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第11話:どうやら生まれ変わった様だ~イジャ視点~
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最愛の人、エリザの元従者でもあるジャックに剣で体を貫かれた僕は、激しい痛みと共に命を落とした。命を落とす寸前、エリザの悲しそうな顔が目に入った。その顔を見た瞬間、物凄い後悔と自責の念に襲われた。僕は最後まで君に悲しい顔をさせてしまったんだね…
どうして僕は、もっと素直に君を愛せなかったんだろう…
どうしてエリザ以外の女性と浮気をしてしまったのだろう…
どうして王位にこだわっていたのだろう…
どうしてエリザを傷つけてしまったのだろう…
もしもう一度エリザに会えたら、君に謝りたい…
もし次生まれ変わったら、もっと真面目な人間になりたい…たった1人の大切な女性を守れる様に…
薄れ行く意識の中、そんな事を考えながらイライジャとしての人生の幕を下ろしたのだった。
♢♢♢♢
ゆっくり瞼を持ち上げると、見覚えのない天井が目に入った。あれ?僕は確かジャックに刺されて命を落としたはずでは?起き上がろうとしたが、思う様に起き上がれない。
「あうぅ~~」
言葉を発しようとしたが、なぜか言葉が話せない。一体どうなっているんだ?ふと自分の体を見ると、明らかに小さい。
「イジャ様、お目覚めになられたのですね」
メイド服を着た女性に抱きかかえられた。もちろん、見覚えのない女性だ!一体何が起こっているんだ?訳が分からないまま、数日が過ぎた。どうやら僕は、イジャと言う人間に生まれ変わったらしい。
そしてここ数日、両親が僕に会いに来たのは1度きり。メイドたちの話によれば、僕の両親は僕にあまり興味がない様だ。ただ高貴な身分の様で、沢山のメイドたちが僕の面倒を見てくれている。
とにかく、今回は絶対に真面目に生きよう。そう思っていたのだが…
数年後
「イジャ様、その様な事は私共で行いますので!何かありましたら、何なりと申し上げて下さい!」
そう言って、僕が何かをしようとすると、取りあげてしまうのだ。さらに、この国の侯爵令息として生まれ変わった僕は、身分が比較的高い事から同年代の令嬢や令息たちからもチヤホヤされている。
ヤバイ…
このままだと、前世の僕と同じ様に何も出来ないダメ人間になってしまう!そう思った僕は、必死に魔力の勉強をした。そう、今回の生では有難い事に、魔力のある国に生まれたのだ。さらに、魔力量も高め!その為、魔力の先生もびっくりするぐらい、何でも出来る様になった。
もちろん、次期侯爵になる為の勉強も叩きこまれた。さらに強い男になる為、武学も学んだ。
相変わらず両親はあまり僕に興味がない様だが、それでも次期侯爵として、大切に大切に育てられた。このまま行けば、侯爵としてこの国で幸せに暮らせるだろう。でも…
前世で僕は人として最低な事をした。大切な人を傷つけ、さらに国を乗っ取ろうとしたんだ!そんな僕が、ぬくぬくと簡単に幸せを手に入れて良い訳がない!もっと苦労して、世間の荒波に揉まれて生きて行かないといけないんだ!
どう思った僕は、14歳の時国を出て世間を見て回る事にした。前世は王太子、今世は侯爵令息と貴族界でずっと生きて来た僕にとって、身分を捨てて生きるという事は、想像以上に辛かった。
時には暴言を吐かれたり、暴力を振るわれたりする事もあった。それでも、国に帰ろうとは思わなかった。もっともっと世間の荒波に揉まれないと駄目だ!きっとエリザも、異国の地で辛い思いをしていたのだから…
そう思ったら、どんなに辛い事があっても頑張れた。そう、僕にとって今世で苦労することで、少しでも前世の償いになればと考えていたのだ。ただの自己満足かもしれない。それでも、そう考える事で心が少し軽くなるのだ。
そんな生活を1年も続けていると、段々要領も分かって来る。もちろん、まだ手探りの部分はあるが、それでも何とか安定した旅を送れる様になった。そんな時だった。
物凄く懐かしい魔力を感じたのだ。この魔力は…
気になって魔力の持ち主がいる場所へと向かうと、そこには1人の女性に向かって、寄ってたかって男たちが文句を言っていた。この森は通行許可証を購入しないと入れない森。どうやら彼女は魔力持ちの様だから、知らずに入って怒られているのだろう。とにかく助けないと!
急いで男たちの元へと向かい、女性の分の通行許可証を発行してもらった。金を払ったことで、満足そうに去っていく男達。急いで女性の方を向き声を掛けると、そこにいたのはエリザにそっくりな少女だった…
あまりの驚きに、つい「エリザ」と言葉を発してしまった。そんな僕に、彼女は思いがけない言葉を投げかけて来たのだ。
「助けていただき、ありがとうございます。私はエリー・スクワーディスと言います。あなた、亡くなったエリザひいおばあ様を知っているのですか?」
ひいおばあ様だって!そうか、この子はエリザの子孫だったのか。彼女の話によれば、エリザは10年前に亡くなったとの事。
何となくエリザはもうこの世にはいないだろう…そんな気はしていた。でも…実際その現実を突きつけられたとき、胸が張り裂けそうになった。もちろん、今更エリザとどうこうなりたいとは思っていなかったが…
それにしても、エリーと言ったな。この子、本当にエリザによく似ているな。でも、どうしてエリザの子孫が、こんなところにいるのだろう。モールズ王国ははるか遠くの場所にある!もしかして誰かに攻め込まれて、命からがら逃げて来たのか?
はやる気持ちを抑え、冷静にエリーに問いかけた。すると、ただの家出のようだ…とにかく、世間知らずの令嬢がこんなところにいたら、どんな目に合うか分からない。
一刻も早く国に帰るように促したのだが、それが気に入らなかった様で、怒って僕の前から去って行った。どうやら転移魔法で移動した様だ。でも魔力量が高い割には、魔法が荒っぽい。それに、街に直接転移した様だ!もし転移した場所に人がいたら、大騒ぎになるぞ!
どうしても気になって彼女の後を追うと、やはり大騒ぎになっていた!とにかくエリーを連れて、人けのない森へと転移する!
余程怖かったのか、涙をポロポロ流しながら震えていた。本当はここで優しい言葉を掛けてあげた方が良いのだろうが、それでは彼女の為にはならない!とにかく、国に帰って幸せに暮らして欲しい!そんな思いから、国に帰るよう再度強めの口調で訴えた。
それでも頑なに拒むエリー。そこまで拒むとは、余程国に帰りたくない理由があるのだろう。そう思いエリーから話を聞いた。なるほど!エリザから受け継いだ、“聖なる魔力を持つ者の証”のせいで、窮屈な生活を強いられていたという訳か…
さらに4歳の親戚と結婚させられそうになっているとの事。4歳って…さすがにそれはちょっとどうかと思う…
彼女の様子からして、僕が何を言っても聞かないだろう。そもそも、公爵家で何不自由なく育ったエリーを1人放っておいたら、きっとさっきの様にトラブルを起こすだろう。それに、こんなにも魔力量の多いエリザは、すぐに両親に見つかってしまうはず…
仕方がない!僕が面倒を見よう!エリザの子孫でもあるエリーを助ける事で、少しでも罪滅ぼしになれば…とにかく、エリーをしっかり守らないと!そう決意したのだった。
どうして僕は、もっと素直に君を愛せなかったんだろう…
どうしてエリザ以外の女性と浮気をしてしまったのだろう…
どうして王位にこだわっていたのだろう…
どうしてエリザを傷つけてしまったのだろう…
もしもう一度エリザに会えたら、君に謝りたい…
もし次生まれ変わったら、もっと真面目な人間になりたい…たった1人の大切な女性を守れる様に…
薄れ行く意識の中、そんな事を考えながらイライジャとしての人生の幕を下ろしたのだった。
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ゆっくり瞼を持ち上げると、見覚えのない天井が目に入った。あれ?僕は確かジャックに刺されて命を落としたはずでは?起き上がろうとしたが、思う様に起き上がれない。
「あうぅ~~」
言葉を発しようとしたが、なぜか言葉が話せない。一体どうなっているんだ?ふと自分の体を見ると、明らかに小さい。
「イジャ様、お目覚めになられたのですね」
メイド服を着た女性に抱きかかえられた。もちろん、見覚えのない女性だ!一体何が起こっているんだ?訳が分からないまま、数日が過ぎた。どうやら僕は、イジャと言う人間に生まれ変わったらしい。
そしてここ数日、両親が僕に会いに来たのは1度きり。メイドたちの話によれば、僕の両親は僕にあまり興味がない様だ。ただ高貴な身分の様で、沢山のメイドたちが僕の面倒を見てくれている。
とにかく、今回は絶対に真面目に生きよう。そう思っていたのだが…
数年後
「イジャ様、その様な事は私共で行いますので!何かありましたら、何なりと申し上げて下さい!」
そう言って、僕が何かをしようとすると、取りあげてしまうのだ。さらに、この国の侯爵令息として生まれ変わった僕は、身分が比較的高い事から同年代の令嬢や令息たちからもチヤホヤされている。
ヤバイ…
このままだと、前世の僕と同じ様に何も出来ないダメ人間になってしまう!そう思った僕は、必死に魔力の勉強をした。そう、今回の生では有難い事に、魔力のある国に生まれたのだ。さらに、魔力量も高め!その為、魔力の先生もびっくりするぐらい、何でも出来る様になった。
もちろん、次期侯爵になる為の勉強も叩きこまれた。さらに強い男になる為、武学も学んだ。
相変わらず両親はあまり僕に興味がない様だが、それでも次期侯爵として、大切に大切に育てられた。このまま行けば、侯爵としてこの国で幸せに暮らせるだろう。でも…
前世で僕は人として最低な事をした。大切な人を傷つけ、さらに国を乗っ取ろうとしたんだ!そんな僕が、ぬくぬくと簡単に幸せを手に入れて良い訳がない!もっと苦労して、世間の荒波に揉まれて生きて行かないといけないんだ!
どう思った僕は、14歳の時国を出て世間を見て回る事にした。前世は王太子、今世は侯爵令息と貴族界でずっと生きて来た僕にとって、身分を捨てて生きるという事は、想像以上に辛かった。
時には暴言を吐かれたり、暴力を振るわれたりする事もあった。それでも、国に帰ろうとは思わなかった。もっともっと世間の荒波に揉まれないと駄目だ!きっとエリザも、異国の地で辛い思いをしていたのだから…
そう思ったら、どんなに辛い事があっても頑張れた。そう、僕にとって今世で苦労することで、少しでも前世の償いになればと考えていたのだ。ただの自己満足かもしれない。それでも、そう考える事で心が少し軽くなるのだ。
そんな生活を1年も続けていると、段々要領も分かって来る。もちろん、まだ手探りの部分はあるが、それでも何とか安定した旅を送れる様になった。そんな時だった。
物凄く懐かしい魔力を感じたのだ。この魔力は…
気になって魔力の持ち主がいる場所へと向かうと、そこには1人の女性に向かって、寄ってたかって男たちが文句を言っていた。この森は通行許可証を購入しないと入れない森。どうやら彼女は魔力持ちの様だから、知らずに入って怒られているのだろう。とにかく助けないと!
急いで男たちの元へと向かい、女性の分の通行許可証を発行してもらった。金を払ったことで、満足そうに去っていく男達。急いで女性の方を向き声を掛けると、そこにいたのはエリザにそっくりな少女だった…
あまりの驚きに、つい「エリザ」と言葉を発してしまった。そんな僕に、彼女は思いがけない言葉を投げかけて来たのだ。
「助けていただき、ありがとうございます。私はエリー・スクワーディスと言います。あなた、亡くなったエリザひいおばあ様を知っているのですか?」
ひいおばあ様だって!そうか、この子はエリザの子孫だったのか。彼女の話によれば、エリザは10年前に亡くなったとの事。
何となくエリザはもうこの世にはいないだろう…そんな気はしていた。でも…実際その現実を突きつけられたとき、胸が張り裂けそうになった。もちろん、今更エリザとどうこうなりたいとは思っていなかったが…
それにしても、エリーと言ったな。この子、本当にエリザによく似ているな。でも、どうしてエリザの子孫が、こんなところにいるのだろう。モールズ王国ははるか遠くの場所にある!もしかして誰かに攻め込まれて、命からがら逃げて来たのか?
はやる気持ちを抑え、冷静にエリーに問いかけた。すると、ただの家出のようだ…とにかく、世間知らずの令嬢がこんなところにいたら、どんな目に合うか分からない。
一刻も早く国に帰るように促したのだが、それが気に入らなかった様で、怒って僕の前から去って行った。どうやら転移魔法で移動した様だ。でも魔力量が高い割には、魔法が荒っぽい。それに、街に直接転移した様だ!もし転移した場所に人がいたら、大騒ぎになるぞ!
どうしても気になって彼女の後を追うと、やはり大騒ぎになっていた!とにかくエリーを連れて、人けのない森へと転移する!
余程怖かったのか、涙をポロポロ流しながら震えていた。本当はここで優しい言葉を掛けてあげた方が良いのだろうが、それでは彼女の為にはならない!とにかく、国に帰って幸せに暮らして欲しい!そんな思いから、国に帰るよう再度強めの口調で訴えた。
それでも頑なに拒むエリー。そこまで拒むとは、余程国に帰りたくない理由があるのだろう。そう思いエリーから話を聞いた。なるほど!エリザから受け継いだ、“聖なる魔力を持つ者の証”のせいで、窮屈な生活を強いられていたという訳か…
さらに4歳の親戚と結婚させられそうになっているとの事。4歳って…さすがにそれはちょっとどうかと思う…
彼女の様子からして、僕が何を言っても聞かないだろう。そもそも、公爵家で何不自由なく育ったエリーを1人放っておいたら、きっとさっきの様にトラブルを起こすだろう。それに、こんなにも魔力量の多いエリザは、すぐに両親に見つかってしまうはず…
仕方がない!僕が面倒を見よう!エリザの子孫でもあるエリーを助ける事で、少しでも罪滅ぼしになれば…とにかく、エリーをしっかり守らないと!そう決意したのだった。
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