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番外編
地方に出張治療に行く事になりました【5】
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久しぶりにシャディソン公爵家の屋敷に戻ってきた。さすがに5日も仮眠しかとっておらず、ずっと魔力を使っていたせいか、ものすごく疲れた。
早速準備してもらった部屋に戻り、湯あみをする。疲れていても、さすがに湯あみをしないまま眠るのはちょっと気持ち悪い。といっても、メイドたちが体を洗ってくれるので、私は座っているだけでいいのだけれどね。
湯あみ後は、髪を乾かしてもらい、早速布団にもぐりこむ。よし、寝ようと思った時だった。
コンコン
「セリーナ、お腹が空いただろう?さすがに食堂に行く元気はないだろうから、食事をここに持ってきたよ。せっかくだから、一緒に食べよう」
訪ねて来たのは、ルーク様だ。そういえば、お腹も空いている。
「ちょうどお腹が空いていたところでした。ありがとうございます!」
ルーク様がテーブルに2人分の料理を並べてくれた。そういえば、ずっとサンドウィッチなど、冷たいお料理ばかり食べていた。久しぶりに温かいお料理が食べられるのね。
早速椅子に座ってフォークを掴もうとした時だった。
「セリーナ、疲れているだろう!僕が食べさせてあげるよ」
そう言って嬉しそうに食べ物を口に運んでくれるルーク様。きっとルーク様も疲れているはずなのに、わざわざ食べさせてくれるなんて。
「ルーク様、ありがとうございます。ルーク様に食べさせてもらうお料理は、とてもおいしいですわ。それじゃあ、次は私が」
お肉を小さく切り、ルーク様の口に運ぶ。そういえば、こうやって食べさせ合いっこをするの、なんだか久しぶりな気がするわ。
「セリーナが食べさせてくれる食事はとても美味しいよ」
そう言うと、私を抱きかかえ、膝に座らせたルーク様。
「ここ数日、ずっと治療に当たっていただろう。たから、全然触れ合う時間が無くて、寂しかったんだ」
そう言って後ろからギューッと抱きしめてくれるルーク様。私も後ろを振り返り、そのままルーク様に抱き着いた。
「私も寂しかったです。こうやってルーク様に抱きしめられていると、もの物凄く落ち着きますわ!」
久しぶりに感じるルーク様の匂い。やっぱり落ち着く!
その後お互いに食べさせあいながら、ゆっくり食事を楽しんだ。お腹が一杯になったら、再び眠気に襲われる。そんな私を見て、ルーク様がベッドに寝かせてくれた。
「セリーナ、せっかくだから、明日は少し街に出て買い物をしよう。そして、明後日王都に帰ろう。その為にも、しっかり休むんだよ。おやすみ」
そう言うと、おでこに口づけを落として部屋から出て行ったルーク様。
明日は街に行くのね。そういえばこの地に来てから、一度も街をゆっくり見れていない。それに、久しぶりにルーク様と一緒にお出かけだ。最近忙しくて、王都でも2人で出かけることは少なかったものね。なんだか、楽しみになってきたわ。
明日の事を思いながら、ゆっくり目を閉じたのであった。
翌日
なんだか周りが騒がしいわ。一体どうしたのかしら?
ゆっくり目を開けると、目の前にはルーク様とグレイス様の姿が。
「キャーー!お2人とも私の部屋で何をしているのですか?」
びっくりして飛び起きた。
「違うんだセリーナ。グレイスがセリーナの部屋に忍び込もうとしていたから、止めただけだよ」
「おいルーク、適当な事を言うな!僕はただ、セリーナ嬢が中々起きてこないから、心配で様子を見に来ただけだ!それを見たルークが、ギャーギャー文句を言ったのだろう」
「嘘をつくな!明らかに部屋に勝手に入ろうとしていただろう!そもそも、僕の可愛いセリーナの寝顔を見るなんて、図々しいんだよ!」
2人が私の頭の上で激しく口論をしている。
「とりあえず、お2人とも落ち着いてください。すぐに着替えますので、一度外に出ていただけますか?」
私の言葉で、しぶしぶ出ていく2人。ふとメイドたちを見ると、明らかに苦笑いしていた。とにかく2人のせいで、すっかり目が覚めてしまった。早速メイドたちに手伝ってもらって、ワンピースに着替えた。
今日は街に出かける事になっている。そう、久しぶりにルーク様とのデートだ。髪もハーフアップにしてもらい、準備完了。
とりあえず朝ご飯を食べるために、食堂へと向かった。既に2人が座って待っていた。ただ、ものすごく険悪なムードだ。
「2人とも、お待たせしてごめんなさい。早速頂きましょうか」
私が席に着いたところで、朝食スタートだ。さすが公爵家の朝食。物凄く豪華だ。
「セリーナ嬢、ここら辺は酪農が盛んでね。今日の朝搾ったばかりの牛乳だ。飲んでみて」
グレイス様に渡されたのは、牛乳だ。搾りたての牛乳を頂けるなんて、なんだか贅沢ね。そう思いつつ、早速飲んでみる。
「グレイス様、この牛乳、とても濃厚で美味しいですわ。こんなおいしい牛乳初めて飲みました!」
「喜んでもらえてよかったよ。そうだ、せっかくだから牧場を案内するよ。チーズやハムなども作っているから、見学していくといい」
「まあ、それは素敵ですわ。でも、今日はルーク様と街を観光する予定になっておりますの」
そう、ルーク様とのデートが控えている。
「街なんて王都と似たようなものだ。せっかく領地に来たのだから、領地ならではの事を体験した方がいい。いいだろう?ルーク」
確かにグレイス様の言う通りだ。ちらりとルーク様の方を見る。
「わかったよ!セリーナも行きたそうだし。その代わり、午前中だけだぞ。午後はセリーナと街に行くのだから」
どうやらルーク様の許可が下りた。牧場に行くのは初めてだ。楽しみね。
早速準備してもらった部屋に戻り、湯あみをする。疲れていても、さすがに湯あみをしないまま眠るのはちょっと気持ち悪い。といっても、メイドたちが体を洗ってくれるので、私は座っているだけでいいのだけれどね。
湯あみ後は、髪を乾かしてもらい、早速布団にもぐりこむ。よし、寝ようと思った時だった。
コンコン
「セリーナ、お腹が空いただろう?さすがに食堂に行く元気はないだろうから、食事をここに持ってきたよ。せっかくだから、一緒に食べよう」
訪ねて来たのは、ルーク様だ。そういえば、お腹も空いている。
「ちょうどお腹が空いていたところでした。ありがとうございます!」
ルーク様がテーブルに2人分の料理を並べてくれた。そういえば、ずっとサンドウィッチなど、冷たいお料理ばかり食べていた。久しぶりに温かいお料理が食べられるのね。
早速椅子に座ってフォークを掴もうとした時だった。
「セリーナ、疲れているだろう!僕が食べさせてあげるよ」
そう言って嬉しそうに食べ物を口に運んでくれるルーク様。きっとルーク様も疲れているはずなのに、わざわざ食べさせてくれるなんて。
「ルーク様、ありがとうございます。ルーク様に食べさせてもらうお料理は、とてもおいしいですわ。それじゃあ、次は私が」
お肉を小さく切り、ルーク様の口に運ぶ。そういえば、こうやって食べさせ合いっこをするの、なんだか久しぶりな気がするわ。
「セリーナが食べさせてくれる食事はとても美味しいよ」
そう言うと、私を抱きかかえ、膝に座らせたルーク様。
「ここ数日、ずっと治療に当たっていただろう。たから、全然触れ合う時間が無くて、寂しかったんだ」
そう言って後ろからギューッと抱きしめてくれるルーク様。私も後ろを振り返り、そのままルーク様に抱き着いた。
「私も寂しかったです。こうやってルーク様に抱きしめられていると、もの物凄く落ち着きますわ!」
久しぶりに感じるルーク様の匂い。やっぱり落ち着く!
その後お互いに食べさせあいながら、ゆっくり食事を楽しんだ。お腹が一杯になったら、再び眠気に襲われる。そんな私を見て、ルーク様がベッドに寝かせてくれた。
「セリーナ、せっかくだから、明日は少し街に出て買い物をしよう。そして、明後日王都に帰ろう。その為にも、しっかり休むんだよ。おやすみ」
そう言うと、おでこに口づけを落として部屋から出て行ったルーク様。
明日は街に行くのね。そういえばこの地に来てから、一度も街をゆっくり見れていない。それに、久しぶりにルーク様と一緒にお出かけだ。最近忙しくて、王都でも2人で出かけることは少なかったものね。なんだか、楽しみになってきたわ。
明日の事を思いながら、ゆっくり目を閉じたのであった。
翌日
なんだか周りが騒がしいわ。一体どうしたのかしら?
ゆっくり目を開けると、目の前にはルーク様とグレイス様の姿が。
「キャーー!お2人とも私の部屋で何をしているのですか?」
びっくりして飛び起きた。
「違うんだセリーナ。グレイスがセリーナの部屋に忍び込もうとしていたから、止めただけだよ」
「おいルーク、適当な事を言うな!僕はただ、セリーナ嬢が中々起きてこないから、心配で様子を見に来ただけだ!それを見たルークが、ギャーギャー文句を言ったのだろう」
「嘘をつくな!明らかに部屋に勝手に入ろうとしていただろう!そもそも、僕の可愛いセリーナの寝顔を見るなんて、図々しいんだよ!」
2人が私の頭の上で激しく口論をしている。
「とりあえず、お2人とも落ち着いてください。すぐに着替えますので、一度外に出ていただけますか?」
私の言葉で、しぶしぶ出ていく2人。ふとメイドたちを見ると、明らかに苦笑いしていた。とにかく2人のせいで、すっかり目が覚めてしまった。早速メイドたちに手伝ってもらって、ワンピースに着替えた。
今日は街に出かける事になっている。そう、久しぶりにルーク様とのデートだ。髪もハーフアップにしてもらい、準備完了。
とりあえず朝ご飯を食べるために、食堂へと向かった。既に2人が座って待っていた。ただ、ものすごく険悪なムードだ。
「2人とも、お待たせしてごめんなさい。早速頂きましょうか」
私が席に着いたところで、朝食スタートだ。さすが公爵家の朝食。物凄く豪華だ。
「セリーナ嬢、ここら辺は酪農が盛んでね。今日の朝搾ったばかりの牛乳だ。飲んでみて」
グレイス様に渡されたのは、牛乳だ。搾りたての牛乳を頂けるなんて、なんだか贅沢ね。そう思いつつ、早速飲んでみる。
「グレイス様、この牛乳、とても濃厚で美味しいですわ。こんなおいしい牛乳初めて飲みました!」
「喜んでもらえてよかったよ。そうだ、せっかくだから牧場を案内するよ。チーズやハムなども作っているから、見学していくといい」
「まあ、それは素敵ですわ。でも、今日はルーク様と街を観光する予定になっておりますの」
そう、ルーク様とのデートが控えている。
「街なんて王都と似たようなものだ。せっかく領地に来たのだから、領地ならではの事を体験した方がいい。いいだろう?ルーク」
確かにグレイス様の言う通りだ。ちらりとルーク様の方を見る。
「わかったよ!セリーナも行きたそうだし。その代わり、午前中だけだぞ。午後はセリーナと街に行くのだから」
どうやらルーク様の許可が下りた。牧場に行くのは初めてだ。楽しみね。
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