逆行した公爵令嬢!2度目の人生は絶対に失敗しないことを誓う

Karamimi

文字の大きさ
3 / 81

第3話:体型を何とかしたい

しおりを挟む
ふと鏡に映る自分を見る。そう言えば、1回目の生では、少しふくよかだった私。おデブと言うほどでもないが、美しいとも言い難い。あの頃の私は、どんな姿でも愛されると完全に勘違いしていた。

そうよね。やっぱり女性は美しくなくっちゃ。とにかく、もう少し痩せよう。でも、どうやって痩せればいいのかしら?

早速うら若きメイドたちを呼び出した。もちろん、その中にはルシアナも混ざっている。

「急に呼び出してごめんなさい!実は折り入って相談があるの!」

いつもの様に理不尽に怒鳴りつけられるのかと思ったルシアナ以外のメイドたちは、思いがけない私の言葉に一瞬目を大きく見開いた。

そう、私はルシアナ以外のメイドたちに、嫌われている。1回目の生の時、その事に気づきながらも、“メイドに嫌われても痛くもかゆくもないわ!”と開き直っていた。でも、結局私の傲慢な態度のせいで、この子達まで第二王太子の味方をする事になってしまったのだ。

そう、悪いのは私よ!決して裏切ったメイドたちが悪いわけではないのよ。決してね!だから今回の生では、絶対に失敗しない様仲良くしたいのだ!


「お嬢様、相談とは何ですか?」

相談があると言ったものの、一向に口を開かない私に業を煮やしたのか、ルシアナが私に聞き返して来た。

「実はね。私、もっと奇麗になりたいの。正直ちょっとぽっちゃりしているでしょう?だから、もう少し痩せたいなって思って。それから、もっと女性を磨きたいって言うか…でも、どうしていいかわからなくて。それで、うら若きあなた達にアドバイスを貰おうと思って!」

私の言葉にさらに目を丸くするメイドたち。口をあんぐり開けて固まっている者までいる。

「私本気なのよ。今まで傲慢な態度を取って居た事も、悪かったって思っているの!だからお願い!どんな事でもいいから、私にアドバイスをくれないかしら?」

しばらく沈黙が流れた後、1人のメイドが口を開いた。

「お嬢様は、その…好き嫌いが多いので、もう少し何でも食べると良いかと思います。後は、毎日の運動も大切かと…」

控えめながらもはっきりと答えるこの子は確か、私より5つ上のエレナだったわ。平民出身という事で、今まで随分とバカにしていた。それなのに、こんな私にアドバイスをくれるなんて、よく考えたらめちゃくちゃいい子じゃない!

「エレナ、アドバイスありがとう。運動とは具体的にどの様な事をすればいいの?」

私の言葉に、驚いた顔のメイドたち。

「そうですね。ウォーキングなどはいかがでしょう。後はダンスも良いかと」

なるほど、ウォーキングにダンスか。そう言えば、1回目の生の時は、ダンスが苦手だったわね。運動がてら、ダンスをマスターするのもいいかもしれないわ。


「ありがとう!そう言えば午後はダンスのレッスンがあったわね。しっかり練習して、汗を流すわ!他にも何かあれば教えて」

私の言葉におかしそうに笑うルシアナ。その姿を見て、周りは凍り付く。そう、1回目の生の時から、ルシアナは私に物怖じしなかった。何度怒鳴りつけても癇癪を起こしても、軽くスルーしていたのだ。

そんなルシアナの姿を気に入り、いつしかルシアナのみを信用するようになっていた。でも、そのせいでルシアナは他のメイドから距離を取られていたみたい。その事に腹を立てて、よく他のメイドを怒鳴りつけていたわね。

今思えば、そんな事をしたらルシアナの立場が悪くなるばかりなのに。本当に、あの頃の私はどうかしていたわ。


「ルシアナ、笑いすぎよ」

頬を膨らまして怒る私に、皆目を丸くしていた。

よし、食生活と運動が大切なのね。そして迎えた午後のダンスレッスン。それはそれは一生懸命練習した。でも日頃の練習不足のせいで、すぐにへばってしまったが…

それでも先生からは

「お嬢様、今日は一生懸命練習されて、素晴らしいですわ。まだまだ練習が必要ですが、その調子で頑張りましょうね」

と、お褒めの言葉を頂いた。

そして夕食時、嫌いなブロッコリーも人参も残さず食べた。もちろん、鼻をつまんでだが。その姿を見て、お父様とお母様が目を丸くしていた。

今までの私なら迷わず残していたものね。大好きなデザートも1皿で我慢した。

そして翌日から、メイドたちと一緒にウォークングを始めた。最初は怯えながら接していたメイドたちも、次第に慣れてきたのか

「お嬢様、もっと歩きますよ!」

「お嬢様、この食材がお肌にいいそうです!」

「お嬢様、お菓子の食べすぎです!このままでは、子豚になってしまいますよ」

などなど。私これでも公爵令嬢なんだけれど…と思う事もあったが、そのたびに自分を戒めた。

私の事を思ってアドバイスしてくれているメイドに文句を言ったら、また1度目の生みたいに何もかも失うわよ!ってね。

私の行動を見て、お父様とお母様も感動した様で

「ミシェル、最近随分ダンスや運動を頑張っているみたいね。野菜も食べるようになったし。何があったかは知らないが、とても良い事だよ」

そう言って抱きしめてくれた。


そんな日々を続けて1ヶ月が経過した。ぽっちゃりしていた体も随分と引き締まったうえ、なぜか肌も以前より奇麗になった。そして体力も付いたおかげか、ダンスも随分とスムーズに踊れるようになった。


「ありがとう。皆のおかげで、随分奇麗になったわ」

私は協力してくれたメイドたちを呼び出し、お礼を言う。

「これ、協力してくれたお礼。大したものじゃないけれど、王都で人気のアクセサリーらしいの。好きな物を1つ選んで」

私の言葉に嬉しそうに頬を緩め、アクセサリーを選び始めたメイドたち。


実は前々から一生懸命協力してくれる皆に、何かしたいとずっと考えていた。でも、誰かに何かをした経験がほとんど無かった私は、何をすれば喜ばれるのかわからない。そのため、お母様に相談したのだ。

そうしたら

「何かプレゼントを贈ればいいんじゃない?ミシェルも誰かから何かプレゼントされると、嬉しいでしょう」

そう言って頭を撫でてくれた。

結局自分では何を選べばいいかわからなかったので、お母様のアドバイス通り、アクセサリーにしたのだ。

今思えば、私って本当に人の気持ちがわからない人間よね。それにかなりの無知だし。本当に17年も生きて来たのに、何を学んできたのかしら…


自分でも呆れているところに、アクセサリーを選び終わったメイドたちが声を掛けて来た。

「お嬢様、素敵なプレゼントありがとうございます」

「「「ありがとうございます」」」」

みんなが笑顔で頭を下げる。その姿を見て、なんだか胸の奥が熱くなり、私も自然と笑顔になる。

「喜んでもらえて、私も嬉しいわ」

素直に自分の気持ちを伝えた。そうか、人に感謝されるのって、こんなに嬉しいものなのね。

「お嬢様、随分と体が引き締まって来ましたが、油断は禁物ですよ。これからも好き嫌いなく食事をし、毎日のウォーキングは欠かさず行ってください。いいですね!」

ルシアナに釘を刺されてしまった。

「もちろん!これからも頑張るわよ」

こうして、私の体型改造計画?は、何とか成功したのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。

海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。 アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。 しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。 「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」 聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。 ※本編は全7話で完結します。 ※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

氷の魔術師(引きこもり)のはずなのに、溺愛されても困ります。

入海月子
恋愛
「もう、なんですぐ石になるのよ〜!」 没落貴族のサナリは突然、天才だけど人嫌いの魔術師シーファから世話係に指名された。面識もないのにと疑問に思うが、騙し取られた領地を取り戻すために引き受けることにする。 シーファは美形。でも、笑顔を見たことがないと言われるほどクール……なはずなのに、なぜかサナリには蕩ける笑みを見せる。 そのくせ、演習に出てくださいとお願いすると「やだ」と石(リアル)になって動かない。 なんでよ!?

そのご寵愛、理由が分かりません

秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。 幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに—— 「君との婚約はなかったことに」 卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り! え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー! 領地に帰ってスローライフしよう! そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて—— 「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」 ……は??? お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!? 刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり—— 気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。 でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……? 夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー! 理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。 ※毎朝6時、夕方18時更新! ※他のサイトにも掲載しています。

目覚めたら魔法の国で、令嬢の中の人でした

エス
恋愛
転生JK×イケメン公爵様の異世界スローラブ 女子高生・高野みつきは、ある日突然、異世界のお嬢様シャルロットになっていた。 過保護すぎる伯爵パパに泣かれ、無愛想なイケメン公爵レオンといきなりお見合いさせられ……あれよあれよとレオンの婚約者に。 公爵家のクセ強ファミリーに囲まれて、能天気王太子リオに振り回されながらも、みつきは少しずつ異世界での居場所を見つけていく。 けれど心の奥では、「本当にシャルロットとして生きていいのか」と悩む日々。そんな彼女の夢に現れた“本物のシャルロット”が、みつきに大切なメッセージを託す──。 これは、異世界でシャルロットとして生きることを託された1人の少女の、葛藤と成長の物語。 イケメン公爵様とのラブも……気づけばちゃんと育ってます(たぶん) ※他サイトに投稿していたものを、改稿しています。 ※他サイトにも投稿しています。

公爵家の秘密の愛娘 

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。 過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。 そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。 「パパ……私はあなたの娘です」 名乗り出るアンジェラ。 ◇ アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。 この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。 初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。 母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞  🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞 🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇‍♀️

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

処理中です...