何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります

Karamimi

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第19話:やっと騎士団長になれたけど…~デイビッド視点~

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とにかく今は、騎士団長の試験に集中しよう。

アンジュの事はものすごく気になるが、騎士団長にならないと話にならない。そんな思いで、必死に騎士団長になる為の試験対策を行う。

そして迎えた試験当日、俺は何とか次期騎士団長になる事が出来たのだ。

これでやっと、アンジュを迎えに行ける!嬉しくて涙が込みあげてきた。

そんな俺の元にやって来たのは、ラミネス嬢だ。

「デイビッド様、おめでとうございます。あなた様が次期騎士団長ですわ。それで私達、いつ婚約をしますか?」

「は?婚約?」

この女は何を言っているのだ?

「ですから、私とデイビッド様の婚約ですわ。私達、仲睦まじかったでしょう?」

言っている意味がさっぱり分からない。

「俺は君とは婚約しない。俺が愛しているのは、アンジュただ1人だけです。騎士団長にも、その旨を伝えてありますが…」

「でも、アンジュ様の家からの婚約話を、5回も断られたのですよね?」

「どうしてそれをあなたが知っているのですか?」

「それは…その…アンジュ様がご友人たちに話されているのを、聞いたからですわ…盗み聞きした訳ではありません。それにアンジュ様は、あなた様を忘れるために、留学をするとおっしゃっていましたし。きっともう、あなた様の事なんて忘れて、留学先で楽しんでいる事でしょう」

どうやらこの女、盗み聞きをしていた様だ。やっぱりアンジュの友人たちが言っていた通り、アンジュは留学したのか…

「俺が愛しているのはアンジュただ1人だけです。とにかくあなたとは、婚約しません!」

そうはっきりと伝えた。

「そんな…酷い…」

そう言って泣き崩れたラミネス嬢。すると

「ラミネス、お前は公衆の面前で何をしているのだ。デイビッドには心に決めた令嬢がいるから、諦めなさいとあれだけ言っただろう」

俺たちの元にやって来たのは、騎士団長だ。

「そんな…お父様、私はデイビッド様の事が好きなのです」

「お前がいくらデイビッドの事が好きでも、相手が受け入れてくれないのだから仕方がないだろう。それもお前、アンジュ嬢を始め、色々な人間に、デイビッドと婚約すると嘘を吹き込んだそうじゃないか!」

「嘘だなんて…そんな…」

「皆の者、デイビッドはずっと私に、他に好きな令嬢がいると言っていた。それなのに我が娘が、勝手にデイビッドと婚約すると、嘘の情報を流したのだ。我が娘ながら、本当に情けない。いいか、デイビッドとラミネスは婚約する事はない。誤解している者がいれば、悪いが訂正してやって欲しい」

「お父様!」

「私はお前に、まっすぐに生きて欲しいと願って来た。まさかその様な嘘を皆に吹き込む様な、曲がった人間に育ってしまっただなんて…私は教育を間違えた様だ。騎士団も近々辞める事だし、これからはラミネスが真っ当な人間になれる様、私が全力でフォローしていくことにしよう」

「そんな…お父様」

ワーワー声を上げて泣くラミネス嬢。16歳の令嬢が、あんな大声で、大きな口を開けて泣くだなんて…

「さあ、ラミネス、帰るぞ。デイビッド、本当にすまなかったな。アンジュ嬢にお前の気持ちが伝わるといいな。それじゃあ、私たちはこれで」

ビービー泣くラミネス嬢を連れて、騎士団長が去っていく。

「デイビッド…お前も色々と大変だったな…なんて言うか…その…」

ラミネス嬢の後ろ姿と俺を交互に身ながら、騎士団の仲間たちが気まずそうな顔をしている。

「ラミネス嬢の勘違いの件は、俺たちが他の貴族に訂正しておくから安心しろ。それよりもお前、アンジュ嬢が好きだったんだな。あれだけ冷たくあしらっていたから、俺たちはてっきり…」

騎士団員たちの言いたい事は分かる。俺は散々アンジュの気持ちを拒否し、突き放してきたのだ。今思えば、どうしてそこまで頑なになっていたのか分からない。

ただ…

一刻も早くアンジュに会って、心から謝罪したい。そして、改めて俺の気持ちを伝えたいのだ。でも…肝心のアンジュが、どこにいるのか分からない。

せっかく騎士団長になって、アンジュへの想いを伝えられる時が来たのに…
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