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四章
19.魔
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リガロは後悔に押しつぶされそうになりながらも儀式の準備が整うのをただひたすら待つことしか出来ない。
その間、不穏分子達の取り調べが行われたのだが、一部不思議な証言があった。
「本に触れた途端、自分が何をしようとしていたのかを忘れてしまって……。サロンに行ったことも覚えていないんです」
同様の証言をした者には共通点がある。皆、イーディスとローザが文通の際に使用していた『本』に触れ、以降怪しい動きをしていないのだ。彼らがリボンを仕込んだのかと問えば、一様に知らないと首を振る。手紙の中身も見ていない。手に取って、すぐに元の場所に戻したのだという。なぜその本に触れたかも覚えておらず、けれどそこに戻さなければいけないような気がしたーーとのことだ。
初めは口裏を合わせているだけかと思ったが、それにしては様子がおかしい。何より、彼らと接していた生徒もまた変化があったと証言しているのだ。「裏切った」「寝返った」など言い方はそれぞれだが、本に触れた後しばらくして縁が切れている。中でも気になったのは「聖女に触れた」との言葉だ。まるで魔が取れたかのようとも続けたそれに、スチュワート王子は『不穏分子の一部は魔に取り付かれていたのではないか』との仮説を立てた。
魔に取り付かれること自体は珍しくはない。日常でもよくあることだ。けれど殺意を持ち、実行に移そうとした例はほとんどない。だが予想したよりも大幅に多い不穏分子は途中からまるで増殖したかのように増えている。
バッカスも想定していたより寮内に潜んでいる数が多いと報告していた。それでも寮内は学園内とは違い、学年や受講科目などの垣根がない。身分の差はあるものの自然と接する人数が多くなる。こちらは核となる人物が思考を広めていたのだろうとの結論に至った。
けれど社交界で情報を集めていたマルクは違う。不穏分子の交友関係が絡まった糸のように広がっていたのだ。地位や学年も関係ない。核となる人物は見つけられたものの、明らかに関係が薄い生徒も多い。わずかな期間で思想までも塗り替えることが可能だろうか。それは以前マルクが疑問点として挙げていたことだった。
そしてその解決策がサロンである。不穏分子の特定には役立ったが、その謎はいまだに解けていない。
だが魔に取り付かれた人間が魔を振りまいていたとすればーー。仮説を聞かされたリガロはそんな話は聞いたことがないと首を振った。けれど過去にこれほど多くの人間が儀式の妨害をした例もない。思い込みに囚われていては魔道書からイーディスを解放する鍵は掴めない。
二人は悩んだ末、メリーズを牢に呼び、中の人間に魔が付いているかどうかチェックしてもらうことにした。すると結果はスチュワート王子が睨んだ通り。中にいるほとんどの人間が魔に犯されていたのである。それもかなり濃い魔が頭などにまとわりついているのだという。
「夜会にいた時はこんなにひどくなかったのに……」
夜会の時も濃い魔を持つ者はいたらしい。けれど明らかに濃さが増しているとのことだ。濃さは牢屋ごとの偏りも激しく、メリーズの目では顔が認識できなくなっている者も複数人挙げられた。全員が瞳に殺意を孕んだ者である。
反対に、本に触れたと証言した生徒達からは魔は見られなかった。『本』が何かしらの作用を持っていたことは明らかだ。その本さえあれば魔を取り除けるのではないか。スチュワート王子はすぐにローザにイーディスとの文通に使用した本を持ってくるように頼んだ。けれど彼女の所持する本ではいずれも効果はなかった。それどころか本に触れたと証言する全員が自分が触れたのはこの本ではないと首を振った。だからといってどんな本かと聞いたところでよく覚えていないというのだから不思議な話である。
「どうすれば魔を取り除けるんだ」
魔を取り除いたところで聖女殺害未遂の罪は消えることはない。だが魔に犯されたことで罪を犯したのだというのなら、それを取り除くことは再犯防止にも繋がる。儀式が終わってもメリーズは死ぬまで聖女であり続ける。国の要人として抱えられることにはなるが、リガロとて一生涯守り続けることはできない。それに誰が守るにしても、事前に防げるのであればそれに越したことはない。
どうしたものかと首を捻っていると、どこからか話を聞きつけたらしいメリーズは直談判をしにやってきた。
「このままだと魔に犯されてしまうかもしれません。彼らに癒やしの力を使わせてください!」
「見てくれと頼んだのは私だが儀式に支障が出ては困る。身体を休めてくれ」
「儀式から戻ってきてからでは遅いかもしれないんです! 私なら大丈夫です。やらせてください」
魔道書の一件を気にしていると知っていたからこそ、本では効果が得られなかったことを伝えなかったのだ。引き下がろうとしないメリーズにスチュワート王子は困ったように眉を下げる。
「だが……」
「疲れたら俺が止める。それならいいだろ?」
「アルガ様!」
メリーズを迎えに来たのだろうアルガが婚約者に助け舟を出したのだ。儀式で一番負担を負うこととなる二人が揃ってやる気になってはもう止められない。スチュワート王子は「無理だけはしないでくれ」と告げることしかできなかった。
「ヤバそうな奴は先に眠らせるから教えろ」
「はい!」
こうして儀式の準備が整うまでの十日間、メリーズは牢に収容された罪人達を癒やし続けることとなった。
魔道書に罪人と、メリーズは昼夜問わず働き続けた。リガロはメリーズとアルガの護衛担当となったが、彼女は疲労の言葉一つ溢すことはない。
メリーズの活躍により魔を取り除かれた罪人達の多くはすぐに元の状態へと戻った。だがあまりに大量の魔に犯されていた者は一度では足りず、何度も足を運ぶこととなった。完全に取り除かれた後も記憶の混濁が激しく、罪を償うよりも精神の回復が先になるだろうとのことだ。こればかりは癒やしの力ではどうしようもできない。聖女の力も万能ではないのだ。
「手遅れになる前に他の方の魔も取り除かなければ!」
メリーズは自分の力で救えるのなら! と看守達の持つ鍵に手を伸ばす。けれどその手をアルガはペシリと叩いた。
「また明日な」
「私ならまだやれます!」
「俺は無理だ。休んで明日に備えるぞ」
「嫌です」
「面倒臭いが仕方ない」
アルガはスチュワート王子に宣言通り、無理だと判断した際にはメリーズを容赦なく屋敷まで引きずって戻る。比喩ではなく、抵抗するメリーズが床に身体を擦らせているのもお構いなしに突き進むのだ。さすがに階段に差し掛かった時にメリーズも諦めて立ち上がっていたが、それでも異様な光景であったことに違いない。初日に見た時は驚いたが、今ではお馴染みとなっている。
「ほら階段ついたぞ。立て」
今日も階段に差し掛かると、アルガはメリーズに手を差し伸べる。ここでようやく彼女も諦めてドレスに付いた土埃を軽く払う。
「ううっ今日も私の負けですね」
「勝負のつもりだったのか……」
「一応逃げる機会は窺っていたんですよ。……アルガ様の手が全く緩んでくれないだけで」
「俺から逃れたところでリガロ=フライドに確保されるだけだ。諦めろ」
アルガはハッと鼻で笑いつつも、メリーズとの手は繋がれたまま。固く絡み合う指は彼らの信頼関係を表していた。
その間、不穏分子達の取り調べが行われたのだが、一部不思議な証言があった。
「本に触れた途端、自分が何をしようとしていたのかを忘れてしまって……。サロンに行ったことも覚えていないんです」
同様の証言をした者には共通点がある。皆、イーディスとローザが文通の際に使用していた『本』に触れ、以降怪しい動きをしていないのだ。彼らがリボンを仕込んだのかと問えば、一様に知らないと首を振る。手紙の中身も見ていない。手に取って、すぐに元の場所に戻したのだという。なぜその本に触れたかも覚えておらず、けれどそこに戻さなければいけないような気がしたーーとのことだ。
初めは口裏を合わせているだけかと思ったが、それにしては様子がおかしい。何より、彼らと接していた生徒もまた変化があったと証言しているのだ。「裏切った」「寝返った」など言い方はそれぞれだが、本に触れた後しばらくして縁が切れている。中でも気になったのは「聖女に触れた」との言葉だ。まるで魔が取れたかのようとも続けたそれに、スチュワート王子は『不穏分子の一部は魔に取り付かれていたのではないか』との仮説を立てた。
魔に取り付かれること自体は珍しくはない。日常でもよくあることだ。けれど殺意を持ち、実行に移そうとした例はほとんどない。だが予想したよりも大幅に多い不穏分子は途中からまるで増殖したかのように増えている。
バッカスも想定していたより寮内に潜んでいる数が多いと報告していた。それでも寮内は学園内とは違い、学年や受講科目などの垣根がない。身分の差はあるものの自然と接する人数が多くなる。こちらは核となる人物が思考を広めていたのだろうとの結論に至った。
けれど社交界で情報を集めていたマルクは違う。不穏分子の交友関係が絡まった糸のように広がっていたのだ。地位や学年も関係ない。核となる人物は見つけられたものの、明らかに関係が薄い生徒も多い。わずかな期間で思想までも塗り替えることが可能だろうか。それは以前マルクが疑問点として挙げていたことだった。
そしてその解決策がサロンである。不穏分子の特定には役立ったが、その謎はいまだに解けていない。
だが魔に取り付かれた人間が魔を振りまいていたとすればーー。仮説を聞かされたリガロはそんな話は聞いたことがないと首を振った。けれど過去にこれほど多くの人間が儀式の妨害をした例もない。思い込みに囚われていては魔道書からイーディスを解放する鍵は掴めない。
二人は悩んだ末、メリーズを牢に呼び、中の人間に魔が付いているかどうかチェックしてもらうことにした。すると結果はスチュワート王子が睨んだ通り。中にいるほとんどの人間が魔に犯されていたのである。それもかなり濃い魔が頭などにまとわりついているのだという。
「夜会にいた時はこんなにひどくなかったのに……」
夜会の時も濃い魔を持つ者はいたらしい。けれど明らかに濃さが増しているとのことだ。濃さは牢屋ごとの偏りも激しく、メリーズの目では顔が認識できなくなっている者も複数人挙げられた。全員が瞳に殺意を孕んだ者である。
反対に、本に触れたと証言した生徒達からは魔は見られなかった。『本』が何かしらの作用を持っていたことは明らかだ。その本さえあれば魔を取り除けるのではないか。スチュワート王子はすぐにローザにイーディスとの文通に使用した本を持ってくるように頼んだ。けれど彼女の所持する本ではいずれも効果はなかった。それどころか本に触れたと証言する全員が自分が触れたのはこの本ではないと首を振った。だからといってどんな本かと聞いたところでよく覚えていないというのだから不思議な話である。
「どうすれば魔を取り除けるんだ」
魔を取り除いたところで聖女殺害未遂の罪は消えることはない。だが魔に犯されたことで罪を犯したのだというのなら、それを取り除くことは再犯防止にも繋がる。儀式が終わってもメリーズは死ぬまで聖女であり続ける。国の要人として抱えられることにはなるが、リガロとて一生涯守り続けることはできない。それに誰が守るにしても、事前に防げるのであればそれに越したことはない。
どうしたものかと首を捻っていると、どこからか話を聞きつけたらしいメリーズは直談判をしにやってきた。
「このままだと魔に犯されてしまうかもしれません。彼らに癒やしの力を使わせてください!」
「見てくれと頼んだのは私だが儀式に支障が出ては困る。身体を休めてくれ」
「儀式から戻ってきてからでは遅いかもしれないんです! 私なら大丈夫です。やらせてください」
魔道書の一件を気にしていると知っていたからこそ、本では効果が得られなかったことを伝えなかったのだ。引き下がろうとしないメリーズにスチュワート王子は困ったように眉を下げる。
「だが……」
「疲れたら俺が止める。それならいいだろ?」
「アルガ様!」
メリーズを迎えに来たのだろうアルガが婚約者に助け舟を出したのだ。儀式で一番負担を負うこととなる二人が揃ってやる気になってはもう止められない。スチュワート王子は「無理だけはしないでくれ」と告げることしかできなかった。
「ヤバそうな奴は先に眠らせるから教えろ」
「はい!」
こうして儀式の準備が整うまでの十日間、メリーズは牢に収容された罪人達を癒やし続けることとなった。
魔道書に罪人と、メリーズは昼夜問わず働き続けた。リガロはメリーズとアルガの護衛担当となったが、彼女は疲労の言葉一つ溢すことはない。
メリーズの活躍により魔を取り除かれた罪人達の多くはすぐに元の状態へと戻った。だがあまりに大量の魔に犯されていた者は一度では足りず、何度も足を運ぶこととなった。完全に取り除かれた後も記憶の混濁が激しく、罪を償うよりも精神の回復が先になるだろうとのことだ。こればかりは癒やしの力ではどうしようもできない。聖女の力も万能ではないのだ。
「手遅れになる前に他の方の魔も取り除かなければ!」
メリーズは自分の力で救えるのなら! と看守達の持つ鍵に手を伸ばす。けれどその手をアルガはペシリと叩いた。
「また明日な」
「私ならまだやれます!」
「俺は無理だ。休んで明日に備えるぞ」
「嫌です」
「面倒臭いが仕方ない」
アルガはスチュワート王子に宣言通り、無理だと判断した際にはメリーズを容赦なく屋敷まで引きずって戻る。比喩ではなく、抵抗するメリーズが床に身体を擦らせているのもお構いなしに突き進むのだ。さすがに階段に差し掛かった時にメリーズも諦めて立ち上がっていたが、それでも異様な光景であったことに違いない。初日に見た時は驚いたが、今ではお馴染みとなっている。
「ほら階段ついたぞ。立て」
今日も階段に差し掛かると、アルガはメリーズに手を差し伸べる。ここでようやく彼女も諦めてドレスに付いた土埃を軽く払う。
「ううっ今日も私の負けですね」
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