私はこの人と生きていきたいです!

Karamimi

文字の大きさ
10 / 26

第10話:アレグラ王国の生活は至って順調です

しおりを挟む
翌日、朝早く起きて朝食を作る。昨日の夜、わざわざヴィクトリアさんがレシピ本を持って来てくれたので、その本を見ながら作った。材料を揃えて、念じれば完成だ!今日の朝ご飯は、お肉サンドと野菜のスープ、デザートにゼリーだ。

念のため味見をしないとね。うん、美味しい!早速テーブルに並べる。

「おはよう、エリー。なんだかいい匂いがすると思ったら、朝食を作ってくれたのかい?」

「おはようございます!イジャ様。はい、ヴィクトリアさんからお借りしたレシピ本を見て作りましたの。さあ、温かいうちに食べましょう!」

向かい合わせに座って、食事を摂る。こうやって家で2人で食事をするなんて、なんだか新婚さんみたいね…て、何都合のいい事を考えているのかしら?そもそもイジャ様にとって、私はただの旅仲間なのに!

食事の後は魔法で後片付けを済ませる。ちょうどそこに、ヴィクトリアさんと息子さんと思われる男性がやって来た。

「おはよう、イジャ、エリー。こっちは息子のマックだ」

「マックです。よろしく!」

「こちらこそ、今日からお世話になります。よろしくお願いします」

イジャ様もすかさず挨拶をしている。見た感じマックさんもとても優しそうな人ね。

「それじゃあ、イジャ、行こうか」

「はい!お願いします!それじゃあエリー、行ってくるね。ヴィクトリアさん、エリーの事をよろしくお願いします」

そう言って手を振って出て行ったイジャ様。

「あんたの彼氏は、随分と心配性だね」

そう言って隣でクスクス笑っているヴィクトリアさん。

「ヴィクトリアさん、私たちはそう言う関係ではありません!確かに私は…イジャ様をお慕いしておりますが…」

完全な片思いなのだ…

「あぁ…本人たちだけが気づいていないと言うパターンだね…」

私の隣で何やらブツブツ言っているヴィクトリアさん。どうしていいのか分からないので、とりあえずスルーしておいた。

「そんな事は今はどうでもいいか…さあ、エリー。まずは家事をこなしてしまおうか。と言っても、掃除や洗濯も念じれば終わるから、やって見な」

ヴィクトリアさんに言われた通り、まずは家の掃除から始めた。と言っても“部屋よ、キレイになれ”そう念じながら片付いた部屋を想像するだけで、あっという間にキレイになった。次は洗濯だ。洗濯は洗剤を準備して、こちらも念じるだけで一気に終わった。

さらにたたむ所まで終わっていたので、後は魔法でそれぞれの洋服ダンスにしまえば完了。本当に、ものの数分で終わってしまったわ。

「さあ、家事も済んだし、次は私の仕事を手伝っておくれ」

向かった場所は、ヴィクトリアさんの家の裏にある小さな小屋だ。

「ここが作業部屋だ。ここでアクセサリーを作って、業者に卸しているんだ!とにかく数をこなさないといけなくてね。これが見本だ!この通りの材料を揃えて、後は念じるだけだよ。こっちが貝殻、こっちが真珠、こっちが珊瑚だ。さあ、一度材料を揃えて見な」

ヴィクトリアさんに渡されたのは、貝殻と真珠、さらに珊瑚と呼ばれる赤い物を使って作られているネックレスだ。とても可愛らしい!これを作ればいいのね。

見本を見ながら材料を集めていく。そして集め終わったら、見本を見ながら念じると…見本そっくりなものが完成した。

「エリー、凄いじゃないか!ほぼ完璧だ!エリーは器用だね!」

そう言って褒めてくれたヴィクトリアさん。こんな風に人に褒められる事が今までなかったので、物凄く嬉しい。

その後もどんどんアクセサリーを完成させていく。

「エリー、今日はありがとう。疲れただろう?そろそろイジャ達も帰ってくる頃だ。もう家に帰って、晩ご飯の支度をしておくれ!はいこれ、今日のお給料だよ」

そう言って、私にお金を渡してくれたヴィクトリアさん。

「ありがとうございます!明日もよろしくお願いします!」

初めて稼いだお金!嬉しくてたまらない!とにかくこのお金は今後の為に、残しておこう!嬉しくてついスキップしながら家に帰って来た。早速晩ご飯の準備をして、イジャ様の帰りを待つ。

しばらく待っていると

「ただいま!エリー」

「お帰りなさい、イジャ様!お仕事お疲れ様です!」

イジャ様が帰って来た!玄関まで飛んでいく。

「物凄くいい匂いがするね。お腹ペコペコだ!早速頂こう!」

2人で椅子に座って食事をする。

「今日はローストビーフか!こっちは魚のムニエルだね。どれも美味しいよ!」

「本当ですか?イジャ様に美味しいと言ってもらえると、私も嬉しいです!」

こうやってイジャ様に美味しいと言って貰えるのが、今の私にとって一番の喜びだ。その後はお互い今日どうやって過ごしたのか話した。イジャ様は船に乗って魔法で魚を沢山捕まえたらしい。マックさんより沢山捕まえて、驚かれたとの事。さすがイジャ様ね!私も今日はアクセサリーを作った事を話した。

イジャ様からは
「エリーが楽しく過ごしている様で良かったよ。でも、無理は駄目だよ!」
そう言われた。どんな時でも私を気遣ってくれるイジャ様。

この幸せを、出来ればずっとかみしめていたい。そう強く願うエリーであった。


※次回、イジャ視点です。
よろしくお願いしますm(__)m
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

誰も愛してくれないと言ったのは、あなたでしょう?〜冷徹家臣と偽りの妻契約〜

山田空
恋愛
王国有数の名家に生まれたエルナは、 幼い頃から“家の役目”を果たすためだけに生きてきた。 父に褒められたことは一度もなく、 婚約者には「君に愛情などない」と言われ、 社交界では「冷たい令嬢」と噂され続けた。 ——ある夜。 唯一の味方だった侍女が「あなたのせいで」と呟いて去っていく。 心が折れかけていたその時、 父の側近であり冷徹で有名な青年・レオンが 淡々と告げた。 「エルナ様、家を出ましょう。  あなたはもう、これ以上傷つく必要がない」 突然の“駆け落ち”に見える提案。 だがその実態は—— 『他家からの縁談に対抗するための“偽装夫婦契約”。 期間は一年、互いに干渉しないこと』 はずだった。 しかし共に暮らし始めてすぐ、 レオンの態度は“契約の冷たさ”とは程遠くなる。 「……触れていいですか」 「無理をしないで。泣きたいなら泣きなさい」 「あなたを愛さないなど、できるはずがない」 彼の優しさは偽りか、それとも——。 一年後、契約の終わりが迫る頃、 エルナの前に姿を見せたのは かつて彼女を切り捨てた婚約者だった。 「戻ってきてくれ。  本当に愛していたのは……君だ」 愛を知らずに生きてきた令嬢が人生で初めて“選ぶ”物語。

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました

春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。 名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。 姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。 ――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。 相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。 40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。 (……なぜ私が?) けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。

【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく

たまこ
恋愛
 10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。  多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。  もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます

鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
 一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────  私、この子と生きていきますっ!!  シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。  幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。  時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。  やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。  それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。  けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────  生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。 ※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

処理中です...