92 / 115
第二章 街予定地の問題を解決しよう編
7 リベンジ兼ねて実践演習に向かいます その④
しおりを挟む
軍服めいたロングジャケットを着こなした、長髪黒髪美人。
それが五十鈴だ。
彼女は、燃料は自動装填なので椅子にのんびりと座りながら、ノートに何かを書いていた。
「良い案、浮かんだ?」
「そない簡単に浮かぶんなら、苦労は無いわ~」
五十鈴は手をぱたぱた振って、俺の問い掛けに応えてくれる。
彼女には、俺達が指揮する志願者の運用をどうするかを考えて貰っているんだ。
「そもそも、2日かそこらで100人以上の運用考えろ言うんが無茶なんよ~」
「ごめん。名門魔術師の人達を止められなかったから」
一応の協力に応じてくれた名門魔術師の人達だけど、俺達の指示で動くのが嫌だったのか、協力に応じると同時に、即時に魔物を排除することを提案してきたんだ。
今はシュオルに留まっている魔物達が、いつ王都にやって来るか分からないっていう主張をされると、強くは反対できない。
もちろんそれは、どう考えても建前だけど。
魔物は、ある程度近くに人が居ると、そちらに向かう性質を持っている。
けど、100キロ以上の距離が離れていると、そうそうやって来ない。
偶にポツポツと、やって来る程度だ。
ただ、ある程度数が増えると、増えた分が押し出される形で活動範囲が拡大し、最終的には大量の魔物が群れとなってやって来る。
その段階になる前に駆除する必要があることにはあるんだけど、この前シュオルに訪れた時には、そこまでの兆候は見られなかった。
名門魔術師の人達には、その事はちゃんと伝えてはいる。
けど新種の魔物が出てる以上、今までの常識が通じるとは限らないと言われると、反論しきれなかったというのが事実だ。
「こっちは気を遣わなきゃいけない立場やからね~。しょうがないわ、ひいろん」
俺を気遣ってくれる五十鈴に、
「ありがとう。でも、それでそのツケをそっちに回してるのは悪いから、なにかあったら言って。用意出来る物は用意するから」
「ホンマに~、嬉しいわぁ。やったら、今度作りたい服あるんよ~。どうにか予算回してぇな」
「分かった。何とかならないか、聞いて回ってみるよ」
「いやった~! それならやる気出て来るわ~。うちも頑張らんと~」
五十鈴は嬉しそうに言うと、ノートに書いていたものを一気にまとめる。そして、
「できた~。とりあえず、この配置で就くように言うといてぇ」
志願者183名の戦闘時における配置図を渡してくれた。
軍神シュラの勇者である彼女は、集団で戦う際の最適な人員配置を、直感レベルで感じ取れる。
彼女の持つ神与能力『軍師の才覚』で、味方の最善を感じ取り、敵の最弱を嗅ぎ分けることが出来るんだ。
「10人前後の分隊で分けるんだ」
「最初は、5人ぐらいの班で分けようか思ったんやけど、それやと何かあった時に対応でけへんし。見た限りやと、5人程度やと力づくで押し切られる所も、出てくるかもしれんかったから」
「もっと大きい括りで、やるのは無理かな? みんなで固まって、魔法を撃つ感じに」
「無理やわ~。兵装いうか、一人一人の戦力が、てんでバラバラやもん。相手の届かん距離で一方的に爆撃するんが、一番ええやり方やけど、そこまでようせぇへんやろ?」
「ん~……そういうのするには、一方的にこっちが相手の位置を把握してないと無理だよね」
「そうなんよ~。魔王の呪いのせぇで、肉眼での目視以外で相手の位置確認する方法あらへんからね~。きくのんなら、現地に来てくれれば何とかなるかもしれんけど~。無理なんやろ?」
「うん。菊野さんには、手の回らない場所の監視に付いて貰ってるから」
俺とカルナが襲われてから、まだ犯人は捕まっていない。
だから万が一のことを考えて、可能な限り俺達の近しい人達の回りや、重要個所の警護はしてるんだけど、それでも手が足らない部分を、菊野さんには神与能力を使って監視して貰ってるので、こちらに来て貰う余裕が無いんだ。
(無理させちゃってるよな……今度なにかで埋め合わせしてあげないと)
心の中で、そう決心しつつ、五十鈴との話に戻る。
「分隊の中の役割は、近接と遠距離、あとは防御と索敵で分けるんだ」
「あんまり、複雑な分け方しても、どうしょうもないしね~。それよりは、一人一人の能力を活かせる余地を残したまま、役割分担して貰った方がええし」
「魔術が使えるから、一人一人の能力は高いし、その方が良いよね」
「そやね。例えるんなら、バズーカ持ったサムライでニンジャ、みたいなもんやからね~。魔術師って」
「あ~……確かに、そんな感じかも」
「身体強化魔術で野生動物より速う動いて、魔術で造った鉄も切るような刃物振り回して、炎やら雷やらぶっ放すんやもん。うちらの元居た世界でも、そんなんが上陸してゲリラ戦されたら、お手上げやったと思うわ~。一方的に爆撃する以外、勝てる気せぇへん」
「うん。それぐらい強いよね……でも、それでも魔物相手だと、油断は出来ないよね」
「戦力もやけど、向こうは死ぬの気にせぇへんもんね。味方が居ようがお構いなしに、魔術撃ち込んでくるやろうし。やっかいやわ~」
「うん。俺もそう思うよ。でも、それでも一人も死者を出さずにやっていかないと。大変だと思うけど、力を貸して。頼むよ」
「分かっとるんよ~。やってうちら、勇者なんやから」
気楽に応えてくれる五十鈴に頼もしさを感じながら、俺は自分の役割に戻る。
「それじゃ俺は志願者の人達に、配置を伝えてくるよ。まだ時間はあるから、それまではゆっくり休んどいて」
「ありがとう~。なら遠慮せんと、少し休ませて貰うわ。やから、ひいろんも少しは休んどきぃ」
「そうしたいんだけどね。色々と、回らないといけないから」
「……怪しいヤツ、見つかったん?」
気遣うような響きを滲ませる五十鈴の問い掛けに、俺は気楽な笑顔を浮かべて返す。
「いまの所は、特にないよ。犯人が、ここに潜り込んでるとは限らないんだし。単なる念のためで見て回ってるだけだから、気にしないで」
今回の魔術師の人達との協力で一番怖いのは、俺やカルナを襲った犯人が素知らぬ顔で入り込んでる事だ。
それも考えて車内を回っているんで、正直気疲れするんだとけど、ここで疲れた所を見せる訳にはいかない。
「五郎特製のカツサンドも食べたし、体力は有り余ってるんで大丈夫。そうだ、五十鈴も食べない? 美味しかったよ」
これに五十鈴は目を輝かせて、
「ホンマに? うわっ、嬉しいわぁ。ここ最近、五郎の料理、食べる機会あらへんかったから。楽しみやわ~」
ひょいっと立ち上がり、急かすように前に出てきた五十鈴に苦笑しながら、
「うん。じゃ、行こっか。多分今なら、まだ出来立てが食べられると思うよ」
俺はエスコートするように、五十鈴と一緒に五郎の居る糧食車両に向かった。
そんなことをしている間に、蒸気機関車はシュオルの街の入り口に到着する。
周囲に魔物が居ないことを確認してから、俺達は陣を展開し、リベンジを兼ねた魔物の討伐戦を開始した。
それが五十鈴だ。
彼女は、燃料は自動装填なので椅子にのんびりと座りながら、ノートに何かを書いていた。
「良い案、浮かんだ?」
「そない簡単に浮かぶんなら、苦労は無いわ~」
五十鈴は手をぱたぱた振って、俺の問い掛けに応えてくれる。
彼女には、俺達が指揮する志願者の運用をどうするかを考えて貰っているんだ。
「そもそも、2日かそこらで100人以上の運用考えろ言うんが無茶なんよ~」
「ごめん。名門魔術師の人達を止められなかったから」
一応の協力に応じてくれた名門魔術師の人達だけど、俺達の指示で動くのが嫌だったのか、協力に応じると同時に、即時に魔物を排除することを提案してきたんだ。
今はシュオルに留まっている魔物達が、いつ王都にやって来るか分からないっていう主張をされると、強くは反対できない。
もちろんそれは、どう考えても建前だけど。
魔物は、ある程度近くに人が居ると、そちらに向かう性質を持っている。
けど、100キロ以上の距離が離れていると、そうそうやって来ない。
偶にポツポツと、やって来る程度だ。
ただ、ある程度数が増えると、増えた分が押し出される形で活動範囲が拡大し、最終的には大量の魔物が群れとなってやって来る。
その段階になる前に駆除する必要があることにはあるんだけど、この前シュオルに訪れた時には、そこまでの兆候は見られなかった。
名門魔術師の人達には、その事はちゃんと伝えてはいる。
けど新種の魔物が出てる以上、今までの常識が通じるとは限らないと言われると、反論しきれなかったというのが事実だ。
「こっちは気を遣わなきゃいけない立場やからね~。しょうがないわ、ひいろん」
俺を気遣ってくれる五十鈴に、
「ありがとう。でも、それでそのツケをそっちに回してるのは悪いから、なにかあったら言って。用意出来る物は用意するから」
「ホンマに~、嬉しいわぁ。やったら、今度作りたい服あるんよ~。どうにか予算回してぇな」
「分かった。何とかならないか、聞いて回ってみるよ」
「いやった~! それならやる気出て来るわ~。うちも頑張らんと~」
五十鈴は嬉しそうに言うと、ノートに書いていたものを一気にまとめる。そして、
「できた~。とりあえず、この配置で就くように言うといてぇ」
志願者183名の戦闘時における配置図を渡してくれた。
軍神シュラの勇者である彼女は、集団で戦う際の最適な人員配置を、直感レベルで感じ取れる。
彼女の持つ神与能力『軍師の才覚』で、味方の最善を感じ取り、敵の最弱を嗅ぎ分けることが出来るんだ。
「10人前後の分隊で分けるんだ」
「最初は、5人ぐらいの班で分けようか思ったんやけど、それやと何かあった時に対応でけへんし。見た限りやと、5人程度やと力づくで押し切られる所も、出てくるかもしれんかったから」
「もっと大きい括りで、やるのは無理かな? みんなで固まって、魔法を撃つ感じに」
「無理やわ~。兵装いうか、一人一人の戦力が、てんでバラバラやもん。相手の届かん距離で一方的に爆撃するんが、一番ええやり方やけど、そこまでようせぇへんやろ?」
「ん~……そういうのするには、一方的にこっちが相手の位置を把握してないと無理だよね」
「そうなんよ~。魔王の呪いのせぇで、肉眼での目視以外で相手の位置確認する方法あらへんからね~。きくのんなら、現地に来てくれれば何とかなるかもしれんけど~。無理なんやろ?」
「うん。菊野さんには、手の回らない場所の監視に付いて貰ってるから」
俺とカルナが襲われてから、まだ犯人は捕まっていない。
だから万が一のことを考えて、可能な限り俺達の近しい人達の回りや、重要個所の警護はしてるんだけど、それでも手が足らない部分を、菊野さんには神与能力を使って監視して貰ってるので、こちらに来て貰う余裕が無いんだ。
(無理させちゃってるよな……今度なにかで埋め合わせしてあげないと)
心の中で、そう決心しつつ、五十鈴との話に戻る。
「分隊の中の役割は、近接と遠距離、あとは防御と索敵で分けるんだ」
「あんまり、複雑な分け方しても、どうしょうもないしね~。それよりは、一人一人の能力を活かせる余地を残したまま、役割分担して貰った方がええし」
「魔術が使えるから、一人一人の能力は高いし、その方が良いよね」
「そやね。例えるんなら、バズーカ持ったサムライでニンジャ、みたいなもんやからね~。魔術師って」
「あ~……確かに、そんな感じかも」
「身体強化魔術で野生動物より速う動いて、魔術で造った鉄も切るような刃物振り回して、炎やら雷やらぶっ放すんやもん。うちらの元居た世界でも、そんなんが上陸してゲリラ戦されたら、お手上げやったと思うわ~。一方的に爆撃する以外、勝てる気せぇへん」
「うん。それぐらい強いよね……でも、それでも魔物相手だと、油断は出来ないよね」
「戦力もやけど、向こうは死ぬの気にせぇへんもんね。味方が居ようがお構いなしに、魔術撃ち込んでくるやろうし。やっかいやわ~」
「うん。俺もそう思うよ。でも、それでも一人も死者を出さずにやっていかないと。大変だと思うけど、力を貸して。頼むよ」
「分かっとるんよ~。やってうちら、勇者なんやから」
気楽に応えてくれる五十鈴に頼もしさを感じながら、俺は自分の役割に戻る。
「それじゃ俺は志願者の人達に、配置を伝えてくるよ。まだ時間はあるから、それまではゆっくり休んどいて」
「ありがとう~。なら遠慮せんと、少し休ませて貰うわ。やから、ひいろんも少しは休んどきぃ」
「そうしたいんだけどね。色々と、回らないといけないから」
「……怪しいヤツ、見つかったん?」
気遣うような響きを滲ませる五十鈴の問い掛けに、俺は気楽な笑顔を浮かべて返す。
「いまの所は、特にないよ。犯人が、ここに潜り込んでるとは限らないんだし。単なる念のためで見て回ってるだけだから、気にしないで」
今回の魔術師の人達との協力で一番怖いのは、俺やカルナを襲った犯人が素知らぬ顔で入り込んでる事だ。
それも考えて車内を回っているんで、正直気疲れするんだとけど、ここで疲れた所を見せる訳にはいかない。
「五郎特製のカツサンドも食べたし、体力は有り余ってるんで大丈夫。そうだ、五十鈴も食べない? 美味しかったよ」
これに五十鈴は目を輝かせて、
「ホンマに? うわっ、嬉しいわぁ。ここ最近、五郎の料理、食べる機会あらへんかったから。楽しみやわ~」
ひょいっと立ち上がり、急かすように前に出てきた五十鈴に苦笑しながら、
「うん。じゃ、行こっか。多分今なら、まだ出来立てが食べられると思うよ」
俺はエスコートするように、五十鈴と一緒に五郎の居る糧食車両に向かった。
そんなことをしている間に、蒸気機関車はシュオルの街の入り口に到着する。
周囲に魔物が居ないことを確認してから、俺達は陣を展開し、リベンジを兼ねた魔物の討伐戦を開始した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる