70 / 177
五章
2.『悪夢の書』
しおりを挟む
『イーディス』を放置して、二人はその後も愛を育んでいく。聖女との儀式を乗り越えたリガロは無事、剣聖と呼ばれるようになった。『イーディス』の役目は果たされたのだ。この後はどうなろうと知ったこっちゃない。どうするのだろうとぼんやりと考えていた『イーディス』だったが、リガロは想定外の方向から話を切り出してきた。
一年の修了式が終わった後、生徒達が残る場所でリガロは『イーディス』の元へとやってきた。メリーズの手を引き、彼女を愛しているのだと、『イーディス』のことは妹のように思っているのだと平然と言ってのけた。晒し上げもいいところである。『イーディス』が何と答えようとも、この瞬間に彼女は婚約者に捨てられた女であることが観衆に晒される。噂好きの貴族が周りに沢山いるのだ。噂は一週間もせずに国中に広まることだろう。聖女様と結婚したいのならば、わざわざこんなことをせずとも家同士で内々に婚約解消を済ませればいいだけだ。多少フライド家に不利な条件は付けられるかもしれないが、元よりフランシカ家は格下。政略的な婚約ですらない。『イーディス』が年頃であることがネックだが、それでも多くの貴族の前で晒し上げられて事実上の婚約破棄をされるよりもずっとマシだ。ここで『イーディス』が怒っても泣いても良い笑いものだ。
馬鹿みたい。
イーディスの脳内に『イーディス』の声が響いた。左手で覆うように隠した右手はぎゅっと拳を固め、手のひらには爪を立てる。けれど顔色は変えない。馬鹿にされることは、嗤われることは慣れている。物語のサブキャラにすらなれない彼女はこの場所で最良の言葉を吐く。
「お二人の未来に幸多き事を祈っておりますわ」
婚約者もとい邪魔者である『イーディス』がその場所を譲ったことで会場は一気に沸き上がる。うるさいくらいの歓声から遠ざかり、ひっそりと会場を出たところで彼女を気にかける者はいない。馬車に乗り込み、早い帰りに戸惑う御者に屋敷に向かってくれと指示を出す。今日は付き添いのメイドもおらず、車内は『イーディス』ただ一人。ドレス姿なのも気にせずに大きく股を開き、膝を台にして頬杖をついた。
「ふざけんじゃないわよ、あの脳筋」
腹の底から這い出た言葉はスルリと口から飛び出た。驚いたイーディスは両手を動かし、一人じゃんけんをしてみる。右手が勝って、左手が負けて。次はあいこで、と繰り返せば全てが思ったままの動きを見せた。冷静になってみれば、貴族の令嬢である『イーディス』が大股を開くことも、頬杖もつくこともあり得ない。
「あー、あー、本日は晴天なり。本日は晴天なり」
「あめんぼあかいなあいうえお」
「マルゲリータ、パンナコッタ、ビビンバ、チャーハン」
思いつくままの言葉を吐けば、そのままイーディスの声で発せられる。
一年と少しの間、一部共有だけさせてもらっていた身体が自由に動かせるようになったのだ。一体なぜ今なのか。思い当たるのは、学園を去ったことで乙女ゲームシナリオでの『イーディス=フランシカ』の出番が終了したから。また『リガロ=フライド』が新たな剣聖となり、癒やしの聖女と結ばれたことで『イーディス』が自分の役目としていたものも全てなくなったから。彼女自身がそう願ったように、『イーディス』は剣聖の養分となってしまったのだ。
だがそれならなぜ夢は覚めないのだろうか。
イーディスが一番見たくない光景、つまり悪夢と思いたい場所は乙女ゲームのシナリオ通りに捨てられるシーンである。それにゲームシナリオが終った時点でモブの役目もないはずだ。万が一ファンディスクで再登場するなんてことがあったとしても、それはそれで今の時点で自由になることはないだろう。
夢から覚めない原因と、このタイミングで自由になったことには何かしら関係があるのだろうか。イーディスは腕を組みながらうんうんと唸る。けれどそれらしい理由は浮かばない。仕方ないので理由よりもまず先に現状整理をしつつ、数少ない乙女ゲーム知識を踏まえて今後の予測をしてみることにした。
現在、『イーディス』もといイーディスは婚約解消(仮)状態に立たされている。屋敷に戻ってからイーディスが父に報告し、フライド家に伝えてもらうことで正式に婚約は解消されることだろう。数日中に婚約者がいなくなるイーディスにはもちろん友人はおらず、脳筋馬鹿が盛大にやらかしてくれたため、今後も好奇の視線を向けられることとなる。
乙女ゲームは修了式後、一気に二人の結婚式までスキップしていた。婚約者の座を退いたモブキャラの今後なんて描かれてはいない。ファンディスクでは語られているかもしれないが、残念ながらイーディスはそれをプレイする前に死んでいる。この後のシナリオは攻略対象者とヒロインがハッピーエンドになった後のことしか知らない。
だが円満? とはいえ、元婚約者が平然と社交界に出ていたら何かと問題がある。イーディスの父の性格上、文句を言ってくるということは考えられないが、どちらかを陥れる際に利用される可能性は大いにあり得る。剣聖の邪魔をするかもしれないこと、そして娘を利用される恐れを残しておくことはフランシカ家としては本意ではないはず。だからといってフランシカ家には捨てられた娘を他の貴族の元に嫁がせるだけの力はない。
以上のことから、何かしら理由をつけて王都から離れた場所に隔離、つまり飼い殺しにされる可能性が極めて高い。前世でもインドア派とはいえ、冗談じゃない。用がないならさっさと元の世界に返してほしいところだ。
イーディスは今後自分が取るべき行動は何か思考をフル回転させる。
悪夢というのだからいつかは覚めるだろうなんて楽観視は出来ない。夢は夢でもこの夢は都合よく途中で場面が飛ぶなんてこともなく、『イーディス』が睡眠を取れば同じだけ眠った。体感ではあるものの、現在に辿り着くまでイーディスは現実と同じだけの時間を過ごしてきた。夢が覚めるまで身を預け続ければ、最悪この世界でイーディスは老女になってしまう。
それに夢の中で現実に生きてきた以上の時間を過ごしたらそれは夢と言えるのだろうか。
そもそもイーディスは異世界から転生してあの世界にやってきている。死んだのは二十歳前。ちょうどイーディスと同じくらいの年頃だった。それでも適応出来たのは乙女ゲーム世界と元に生きてきた世界がまるで別物だったからだ。知識はあるが、ゲーム一本分と他の情報に比べれば圧倒的に少なく、知識を混同せずに済んだ。けれどこの夢は違う。イーディスと『イーディス』が混じり合い、そして今し方二人のイーディスは一つにまとまってしまった。
マリアが生きていた世界とマリアが死んだ世界。
どちらの記憶も有しているイーディスは今はまだ別の世界だと認識出来る。けれどいつかそれは境界線を見失い、マリアが生きていた世界こそが夢だったと認識してしまうのではないか。あれはマリアと共に生きたかったイーディスが、リガロに愛されたかったイーディスが生み出した夢なのではないか。幸せの詰まった夢から覚めなければいけないイーディスが、現実に戻るための鍵に『悪夢の書』と名付けたのならーー考えるだけで背筋がゾッとした。
一年の修了式が終わった後、生徒達が残る場所でリガロは『イーディス』の元へとやってきた。メリーズの手を引き、彼女を愛しているのだと、『イーディス』のことは妹のように思っているのだと平然と言ってのけた。晒し上げもいいところである。『イーディス』が何と答えようとも、この瞬間に彼女は婚約者に捨てられた女であることが観衆に晒される。噂好きの貴族が周りに沢山いるのだ。噂は一週間もせずに国中に広まることだろう。聖女様と結婚したいのならば、わざわざこんなことをせずとも家同士で内々に婚約解消を済ませればいいだけだ。多少フライド家に不利な条件は付けられるかもしれないが、元よりフランシカ家は格下。政略的な婚約ですらない。『イーディス』が年頃であることがネックだが、それでも多くの貴族の前で晒し上げられて事実上の婚約破棄をされるよりもずっとマシだ。ここで『イーディス』が怒っても泣いても良い笑いものだ。
馬鹿みたい。
イーディスの脳内に『イーディス』の声が響いた。左手で覆うように隠した右手はぎゅっと拳を固め、手のひらには爪を立てる。けれど顔色は変えない。馬鹿にされることは、嗤われることは慣れている。物語のサブキャラにすらなれない彼女はこの場所で最良の言葉を吐く。
「お二人の未来に幸多き事を祈っておりますわ」
婚約者もとい邪魔者である『イーディス』がその場所を譲ったことで会場は一気に沸き上がる。うるさいくらいの歓声から遠ざかり、ひっそりと会場を出たところで彼女を気にかける者はいない。馬車に乗り込み、早い帰りに戸惑う御者に屋敷に向かってくれと指示を出す。今日は付き添いのメイドもおらず、車内は『イーディス』ただ一人。ドレス姿なのも気にせずに大きく股を開き、膝を台にして頬杖をついた。
「ふざけんじゃないわよ、あの脳筋」
腹の底から這い出た言葉はスルリと口から飛び出た。驚いたイーディスは両手を動かし、一人じゃんけんをしてみる。右手が勝って、左手が負けて。次はあいこで、と繰り返せば全てが思ったままの動きを見せた。冷静になってみれば、貴族の令嬢である『イーディス』が大股を開くことも、頬杖もつくこともあり得ない。
「あー、あー、本日は晴天なり。本日は晴天なり」
「あめんぼあかいなあいうえお」
「マルゲリータ、パンナコッタ、ビビンバ、チャーハン」
思いつくままの言葉を吐けば、そのままイーディスの声で発せられる。
一年と少しの間、一部共有だけさせてもらっていた身体が自由に動かせるようになったのだ。一体なぜ今なのか。思い当たるのは、学園を去ったことで乙女ゲームシナリオでの『イーディス=フランシカ』の出番が終了したから。また『リガロ=フライド』が新たな剣聖となり、癒やしの聖女と結ばれたことで『イーディス』が自分の役目としていたものも全てなくなったから。彼女自身がそう願ったように、『イーディス』は剣聖の養分となってしまったのだ。
だがそれならなぜ夢は覚めないのだろうか。
イーディスが一番見たくない光景、つまり悪夢と思いたい場所は乙女ゲームのシナリオ通りに捨てられるシーンである。それにゲームシナリオが終った時点でモブの役目もないはずだ。万が一ファンディスクで再登場するなんてことがあったとしても、それはそれで今の時点で自由になることはないだろう。
夢から覚めない原因と、このタイミングで自由になったことには何かしら関係があるのだろうか。イーディスは腕を組みながらうんうんと唸る。けれどそれらしい理由は浮かばない。仕方ないので理由よりもまず先に現状整理をしつつ、数少ない乙女ゲーム知識を踏まえて今後の予測をしてみることにした。
現在、『イーディス』もといイーディスは婚約解消(仮)状態に立たされている。屋敷に戻ってからイーディスが父に報告し、フライド家に伝えてもらうことで正式に婚約は解消されることだろう。数日中に婚約者がいなくなるイーディスにはもちろん友人はおらず、脳筋馬鹿が盛大にやらかしてくれたため、今後も好奇の視線を向けられることとなる。
乙女ゲームは修了式後、一気に二人の結婚式までスキップしていた。婚約者の座を退いたモブキャラの今後なんて描かれてはいない。ファンディスクでは語られているかもしれないが、残念ながらイーディスはそれをプレイする前に死んでいる。この後のシナリオは攻略対象者とヒロインがハッピーエンドになった後のことしか知らない。
だが円満? とはいえ、元婚約者が平然と社交界に出ていたら何かと問題がある。イーディスの父の性格上、文句を言ってくるということは考えられないが、どちらかを陥れる際に利用される可能性は大いにあり得る。剣聖の邪魔をするかもしれないこと、そして娘を利用される恐れを残しておくことはフランシカ家としては本意ではないはず。だからといってフランシカ家には捨てられた娘を他の貴族の元に嫁がせるだけの力はない。
以上のことから、何かしら理由をつけて王都から離れた場所に隔離、つまり飼い殺しにされる可能性が極めて高い。前世でもインドア派とはいえ、冗談じゃない。用がないならさっさと元の世界に返してほしいところだ。
イーディスは今後自分が取るべき行動は何か思考をフル回転させる。
悪夢というのだからいつかは覚めるだろうなんて楽観視は出来ない。夢は夢でもこの夢は都合よく途中で場面が飛ぶなんてこともなく、『イーディス』が睡眠を取れば同じだけ眠った。体感ではあるものの、現在に辿り着くまでイーディスは現実と同じだけの時間を過ごしてきた。夢が覚めるまで身を預け続ければ、最悪この世界でイーディスは老女になってしまう。
それに夢の中で現実に生きてきた以上の時間を過ごしたらそれは夢と言えるのだろうか。
そもそもイーディスは異世界から転生してあの世界にやってきている。死んだのは二十歳前。ちょうどイーディスと同じくらいの年頃だった。それでも適応出来たのは乙女ゲーム世界と元に生きてきた世界がまるで別物だったからだ。知識はあるが、ゲーム一本分と他の情報に比べれば圧倒的に少なく、知識を混同せずに済んだ。けれどこの夢は違う。イーディスと『イーディス』が混じり合い、そして今し方二人のイーディスは一つにまとまってしまった。
マリアが生きていた世界とマリアが死んだ世界。
どちらの記憶も有しているイーディスは今はまだ別の世界だと認識出来る。けれどいつかそれは境界線を見失い、マリアが生きていた世界こそが夢だったと認識してしまうのではないか。あれはマリアと共に生きたかったイーディスが、リガロに愛されたかったイーディスが生み出した夢なのではないか。幸せの詰まった夢から覚めなければいけないイーディスが、現実に戻るための鍵に『悪夢の書』と名付けたのならーー考えるだけで背筋がゾッとした。
28
あなたにおすすめの小説
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
[完結]私、物語りを改竄します。だって、女神様が全否定するんだもん
紅月
恋愛
病気で死んだけど、生まれ変わる前に号泣する女神様に会った。
何やらゲームのパッケージを見て泣きながら怒っている。
「こんなの私の世界で起こるなんて認めない」
あらすじを読んでいた私に向かって女神様は激おこです。
乙女ゲームはやった事ないけど、この悪役令嬢って書かれている女の子に対してのシナリオ、悲惨だ。
どのストーリーを辿っても処刑一択。
ならば私がこの子になってゲームのシナリオ、改ざんすると女神様に言うと号泣していた女神様が全属性の魔力と女神様の加護をくれる、と商談成立。
私は悪役令嬢、アデリーン・アドラー公爵令嬢としてサレイス王国で新しい家族と共に暮らす事になった。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
悪役令嬢の品格 ~悪役令嬢を演じてきましたが、今回は少し違うようです~
幸路ことは
恋愛
多くの乙女ゲームで悪役令嬢を演じたプロの悪役令嬢は、エリーナとして新しいゲームの世界で目覚める。しかし、今回は悪役令嬢に必須のつり目も縦巻きロールもなく、シナリオも分からない。それでも立派な悪役令嬢を演じるべく突き進んだ。
そして、学園に入学しヒロインを探すが、なぜか攻略対象と思われるキャラが集まってくる。さらに、前世の記憶がある少女にエリーナがヒロインだと告げられ、隠しキャラを出して欲しいとお願いされた……。
これは、ロマンス小説とプリンが大好きなエリーナが、悪役令嬢のプライドを胸に、少しずつ自分の気持ちを知り恋をしていく物語。なろう完結済み Copyright(C)2019 幸路ことは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる