変わり者転生令嬢は国一番の美少年王子に溺愛される

Karamimi

文字の大きさ
33 / 51

第33話:私もリュカ様の役に立ちたいです

しおりを挟む
翌日、早速リュカ様と一緒に領地を見て回る事にした。かなり土地が広い様で、1日では全て回れないとの事。時間はたっぷりあるのだ。ゆっくり領地を見て回ろうと言う話で落ち着いた。

今日はブドウ農園を見学する事になった。農園に行くのだから、やっぱりズボンよね。

早速家から持ってきたジャージに着替えた。メイドたちが何とも言えない目で私を見ていたが、気にしない事にした。

「リュカ様、おはようございます」

「ジュリア、おはよう。もしかしてその格好、噂に聞くジャージかい?」

さすがリュカ様だ。私の事をよく知っている。

「はい、そうです。この格好なら汚れても大丈夫ですし、動きやすいのでお手伝いも出来ますわ」

せっかくならブドウの収穫とか手伝えたらいいな、なんて思っている。

「なるほど。ジュリアらしいね。でもその格好、とてもよく似合っているよ」

そう言って笑っていた。

早速ブドウ畑に向かう。私がすぐに迷子になると思っているリュカ様。何度も

「勝手にどこかに言ってはダメだよ。君はすぐに迷子になるのだから」

と、耳にタコが出来るくらい私に言って来たのだ。失礼ね、そんなにすぐに迷子にならないわよ。そもそも今日は、リュカ様から離れるつもり何てないし!

それでも心配なリュカ様は、ずっと私の腰を掴んでいた。

ブドウ畑に着くとちょうど出荷時期なのか、せっせと収穫を行っていた。せっかくなので、1房食べさせてもらう事に。

渋みもなく、とても甘くておいしかった。さらに、ジュースやワインの工場も案内してもらった。ワイン工場であまりにも私が物欲しそうにしていた為か

「ジュリア、17歳になったら好きなだけワインを飲んでもいいからね」

そうリュカ様に笑われてしまった。

翌日は、酪農の方を見学した。この日ももちろんジャージで向かう。せっかくなので、乳しぼりをさせてもらった。さらに、搾りたての牛乳も頂く。あぁ、何て美味しいのかしら?さらにチーズやバターなどの加工工場にも連れて行ってもらった。

それにしても、昨日のブドウといい、かなり加工の方にも力を入れている様だ。リュカ様曰く

「作ったものをそのまま売るより、何かに加工して売った方が領民にとって、より多くの収入を得られるんだ。少しでも領民の暮らしを安定させるのが、僕たち王族や貴族たちの仕事だからね」

との事。まだ13歳なのに、民の為に色々と考えているなんて凄いわ。日本ならまだ中学生なのにね。そんなリュカ様の役に立てたら…そんな事を考えてしまう。

3日目は、農業の見学に行った。お芋を中心に作っている様で、たくさんのお芋が植えられていた。この日も芋ほりを手伝える様に、ジャージで向かった。さらに、畑に行くという事で長靴も履いていく。

「ジュリア、今日はまた凄い格好だね」

そう言ってリュカ様が笑っていた。早速畑を見学させてもらう。ちょうどジャガイモの収穫の時期の様で、たくさんのジャガイモが収穫されていた。

せっかくなので、私たちもジャガイモ掘りをさせてもらった。ツルを抜いた後、土の中に残っているジャガイモを掘り出していく。傷がつかない様に、丁寧に掘り起こす。これ、地味に大変ね…

「ジュリア、腰が痛くないかい?そろそろ次の工程に行こう」

リュカ様に連れられ、次の工程へと向かった。ここでも加工品が作られているのかしら?そんな風に思っていたのだが、どうやらジャガイモはそのまま出荷する様だ。綺麗に洗われたジャガイモたちが、箱に入れられている。

「リュカ様、ジャガイモは加工しないのですか?」

「ああ、ジャガイモは料理人たちが直接調理するから、そのまま出荷するんだよ」

そう教えてくれた。なるほど。

ふと端っこの方によけられているジャガイモの山を発見した。

「リュカ様、あのジャガイモたちは、出荷しないのですか?」

「ああ、あれは小さかったりジャガイモに傷がついていたりして、出荷できないんだ。領民に配ったりもしているのだが、それでも余ってしまうものは破棄している」

何ですって、捨てているですって!なんてもったいない事を。これは何とかしたいわね。

視察が終わると、早速厨房へとやって来た。領地でとれたジャガイモを薄くスライスし、塩水に付ける。私が急に料理をし始めたものだから、料理人たちが集まって来た。きっとまた私が新しい料理を作ると思っているのだろう。

「ジュリア、一体何を作っているんだい?」

やって来たのはリュカ様だ。

「ジャガイモを使った、お菓子を作っているのです」

「ジャガイモを使ったお菓子かい?それは興味深いね」

リュカ様も興味津々で見ている。塩水につけておいたジャガイモの水分を、丁寧にふき取る。さらに厚切りにしたお芋も準備した。そしてそれらを、油で揚げていく。

「ジュリア、火傷には十分気を付けてくれよ。油が飛ぶと、とても痛いから」

急にそんな心配をしだしたリュカ様。そういえばリュカ様はここに来た日、てんぷらを作ってくれた時火傷をしたのだったわね。

「心配して頂き、ありがとうございます。でも、十分注意しておりますので大丈夫ですわ。リュカ様こそ火傷をしない様に、少し離れていてくださいね」

次々と上がっていくジャガイモたち。そう、私はポテトチップスと、フライドポテトを作っているのだ。今思うと、スナック菓子が大好きだった私。どうして今までポテトチップスの存在を忘れていたのかしら?

上手にあがったポテトチップスとフライドポテトに、塩を振れば完成だ。

「さあ、出来ましたわ。皆食べてみてください」

早速ポテトチップスを振舞う。

「サクサクしていてとても美味しいね。塩味がまた癖になるうまさだ。こっちも中はホクホク、外側はサクサクした食感が絶妙にマッチしている。どちらもとても美味しいよ」

「これはお菓子感覚で食べられますね。とても美味しいです」

あっという間に無くなってしまった。

「捨ててしまうジャガイモたちも、こうやって加工すれば立派なお料理になると思うのです。ただ、ポテトチップスもフライドポテトもその場で食べる必要があるので、王都に出しているお店で販売するといいかと」

ポテトチップスもフライドポテトも、どうしてもすぐにふにゃっとなってしまう。だから、やはり出来たてを食べてもらえるお店などがいいのよね。

「なるほど…確かにこれなら、形が悪くても問題ないな。さすがジュリアだ、僕はちょっと執事と話をしてくるから、これで失礼するよ」

そう言うと、リュカ様は急いで厨房から出ていった。リュカ様の役に立てた様でよかったわ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~

咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」 卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。 しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。 ​「これで好きな料理が作れる!」 ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。 冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!? ​レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。 「君の料理なしでは生きられない」 「一生そばにいてくれ」 と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……? ​一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです! ​美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!

【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました

22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。 華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。 そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!? 「……なぜ私なんですか?」 「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」 ーーそんなこと言われても困ります! 目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。 しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!? 「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」 逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

枯れ専モブ令嬢のはずが…どうしてこうなった!

宵森みなと
恋愛
気づけば異世界。しかもモブ美少女な伯爵令嬢に転生していたわたくし。 静かに余生——いえ、学園生活を送る予定でしたのに、魔法暴発事件で隠していた全属性持ちがバレてしまい、なぜか王子に目をつけられ、魔法師団から訓練指導、さらには騎士団長にも出会ってしまうという急展開。 ……団長様方、どうしてそんなに推せるお顔をしていらっしゃるのですか? 枯れ専なわたくしの理性がもちません——と思いつつ、学園生活を謳歌しつつ魔法の訓練や騎士団での治療の手助けと 忙しい日々。残念ながらお子様には興味がありませんとヒロイン(自称)の取り巻きへの塩対応に、怒らせると意外に強烈パンチの言葉を話すモブ令嬢(自称) これは、恋と使命のはざまで悩む“ちんまり美少女令嬢”が、騎士団と王都を巻き込みながら心を育てていく、 ――枯れ専ヒロインのほんわか異世界成長ラブファンタジーです。

【完結】記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。

ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。 毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。

編み物好き地味令嬢はお荷物として幼女化されましたが、えっ?これ魔法陣なんですか?

灯息めてら
恋愛
編み物しか芸がないと言われた地味令嬢ニニィアネは、家族から冷遇された挙句、幼女化されて魔族の公爵に売り飛ばされてしまう。 しかし、彼女の編み物が複雑な魔法陣だと発見した公爵によって、ニニィアネの生活は一変する。しかもなんだか……溺愛されてる!?

処理中です...