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26話
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「愚かな者たちだ」
ゴォン、ゴォン、と不気味な音を発する 根威座 の鋼鉄で建造された旗艦の甲板から。
阿琉御羅 軍の裏切りにより、
後背からの予想外の攻撃を受けて戦列を乱す浮遊大陸の連合軍の有様に高みの見物をしていた魔皇帝は、ぽつりとつぶやいた。
堪えられない、といった笑みで上機嫌に美しい顔を紅潮させ、根威座 の魔皇帝は次なる悲劇の幕を上げるために手を開いた。
手の平の上には、宝石が輝いている。
「根威座 の鳥兵たちを、引き上げさせろ」
亜苦施渡瑠 は命じた。
「一旦、引いて、そして左右に展開せよ。わたしの次の命があるまでは、そのままで待機。命令があり次第、一気に襲いかかれ。
それで、カタはつくはずだ。
少なくとも、当分は立ち上がれないほどの損害が出るだろう」
仮面騎士団長が、命令の伝達のために去る。
魔皇帝は宝石をかざしたまま、於呂禹 にちらと視線を流す。
「そなたの出番だ」
於呂禹 は、恭しく腰を折った。
黄金の甲冑をまとった彼は、白い天馬の背に跨がる。
魔皇帝の手の中にある宝石からは、炎が立ちのぼっていた。
竜巻のように渦を巻きながら。
あの 永久の獄炎 から移され、封印された炎の力が、宝石から解き放たれようとしている。
いきなり、それは鳥の姿を取った。
灼熱の炎で形造られた、火の猛禽。
それは宝石から飛び立つなり、巨大化していった。
その翼はみるみるうちに広がり、視界の全天を覆う。
そして、ゆうに戦場の両翼をも覆った。
「行け!」
魔皇帝は、火の鳥に命じた。
巨大な火の鳥はゆっくりとはばたき、根威座 の巨鳥兵が引いた後に残された九大陸連合軍の戦線へ降りていく。
混乱した戦場で、命令が錯綜した。
阿琉御羅 軍が味方に攻撃を開始したのと、ほぼ時を合わせるように、 根威座 の軍が引き始めた。
これは何が起こる前兆なのか?
李玲峰 は、不吉なものを感じて、父とともに船首へと向かった。
他の軍勢とは違って、旗艦は空の砦の役割も果たすので、空中に停泊させてある。
藍絽野眞 軍ではとりあえず鳥兵たちに帰投するよう命じたので、ぞくぞくと鳥に乗った。
兵士たちが船に戻ってきている。
このことは、その後の戦いで味方に大いに益することになるが。
根威座 軍が引いてしばらくして、不気味な 根威座 の鋼鉄の軍艦の上に紅い蜘蛛のようなものが浮かんだ。
それは強い光を発しながらむくむくと大きくなっていく。
巨大な、天を覆う鳥の姿になるまで、長くはかからなかった。
(炎の、鳥?)
そう思った刹那、蒼穹に強い光が走った。
「うわぁぁっ!」
悲鳴が巻き起こる。
その瞬間、鳥はその炎の翼を広げてはばたかせ、その翼から炎の波が起こり、それが浮遊大陸連合の戦線全域を襲った。
李玲峰 にわかったのは、炎が来る! ということだけだった。
とっさに、 李玲峰 は両手を前に突き出した。
李玲峰 は守ろうと念じた、父を、この船を。
藍絽野眞 の軍を。
波が来て、通りすぎるまでは、ほとんど一瞬だった。
連合軍の全軍を襲ったその炎の波は、阿琉御羅 を含めて浮遊大陸の軍勢のほとんどに絶大なる被害を及ぼしたが、それからまぬがれて無傷でいられたのは、李玲峰 がその炎を裂いて守った 藍絽野眞 の旗艦とその周辺にいた軍だけだった。
炎の波が通り過ぎた後には、気がつくと恐ろしい惨状が残されていた。
火の玉となって落ちていく鳥兵たちの数は千や二千ではきかず、火の雨が降るのを見ているようだった。
炎を吹き上げる軍船、制御がきかなくなった火船が突っ込んできて、被害が比較的軽微だった船をも巻き込んでいく。
混沌と恐慌とが戦場を埋め尽くした。
最初に逃走を始めたのは、戦線の最右翼に位置していた 根経琉華 の軍だった。
それに続いたのが、その内側にいた 優羅絽陀 軍。
しかし、炎の洗礼が通り過ぎると、すぐさま 根威座 の攻撃が再開した。
根威座 軍の鳥兵たちが、傷ついた連合軍の戦列に左右から襲いかかった。
狼のように。
藍絽野眞 軍が、というと、禹州真賀 とともに、戦線のほぼ中央にいた。
一瞬の虚脱から立ち直ると、 炎の御子、李玲峰 の力で、もっとも損害が少なかった 藍絽野眞 軍がその迎撃を一手に引き受けることになった。
「李玲峰 ! そなたが力を示すべき時じゃ!」
競絽帆 王は、そう言って 李玲峰 を再び戦場に送り出した。
巨鳥 鵜吏竜紗 に乗って、 李玲峰 は配下を従えて船を出た。
(くそっ! 根威座 の魔皇帝めっ!)
肉の焼ける嫌な匂いが空中に充満している。
李玲峰 は、禹州真賀 の旗艦へ近づいた。
豪奢な装飾をほどこしてあった旗艦は、今は焼け焦げて無惨な外観になっていたが、かろうじて持ちこたえていた。
李玲峰 のところへと巨鳥 鵜吏竜紗 を駆って近づいてきたのは、意外や、彼に冷たい態度を取り続けてきた、あの 禹州真賀 の王子だった。
「根羽 王はご無事か!?」
李玲峰 は、父 競絽帆 王から託されてきた問いを発した。
「父は、ひどい火傷を負った」
禹州真賀 の王子は、蒼い顔をしていた。
その顔色からして、無事とはいいがたい様子らしい。
「李玲峰 王子、これからどうすれば。また、あの炎の波は来るだろうか?」
火の鳥はまだ上空にいて、旋回している。
根威座 軍の掃討は続いている。
魔皇帝が味方ごと彼らまるごと焼いてしまおう、という考えを起こさない限り、攻撃が続いている間は炎は来ないだろう。
次に彼らの戦列が引いた時が、最後だ!
「とにかく今のうちに、なんとか戦線を立て直して下さい」
連合軍の方は全軍、総崩れの状態になっている。
裏切った 阿琉御羅、逃げ出そうとする 根経琉華、優羅絽陀 軍相手に、味方同士の死闘に血道を上げてしまっている部隊もあり、このままではよくて潰走、悪くすると全滅する。
こうなったら、もう、退却するしかない!
いかにうまく、被害が少なくこの場から逃れるか。
しかし、それは大陸 禹州真賀 にとっては見捨てられることを意味する。
那波、宇摩琉場 を襲ったと同じ運命が、禹州真賀 を襲う。
李玲峰 は、ぎりっ、奥歯をきしらせた。
どうにか……出来ないのか!
無事な部隊をまとめて、そのしんがりに彼がついて、炎から彼らを守る。
せいぜい、そんなことぐらいしか出来ないのか?
「魔皇帝だ!」
叫び声がした
(魔皇帝!)
とっさに、李玲峰 は声がする方を見た。
天馬に乗った騎士が、巨鳥兵を率いて新たに 根威座 の黒い軍船からやってくるのが見える。
その周囲で、決死の覚悟で挑みかかっていく鳥兵たちが次々に落ちていく!
魔皇帝 亜苦施渡瑠 !
憎んでも憎みきれない敵!
麗羅符露 と 於呂禹 を奪い、今は 麗羅符露 の故国を奪おうとしている。
いつかは 藍絽野眞、彼の故国にも来るに違いない。
ぎりっ、ともう一度歯ぎしりをするなり、李玲峰 は鳥を操って、飛んだ!
奴こそが、すべての元凶なのだ!
あの男が、でなければあの炎の鳥をなんとかやっつけられれば、活路は開かれる。
「李玲峰 王子!」
制止の声が周囲からいくつか飛んだようだが、李玲峰 はそれを無視した。
(亜苦施渡瑠。勝負だ!)
まだ幼く、武器も持っていなかった、あの時の自分とは違う。
血が頭に登り、怒りが彼を支配していた。
せめて、一太刀なりとも、お前に思い知らせてやるっ!
白い天馬に乗る者の周囲は、魔皇帝の取り巻きである仮面をつけた鳥騎士たちが守っていた。
李玲峰 が突き進んでいくと、火炎槍による炎が一斉に彼を襲った。
彼は白い天馬めがけて、炎の中をくぐり抜けた。
「 亜苦施渡瑠 !」
黄金の輝くような甲冑、白い天馬。
李玲峰 が槍を繰り出すと、第一撃は呆気なくかわされた。
一度、飛び離れて、もう一度対峙する。
白い天馬の上の魔皇帝は、黄金の鎧と黄金の兜、そして顔には黄金の仮面をつけている。
魔皇帝はふと槍を引き、籠手をつけた腕を兜へ伸ばした。
そして、兜ごと、仮面をかなぐり捨てた。
(……え)
現れたのは金の髪、大地の色の髪だ。
「於呂禹 !」
李玲峰 は、思わず叫んだ。
天馬の上で、黄金の甲冑の戦士は、李玲峰 に微笑みかけた。
「李玲峰」
その声が聞こえてくるようだった。
優しく暖かい微笑み。
それに、声。
だが、於呂禹 は微笑みを浮かべたまま、剣を抜き、構えた。
「於呂禹! おれだよっ!」
狼狽する 李玲峰 に向かって、於呂禹 は襲いかかってきた。
ゴォン、ゴォン、と不気味な音を発する 根威座 の鋼鉄で建造された旗艦の甲板から。
阿琉御羅 軍の裏切りにより、
後背からの予想外の攻撃を受けて戦列を乱す浮遊大陸の連合軍の有様に高みの見物をしていた魔皇帝は、ぽつりとつぶやいた。
堪えられない、といった笑みで上機嫌に美しい顔を紅潮させ、根威座 の魔皇帝は次なる悲劇の幕を上げるために手を開いた。
手の平の上には、宝石が輝いている。
「根威座 の鳥兵たちを、引き上げさせろ」
亜苦施渡瑠 は命じた。
「一旦、引いて、そして左右に展開せよ。わたしの次の命があるまでは、そのままで待機。命令があり次第、一気に襲いかかれ。
それで、カタはつくはずだ。
少なくとも、当分は立ち上がれないほどの損害が出るだろう」
仮面騎士団長が、命令の伝達のために去る。
魔皇帝は宝石をかざしたまま、於呂禹 にちらと視線を流す。
「そなたの出番だ」
於呂禹 は、恭しく腰を折った。
黄金の甲冑をまとった彼は、白い天馬の背に跨がる。
魔皇帝の手の中にある宝石からは、炎が立ちのぼっていた。
竜巻のように渦を巻きながら。
あの 永久の獄炎 から移され、封印された炎の力が、宝石から解き放たれようとしている。
いきなり、それは鳥の姿を取った。
灼熱の炎で形造られた、火の猛禽。
それは宝石から飛び立つなり、巨大化していった。
その翼はみるみるうちに広がり、視界の全天を覆う。
そして、ゆうに戦場の両翼をも覆った。
「行け!」
魔皇帝は、火の鳥に命じた。
巨大な火の鳥はゆっくりとはばたき、根威座 の巨鳥兵が引いた後に残された九大陸連合軍の戦線へ降りていく。
混乱した戦場で、命令が錯綜した。
阿琉御羅 軍が味方に攻撃を開始したのと、ほぼ時を合わせるように、 根威座 の軍が引き始めた。
これは何が起こる前兆なのか?
李玲峰 は、不吉なものを感じて、父とともに船首へと向かった。
他の軍勢とは違って、旗艦は空の砦の役割も果たすので、空中に停泊させてある。
藍絽野眞 軍ではとりあえず鳥兵たちに帰投するよう命じたので、ぞくぞくと鳥に乗った。
兵士たちが船に戻ってきている。
このことは、その後の戦いで味方に大いに益することになるが。
根威座 軍が引いてしばらくして、不気味な 根威座 の鋼鉄の軍艦の上に紅い蜘蛛のようなものが浮かんだ。
それは強い光を発しながらむくむくと大きくなっていく。
巨大な、天を覆う鳥の姿になるまで、長くはかからなかった。
(炎の、鳥?)
そう思った刹那、蒼穹に強い光が走った。
「うわぁぁっ!」
悲鳴が巻き起こる。
その瞬間、鳥はその炎の翼を広げてはばたかせ、その翼から炎の波が起こり、それが浮遊大陸連合の戦線全域を襲った。
李玲峰 にわかったのは、炎が来る! ということだけだった。
とっさに、 李玲峰 は両手を前に突き出した。
李玲峰 は守ろうと念じた、父を、この船を。
藍絽野眞 の軍を。
波が来て、通りすぎるまでは、ほとんど一瞬だった。
連合軍の全軍を襲ったその炎の波は、阿琉御羅 を含めて浮遊大陸の軍勢のほとんどに絶大なる被害を及ぼしたが、それからまぬがれて無傷でいられたのは、李玲峰 がその炎を裂いて守った 藍絽野眞 の旗艦とその周辺にいた軍だけだった。
炎の波が通り過ぎた後には、気がつくと恐ろしい惨状が残されていた。
火の玉となって落ちていく鳥兵たちの数は千や二千ではきかず、火の雨が降るのを見ているようだった。
炎を吹き上げる軍船、制御がきかなくなった火船が突っ込んできて、被害が比較的軽微だった船をも巻き込んでいく。
混沌と恐慌とが戦場を埋め尽くした。
最初に逃走を始めたのは、戦線の最右翼に位置していた 根経琉華 の軍だった。
それに続いたのが、その内側にいた 優羅絽陀 軍。
しかし、炎の洗礼が通り過ぎると、すぐさま 根威座 の攻撃が再開した。
根威座 軍の鳥兵たちが、傷ついた連合軍の戦列に左右から襲いかかった。
狼のように。
藍絽野眞 軍が、というと、禹州真賀 とともに、戦線のほぼ中央にいた。
一瞬の虚脱から立ち直ると、 炎の御子、李玲峰 の力で、もっとも損害が少なかった 藍絽野眞 軍がその迎撃を一手に引き受けることになった。
「李玲峰 ! そなたが力を示すべき時じゃ!」
競絽帆 王は、そう言って 李玲峰 を再び戦場に送り出した。
巨鳥 鵜吏竜紗 に乗って、 李玲峰 は配下を従えて船を出た。
(くそっ! 根威座 の魔皇帝めっ!)
肉の焼ける嫌な匂いが空中に充満している。
李玲峰 は、禹州真賀 の旗艦へ近づいた。
豪奢な装飾をほどこしてあった旗艦は、今は焼け焦げて無惨な外観になっていたが、かろうじて持ちこたえていた。
李玲峰 のところへと巨鳥 鵜吏竜紗 を駆って近づいてきたのは、意外や、彼に冷たい態度を取り続けてきた、あの 禹州真賀 の王子だった。
「根羽 王はご無事か!?」
李玲峰 は、父 競絽帆 王から託されてきた問いを発した。
「父は、ひどい火傷を負った」
禹州真賀 の王子は、蒼い顔をしていた。
その顔色からして、無事とはいいがたい様子らしい。
「李玲峰 王子、これからどうすれば。また、あの炎の波は来るだろうか?」
火の鳥はまだ上空にいて、旋回している。
根威座 軍の掃討は続いている。
魔皇帝が味方ごと彼らまるごと焼いてしまおう、という考えを起こさない限り、攻撃が続いている間は炎は来ないだろう。
次に彼らの戦列が引いた時が、最後だ!
「とにかく今のうちに、なんとか戦線を立て直して下さい」
連合軍の方は全軍、総崩れの状態になっている。
裏切った 阿琉御羅、逃げ出そうとする 根経琉華、優羅絽陀 軍相手に、味方同士の死闘に血道を上げてしまっている部隊もあり、このままではよくて潰走、悪くすると全滅する。
こうなったら、もう、退却するしかない!
いかにうまく、被害が少なくこの場から逃れるか。
しかし、それは大陸 禹州真賀 にとっては見捨てられることを意味する。
那波、宇摩琉場 を襲ったと同じ運命が、禹州真賀 を襲う。
李玲峰 は、ぎりっ、奥歯をきしらせた。
どうにか……出来ないのか!
無事な部隊をまとめて、そのしんがりに彼がついて、炎から彼らを守る。
せいぜい、そんなことぐらいしか出来ないのか?
「魔皇帝だ!」
叫び声がした
(魔皇帝!)
とっさに、李玲峰 は声がする方を見た。
天馬に乗った騎士が、巨鳥兵を率いて新たに 根威座 の黒い軍船からやってくるのが見える。
その周囲で、決死の覚悟で挑みかかっていく鳥兵たちが次々に落ちていく!
魔皇帝 亜苦施渡瑠 !
憎んでも憎みきれない敵!
麗羅符露 と 於呂禹 を奪い、今は 麗羅符露 の故国を奪おうとしている。
いつかは 藍絽野眞、彼の故国にも来るに違いない。
ぎりっ、ともう一度歯ぎしりをするなり、李玲峰 は鳥を操って、飛んだ!
奴こそが、すべての元凶なのだ!
あの男が、でなければあの炎の鳥をなんとかやっつけられれば、活路は開かれる。
「李玲峰 王子!」
制止の声が周囲からいくつか飛んだようだが、李玲峰 はそれを無視した。
(亜苦施渡瑠。勝負だ!)
まだ幼く、武器も持っていなかった、あの時の自分とは違う。
血が頭に登り、怒りが彼を支配していた。
せめて、一太刀なりとも、お前に思い知らせてやるっ!
白い天馬に乗る者の周囲は、魔皇帝の取り巻きである仮面をつけた鳥騎士たちが守っていた。
李玲峰 が突き進んでいくと、火炎槍による炎が一斉に彼を襲った。
彼は白い天馬めがけて、炎の中をくぐり抜けた。
「 亜苦施渡瑠 !」
黄金の輝くような甲冑、白い天馬。
李玲峰 が槍を繰り出すと、第一撃は呆気なくかわされた。
一度、飛び離れて、もう一度対峙する。
白い天馬の上の魔皇帝は、黄金の鎧と黄金の兜、そして顔には黄金の仮面をつけている。
魔皇帝はふと槍を引き、籠手をつけた腕を兜へ伸ばした。
そして、兜ごと、仮面をかなぐり捨てた。
(……え)
現れたのは金の髪、大地の色の髪だ。
「於呂禹 !」
李玲峰 は、思わず叫んだ。
天馬の上で、黄金の甲冑の戦士は、李玲峰 に微笑みかけた。
「李玲峰」
その声が聞こえてくるようだった。
優しく暖かい微笑み。
それに、声。
だが、於呂禹 は微笑みを浮かべたまま、剣を抜き、構えた。
「於呂禹! おれだよっ!」
狼狽する 李玲峰 に向かって、於呂禹 は襲いかかってきた。
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