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第二章 街予定地の問題を解決しよう編
8 まずは前線基地で準備しよう その①
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半径200メートルの球状地帯。
蒸気機関車から降りて陣を張った後、俺達が周囲を警戒する中、八雲が簡易の壁を造っていく。
「ちょっと集中して無防備になるから、その間の護衛は頼んだぜ」
あくまでも軽い声で八雲はそう言うと、周囲に自身の魔力を放出する。
地面と周囲の瓦礫。それらは八雲の魔力に触れると同時に支配下に置かれる。
生物には作用しないので草はそのままに、地面だけが波打ち平らに成形される。
瓦礫は液状化すると、外周部に流れ、そこで壁に錬成された。
大人の肩ぐらいの高さで、幅は1枚に付き、大人5人が横になって並べる程度。
1枚ごとの壁はそれぐらいの大きさで、大人2人が行き来できるぐらいの間を開けて、周囲を覆うようにして作られる。
それを5mほど間を開けて3重にし、当面の防衛線にした。
繋がった壁ではなく間を開けているのは、魔物が来た時に複数の個所から迎撃に出れるようにする為だ。
高さを低くしているのは、魔物が来たかどうかを視認して確認できるようにする為でもある。
拠点に引きこもって戦うんじゃなく、積極的に撃って出ることを想定した防衛線だ。
とはいえ、超長距離からの壁を越えての狙撃や爆撃の可能性も考えて、いつでも周囲全体をドーム状に覆えるよう、八雲と出雲には拠点で待機して貰うことになっていた。
「お疲れさま。それじゃ悪いけど、ここの守りは任せるよ」
「おう、任せとけ」
「任せるのだ!」
「ま゛っ!」
八雲は力強く、そして出雲とロコは元気一杯に返してくれる。
この3人には、拠点の防衛もだけど、なにかあったら即座に蒸気機関車で撤退できるよう準備して貰っている。
負けるつもりはないけれど、負けたり不利になったり、想定外の時のことも考えて行動しておて損は無い。
そうして周囲の守りを固めた所で、俺は魔術師の人達の元に。
魔術師の人達は、大きく分けて2種類の表情を浮かべていた。
驚愕と歓喜だ。
若干ひくぐらい驚いてるのは、名門の魔術師の人達に多い。
この場に集まった300人の名門魔術師の人達。
彼ら全員でやっても出来ないレベルで、八雲が物質変成を1人でしたのに驚いてるみたいだ。
歓喜を浮かべているのは、志願者の若い魔術師たちが多い。
純粋に、憧れるように、俺たち勇者を見詰めている。
どっちが厄介かと言えば、間違いなく若い魔術師たちだ。
こっちに好印象を抱いてくれるのは良いんだけど、それで状況を正しく見極める目が曇ったら問題だ。
熱狂するのが悪いとまでは言わないけど、それで冷静さが失われたら最悪でもある。
こっちは魔術師の人達を使い潰す気も、利用する気もないんだ。
一緒に肩を並べて戦って貰えるようになって貰わないと困る。
だから、若い魔術師のみんなの熱を醒ますように、わざと最初は名門魔術師の方に俺は向う。
「さすがは神々に力を与えられた勇者ですね。我々とは次元が違う」
近づいてきた俺に気付いたラングレーさんが、指揮下にある人達への指示を止め、声を掛けてくる。
俺は笑顔を浮かべ、謙遜するように返した。
「全ては神々の力です。努力して手に入れた力ではありません。それだけに、脆いんです。皆さんの力をお借りしなければ、これからの困難を乗り越えて行く事は叶いません」
「……ご謙遜を」
どこか、どろりとした輝きを瞳に宿しながら、ラングレーさんは言った。
「もう少し、傲慢になられても良いのですよ。それだけの力が御有りなのですから」
「傲慢になれるほど、気が大きくは無いのです。そこまで身の程知らずではないですよ」
心から本気だ。俺だけじゃなく、他の勇者みんながそうだけど、一度は死んでいる。
その時に感じた孤独と、言いようのない無力感。
どれだけ力があろうが、あの何も無い場所に落ちる瞬間を知っている以上、調子に乗る気にはなれない。
仮に無限の力があったとしても、それさえ飲み込む絶無は存在すると、知識では無く実感として知っているのだから。
とはいえ、それはこっちの事情だ。
ラングレーさんからしたら、チートな力を手にしたヤツラが、力を惜しんでいるように見えても仕方がない。
とはいえ、俺達の想いを話した所で共感して貰えるかというと、難しすぎるだろう。
ちょっと死んでみて、その瞬間に助けられる経験してみて下さい。
なんてことは言えないし。喧嘩を売ってんのかと思われるのがオチだ。
だから、伝えきれない想いにもどかしさを感じながら、せめて言葉で繋がれないか会話を続ける。
「我々に力があったとしても、今回のような問題には対処しきれませんから。
これからこの街を治め発展させようというのに、破壊していたらどうにもなりません。
巧く解決して行く為には、大勢の皆さんの力が必要なんです。
そのまず第一歩として、皆さんの力をお借りしたいんです。
どうか、よろしくお願いします」
頭を下げ、俺は素直な気持ちを口にして頼む。
それぐらいしか、今は出来ないのが、結局の所は俺の力でしかない。
これにラングレーさんは、気持ちを汲んでくれたのか、
「頭を上げて下さい。勇者である貴方に、そんな事をさせる訳にはいきません。貴方の気持ちは分かりました。もちろん、協力させて頂きますとも」
笑顔を浮かべ、受け入れるように返してくれた。これに俺は顔を上げ、同じように笑顔を浮かべながら言った。
「ありがとうございます。では、早速ですが、進捗の確認を。皆さんの戦闘準備は整われましたか?」
「ええ、もちろんです。それを踏まえて、戦闘の手順を確認しましょう」
ラングレーさんの言葉に返す形で、俺は今回の戦いの概要をあらためて口にした。
蒸気機関車から降りて陣を張った後、俺達が周囲を警戒する中、八雲が簡易の壁を造っていく。
「ちょっと集中して無防備になるから、その間の護衛は頼んだぜ」
あくまでも軽い声で八雲はそう言うと、周囲に自身の魔力を放出する。
地面と周囲の瓦礫。それらは八雲の魔力に触れると同時に支配下に置かれる。
生物には作用しないので草はそのままに、地面だけが波打ち平らに成形される。
瓦礫は液状化すると、外周部に流れ、そこで壁に錬成された。
大人の肩ぐらいの高さで、幅は1枚に付き、大人5人が横になって並べる程度。
1枚ごとの壁はそれぐらいの大きさで、大人2人が行き来できるぐらいの間を開けて、周囲を覆うようにして作られる。
それを5mほど間を開けて3重にし、当面の防衛線にした。
繋がった壁ではなく間を開けているのは、魔物が来た時に複数の個所から迎撃に出れるようにする為だ。
高さを低くしているのは、魔物が来たかどうかを視認して確認できるようにする為でもある。
拠点に引きこもって戦うんじゃなく、積極的に撃って出ることを想定した防衛線だ。
とはいえ、超長距離からの壁を越えての狙撃や爆撃の可能性も考えて、いつでも周囲全体をドーム状に覆えるよう、八雲と出雲には拠点で待機して貰うことになっていた。
「お疲れさま。それじゃ悪いけど、ここの守りは任せるよ」
「おう、任せとけ」
「任せるのだ!」
「ま゛っ!」
八雲は力強く、そして出雲とロコは元気一杯に返してくれる。
この3人には、拠点の防衛もだけど、なにかあったら即座に蒸気機関車で撤退できるよう準備して貰っている。
負けるつもりはないけれど、負けたり不利になったり、想定外の時のことも考えて行動しておて損は無い。
そうして周囲の守りを固めた所で、俺は魔術師の人達の元に。
魔術師の人達は、大きく分けて2種類の表情を浮かべていた。
驚愕と歓喜だ。
若干ひくぐらい驚いてるのは、名門の魔術師の人達に多い。
この場に集まった300人の名門魔術師の人達。
彼ら全員でやっても出来ないレベルで、八雲が物質変成を1人でしたのに驚いてるみたいだ。
歓喜を浮かべているのは、志願者の若い魔術師たちが多い。
純粋に、憧れるように、俺たち勇者を見詰めている。
どっちが厄介かと言えば、間違いなく若い魔術師たちだ。
こっちに好印象を抱いてくれるのは良いんだけど、それで状況を正しく見極める目が曇ったら問題だ。
熱狂するのが悪いとまでは言わないけど、それで冷静さが失われたら最悪でもある。
こっちは魔術師の人達を使い潰す気も、利用する気もないんだ。
一緒に肩を並べて戦って貰えるようになって貰わないと困る。
だから、若い魔術師のみんなの熱を醒ますように、わざと最初は名門魔術師の方に俺は向う。
「さすがは神々に力を与えられた勇者ですね。我々とは次元が違う」
近づいてきた俺に気付いたラングレーさんが、指揮下にある人達への指示を止め、声を掛けてくる。
俺は笑顔を浮かべ、謙遜するように返した。
「全ては神々の力です。努力して手に入れた力ではありません。それだけに、脆いんです。皆さんの力をお借りしなければ、これからの困難を乗り越えて行く事は叶いません」
「……ご謙遜を」
どこか、どろりとした輝きを瞳に宿しながら、ラングレーさんは言った。
「もう少し、傲慢になられても良いのですよ。それだけの力が御有りなのですから」
「傲慢になれるほど、気が大きくは無いのです。そこまで身の程知らずではないですよ」
心から本気だ。俺だけじゃなく、他の勇者みんながそうだけど、一度は死んでいる。
その時に感じた孤独と、言いようのない無力感。
どれだけ力があろうが、あの何も無い場所に落ちる瞬間を知っている以上、調子に乗る気にはなれない。
仮に無限の力があったとしても、それさえ飲み込む絶無は存在すると、知識では無く実感として知っているのだから。
とはいえ、それはこっちの事情だ。
ラングレーさんからしたら、チートな力を手にしたヤツラが、力を惜しんでいるように見えても仕方がない。
とはいえ、俺達の想いを話した所で共感して貰えるかというと、難しすぎるだろう。
ちょっと死んでみて、その瞬間に助けられる経験してみて下さい。
なんてことは言えないし。喧嘩を売ってんのかと思われるのがオチだ。
だから、伝えきれない想いにもどかしさを感じながら、せめて言葉で繋がれないか会話を続ける。
「我々に力があったとしても、今回のような問題には対処しきれませんから。
これからこの街を治め発展させようというのに、破壊していたらどうにもなりません。
巧く解決して行く為には、大勢の皆さんの力が必要なんです。
そのまず第一歩として、皆さんの力をお借りしたいんです。
どうか、よろしくお願いします」
頭を下げ、俺は素直な気持ちを口にして頼む。
それぐらいしか、今は出来ないのが、結局の所は俺の力でしかない。
これにラングレーさんは、気持ちを汲んでくれたのか、
「頭を上げて下さい。勇者である貴方に、そんな事をさせる訳にはいきません。貴方の気持ちは分かりました。もちろん、協力させて頂きますとも」
笑顔を浮かべ、受け入れるように返してくれた。これに俺は顔を上げ、同じように笑顔を浮かべながら言った。
「ありがとうございます。では、早速ですが、進捗の確認を。皆さんの戦闘準備は整われましたか?」
「ええ、もちろんです。それを踏まえて、戦闘の手順を確認しましょう」
ラングレーさんの言葉に返す形で、俺は今回の戦いの概要をあらためて口にした。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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