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第31話:リュカ様が継ぐ予定の領地に行く事になりました
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「ジュリア、来週から半期休みに入るよね。せっかくだから、僕が継ぐ予定の領地に一緒に行かないかい?」
貴族学院に入学してから、半年が経とうとしていた。おせんべいをはじめ、和菓子のお店は順調で、既に王都では3号店まで出来ている。さらに、おせんべいを焼く体験が出来る施設も、先日オープンした。
隣国からの評判も上々で、かなり購入依頼が増えているとの事。来年には、お菓子製造工場まで出来るらしい。
和菓子ブームのお陰で、すっかり人気者になった。かつての変り者令嬢の私は、すっかり影を潜めている。でも、屋敷ではジャージを愛用している変り者令嬢には変わりないのだが…
おっと話しがそれてしまった。そういえば、来週から約1ヶ月間、貴族学院はお休みに入る。特に予定もないし、いずれリュカ様と結婚して、家を支えて行かないといけないのだ。
それなら、一度領地を見ておくのもいいだろう。ちなみに、リュカ様が引き継ぐ予定の土地は、今は王家が管理しているらしい。ただ、領地経営に関する勉強は既に進んでいて、リュカ様も積極的に領地に関与しているらしい。
「ぜひ、行きたいですわ。でも、一度父に確認をとってみないと…」
「侯爵になら、もう既に許可を取っているよ」
さすがリュカ様、仕事が早いわね。
「それなら安心して行けますわ。あの…ぬか床も持って行ってもよろしいでしょうか?」
ぬか床は毎日かき混ぜないといけない。料理人たちに任せてもいいのだが、どうもイヤみたいなので、出来るだけ自分で行いたいのだ」
「ぬか床?よくわからないけれど、ジュリアが持って行きたいものは全て持ってきていいよ。ジャージと呼ばれる、ヨレヨレのズボンもね」
「ヨレヨレのズボンは余計ですわ。でも、あれがないと快適に過ごせないので、是非持って行かせていただきます」
ジャージは私の大切な部屋着だ。持って行かない選択肢はない。そういえば王都から出るのっていつぶりだろう。大きくなってからは、侯爵家の領地もほとんど行かなくなったのよね。
まるで旅行みたいで、楽しみだわ。
出発前日、早速荷物を詰めていく。今回は1ヶ月領地に滞在する予定になっているのだ。きっと日本食が恋しくなるだろうから、醤油や味噌、お米なども持って行く。
「お嬢様、まさかこのだらしのないズボンも持って行くおつもりではないでしょうね」
鞄の中にジャージを入れようとしている私に向かって、そう叫んだファリサ。
「持って行くに決まっているでしょう?大丈夫よ、リュカ様の許可はとってあるから」
「いくらリュカ殿下がお優しい方でも、こんなだらしのない格好を見たら、幻滅いたしますわ。どうかお止めください」
「あら、私のジャージ姿でショックを受ける様なら、こっちから願い下げよ。私は自分を隠すつもりはないから」
そうはっきりと告げた。そんな私を見て、ファリサがため息をつきながらも、そのままジャージをカバンに入れてくれた。
そして翌日。
我が家までわざわざ迎えに来てくれたリュカ様。
「リュカ殿下、どうか娘の事をよろしくお願いします」
お父様とお母様が深々と頭を下げている。
「こちらこそ、大切なジュリアをお借りいたします。それじゃあ行こうか」
リュカ様に手を引かれ、馬車に乗り込んだ。見送りの為出てきてくれている両親やお兄様、お姉様に手を振る。そういえば私1人でどこかに行くのって初めてね。増々ワクワクしてきたわ。
「ジュリア、今回は本当に来てくれてありがとう。領地までは、馬車で6時間程度だから、そこまで負担はかからないと思うけれど。もし馬車に酔ったり、疲れたりしたら遠慮なく言ってね」
「ありがとうございます。なんだか旅行みたいで、とても楽しみですの。それで、領地はどんな所なのですか?」
「そうだね。自然豊かな場所だよ。ブドウと芋の生産が盛んでね。あと、酪農にも力を入れていて、新鮮な牛乳やチーズも美味しいよ」
ブドウか…きっとワインが美味しいのだろう。ワインにチーズ、最高の組み合わせね。どうしてまだ私は、13歳なのかしら?早くお酒を飲める年齢になりたいわ…
芋も有名なら、芋焼酎も美味しいわよね…あぁ、ダメだ、飲みたくてたまらない…
「ジュリア、どうしたんだい?体調でも悪いのかい?」
不安そうな顔をするリュカ様。
「いいえ、何でもありませんわ。ブドウが有名なら、きっとワインの生産も盛んなのかと思いまして」
「そうだね、ワインの生産も盛んだよ。うちのワインは渋みが少なくて、飲みやすいと評判なんだ。特にチーズとよく合うんだよ」
「まあ、そうなのですね…飲みたいわ…」
「ジュリアはお酒にも興味があるのかい?でも、成人する17歳までお酒は飲めないよ。成人したら好きなだけ飲んだらいい。その頃には僕たちも結婚して、領地も正式に継いでいるだろうし…」
頬を赤らめ、そう言ったリュカ様。結婚か…まだまだ先な様な気がしていたのだが…そもそも17歳なんて、日本ならまだ高校生よって、この国ではそんな事は通用しないわよね。
この国では17~20歳までにほとんどの令嬢は結婚する。お姉様もお兄様も、貴族学院を卒業する来年には、結婚する予定だ。きっと私も貴族学院を卒業したら、リュカ様と…
そう思ったらなんだか恥ずかしくなって来て、つい俯いてしまう。
「とにかく、領地はとても素晴らしいところだよ。きっとジュリアも喜んでくれると思う」
「ええ、楽しみにしておりますわ」
貴族学院を卒業するまで、まだ3年半もある。今から未来の事を考えて緊張していても仕方がないものね。とにかく、今から行く領地を楽しもう。
貴族学院に入学してから、半年が経とうとしていた。おせんべいをはじめ、和菓子のお店は順調で、既に王都では3号店まで出来ている。さらに、おせんべいを焼く体験が出来る施設も、先日オープンした。
隣国からの評判も上々で、かなり購入依頼が増えているとの事。来年には、お菓子製造工場まで出来るらしい。
和菓子ブームのお陰で、すっかり人気者になった。かつての変り者令嬢の私は、すっかり影を潜めている。でも、屋敷ではジャージを愛用している変り者令嬢には変わりないのだが…
おっと話しがそれてしまった。そういえば、来週から約1ヶ月間、貴族学院はお休みに入る。特に予定もないし、いずれリュカ様と結婚して、家を支えて行かないといけないのだ。
それなら、一度領地を見ておくのもいいだろう。ちなみに、リュカ様が引き継ぐ予定の土地は、今は王家が管理しているらしい。ただ、領地経営に関する勉強は既に進んでいて、リュカ様も積極的に領地に関与しているらしい。
「ぜひ、行きたいですわ。でも、一度父に確認をとってみないと…」
「侯爵になら、もう既に許可を取っているよ」
さすがリュカ様、仕事が早いわね。
「それなら安心して行けますわ。あの…ぬか床も持って行ってもよろしいでしょうか?」
ぬか床は毎日かき混ぜないといけない。料理人たちに任せてもいいのだが、どうもイヤみたいなので、出来るだけ自分で行いたいのだ」
「ぬか床?よくわからないけれど、ジュリアが持って行きたいものは全て持ってきていいよ。ジャージと呼ばれる、ヨレヨレのズボンもね」
「ヨレヨレのズボンは余計ですわ。でも、あれがないと快適に過ごせないので、是非持って行かせていただきます」
ジャージは私の大切な部屋着だ。持って行かない選択肢はない。そういえば王都から出るのっていつぶりだろう。大きくなってからは、侯爵家の領地もほとんど行かなくなったのよね。
まるで旅行みたいで、楽しみだわ。
出発前日、早速荷物を詰めていく。今回は1ヶ月領地に滞在する予定になっているのだ。きっと日本食が恋しくなるだろうから、醤油や味噌、お米なども持って行く。
「お嬢様、まさかこのだらしのないズボンも持って行くおつもりではないでしょうね」
鞄の中にジャージを入れようとしている私に向かって、そう叫んだファリサ。
「持って行くに決まっているでしょう?大丈夫よ、リュカ様の許可はとってあるから」
「いくらリュカ殿下がお優しい方でも、こんなだらしのない格好を見たら、幻滅いたしますわ。どうかお止めください」
「あら、私のジャージ姿でショックを受ける様なら、こっちから願い下げよ。私は自分を隠すつもりはないから」
そうはっきりと告げた。そんな私を見て、ファリサがため息をつきながらも、そのままジャージをカバンに入れてくれた。
そして翌日。
我が家までわざわざ迎えに来てくれたリュカ様。
「リュカ殿下、どうか娘の事をよろしくお願いします」
お父様とお母様が深々と頭を下げている。
「こちらこそ、大切なジュリアをお借りいたします。それじゃあ行こうか」
リュカ様に手を引かれ、馬車に乗り込んだ。見送りの為出てきてくれている両親やお兄様、お姉様に手を振る。そういえば私1人でどこかに行くのって初めてね。増々ワクワクしてきたわ。
「ジュリア、今回は本当に来てくれてありがとう。領地までは、馬車で6時間程度だから、そこまで負担はかからないと思うけれど。もし馬車に酔ったり、疲れたりしたら遠慮なく言ってね」
「ありがとうございます。なんだか旅行みたいで、とても楽しみですの。それで、領地はどんな所なのですか?」
「そうだね。自然豊かな場所だよ。ブドウと芋の生産が盛んでね。あと、酪農にも力を入れていて、新鮮な牛乳やチーズも美味しいよ」
ブドウか…きっとワインが美味しいのだろう。ワインにチーズ、最高の組み合わせね。どうしてまだ私は、13歳なのかしら?早くお酒を飲める年齢になりたいわ…
芋も有名なら、芋焼酎も美味しいわよね…あぁ、ダメだ、飲みたくてたまらない…
「ジュリア、どうしたんだい?体調でも悪いのかい?」
不安そうな顔をするリュカ様。
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「まあ、そうなのですね…飲みたいわ…」
「ジュリアはお酒にも興味があるのかい?でも、成人する17歳までお酒は飲めないよ。成人したら好きなだけ飲んだらいい。その頃には僕たちも結婚して、領地も正式に継いでいるだろうし…」
頬を赤らめ、そう言ったリュカ様。結婚か…まだまだ先な様な気がしていたのだが…そもそも17歳なんて、日本ならまだ高校生よって、この国ではそんな事は通用しないわよね。
この国では17~20歳までにほとんどの令嬢は結婚する。お姉様もお兄様も、貴族学院を卒業する来年には、結婚する予定だ。きっと私も貴族学院を卒業したら、リュカ様と…
そう思ったらなんだか恥ずかしくなって来て、つい俯いてしまう。
「とにかく、領地はとても素晴らしいところだよ。きっとジュリアも喜んでくれると思う」
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