。
「お兄様、私」
叶うのなら《下界》にいたい。
そう伝えようとするフィーナをアレクの言葉が遮った。
「天使長ミハエル様。お約束通り大切な妹君をお連れ致しました故、こちらの願いも聞き届けていただけますか」
「対価は何を? いや……それは愚問というものか」
「さすがにお話が早くていらっしゃる。妹君と引き換えに、私個人との契約を結んでいただきたいのです」
フィーナはアレクを見上げた。
大悪魔リュシフェルがレイジと契約をしているのが異端中の異端な出来事で、天使長を務める兄が人間と契約を交わすはずがない。
それに、兄は確実にフィーナの左の頬が不自然な赤みを帯びていることに気がついている。兄の不興を買うのはどう考えても得策ではない。取り引きを持ちかけたいのならなおさらだ。
「人の子風情が私と契約しようなどと、身の程を弁えよ」
ミハエルは冷ややかに言い放つ。その声音には怒りが滲みはじめていた。
「ア……アレク様。どうぞ私を兄の元へ」
自分の為ではなくアレクの為にフィーナは間に入った。
けれどアレクは聞く耳すら持たない。
軽く振られた右手の中に銀色の光が一筋煌めいた。冷たいものがフィーナの頬に触れる。刃を押し当てられているようだった。
いけない。
フィーナは視線だけを兄に向けた。もしこの刃でフィーナの肌に少しでも傷がつこうものなら、兄は間違いなくアレクに対して容赦しない。
「身の程を知れと忠告してやったばかりだが、もう忘れたのか」
兄が右手をかざせば刃が砕け散った。そのうちのひとかけらがアレクの左頬をかすめ、うっすらと切ったのはあきらかに意趣返しだろう。
フィーナは力が緩んだ隙を逃さずにアレクの手から離れ、兄の元へ駆け寄ろうとした。
とりあえず、フィーナさえ無事なら兄は矛を収めてくれるはずだ。
「――何故」
膝をつき、アレクが呟く。
その言葉は天使の言語ではなかった。
けれどフィーナには何と言ったのか分かる。もちろんミハエルも分かっただろう。
「何故、いつも兄上ばかりが、良い目を……」
それは違うと言いかけ、けれどフィーナは言えなかった。
レイジの過去を知ってしまったら、良い目ばかりを見ているなんて決して言えない。
むしろ理不尽に翻弄され続けていた。だけどレイジが自由に生きていると羨んでいるであろう彼の目から見たら、天使であるフィーナが庇うこともまた"兄上ばかりが良い目を見ている"うちの一つになってしまうのだろう。
アレクの姿が黒いもやに包まれて行く。
禍々しいそれはアレクを貪るようにうごめき、どんどん膨らんだ。空気が抜けるような呼吸音が大きく響き、部屋の中心部を占拠する大きなテーブルセットが見えない何かに押し潰され粉々に砕ける。
もやが晴れて行くと共に、黒い竜が現れた。
全身はびっしりと鱗に覆われており、変化に身体がついて行かないのかところどころ腐食している。卵が腐ったような異臭を放ち、込み上げる憤怒を抑え切れないのか喉の奥から地を這うような唸り声があがる。
その咆哮はフィーナの肌を刺し、濁りきった青い目と視線がぶつかった。
毎日のように身体を重ねているからか、体力の回復が追いつかなくなって来ていた。昼間でも目を閉じたらそのまま眠ってしまうことが増え、今では起きている時間の方が圧倒的に少ない。
身体がひどく重く感じられて言うことを聞かなくなっている。
いかに慈悲深い神でも、人間との悦楽に耽るフィーナ自身をとうに見放しているだろう。そろそろ堕天がはじまっているのかもしれない。
神に見捨てられるのは怖くなかった。
だけど、天使という物珍しさを失くしたフィーナは、レイジの関心も失くしてしまうかもしれない。
そう思うと怖かった。
レイジは今日も王城に行っている。
フィーナは聞かないし、レイジは言わないから何の用事かは分からない。王子様らしく、いずれ婚姻を結ぶ貴族令嬢や他国のお姫様との交流を深めているのかもしれない。
今までそんなことを考えもしなかったのに頭をよぎってしまうのはきっと、彼の母親の情念を垣間見たせいだ。
今、レイジがいる王城をあの出窓から見たら、フィーナも同じ想いに駆られてしまうのではないか。
怖くて、ますますシーツの中で丸くなる。
そうしていつになく不安を抱えながら微睡んでいると、ドアノブが回る音がした。
「――レイジ?」
フィーナはゆっくりと身を起こしてドアを見つめる。
レイジはいつ帰って来るか教えてくれない。帰って来るには、まだ少し早い気がする。リュシフェルならドアを開ける必要がない。
それなら誰がドアを開けようとしているのだろう。
鍵がかかっているのか、ドアはなかなか開かなかった。
そのことが逆にフィーナの警戒心を煽る。鍵を開けられないけれどこの部屋に用がある存在なんて、レイジにとっては望まぬ来訪者に他ならない。
シーツを掴み、来訪者が諦めて帰ってくれるよう必死で祈る。
でもフィーナに加護を与えてくれる神などもういないのだ。無情にもドアは開けられてしまった。
見たことのない青年が入って来る。
年齢はレイジと同じくらいだろうか。でもレイジとは違って明るい金色の髪で、精悍な顔立ちは全く似てはいなかった。
身を固くするフィーナへの元へ穏やかな笑みを浮かべながら歩み寄り、片膝をついて頭を下げた。
「お目にかかれて光栄です。美しい天使の姫君」
「だ、誰……?」
フィーナは警戒の目を青年へと向ける。
羽を持っている気配はない。
でも確かに、この青年は天使の言語でフィーナに話しかけていた。首輪のクリスタルを通して聞こえるようなレイジの声と違って、フィーナに直接聞こえていたのだ。
「怖がらせてしまい申し訳ありません。私はこの国の第二王子であり、名をアレクと申します」
「第二、王子……? じゃあ……レイジの、弟君なの?」
「仰る通りにございます」
伝わらないならそれで良いと口を開いたけれど、やはり天使言語で会話ができている。彼が独自に習得しているらしい。長いやりとりでは、ところどころぎこちなくなっていた。
自分のことすらほとんど話さないレイジが家族の話などするはずもない。
そういえば、とリュシフェルに見せられた彼の記憶を思い出す。国王と正妃の間にはレイジより一つ年下の王子がいた。ならば今、目の前にいてアレクと名乗った青年がその王子なのだろうか。
「囚われの姫君。私があなたを逃がしてあげましょう」
フィーナはシーツに包まったままベッドの上を後退り、首を振った。
「私は、ここにいます。レイジが帰って来るまで待っています」
「兄上は今日は戻ってこられません。それに姫君は《天界》に戻りたくはないのですか?」
フィーナは頷かない。
レイジに飽きられ、捨てられるその時まで、ここにいたいのだ。
「困りましたね」
アレクは溜め息を吐いた。
「兄上に脅されているのですか? 逃げようとしたら恐ろしい目に遭わせると」
フィーナは再び首を振った。
レイジは一度たりとてフィーナに手をあげてはいない。もちろんそれ以上にひどい仕打ちはしているけれど、暴力は揮わなかった。
「――そう、ですか」
アレクは独り言ち、何かに納得したように頷く。
ベッドに乗り上げた。フィーナはさらに激しくかぶりを振る。レイジと、二人だけの場所を踏み荒らされた気がした。
「やめて……! 来ないで!」
悲鳴に似た声をあげて拒絶すると、ぱちんという小さな音の後で頬に鋭い痛みが走った。
「きゃ……」
呆然とアレクを見つめる。
左の頬が、熱い。はたかれた――のだろうか。フィーナの視線を受け止め、アレクは悠然と笑った。悪意の滲むその表情は、どことなくレイジと似ているような気がする。
アレクはシーツごとフィーナを抱えて右手をかざす。
初めてレイジの部屋に連れられた時のように眩い光が溢れる。
フィーナは咄嗟に目を閉じた。
アレクの右手の中指にも連なる蛇が見えたのは、レイジのことを思い出したせいだろうか。
「お待たせ致しました、ミハエル様」
光が収まるにつれゆっくりと目を開け、フィーナはアレクの出した名前にその相手を探した。
客間と思しき広い部屋にその人物がいる。
豪奢な椅子に腰を下ろし、フィーナを見ていた。
「お兄様……!」
駆け寄ろうとして、アレクに抱えられたままだと気がつく。はたかれた恐怖から身動ぎもできず、視線を落とした。
「ごめんなさい、私……」
「話は《天界》に戻ってからゆっくり聞くよ、フィーナ。ずいぶんと怖い目に遭わせてしまったね」
「ううん。お兄様の言うことを聞かなかった私が悪いの」
変わらずに優しい兄の声に涙が潤む。
兄の態度から見るに、まだフィーナは堕天していない。迎えに来た兄と共に《天界》に帰れるのだ。
でもやっぱり、嬉しくなかった。
「お兄様、私」
叶うのなら《下界》にいたい。
そう伝えようとするフィーナをアレクの言葉が遮った。
「天使長ミハエル様。お約束通り大切な妹君をお連れ致しました故、こちらの願いも聞き届けていただけますか」
「対価は何を? いや……それは愚問というものか」
「さすがにお話が早くていらっしゃる。妹君と引き換えに、私個人との契約を結んでいただきたいのです」
フィーナはアレクを見上げた。
大悪魔リュシフェルがレイジと契約をしているのが異端中の異端な出来事で、天使長を務める兄が人間と契約を交わすはずがない。
それに、兄は確実にフィーナの左の頬が不自然な赤みを帯びていることに気がついている。兄の不興を買うのはどう考えても得策ではない。取り引きを持ちかけたいのならなおさらだ。
「人の子風情が私と契約しようなどと、身の程を弁えよ」
ミハエルは冷ややかに言い放つ。その声音には怒りが滲みはじめていた。
「ア……アレク様。どうぞ私を兄の元へ」
自分の為ではなくアレクの為にフィーナは間に入った。
けれどアレクは聞く耳すら持たない。
軽く振られた右手の中に銀色の光が一筋煌めいた。冷たいものがフィーナの頬に触れる。刃を押し当てられているようだった。
いけない。
フィーナは視線だけを兄に向けた。もしこの刃でフィーナの肌に少しでも傷がつこうものなら、兄は間違いなくアレクに対して容赦しない。
「身の程を知れと忠告してやったばかりだが、もう忘れたのか」
兄が右手をかざせば刃が砕け散った。そのうちのひとかけらがアレクの左頬をかすめ、うっすらと切ったのはあきらかに意趣返しだろう。
フィーナは力が緩んだ隙を逃さずにアレクの手から離れ、兄の元へ駆け寄ろうとした。
とりあえず、フィーナさえ無事なら兄は矛を収めてくれるはずだ。
「――何故」
膝をつき、アレクが呟く。
その言葉は天使の言語ではなかった。
けれどフィーナには何と言ったのか分かる。もちろんミハエルも分かっただろう。
「何故、いつも兄上ばかりが、良い目を……」
それは違うと言いかけ、けれどフィーナは言えなかった。
レイジの過去を知ってしまったら、良い目ばかりを見ているなんて決して言えない。
むしろ理不尽に翻弄され続けていた。だけどレイジが自由に生きていると羨んでいるであろう彼の目から見たら、天使であるフィーナが庇うこともまた"兄上ばかりが良い目を見ている"うちの一つになってしまうのだろう。
アレクの姿が黒いもやに包まれて行く。
禍々しいそれはアレクを貪るようにうごめき、どんどん膨らんだ。空気が抜けるような呼吸音が大きく響き、部屋の中心部を占拠する大きなテーブルセットが見えない何かに押し潰され粉々に砕ける。
もやが晴れて行くと共に、黒い竜が現れた。
全身はびっしりと鱗に覆われており、変化に身体がついて行かないのかところどころ腐食している。卵が腐ったような異臭を放ち、込み上げる憤怒を抑え切れないのか喉の奥から地を這うような唸り声があがる。
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