44 / 85
2.gift
39.apple
しおりを挟む
――翌日の夜。
適当な夕食をとり終わり、食器を片付けてからリビングのテーブルで顔を伏せて色々思い返していると、窓の方からコンコン、と小さな音がした。
何かと窓の方へ視線を向けると、白い鳥が窓ガラスを嘴で叩いている。
「もしかして、ルーヴァスからの手紙?」
椅子から立ち上がり、窓を開けて鳥を招き入れる。鳥は片足をこちらへ差し出すようにした。その足には紙が結び付けられている。
それを確認すると、鳥の足から手紙を解き、開く。
「えっと……」
と受け取ってからはたと気づく。
まだまともにここの文字を読めないのだった。
「頑張ればいける……かな? えーっと……これって……」
しばらくしてからきちんと挫折したので、スジェルクに読み解いてもらうことになった。
手紙の内容は、明日には戻れそうだという簡潔なものだった。
「確かに言われてた通り早い帰りだな……寝る前に二階の廊下の掃除でもしておこうか……」
とつぶやいてから窓辺に未だ佇んでいる白い鳥に目を向けた。
「中に入ったら? ……って言っても、解るわけないか」
ところが予想に反し、鳥はばさばさと翼をはためかせて家の中に入ってきた。
「頭いいんだ……まぁ、ルーヴァスの鳥だし、何か雰囲気的に納得かも」
空いている椅子の背に留まった白い鳥をじっと見てみる。やはりかなり大きい。頭から尾まで、四0センチ強はある。
開け放しのままになっている窓を閉め、掃除のために二階へ向かおうとし――
「じゃあね」
と鳥に向かって手を振ってみた。その瞬間、フイっと顔を背けられた。
ものすごく、可愛くなかった。
そして翌日。
朝早くに、七人は帰ってきた。
家の前に立って七人を待っていると皆が一様に驚いた顔をしていたが、笑顔で「お帰りなさい」と告げると、各々の反応をしつつ、どこかほっとした表情を見せていた。
「お仕事お疲れ様でした。すぐに食事を出すのでちょっと待っててくださいね」
あらかじめ作っておいた料理――スジェルクに教えてもらったものだ――の仕上げにかかろうとすると、「待て」とノアフェスから声がかかった。
「どうかしましたか?」
「お前……何かおかしなものを見てないか?」
「お、おかしなもの?」
わけがわからず怪訝な顔をすると、ノアフェスはじっと私の顔を見てから首を振り、「いや、なんでもない」と言ってそのまま私のそばを通り過ぎていった。
「……?」
意味がわからないまま、私は台所へと行き、料理の仕上げを始めた。
適当な夕食をとり終わり、食器を片付けてからリビングのテーブルで顔を伏せて色々思い返していると、窓の方からコンコン、と小さな音がした。
何かと窓の方へ視線を向けると、白い鳥が窓ガラスを嘴で叩いている。
「もしかして、ルーヴァスからの手紙?」
椅子から立ち上がり、窓を開けて鳥を招き入れる。鳥は片足をこちらへ差し出すようにした。その足には紙が結び付けられている。
それを確認すると、鳥の足から手紙を解き、開く。
「えっと……」
と受け取ってからはたと気づく。
まだまともにここの文字を読めないのだった。
「頑張ればいける……かな? えーっと……これって……」
しばらくしてからきちんと挫折したので、スジェルクに読み解いてもらうことになった。
手紙の内容は、明日には戻れそうだという簡潔なものだった。
「確かに言われてた通り早い帰りだな……寝る前に二階の廊下の掃除でもしておこうか……」
とつぶやいてから窓辺に未だ佇んでいる白い鳥に目を向けた。
「中に入ったら? ……って言っても、解るわけないか」
ところが予想に反し、鳥はばさばさと翼をはためかせて家の中に入ってきた。
「頭いいんだ……まぁ、ルーヴァスの鳥だし、何か雰囲気的に納得かも」
空いている椅子の背に留まった白い鳥をじっと見てみる。やはりかなり大きい。頭から尾まで、四0センチ強はある。
開け放しのままになっている窓を閉め、掃除のために二階へ向かおうとし――
「じゃあね」
と鳥に向かって手を振ってみた。その瞬間、フイっと顔を背けられた。
ものすごく、可愛くなかった。
そして翌日。
朝早くに、七人は帰ってきた。
家の前に立って七人を待っていると皆が一様に驚いた顔をしていたが、笑顔で「お帰りなさい」と告げると、各々の反応をしつつ、どこかほっとした表情を見せていた。
「お仕事お疲れ様でした。すぐに食事を出すのでちょっと待っててくださいね」
あらかじめ作っておいた料理――スジェルクに教えてもらったものだ――の仕上げにかかろうとすると、「待て」とノアフェスから声がかかった。
「どうかしましたか?」
「お前……何かおかしなものを見てないか?」
「お、おかしなもの?」
わけがわからず怪訝な顔をすると、ノアフェスはじっと私の顔を見てから首を振り、「いや、なんでもない」と言ってそのまま私のそばを通り過ぎていった。
「……?」
意味がわからないまま、私は台所へと行き、料理の仕上げを始めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
なりゆきで妻になった割に大事にされている……と思ったら溺愛されてた
たぬきち25番
恋愛
男爵家の三女イリスに転生した七海は、貴族の夜会で相手を見つけることができずに女官になった。
女官として認められ、夜会を仕切る部署に配属された。
そして今回、既婚者しか入れない夜会の責任者を任せられた。
夜会当日、伯爵家のリカルドがどうしても公爵に会う必要があるので夜会会場に入れてほしいと懇願された。
だが、会場に入るためには結婚をしている必要があり……?
※本当に申し訳ないです、感想の返信できないかもしれません……
※他サイト様にも掲載始めました!
もしもゲーム通りになってたら?
クラッベ
恋愛
よくある転生もので悪役令嬢はいい子に、ヒロインが逆ハーレム狙いの悪女だったりしますが
もし、転生者がヒロインだけで、悪役令嬢がゲーム通りの悪人だったなら?
全てがゲーム通りに進んだとしたら?
果たしてヒロインは幸せになれるのか
※3/15 思いついたのが出来たので、おまけとして追加しました。
※9/28 また新しく思いつきましたので掲載します。今後も何か思いつきましたら更新しますが、基本的には「完結」とさせていただいてます。9/29も一話更新する予定です。
※2/8 「パターンその6・おまけ」を更新しました。
※4/14「パターンその7・おまけ」を更新しました。
人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら
渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!?
このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!!
前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡
「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」
※※※
現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。
今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました!
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる