変わり者転生令嬢は国一番の美少年王子に溺愛される

Karamimi

文字の大きさ
39 / 51

第39話:ゴーン王太子殿下は私の料理に興味津々です

しおりを挟む
リュカ様に抱き付き、すり寄る王女様。周りも口をポカンと開けて、固まっている。そんな中、動いたのはリュカ様だ。

「マリーゴールド殿下、申し訳ございませんが、離れていただけますか。僕には最愛の婚約者、ジュリアがおりますので。それから、他国の婚約者のいる王族に抱き着くなんて、あまり宜しくないのでは?」

さりげなく王女様を引き離し、すかさず私を引き寄せたのだ。出会った時のリュカ様とは考えられない程、自分の意見をはっきり言う様になった。

さらに陛下も

「マリーゴールド殿下、リュカとジュリアは周囲が羨むほど仲睦まじくてな。申し訳ないが、他を当ってくれるかい?」

そう伝えていた。周囲が羨むほど仲睦まじいなんて…なんだか恥ずかしいわ。

「目の前に私の理想の王子様が現れたので、つい興奮してお見苦しいところを見せてしまいましたわ。申し訳ございません」

そう言って頭を下げたマリーゴールド殿下。でも、明らかに私の方をジロジロ見ている。なんだか嫌な予感しかしないのだが…

「そういえば王太子殿下は、我が国のお菓子に興味があるとの事だったね。早速おせんべいやお饅頭を準備した。さらに、ポテトチップスと言うお菓子もぜひ食べていただきたい」

早速準備したお菓子が運ばれてきた。

「お気遣いありがとうございます。初めておせんべいを食べてから、私はおせんべいの虜になりまして。早速頂きます」

嬉しそうにおせんべいを頬張るゴーン王太子殿下。

「やっぱり本家で食べるおせんべいは格別に美味しい。このサクサクしたお菓子もまた、美味しいですね。これは止まらない」

どうやらポテトチップスもお気に召した様だ。

「こんなにも素晴らしい料理を開発した人物にぜひ会いたいのですが、一体どんな人物が開発したのですか?」

興奮気味に陛下に詰め寄るゴーン王太子殿下。

「このお菓子は全て、そこにいるジュリアが開発したんだ。彼女はお菓子だけでなく、珍しい料理も色々と生み出している。今日の晩餐には、是非彼女が開発した料理を食べて頂こうと思っているんだ」

「え…彼女がこのお菓子を生み出したのですか?さらに他の料理まで…それはすごいな」

クルリと私の方を向いたゴーン王太子殿下。そして何を思ったの、私の側にやって来た。

「ジュリア嬢と言ったね。本当に君がこのお菓子の数々を生み出したのかい?」

「はい、そうでございますが…」

その瞬間、何を思ったのか急に私の手を握ったのだ。

「なんて事だ。こんなにも若くて美しい令嬢が、こんなにも素晴らしいお菓子の数々を生み出していたなんて。君は本当に天才だ!」

鼻息荒く詰め寄って来るゴーン王太子殿下。

「ゴーン王太子殿下、申し訳ないが、彼女は僕の婚約者です。気安く触らないでもらえますか?」

ゴーン王太子殿下から私の腕をスッと奪い取ったのは、リュカ様だ。

「すまない、あまりにも衝撃的だったので。そうだ、今から厨房で、どの様にお菓子を作られるのか、実際見せていただけないだろうか?」

「えっ?今からですか?」

「そうだ。陛下、いいですよね!」

「ああ…構わないよ。ジュリア、悪いが頼む」

「父上!」

リュカ様がすかさず抗議の声を上げるが、スッと目をそらした陛下。どうやら料理を披露する事になりそうね。仕方ない。

「分かりましたわ。では、どうぞこちらへ」

皆でぞろぞろと厨房へ向かう。せっかくなので、ゴーン王太子殿下の好きな、おせんべいを作ろう。そう思い、おせんべいを焼き始めた。

「このタレは何だい?」

「こちらは、私が開発した醤油ベースのタレでございます」

「なるほど、このタレを塗る事で、あんなにも美味しいおせんべいが出来るのだな。その醤油?と言うものは、どうやって作っているんだ?」

「はい、大豆と言う豆を元に作っております」

「豆でこの醤油と言うものが出来るのか?それはすごい。どんな魔法をかけているのだ?」

「そうですわね。ゆっくりじっくり熟成させて作ります。申し訳ございません、うまく説明できなくて…」

興味津々で色々と聞いてくるゴーン王太子殿下。その後も色々と質問された。早速焼きあがったおせんべいを食べてもらう。

「これはまた旨いな!さすがジュリア嬢だ。本当に君が作っているのだね。あぁ、何て素晴らしいんだ!」

目を輝かせて私を見つめるゴーン王太子殿下。

「ゴーン王太子殿下、さあ、もうよろしいでしょう?長旅でお疲れでしょうし、晩餐までゆっくりお休みください」

リュカ様がすかさずゴーン王太子殿下を厨房から追い返そうとしたのだが…

「そういえば、今日の晩餐は、ジュリア嬢が生み出した料理を出すと言っていたね。今からジュリア嬢も、厨房で作業をするのかい?」

「えっと…あの…」

今から料理人たちに、色々と指示を出しつつ、私自身も作るのだが…その事を正直に言うと、きっとゴーン王太子殿下も残ると言いそうな気がした。

正直王太子殿下に見られながら料理をするなんて、やりにくい事この上ない。

「そうなのだね。それなら、私も見学させて頂こう」

結局そうなるのね…仕方がない。
料理人たちを集め、それぞれに指示を出す。私自身も、お味噌汁や肉じゃが、てんぷらの準備を行っていく。

「どれも見た事がない料理ばかりだ。それに、ジュリア嬢はとても手際がいいんだね。まさか、他国で令嬢の手料理を食べられるなんて、夢にも思わなかったよ」

「ありがとうございます。殿下のお口に合うと良いのですが…」

ちょこちょこ話しかけてくるゴーン王太子殿下。集中して作りたいのだが…
そんな私に気が付いたリュカ様が

「殿下、もうよろしいでしょう?あまり長い時間厨房にいても邪魔になりますので。さあ、どうぞこちらへ」

そう言って、無理やりゴーン王太子殿下を連れ出してくれたのだ。よかった、これで料理に専念できるわ。

それにしても、本当にゴーン王太子殿下は、珍しい料理に興味があるのね。殿下に満足していただけるように、頑張らないと。うまく行けば、フェリース王国でお店を開けるかもしれないし、もっと色々と輸入してもらえるかもしれない。

そうなれば、リュカ様の手助けにもなるわよね。よし!気合を入れて作らないと!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~

咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」 卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。 しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。 ​「これで好きな料理が作れる!」 ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。 冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!? ​レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。 「君の料理なしでは生きられない」 「一生そばにいてくれ」 と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……? ​一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです! ​美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!

【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました

22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。 華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。 そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!? 「……なぜ私なんですか?」 「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」 ーーそんなこと言われても困ります! 目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。 しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!? 「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」 逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

枯れ専モブ令嬢のはずが…どうしてこうなった!

宵森みなと
恋愛
気づけば異世界。しかもモブ美少女な伯爵令嬢に転生していたわたくし。 静かに余生——いえ、学園生活を送る予定でしたのに、魔法暴発事件で隠していた全属性持ちがバレてしまい、なぜか王子に目をつけられ、魔法師団から訓練指導、さらには騎士団長にも出会ってしまうという急展開。 ……団長様方、どうしてそんなに推せるお顔をしていらっしゃるのですか? 枯れ専なわたくしの理性がもちません——と思いつつ、学園生活を謳歌しつつ魔法の訓練や騎士団での治療の手助けと 忙しい日々。残念ながらお子様には興味がありませんとヒロイン(自称)の取り巻きへの塩対応に、怒らせると意外に強烈パンチの言葉を話すモブ令嬢(自称) これは、恋と使命のはざまで悩む“ちんまり美少女令嬢”が、騎士団と王都を巻き込みながら心を育てていく、 ――枯れ専ヒロインのほんわか異世界成長ラブファンタジーです。

【完結】記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。

ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。 毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。

編み物好き地味令嬢はお荷物として幼女化されましたが、えっ?これ魔法陣なんですか?

灯息めてら
恋愛
編み物しか芸がないと言われた地味令嬢ニニィアネは、家族から冷遇された挙句、幼女化されて魔族の公爵に売り飛ばされてしまう。 しかし、彼女の編み物が複雑な魔法陣だと発見した公爵によって、ニニィアネの生活は一変する。しかもなんだか……溺愛されてる!?

処理中です...