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第31話:陛下に呼び出されました
「アンジュ、すまないが明日、一緒に王宮に出向いてくれるかい?」
「はい、準備は整っておりますわ」
青色のドレスに身を包み、お父様と一緒に馬車に乗り込んだ。
帰国してから早1ヶ月、何だかんだ言って、楽しい毎日を過ごしている。なぜかあの日以降、騎士団員の皆と一緒に食事をする様になった。そのせいか、デイビッド様と話す機会も多い。
私の事を気にかけてくれているのか、私の好物ばかりを持参してくるデイビッド様。でも、私は食べ物なんかではつられないんだから…それでもせっかく私の為に準備してくれているので、有難く頂いている。
気になるラミネス様だが、何度か声を掛けたのだが
「私に同情しているつもり?私はあなたの様な偽善者は大嫌いなのよ!」
そう言われてしまったのだ。友人達からも、もう話しかけるのは止めた方がいいと言われた。どうやら私は、ラミネス様に嫌われている様だ。私はただ、皆と仲良くしたいのだが…思う様にはいかないものだ。
そして今日は、なぜか陛下に呼び出されている為、王宮へと向かっている。私、何か悪い事をしたかしら?そう思ったが、特に思い当たる節もない。
気になってお父様に聞いたら、ミラージュ王国について話があるとの事だった。もしかしたら、イカロス王太子殿下が、我が国の絹を気に入ってくださっていたから、その件で陛下に話しをしたのかもしれない。
その件かなっと、勝手に思っている。
しばらくすると、王宮に到着した。
「さあ行こうか」
「はい」
お父様と一緒に、王宮へと入って行く。ちなみに我が国の陛下は、2年前王位を継承したばかり、20代の若き国王陛下だ。お子様もまだ小さく、王妃殿下もとてもいい人なのだ。
使用人に案内され、陛下の待つ部屋へと向かった。
「こちらでございます。どうぞ中へ」
お父様の後について入って行く。
「陛下、お待たせして申し訳ございません」
お父様が陛下に頭を下げた。私も一緒に頭を下げたのだが…あら?隣にいらっしゃるのは、まさか…
「ダルク様…どうしてあなた様が我が国に?」
そう、陛下のお隣にいたのは、ダルク様だったのだ。
「アンジュ嬢、久しぶりだね」
そう言うと、少し恥ずかしそうに笑ったダルク様。私がミラージュ王国にいた頃に比べると、随分と表情が柔らかい。
「スィークルン侯爵、それにアンジュ嬢、よく来てくれたね。実はミラージュ王国の王太子殿下から、絹を使った製品に関する問い合わせが来てね。これを機に、我が国とミラージュ王国も交流を深めて行けたらと、私は願っているんだ」
そう言ってほほ笑んでいる陛下。
「それで手始めに、ミラージュ王国から王太子殿下の右腕でもある、ダルク・ファリグラス殿が、留学兼交渉人として、来国して下さったのだ。ダルク殿には王宮で生活してもらい、王宮から貴族学院に通ってもらおうと思っている。期間は、卒業までの予定だ。アンジュ嬢はダルク殿とも知り合いの様だし、これからよろしく頼むよ」
なるほど、国を離れられない王太子殿下に代わり、ダルク様が我が国にやって来たという訳ね。確かにダルク様なら、頭もいいし上手に交渉をするだろう。そして唯一彼の事を知っている私に紹介したって訳ね。
「アンジュ嬢、明日から私も貴族学院に通う事になっている。色々と迷惑を掛ける事もあるだろうが、よろしく頼む。ちなみに我が国からは、運河で採れた魚の加工食品や、運河をモチーフにした工芸品を輸出しようと考えている。私もミラージュ王国代表として、それらの物を、この国の貴族たちに紹介できたらと考えているんだ。アンジュ嬢、協力してくれるかい?」
「もちろんですわ。まさかダルク様が我が国にいらっしゃるだなんて思いませんでした。ぜひ私にも、お手伝いをさせて下さい。ミラージュ王国は本当に魅力的な国ですから」
まさか我が国とミラージュ王国との懸け橋になれるだなんて、思わなかったわ。なんだか嬉しい。
「アンジュ嬢、今回の件、本当にありがとう。我が国の絹は一級品だ。それが他国で認められたという事は、名誉あることだ。それもこれも、君がミラージュ王国で、我が国の絹を使ったのドレスを着てくれたからだ。それでだな、ミラージュ王国との貿易の責任者に、サフィーレイズ侯爵を任命したいと思っているのだ。もちろん、私も交渉の場には参加する予定だが、何分忙しくて…」
何と、お父様がミラージュ王国との交渉の責任者だなんて…
「その様な大役を、私がですか!」
「そうだよ。そもそも君の娘が取って来た話みたいなものだからね。それにダルク殿も、アンジュ嬢の父親にぜひお願いしたいとおっしゃられていてね。私も君なら、しっかりと役目を果たしてくれると信じているよ」
「分かりました。この様な大役を承れた事、誇りに思います。ダルク殿、どうかよろしくお願いします」
「こちらこそ、お願いします」
お互いが、頭を下げたのだ。まさかお父様が、他国との貿易の責任者に任命されるだなんて。
でも、いつもお父様に心配ばかりかけて来たのだ。ちょっとはお父様の役に立てて、よかったわ。
「はい、準備は整っておりますわ」
青色のドレスに身を包み、お父様と一緒に馬車に乗り込んだ。
帰国してから早1ヶ月、何だかんだ言って、楽しい毎日を過ごしている。なぜかあの日以降、騎士団員の皆と一緒に食事をする様になった。そのせいか、デイビッド様と話す機会も多い。
私の事を気にかけてくれているのか、私の好物ばかりを持参してくるデイビッド様。でも、私は食べ物なんかではつられないんだから…それでもせっかく私の為に準備してくれているので、有難く頂いている。
気になるラミネス様だが、何度か声を掛けたのだが
「私に同情しているつもり?私はあなたの様な偽善者は大嫌いなのよ!」
そう言われてしまったのだ。友人達からも、もう話しかけるのは止めた方がいいと言われた。どうやら私は、ラミネス様に嫌われている様だ。私はただ、皆と仲良くしたいのだが…思う様にはいかないものだ。
そして今日は、なぜか陛下に呼び出されている為、王宮へと向かっている。私、何か悪い事をしたかしら?そう思ったが、特に思い当たる節もない。
気になってお父様に聞いたら、ミラージュ王国について話があるとの事だった。もしかしたら、イカロス王太子殿下が、我が国の絹を気に入ってくださっていたから、その件で陛下に話しをしたのかもしれない。
その件かなっと、勝手に思っている。
しばらくすると、王宮に到着した。
「さあ行こうか」
「はい」
お父様と一緒に、王宮へと入って行く。ちなみに我が国の陛下は、2年前王位を継承したばかり、20代の若き国王陛下だ。お子様もまだ小さく、王妃殿下もとてもいい人なのだ。
使用人に案内され、陛下の待つ部屋へと向かった。
「こちらでございます。どうぞ中へ」
お父様の後について入って行く。
「陛下、お待たせして申し訳ございません」
お父様が陛下に頭を下げた。私も一緒に頭を下げたのだが…あら?隣にいらっしゃるのは、まさか…
「ダルク様…どうしてあなた様が我が国に?」
そう、陛下のお隣にいたのは、ダルク様だったのだ。
「アンジュ嬢、久しぶりだね」
そう言うと、少し恥ずかしそうに笑ったダルク様。私がミラージュ王国にいた頃に比べると、随分と表情が柔らかい。
「スィークルン侯爵、それにアンジュ嬢、よく来てくれたね。実はミラージュ王国の王太子殿下から、絹を使った製品に関する問い合わせが来てね。これを機に、我が国とミラージュ王国も交流を深めて行けたらと、私は願っているんだ」
そう言ってほほ笑んでいる陛下。
「それで手始めに、ミラージュ王国から王太子殿下の右腕でもある、ダルク・ファリグラス殿が、留学兼交渉人として、来国して下さったのだ。ダルク殿には王宮で生活してもらい、王宮から貴族学院に通ってもらおうと思っている。期間は、卒業までの予定だ。アンジュ嬢はダルク殿とも知り合いの様だし、これからよろしく頼むよ」
なるほど、国を離れられない王太子殿下に代わり、ダルク様が我が国にやって来たという訳ね。確かにダルク様なら、頭もいいし上手に交渉をするだろう。そして唯一彼の事を知っている私に紹介したって訳ね。
「アンジュ嬢、明日から私も貴族学院に通う事になっている。色々と迷惑を掛ける事もあるだろうが、よろしく頼む。ちなみに我が国からは、運河で採れた魚の加工食品や、運河をモチーフにした工芸品を輸出しようと考えている。私もミラージュ王国代表として、それらの物を、この国の貴族たちに紹介できたらと考えているんだ。アンジュ嬢、協力してくれるかい?」
「もちろんですわ。まさかダルク様が我が国にいらっしゃるだなんて思いませんでした。ぜひ私にも、お手伝いをさせて下さい。ミラージュ王国は本当に魅力的な国ですから」
まさか我が国とミラージュ王国との懸け橋になれるだなんて、思わなかったわ。なんだか嬉しい。
「アンジュ嬢、今回の件、本当にありがとう。我が国の絹は一級品だ。それが他国で認められたという事は、名誉あることだ。それもこれも、君がミラージュ王国で、我が国の絹を使ったのドレスを着てくれたからだ。それでだな、ミラージュ王国との貿易の責任者に、サフィーレイズ侯爵を任命したいと思っているのだ。もちろん、私も交渉の場には参加する予定だが、何分忙しくて…」
何と、お父様がミラージュ王国との交渉の責任者だなんて…
「その様な大役を、私がですか!」
「そうだよ。そもそも君の娘が取って来た話みたいなものだからね。それにダルク殿も、アンジュ嬢の父親にぜひお願いしたいとおっしゃられていてね。私も君なら、しっかりと役目を果たしてくれると信じているよ」
「分かりました。この様な大役を承れた事、誇りに思います。ダルク殿、どうかよろしくお願いします」
「こちらこそ、お願いします」
お互いが、頭を下げたのだ。まさかお父様が、他国との貿易の責任者に任命されるだなんて。
でも、いつもお父様に心配ばかりかけて来たのだ。ちょっとはお父様の役に立てて、よかったわ。
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