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「ルーヴァス……!?」
カーチェスが慌てたように席から立ち上がる。
階段から降りてきたルーヴァスはいつも通りだ。やはり先ほどの血塗れの彼の面影は欠片もない。しかしそれは傷口が塞がっただけで、完治したわけではないのは私もわかっている。
「まだ寝ていないと駄目だよ!」
こちらに歩み寄ってきたルーヴァスに、カーチェスが心配そうにそう言った。しかしルーヴァスは緩やかに首を振る。
「心配してもらうほどではない。……傷は塞がっている」
「そういう問題じゃ……」
「それより、“鴉”の話だが」
半ば強引にカーチェスの言葉を遮ったルーヴァスは、私をまっすぐに見据えていた。
「“鴉”の実態を我々も把握できていない以上、あなたを“鴉”に任せることはできない」
「ええと、どういうことで……」
「それに、あなたの存在は、我々にとっても特異だ。あなたにその気がなくとも、我々との接触がある限り、この森を、ひいては妖精を危機的状況に陥れる可能性を考慮してほしい」
「……ええと」
わからない。
いや、彼の言っていることは何となくわかるのだ。妖精狩りが存在する以上、彼ら妖精の存在は私たち人間にとっては特別なもので、それは多分、おいそれと言いふらしていい話題ではないのだろう。迷いの森が――ゲームの都合を考えずにこの世界のルールを踏まえて考えるなら――守っている妖精の存在が、私を街に放り出すことで、恐らく簡単に危うくなる。迷いの森で迷わず彼らに出会えたことは、本来なら奇跡なのだ。それをいとも簡単に行ってしまった私の存在は、多分かなり面倒なものであることは間違いない。
だから、ルーヴァスの言っていることはわかる。
わからないのは。
わからないのは、ルーヴァスの、表情だった。
窘める表情ではない。困惑でも、憤りでも、不安でもない。恐怖とも違う。
何にもないのだ。
感情が、その表情にも、双眸にも、一切ない。
まるで能面のような、そんな顔。
何故、そんな顔をするのだ。
「……ルーヴァス、あの……」
「それに。あなたをここに留め置くことは、あなたを護る立場である“鴉”からすれば、護衛対象を|拐〈かどわ〉かされたも同然だ。本国からの処罰対象になる。“鴉”はあなたを血眼で探しているだろうし、そうなれば我々は単なる敵でしかない。戦うことになるだろう。それは、妖精と、あなたの国の戦ともとれる。本格的な戦になることは恐らく避けられない」
ルーヴァスの言っていることは多分、正論。
でも、それは用意した台詞をなぞるように読んでいるような――それを聞かされているような奇妙な感覚を覚えさせた。
「……でも、“鴉”は私の私兵なんですよね。私がここに来たいと言ったから、彼らは私をただ見送るしかできなかった、と、いうのは」
「そんな言い訳は、本国に通じない。信頼に足るとは到底思えない輩に、自国の姫君を放り出したも同然だ。あなたの――護衛対象の命令であっても、あなたを一人で我々の元へ行かせることはさせないだろう」
それは、確かにそうだ。
「……ルーヴァス」
カーチェスが、何かを含んだような声音でルーヴァスの名を呼んだ。そこでルーヴァスがどこかはっとしたような顔になる。
「あ……いや、すまない。言い立てるような真似をした」
「いえ……」
ルーヴァスは気まずげな表情で視線を床に落とす。
私は、ようやく表情のこもった彼の顔に、どこか安堵を覚えていた。
……いつも劇的な感情こそあらわさないものの、ルーヴァスは笑うし、困った顔もする。それなのにあんな、すべての感情が抜け落ちたかのような無表情。
人形と話しているような、そんな感覚。それはとても――不気味だった。
「ルーヴァス、あの」
「……何だろうか」
「ルーヴァスの言うことに、従おうと思います。ただ、鴉について詳しく聞いてはダメですか」
「……何の、ために?」
「私がここに来たせいで、その私兵である彼らが罰を受けることはできれば避けたいんです。……難しいかもしれませんが、それについても、いくらか考えたい。……わがままだとは、思うんですけど」
「……」
ルーヴァスは私の言葉にしばらく何も言わなかった。しかしやがて、
「そうだな。あなたは、そういうひとだな」
穏やかな、悲しそうな微笑をそっと浮かべて頷いた。
「とはいえ、我々も“鴉”について詳しくは知らない。あれは女王であるあなたが極秘裏に動かす私兵としてしか知られていないのだ。その規模、素性もわからない。ただ、仕事の際には少数で動くこと、いつも黒衣を纏い、顔も見せないことは聞いたことがある。そして、仕事は完璧にこなし、絶対に獲物は取り逃がさない。それ故、巷ではこう言われている――」
“漆黒の悪魔”、と。
「……悪魔……」
「無論、鴉は本物の悪魔ではないのだろうが……。一切の情報を掴ませない。恐ろしいものだ」
……そんなものを、私が使っていたというのだろうか。いや、正確にはこの身体の前の持ち主、だろうが……
しかしそれならやはり、白雪姫から逃げる必要性が分からない。道化師に化かされた可能性はなくもないが――しかし私が生き残ることが彼の勝利というのなら、その情報を隠す必要がない。道化師とその対戦相手で面倒なルールを設けているというのなら別だが。
それに、もう一つ。
そんな優秀な軍が、何の戦闘能力も持たない私が城から出るのを、そう簡単に見逃すだろうか。止めるか、護衛を願い出そうなものだと思う。
……何か裏があると考えた方が自然な気がする。
「ルーヴァス、立ったまま話すのもなんだし、座ったらどう?」
カーチェスが自分の隣の席の背もたれを叩くと、ルーヴァスはお礼を言って席に着いた。
「身体は痛まないの」
「もう問題ない。激しい運動をするでもないし、あまり心配しないでくれ」
ルーヴァスが微笑んでも、カーチェスはやはりどこか気遣わしげだった。
「……。そういえば」
ふと、リリツァスがぽつりとつぶやいた。
「姫がこの国に来てしばらくした頃、裏の界隈でおかしな話が上がったよね。ひちっ」
「……おかしな話?」
私が首を傾げると、シルヴィスが呆れた顔で肩をすくめた。
「あれは姫がこの国に来てしばらくした頃ではないでしょう。国王が死んだ頃ですよ」
「え、そうだっけ?」
「国王の死に方が酷似しているという話でしょう?」
「そうそう、それ! ひちっ」
「国王の死に方――?」
何やら不穏な話に私は眉を顰める。
「ええと、国王というと私の――夫、ということでしょうか」
夫という響きにすさまじい違和感を覚える。私は高校三年生だ。夫などいる方が珍しい。というか知りもしない人を夫とは言いたくない。だが、そういうしかないのだから非常に複雑だ。
……いや、私の複雑な心境はこの際どうでもいい。そもそも死んでいるのだ。もう関わりがないし、顔を見ることもないだろう。
それより国王の死に方、とはどういうことだ。その言い方だと、どう考えても普通に老衰で死んだわけじゃないだろう。っていうか私と結婚する相手が老衰死するような年齢というのも少し考えにくい。まぁ突き詰めて考えれば要は政略結婚だろうし、ありえなくはないのかもしれないが、多分違うのだろう。
「まぁ、そういうことになりますね」
「国王が死んだ時、女王が――姫が殺したんじゃないか、って話が上がったんだよねぇ。裏界隈で」
「はっ!?」
予想外の話が飛んできて私は固まった。
カーチェスが慌てたように席から立ち上がる。
階段から降りてきたルーヴァスはいつも通りだ。やはり先ほどの血塗れの彼の面影は欠片もない。しかしそれは傷口が塞がっただけで、完治したわけではないのは私もわかっている。
「まだ寝ていないと駄目だよ!」
こちらに歩み寄ってきたルーヴァスに、カーチェスが心配そうにそう言った。しかしルーヴァスは緩やかに首を振る。
「心配してもらうほどではない。……傷は塞がっている」
「そういう問題じゃ……」
「それより、“鴉”の話だが」
半ば強引にカーチェスの言葉を遮ったルーヴァスは、私をまっすぐに見据えていた。
「“鴉”の実態を我々も把握できていない以上、あなたを“鴉”に任せることはできない」
「ええと、どういうことで……」
「それに、あなたの存在は、我々にとっても特異だ。あなたにその気がなくとも、我々との接触がある限り、この森を、ひいては妖精を危機的状況に陥れる可能性を考慮してほしい」
「……ええと」
わからない。
いや、彼の言っていることは何となくわかるのだ。妖精狩りが存在する以上、彼ら妖精の存在は私たち人間にとっては特別なもので、それは多分、おいそれと言いふらしていい話題ではないのだろう。迷いの森が――ゲームの都合を考えずにこの世界のルールを踏まえて考えるなら――守っている妖精の存在が、私を街に放り出すことで、恐らく簡単に危うくなる。迷いの森で迷わず彼らに出会えたことは、本来なら奇跡なのだ。それをいとも簡単に行ってしまった私の存在は、多分かなり面倒なものであることは間違いない。
だから、ルーヴァスの言っていることはわかる。
わからないのは。
わからないのは、ルーヴァスの、表情だった。
窘める表情ではない。困惑でも、憤りでも、不安でもない。恐怖とも違う。
何にもないのだ。
感情が、その表情にも、双眸にも、一切ない。
まるで能面のような、そんな顔。
何故、そんな顔をするのだ。
「……ルーヴァス、あの……」
「それに。あなたをここに留め置くことは、あなたを護る立場である“鴉”からすれば、護衛対象を|拐〈かどわ〉かされたも同然だ。本国からの処罰対象になる。“鴉”はあなたを血眼で探しているだろうし、そうなれば我々は単なる敵でしかない。戦うことになるだろう。それは、妖精と、あなたの国の戦ともとれる。本格的な戦になることは恐らく避けられない」
ルーヴァスの言っていることは多分、正論。
でも、それは用意した台詞をなぞるように読んでいるような――それを聞かされているような奇妙な感覚を覚えさせた。
「……でも、“鴉”は私の私兵なんですよね。私がここに来たいと言ったから、彼らは私をただ見送るしかできなかった、と、いうのは」
「そんな言い訳は、本国に通じない。信頼に足るとは到底思えない輩に、自国の姫君を放り出したも同然だ。あなたの――護衛対象の命令であっても、あなたを一人で我々の元へ行かせることはさせないだろう」
それは、確かにそうだ。
「……ルーヴァス」
カーチェスが、何かを含んだような声音でルーヴァスの名を呼んだ。そこでルーヴァスがどこかはっとしたような顔になる。
「あ……いや、すまない。言い立てるような真似をした」
「いえ……」
ルーヴァスは気まずげな表情で視線を床に落とす。
私は、ようやく表情のこもった彼の顔に、どこか安堵を覚えていた。
……いつも劇的な感情こそあらわさないものの、ルーヴァスは笑うし、困った顔もする。それなのにあんな、すべての感情が抜け落ちたかのような無表情。
人形と話しているような、そんな感覚。それはとても――不気味だった。
「ルーヴァス、あの」
「……何だろうか」
「ルーヴァスの言うことに、従おうと思います。ただ、鴉について詳しく聞いてはダメですか」
「……何の、ために?」
「私がここに来たせいで、その私兵である彼らが罰を受けることはできれば避けたいんです。……難しいかもしれませんが、それについても、いくらか考えたい。……わがままだとは、思うんですけど」
「……」
ルーヴァスは私の言葉にしばらく何も言わなかった。しかしやがて、
「そうだな。あなたは、そういうひとだな」
穏やかな、悲しそうな微笑をそっと浮かべて頷いた。
「とはいえ、我々も“鴉”について詳しくは知らない。あれは女王であるあなたが極秘裏に動かす私兵としてしか知られていないのだ。その規模、素性もわからない。ただ、仕事の際には少数で動くこと、いつも黒衣を纏い、顔も見せないことは聞いたことがある。そして、仕事は完璧にこなし、絶対に獲物は取り逃がさない。それ故、巷ではこう言われている――」
“漆黒の悪魔”、と。
「……悪魔……」
「無論、鴉は本物の悪魔ではないのだろうが……。一切の情報を掴ませない。恐ろしいものだ」
……そんなものを、私が使っていたというのだろうか。いや、正確にはこの身体の前の持ち主、だろうが……
しかしそれならやはり、白雪姫から逃げる必要性が分からない。道化師に化かされた可能性はなくもないが――しかし私が生き残ることが彼の勝利というのなら、その情報を隠す必要がない。道化師とその対戦相手で面倒なルールを設けているというのなら別だが。
それに、もう一つ。
そんな優秀な軍が、何の戦闘能力も持たない私が城から出るのを、そう簡単に見逃すだろうか。止めるか、護衛を願い出そうなものだと思う。
……何か裏があると考えた方が自然な気がする。
「ルーヴァス、立ったまま話すのもなんだし、座ったらどう?」
カーチェスが自分の隣の席の背もたれを叩くと、ルーヴァスはお礼を言って席に着いた。
「身体は痛まないの」
「もう問題ない。激しい運動をするでもないし、あまり心配しないでくれ」
ルーヴァスが微笑んでも、カーチェスはやはりどこか気遣わしげだった。
「……。そういえば」
ふと、リリツァスがぽつりとつぶやいた。
「姫がこの国に来てしばらくした頃、裏の界隈でおかしな話が上がったよね。ひちっ」
「……おかしな話?」
私が首を傾げると、シルヴィスが呆れた顔で肩をすくめた。
「あれは姫がこの国に来てしばらくした頃ではないでしょう。国王が死んだ頃ですよ」
「え、そうだっけ?」
「国王の死に方が酷似しているという話でしょう?」
「そうそう、それ! ひちっ」
「国王の死に方――?」
何やら不穏な話に私は眉を顰める。
「ええと、国王というと私の――夫、ということでしょうか」
夫という響きにすさまじい違和感を覚える。私は高校三年生だ。夫などいる方が珍しい。というか知りもしない人を夫とは言いたくない。だが、そういうしかないのだから非常に複雑だ。
……いや、私の複雑な心境はこの際どうでもいい。そもそも死んでいるのだ。もう関わりがないし、顔を見ることもないだろう。
それより国王の死に方、とはどういうことだ。その言い方だと、どう考えても普通に老衰で死んだわけじゃないだろう。っていうか私と結婚する相手が老衰死するような年齢というのも少し考えにくい。まぁ突き詰めて考えれば要は政略結婚だろうし、ありえなくはないのかもしれないが、多分違うのだろう。
「まぁ、そういうことになりますね」
「国王が死んだ時、女王が――姫が殺したんじゃないか、って話が上がったんだよねぇ。裏界隈で」
「はっ!?」
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