逆行した公爵令嬢!2度目の人生は絶対に失敗しないことを誓う

Karamimi

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第64話:皆がレオのお見舞いに来てくれました

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コンコン
「失礼いたします。お坊ちゃま、お着替えを持って参りました。昨夜は熱も出たとの事なので、一度お着替えをしましょう。シーツもお取替えいたします」

レオの家のメイドたちが、着替えとシーツを持ってやって来た。

「お嬢様も一度お着替えをお願いします。隣の部屋に準備してありますので」

そう言えば、私も昨日着ていた服のままだ。

「わかったわ。レオ、私も着替えてくるわ!着替えが終わったら、2人で朝食にしましょう」

そう言って、一旦隣の部屋に移動し、急いで湯あみを済ませ新しい服に着替えた。どうやら屋敷から私の服を持ってきてくれた様だ。

「そうそう、旦那様から伝言です。“本日は学院を休んでもいいが、明日からはきちんと行く事。今夜は帰って来る事“との事です」

「わかったわ。でも、今日はずっとレオの側にいられるのね。着替えも終わったし、早速レオの元に戻りましょう」

急いでレオの部屋に戻ると、レオも着替えを終えて椅子に座っていた。

「ミシェル、遅いぞ!一緒に朝ごはんを食べるんだろ?さあ、食べようぜ」

「待たせてごめんなさい」

慌てて私もイスに座った。私が座ったのを確認して、メイドたちが朝食を運んできてくれる。さあ食べようか!そう思った時

「ミシェル、手が痛くて食べられないんだ。食べさせて」

そう言って口を開くレオ。手が痛いなら仕方がない。レオのお料理を小さく切り分けて、口に入れていく。

「次はパンが食べたい、その次はサラダ」

レオの指示通り食べさせていく。レオが食べ終わったところで、やっと私の食事だ。

「じゃあ今度は俺がミシェルを食べさせてやるよ」

そう言って、食べ物を私の口に放り込むレオ。ん?

「レオ、手が痛くて食べられないんじゃなかったの?」

私の問いかけに「そんな事言ったっけ?」と、とぼけている。

「とにかく自分で食べられるから」

そう言って断ったのだが…

「俺が食べさせるご飯は不味いか?」

そう悲しそうに問いかけられたら、これ以上断れない。結局全てレオが食べさせてくれた。その後、器用に杖を使って自分でベッドに戻るレオ。そうだわ、薬!

「レオ、食後の薬を飲まないと!ほら、準備してあるから飲んで」

レオに薬と水を渡したのだが…

「薬は苦いから飲まない!」
とう言って私に背を向けた。

「もう、子供じゃないのだからちゃんと飲んで。飲まないと痛みが酷くなるわよ」

「俺は痛いより苦い方が嫌だ。ミシェルが昨日の夜みたいに、飲ませてくれるなら飲んでもいいよ」

そう言ってニヤリと笑った。昨日の夜の記憶、しっかりあるじゃない!きっと私の事をからかっていたのね!

「ミシェル、飲ませて!俺が痛みで苦しんでも良いのか?」

うっ…そんな事を言われたら、飲ませない訳にはいかないじゃない。有難い事に、使用人たちはこちらを見ない様にしてくれている。

仕方ない。昨日の夜と同じ様に、薬を口移しで飲ませた。全て飲ませ終わって離れようとしたのだが、レオにしっかり頭を抑えられていて離れられない。そのままレオの舌が入って来る。

ちょっと!何してくれているのよ!1人パニックになり、必死にレオから離れようとするが、無駄にバカ力なレオによってしっかり固定されている。その時だった。

コンコン
「失礼します」
「キャンキャン」

部屋にやって来たのは、チャチャを抱いたエレナだ。チャチャは私を見るなり、エレナの腕から抜け出し飛びついて来た。

「どうしたの?チャチャ。あなたもレオのお見舞いに来てくれたの?」

尻尾を大きく振りながら、私の顔を舐めるチャチャ。

「お嬢様、申し訳ございません。昨日の夜からチャチャ様がお嬢様の帰りを待っておりまして。夜通しずっと玄関から離れなかったのです。朝食も召し上がらなかったので、奥様の指示でこちらに連れて参りました」

「まあ、チャチャ。ごめんなさい!寂しい思いをさせてしまったのね」

夜通しずっと玄関で待っていてくれただなんて。それに、食いしん坊のチャチャが朝ごはんを食べないなんて。随分と可哀そうな事をしてしまったわ。

「エレナ、連れて来てくれてありがとう。早速チャチャのご飯を準備してもらえるかしら」

「かしこまりました。しばらくお待ちください」

エレナがチャチャのご飯を取りに、席を外した。

「チャチャ、お前随分と甘えん坊だな!まあ、お前の気持ちは分からなくはないよ」

そう言って、レオがチャチャの頭を撫でた。チャチャもレオの膝にのり、顔を舐めている。

しばらくすると、エレナがチャチャのご飯を持って戻ってきた。

「さあチャチャ様、ご飯ですよ」

なぜか動かないチャチャ。

「どうしたの?チャチャ。ほら、ご飯よ」

チャチャを抱っこして、ご飯のトレーまで連れて行く。私が側にいる事を確認したチャチャが、ものすごい勢いでご飯を食べ始めた。よかったわ、食べてくれた。あっという間にご飯を食べ終えたチャチャは、私の膝の上で眠っていた。

夜通し私を待っていてくれていたチャチャ。きっと疲れていたのだろう。レオも薬が効いて来たようで眠ってしまった。

1人取り残された私は暇なので、レオの顔を観察する事にした。よく見ると、やっぱりレオはカッコいい。1つ1つのパーツがバランスよく整っている。きっと私が知らないだけで、レオはモテるのだろうな!

そう思ったら、なんだか無性にイライラしてきた。いけないわ、こんな事でイライラするなんて、1度目の生の時の私と一緒じゃない。とにかく、本でも読もう。気を取り直して、本を読んで過ごす事にした。

お昼前に起きたレオ、昼食ももちろん一緒に食べる。ここでもお互い食べさせ合い、口移しで薬を飲ませた。

そして午後、シュミナとジル様がお見舞いに来てくれた。

「思ったより元気そうでよかったよ。それにしても、ひどい怪我だな」

「まあな、全治3ヶ月だってよ」

「でも、何でレオが襲われたんだろうな。心当たりはないのか?」

ジル様の問いかけに
「う~ん、俺にもさっぱりわからないんだ」
そう言って困った顔をするレオ。

どうやらレオは、第二王子の事を疑ってはいない様だ。その時だった。

コンコン
「失礼いたします。お坊ちゃま、ユーグラテス殿下がお見舞いに来てくれましたよ」

第二王子が!ついシュミナと顔を見合わせてしまった。

「やあレオ。誰かに襲われたんだって?大変だったね」

入ってきたのは、確かに第二王子だ。第二王子を見た瞬間、なぜかレオの布団の中に隠れるチャチャ。どうやら、昔第二王子に蹴られたことを覚えていた様だ。

「ユーグラテスも、わざわざありがとう。ほら、チャチャ。そんなところに隠れていないで、出て来いよ」

布団から引きずり出し、膝にチャチャを乗せるレオ。チャチャはレオにぴったりくっ付いている。

「この子が噂のチャチャだね。随分と臆病なんだね。まるでミシェル嬢みたいだ」

そう言ってクスクス笑う第二王子。そりゃ昔あなたに蹴られましたからね!そう言いたいが、さすがに言えない。それに私みたいって…チャチャはオスよ!

「そうだな!ミシェルもチャチャも俺にべったりだからな。ほら、ミシェルもおいで」

なぜか私を呼ぶレオ。呼ばれた通りレオの側に行くと、そのまま腕を引っ張られ、レオの胸に飛び込んでしまった。それを見て、明らかに不機嫌な顔になる第二王子。

「さあ、あまり長居しても良くないから、そろそろ帰ろうか。ほら、ユーグラテスも一緒に帰ろうぜ」

重苦しい空気を断ち切ったのは、ジル様だ。

「ミシェル嬢、明日は学院に来るんだよな。シュミナと一緒に待っているから」

「ええ、行く予定よ。明日からよろしくね」

「そっか、明日はミシェル嬢は来るんだね」

そう言うと、ニヤリと笑う第二王子。何か良からぬことを企んではいませんよね?つい顔が強張ってしまう。

「今日はわざわざ来てくれてありがとう。皆、気を付けて帰れよ。ジル、明日からミシェルの事頼んだぞ」

「ああ、任せろ」

「レオ、僕もいるから大丈夫だよ。ミシェル嬢、また明日ね」

その言葉を聞き、苦笑いするシュミナとジル様。第二王子が出て行った瞬間

「お前が居るからこっちは心配しているんだよ」

そうボソッと呟いたレオ。

「ミシェル、いいな。明日から俺は学院には行けない。ジルには手紙を書いておいたから、明日から気にかけてくれるはずだ。とにかく、ジルやシュミナ嬢から離れるなよ!いいな、わかったな!」

「わかっているわ。大丈夫よ」

私だって第二王子には近づきたくないもの!とにかく、レオが怪我で学校に来られない間は、いつも以上に気を付けないとね。
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