私はこの人と生きていきたいです!

Karamimi

文字の大きさ
18 / 26

第18話:それでも私はイジャ様が好きです!

しおりを挟む
「エリー、どうやってここまで来たんだ!もしかして、ヴィクトリアさんに連れて来てもらったのかい?」

抱き着く私を引き離したイジャ様。

「いいえ、1人で来ましたの。実は私、ヴィクトリアさんから魔法の勉強を密かに受けていて、ある程度の魔法は使える様になったのです。それでイジャ様の居場所も、特定する事が出来ましたの」

凄いでしょう!そう言わんばかりに、イジャ様に話した。でも…

「とにかく、今すぐヴィクトリアさんの元に戻るんだ!もう君とは旅をする事は出来ない!」

「どうしてですか?私もイジャ様の事が好きです!大好きです!私にとってイジャ様は、かけがえのない大切な人なのです!これからの人生、イジャ様と共に歩んでいきたいです!だから、何があってももうイジャ様から離れません!」

再びギューッとイジャ様に抱き着いた。そんな私を再び引き離す。

「手紙を読みました。どうしてイジャ様と一緒にいたら、私が傷つくのですか?イジャ様は一体何を隠しているのですか?どうか1人で抱え込まないで下さい!私に出来る事があれば何でもしますから!私はイジャ様の力になりたいのです!」

必死にイジャ様に訴えた。唇を噛み、両手を握りしめて下を向いているイジャ様が、ゆっくりと顔を上げた。

「分かったよ。エリーは頑固だからね…僕が真実を話さない限り、ずっと僕から離れないつもりだろう?」

そう言って悲しそうに笑ったイジャ様。まあ、真実を聞こうが聞かまいが、離れるつもりはないけれどね!

「僕はね、前世の記憶を持ってこの世に生まれて来たんだ」

「前世の記憶ですか?」

思いがけない言葉に、つい聞き返してしまった。

「そうだよ!前世での僕の名前は、イライジャ・ディアス・カリファル。カリファル王国の元王太子だ…」

イライジャですって…

「もしかして、イジャ様はエリザひいおばあ様の元婚約者で、魔術師のザードと一体化して命を落とした元王太子、イライジャ様ですの?」

そうか、だから私を見た時、“エリザ”と呼んだのね。私がエリザひいおばあ様によく似ているから…まさかイジャ様が、あのイライジャ様だったなんて…

「エリーも僕の前世を知っているんだね。そうだよ、僕は婚約者だったエリザを裏切っただけでなく、自分の意志でザードと一体化したんだ。そしてモールズ王国を支配し、エリザを無理やり手に入れようとした、最低最悪な人間なんだよ!」

そう言うと、心底苦しそうな顔で俯いてしまった。そうか…イジャ様はずっと前世の自分の行いを悔いて生きて来たのね…だから私に親切にしてくれたのか…

「1つお伺いしてもよろしいですか?私に好意を抱いてくれていると手紙に書いてありましたが、それは私がエリザひいおばあ様に容姿が似ているからですか?」

「確かに最初はエリザによく似ている君に興味を持ったのは事実だ…でも、いつも一生懸命で物凄く頑固で、何を見ても嬉しそうに笑っている心が物凄く奇麗なエリーと一緒にいたら、いつの間にかエリーという人間に惹かれていった」

イジャ様から感じる、優しいオーラ。それに私をまっすぐ見つめる瞳には、嘘偽りは一切感じられない。

「それでしたら私たちは両想いですので、恋人同士という事でよろしいですよね!これからも、ずっと末永くよろしくお願いいたします!」

イジャ様に向かって、ぺこりと頭を下げた。

「エリー、君は僕の話を聞いていなかったのかい?僕は君の大切な曾祖母を傷つけた張本人なんだよ!」

「それは前世の話しでしょう?そもそも、イジャ様は前世の記憶が残っていたせいで、今まで随分と傷つき苦労されたのではありませんか?もう十分苦しんだはずです!それに私だって知らないだけで、前世では物凄く悪い事をしていたかもしれませんし!そもそも、私は今のイジャ様が好きなのです!イジャ様の前世なんて、全くこれっぽっちも関係ありませんわ!」

イジャ様はずっと前世の行いを悔いて生きていたことぐらい、私にも分かる。いい加減、前世の呪縛から抜け出して欲しい!そして今を、未来をこれからは見て行って欲しい!

「でも僕は、前世でエリザを裏切り他の女性を抱いた男だ…今世でも君を裏切るかもしれないよ…」

「それなら魔法で監視しますわ!そうだわ、ルルに監視させましょう!最近出してあげていないから、きっと拗ねているわ」

きっと今のイジャ様なら、浮気なんて絶対しないだろう。でもイジャ様が心配だと言うなら、監視を付ければいい。早速ルルを出した。

「クゥゥゥン」

久しぶりに出したルルは、案の定少し拗ねているようだが、それでも私に巻きついて来た。

「ルル、イジャ様が浮気しない様に見張ってくれる?」

私の言葉を聞き、イジャ様に巻きつきに行ったルル。

「君って子は…本当に…」

そう言って私を抱きしめたイジャ様。瞳からは大粒の涙が流れていた。

「イジャ様、これからは私の側にずっといてくれますか?」

「ああ、もちろんだ!僕から離れたいと言っても、もう離してやるものか!」

「それは良かったです!私も離れろと言われても、離れるつもりはありませんから」

ギューッとイジャ様に抱き着き、そう伝えた。やっぱりイジャ様の腕の中が一番落ち着く。何があってもこの温もりは離さない!絶対に。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

誰も愛してくれないと言ったのは、あなたでしょう?〜冷徹家臣と偽りの妻契約〜

山田空
恋愛
王国有数の名家に生まれたエルナは、 幼い頃から“家の役目”を果たすためだけに生きてきた。 父に褒められたことは一度もなく、 婚約者には「君に愛情などない」と言われ、 社交界では「冷たい令嬢」と噂され続けた。 ——ある夜。 唯一の味方だった侍女が「あなたのせいで」と呟いて去っていく。 心が折れかけていたその時、 父の側近であり冷徹で有名な青年・レオンが 淡々と告げた。 「エルナ様、家を出ましょう。  あなたはもう、これ以上傷つく必要がない」 突然の“駆け落ち”に見える提案。 だがその実態は—— 『他家からの縁談に対抗するための“偽装夫婦契約”。 期間は一年、互いに干渉しないこと』 はずだった。 しかし共に暮らし始めてすぐ、 レオンの態度は“契約の冷たさ”とは程遠くなる。 「……触れていいですか」 「無理をしないで。泣きたいなら泣きなさい」 「あなたを愛さないなど、できるはずがない」 彼の優しさは偽りか、それとも——。 一年後、契約の終わりが迫る頃、 エルナの前に姿を見せたのは かつて彼女を切り捨てた婚約者だった。 「戻ってきてくれ。  本当に愛していたのは……君だ」 愛を知らずに生きてきた令嬢が人生で初めて“選ぶ”物語。

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく

たまこ
恋愛
 10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。  多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。  もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい

高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。 だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。 クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。 ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。 【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】

処理中です...