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第二章 街予定地の問題を解決しよう編
3 街予定地に着いたは良いけれど その② 戦端を開く
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数十体の魔物が、そこには蠢いていた。
人型だけでなく獣型、機械を思わせる鉱物系の魔物も居る。
「大盤振る舞いだな、こりゃ」
駆除すべき敵を前にして、みんなを元気づけるように五郎が陽気な声を上げる。
魔王との戦いで実感したけれど、気持ちを盛り上げるのは、とっても大切なのだ。
気合や根性で勝てるとは言わないけれど、それが無ければ心は簡単にポッキリ折れる。
戦い続けるには、無視できない要素なんだ。
という訳で、俺も陽気に返す。
「選り取り見取りだね。こっちは10人――」
「ま゛っ!」
「ごめん、ロコも入れたら11人か。この人数で行くから、一人で5体は遊べそうだ。それ以上は取り合いになっちゃうけど、早い者勝ちで良い?」
これに真っ先に返してくれたのは有希だった。
「良いんじゃないっすかね。一番多く倒せた人が、特別ボーナスって事でどうすっか? もちろん、連携するのは前提っすけど」
「好いね。じゃ、先陣を切るのは俺たちで始めるけど――いける? カルナ。ミリィ」
あえて軽い口調で2人に訊いてみる。
「大丈夫です。その為の調整はしてきました」
「もう、あの時のような、お手間はお掛けしません」
2人は意気込みながら、ほど良く力を抜いて返してくれる。
(うん、これなら大丈夫だな)
2人の様子に安堵しながら、俺は開戦を告げる。
「じゃ、切り込むから。頼りにしてるよ、みんな」
重心を軽く落し、地面を抉るような勢いで俺は突撃した。
後方から、カルナとミリィが連いて来てくれるのが分かる。連携できる相手が居るのと居ないのとでは、戦術の幅が変わるので、すごく助かる。
だから、遠慮なしに魔物の群れに踏み込んだ。
「武具召喚、銘刀村正」
魔術により作りだした妖刀を、踏み込みと同時に召還する。狙いは、真正面の1体。いびつな骸骨のような魔物に、最大速度で間合いを詰める。
俺の踏み込みの速さに反応しきれず、迎撃体勢を取りきれない魔物を、横一文字に断ち切った。
断ち切ると同時に、強化した拳で髑髏を殴りつけ砕く。
そこが核だったのか、骸骨全てが崩れ去り、後には親指ぐらいの大きさの結晶体が残る。
それこそが魔力結晶。魔物の本体であり、ダメージを受けることで身を守るために休眠状態に陥った状態だ。
(……とりあえずは、普通の魔物か)
以前、俺とカルナが襲われたような、異様な魔物ではないみたいだ。
俺が状況分析をしている間も、当然ながら魔物は待ってはくれない。
魔物の只中に踏み込み過ぎた俺を圧殺するように、囲むようにして、後方から魔物が殺到しようとする。
けれど、それは叶わない。
俺の後方に、わざと一拍遅れて連いて来てくれていたカルナとミリィが、力強く迎撃してくれる。
「我が拳は破壊の御手なり。撃ち砕け、伴魔爆拳!」
詠唱と共に放ったミリィの拳が、俺に襲い掛かろうとした魔物に突き刺さる。
カルナの魔術により作り出された手甲をまとった拳は、人型の岩の塊のような魔物を砕くように減り込み、次の瞬間、魔物を爆発させた。
粉微塵に爆発四散する魔物。
爆発の余波で、周囲の魔物達は動きを止める。そこに、カルナの攻撃魔法が叩き込まれた。
「雷霆の威武、重ね積み上げるは四刃。我が意を飲み干し、貫き爆ぜよ。雷刃戦槍!」
魔術の強化と追加効果をもたらす強化詠唱を唱え生み出されたのは、4つのプラズマ火球。
それは槍状に成形されると、魔物たち目掛けて解き放たれた。
ミリィの爆拳の余波で、動きが止まっていた魔物達は避け切れない。
突き刺さると同時に解放されたプラズマが、魔物達の体内を瞬時に焼き粉砕する。
「ギイイイィィィ!」
仲間を倒され、威嚇するように声を上げる魔物達。
一度に大量の魔物を倒したカルナを脅威と見たのか、周囲の魔物は一斉にカルナに襲い掛かろうとする。
その前に、ミリィが立ち塞がる。
単純な身体強化よりも、更に素早い動き。それは、いま彼女が纏っている魔術闘衣の効果だ。
簡単に言うと強化服。カルナが新しく作り出した、その魔術は、俺達が襲われミリィが傷付いた反省から出来ている。
あの時の異様な魔物は、単純な力場で出来ていた防御系付与魔術を斬り裂いた。
けれど物質化させ固定した魔術の守りに対しては、破壊する事が叶わなかったので、動きの邪魔にならない服の形で固定した付与魔術を作り出したんだ。
その上で、身に着けた相手の動きをサポートする機能まで付けている。
傍で見ていて必死なのが分かるぐらいの勢いで作っていたので、2度とミリィを傷付けさせないという意気込みが感じられた。
そんなカルナの想いに応えるように、ミリィは近付く魔物の全てを叩き潰していく。
巨大な刃物の腕を振り上げた魔物の懐に跳び込み、左の速撃2連打。
放った直後に、本命の右直撃。
殴り飛ばされ魔物は、仲間の魔物にぶつかり動きを阻害する。
その横合いから、弧を描き突進してくるのは四足獣型の魔物。
まさしく獣の素早さで距離を詰め、噛み付こうと跳びかかって来る。
けれど、それすらミリィは迎撃する。
魔物の跳び込みに合わせ間合いを詰めていたミリィは、姿勢を低くし、そこから膝で魔物の顎を撃ち上げる。
間髪入れず、ほぼ同時に、真上から撃ち落とすような肘撃ちが魔物の脳天に突き刺さり、噛み砕かれるように魔物の頭は粉砕された。
繰り返される、絶え間ない連撃。
魔物はカルナの元に近づけず、ミリィを傷つけることさえ出来ない。
近接戦では不利だと見たのか、一部の魔物が距離を取り、その腕を大砲のように変える。
魔術による砲撃を、味方の魔物を巻き込むような勢いで放とうとしていた。
(させるか)
それを、俺は切り裂く。止めを刺すことは捨て、攻撃を止める事に集中し、魔物の大砲と化した腕を斬り飛ばしていく。
俺と、カルナとミリィ。その連携は巧く機能する。
俺が先陣で踏み込み、魔物を混乱させた所で後方からミリィが。
そしてカルナが遠距離攻撃をしつつ、ミリィが防御に動き、俺は遊撃役として敵を掻き乱していく。
数が圧倒的に有利な筈の魔物は、これに対応できない。
もとより低級の魔物は、場当たり的な対応をする程度の能力しか持たない。
人を見つければ襲う。攻撃されれば反撃する。その程度だ。
連携を取って戦うという考え自体が無い。
だからこそ、不利だと見れば後先を考えず、その場を逃げ出していく。
俺と、カルナとミリィに追い詰められていく魔物達は不利だと見たのか、仲間の魔物をあっさりと見捨て、その場から逃れようとした。
けれど俺の仲間達が、そんなことを許す筈もなかった。
人型だけでなく獣型、機械を思わせる鉱物系の魔物も居る。
「大盤振る舞いだな、こりゃ」
駆除すべき敵を前にして、みんなを元気づけるように五郎が陽気な声を上げる。
魔王との戦いで実感したけれど、気持ちを盛り上げるのは、とっても大切なのだ。
気合や根性で勝てるとは言わないけれど、それが無ければ心は簡単にポッキリ折れる。
戦い続けるには、無視できない要素なんだ。
という訳で、俺も陽気に返す。
「選り取り見取りだね。こっちは10人――」
「ま゛っ!」
「ごめん、ロコも入れたら11人か。この人数で行くから、一人で5体は遊べそうだ。それ以上は取り合いになっちゃうけど、早い者勝ちで良い?」
これに真っ先に返してくれたのは有希だった。
「良いんじゃないっすかね。一番多く倒せた人が、特別ボーナスって事でどうすっか? もちろん、連携するのは前提っすけど」
「好いね。じゃ、先陣を切るのは俺たちで始めるけど――いける? カルナ。ミリィ」
あえて軽い口調で2人に訊いてみる。
「大丈夫です。その為の調整はしてきました」
「もう、あの時のような、お手間はお掛けしません」
2人は意気込みながら、ほど良く力を抜いて返してくれる。
(うん、これなら大丈夫だな)
2人の様子に安堵しながら、俺は開戦を告げる。
「じゃ、切り込むから。頼りにしてるよ、みんな」
重心を軽く落し、地面を抉るような勢いで俺は突撃した。
後方から、カルナとミリィが連いて来てくれるのが分かる。連携できる相手が居るのと居ないのとでは、戦術の幅が変わるので、すごく助かる。
だから、遠慮なしに魔物の群れに踏み込んだ。
「武具召喚、銘刀村正」
魔術により作りだした妖刀を、踏み込みと同時に召還する。狙いは、真正面の1体。いびつな骸骨のような魔物に、最大速度で間合いを詰める。
俺の踏み込みの速さに反応しきれず、迎撃体勢を取りきれない魔物を、横一文字に断ち切った。
断ち切ると同時に、強化した拳で髑髏を殴りつけ砕く。
そこが核だったのか、骸骨全てが崩れ去り、後には親指ぐらいの大きさの結晶体が残る。
それこそが魔力結晶。魔物の本体であり、ダメージを受けることで身を守るために休眠状態に陥った状態だ。
(……とりあえずは、普通の魔物か)
以前、俺とカルナが襲われたような、異様な魔物ではないみたいだ。
俺が状況分析をしている間も、当然ながら魔物は待ってはくれない。
魔物の只中に踏み込み過ぎた俺を圧殺するように、囲むようにして、後方から魔物が殺到しようとする。
けれど、それは叶わない。
俺の後方に、わざと一拍遅れて連いて来てくれていたカルナとミリィが、力強く迎撃してくれる。
「我が拳は破壊の御手なり。撃ち砕け、伴魔爆拳!」
詠唱と共に放ったミリィの拳が、俺に襲い掛かろうとした魔物に突き刺さる。
カルナの魔術により作り出された手甲をまとった拳は、人型の岩の塊のような魔物を砕くように減り込み、次の瞬間、魔物を爆発させた。
粉微塵に爆発四散する魔物。
爆発の余波で、周囲の魔物達は動きを止める。そこに、カルナの攻撃魔法が叩き込まれた。
「雷霆の威武、重ね積み上げるは四刃。我が意を飲み干し、貫き爆ぜよ。雷刃戦槍!」
魔術の強化と追加効果をもたらす強化詠唱を唱え生み出されたのは、4つのプラズマ火球。
それは槍状に成形されると、魔物たち目掛けて解き放たれた。
ミリィの爆拳の余波で、動きが止まっていた魔物達は避け切れない。
突き刺さると同時に解放されたプラズマが、魔物達の体内を瞬時に焼き粉砕する。
「ギイイイィィィ!」
仲間を倒され、威嚇するように声を上げる魔物達。
一度に大量の魔物を倒したカルナを脅威と見たのか、周囲の魔物は一斉にカルナに襲い掛かろうとする。
その前に、ミリィが立ち塞がる。
単純な身体強化よりも、更に素早い動き。それは、いま彼女が纏っている魔術闘衣の効果だ。
簡単に言うと強化服。カルナが新しく作り出した、その魔術は、俺達が襲われミリィが傷付いた反省から出来ている。
あの時の異様な魔物は、単純な力場で出来ていた防御系付与魔術を斬り裂いた。
けれど物質化させ固定した魔術の守りに対しては、破壊する事が叶わなかったので、動きの邪魔にならない服の形で固定した付与魔術を作り出したんだ。
その上で、身に着けた相手の動きをサポートする機能まで付けている。
傍で見ていて必死なのが分かるぐらいの勢いで作っていたので、2度とミリィを傷付けさせないという意気込みが感じられた。
そんなカルナの想いに応えるように、ミリィは近付く魔物の全てを叩き潰していく。
巨大な刃物の腕を振り上げた魔物の懐に跳び込み、左の速撃2連打。
放った直後に、本命の右直撃。
殴り飛ばされ魔物は、仲間の魔物にぶつかり動きを阻害する。
その横合いから、弧を描き突進してくるのは四足獣型の魔物。
まさしく獣の素早さで距離を詰め、噛み付こうと跳びかかって来る。
けれど、それすらミリィは迎撃する。
魔物の跳び込みに合わせ間合いを詰めていたミリィは、姿勢を低くし、そこから膝で魔物の顎を撃ち上げる。
間髪入れず、ほぼ同時に、真上から撃ち落とすような肘撃ちが魔物の脳天に突き刺さり、噛み砕かれるように魔物の頭は粉砕された。
繰り返される、絶え間ない連撃。
魔物はカルナの元に近づけず、ミリィを傷つけることさえ出来ない。
近接戦では不利だと見たのか、一部の魔物が距離を取り、その腕を大砲のように変える。
魔術による砲撃を、味方の魔物を巻き込むような勢いで放とうとしていた。
(させるか)
それを、俺は切り裂く。止めを刺すことは捨て、攻撃を止める事に集中し、魔物の大砲と化した腕を斬り飛ばしていく。
俺と、カルナとミリィ。その連携は巧く機能する。
俺が先陣で踏み込み、魔物を混乱させた所で後方からミリィが。
そしてカルナが遠距離攻撃をしつつ、ミリィが防御に動き、俺は遊撃役として敵を掻き乱していく。
数が圧倒的に有利な筈の魔物は、これに対応できない。
もとより低級の魔物は、場当たり的な対応をする程度の能力しか持たない。
人を見つければ襲う。攻撃されれば反撃する。その程度だ。
連携を取って戦うという考え自体が無い。
だからこそ、不利だと見れば後先を考えず、その場を逃げ出していく。
俺と、カルナとミリィに追い詰められていく魔物達は不利だと見たのか、仲間の魔物をあっさりと見捨て、その場から逃れようとした。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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