9 / 40
第9話:新しい場所へと引っ越しました
しおりを挟む
ここに来て2週間が過ぎた。まだまだ皆には勝てないが、何とか討伐でも足を引っ張らない程度には魔術も上達した。
ただ、相変わらず騎士団長には毎日毎日怒鳴られまくっているが、人間慣れるものである。最初は恐怖でしかなかった騎士団長の怒鳴り声にも、随分と慣れた。
ちなみに私が来てから2週間、誰も命を落としていない。
副騎士団長からは
「クレアはどうやらうちの隊の守り神の様だ。君が来てから誰も命を落としていないよ」
なんて事を言ってくれた。嬉しくてつい頬が緩む。
そんな私を、鬼の形相で睨む騎士団長。そう言えば、騎士団長は女嫌いだったわよね。私がもてはやされるのが、きっと気に入らないのだろう。
そしてついにこの辺りの魔物は全て退治してしまったので、もっと奥の方に引っ越す事になった。そう、今日はお引越しなのだ。朝早く、皆のお弁当を作った。どれくらいの距離を移動するかは知らないが、念のため移動中でも食べられる様に作っておいたのだ。
「よし、テントも全部片づけたし、そろそろ行こうか」
副騎士団長の言葉で、皆が馬にまたがる。あら?もしかして、馬で移動するのかしら?そう、そのまさかである。どうしよう、私、馬に乗れないわ。アタフタしている私に気が付いたのはジークだ。
「どうしたんだ?クレア。そうか、お前馬に乗れないのか。仕方ないな。俺が一緒に乗せてやるよ、こっちにおいで」
「ありがとう、助かるわ!」
良かった、ジークが乗せてくれる事になり、ホッと胸をなでおろす。その時だった。
「お前、馬に乗れないのか?」
この声は…
恐る恐る声の方を振り向くと、やっぱり騎士団長だ。
「申し訳ございません!」
必死に謝る。きっとまた怒鳴られるのだろう。そう思っていたのだが…
「ジーク、お前の馬だと負担が大きいだろう。こいつは俺の馬に乗せる」
え?騎士団長の馬に?それだけは嫌…じゃなかった、恐れ多い。どうしよう!周りをキョロキョロしていると、副騎士団長と目が合った。
「ウィリアム。僕がクレアを乗せていくよ。クレア、おいで!」
天の助け!優しい副騎士団長が助け舟を出してくれた。
「俺が乗せると言っているだろう!ほら、とっとと来い!」
副騎士団長の元に向かおうとしていた私の腕を掴み、無理やり馬へと乗せられた。まさか騎士団長に乗せてもらうなんて!恐ろしすぎる…
「それじゃあ、行くぞ」
騎士団長の声で馬が走り出した。ここに来た時ぶりに乗る馬。でも、なぜだろう。案内人の時よりずっと乗りやすい。それに、私の事を後ろからしっかり支えてくれているので、以前の様な恐怖は全くない。
でも、さすがに馬ぐらい乗れないとまずいわよね。きっと“お前、馬ぐらい乗れないなんて騎士失格だ!”そう言われるのだろう。そう思っていたのだが…
「速さは大丈夫か?怖くないか?」
「はい、大丈夫です」
「そうか、怖かったら言えよ」
これは本当に騎士団長なのかしら?そう思う程、優しい言葉を掛けてくれる。気になって後ろを振り返ってみたものの、やっぱり騎士団長だ。
「おい!しっかり前を向いていろ!落馬したいのか!!」
すかさず騎士団長に怒鳴られた。やっぱり騎士団長だわ!1時間くらい走ったところで、どうやら目的地に着いた様だ」
「騎士団長様、馬に乗せて頂き、ありがとうございました。私も今後は馬に乗れる様に練習します」
だから許してね、そんな思いで伝えたのだが…
「別に馬になど乗れなくてもいい!とにかくお前は魔力を上げ、魔物を倒す事だけを考えろ。もし馬に乗る事があったら…俺がいつでも乗せてやるから…」
ん?最後の方がよく聞こえなかった。
「おい!聞いているのか?」
「はい、聞いております!分かりました、騎士団長様!」
いつもの様に怒鳴られたので、とりあえず返事をしておいた。次の寝床になる場所は、川の近くの開けた場所だ。早速この場所に、テントを建てていく。よし、自分のテントくらいは自分で建てないとね。
そうだわ、魔法で建てられるのかしら?そう思ったが、皆自力で建てていた。やっぱり自分の力で建てないといけないのね。でも、どうやって建てるのかしら?
「クレア、お前どうせテントの建て方も知らないのだろう。俺たちが建ててやるよ」
そう言ってやって来たのは、ジークとハルだ。本当に2人は私の事を気に掛けてくれている。
「ありがとう。でも私も自分のテントぐらい自分で建てたいの。どうやって建てればいいのか、教えてくれる?」
自分で出来る事は何でもやりたい。ここに来て、そう強く思う様になった。
「よし、それじゃあ、3人で建てよう。クレア、ここを持って」
ジークの指示に従い、テントを建てていく。でも、結局ジークとハルがほとんどやってくれた。私って、やっぱり役立たずだわ…
「クレア、ここにいたのか?悪いが料理を作る為の場所を今準備しているのだが、どんな感じがいいかな。結局料理を作るのはお前だろう?」
別の騎士が呼びに来てくれた。
「まあ、わざわざ私に聞きに来てくれたの?ありがとう。今から行くわ」
騎士と一緒に料理を作る場所へとやって来た。既にある程度形が出来ており、後は調味料や食材を置いて行くだけだ。
「もうここまで出来ているのね。ありがとう。後は私がやるからいいわ」
早速自分が使いやすい様に調味料と食材を並べていく。まあ、こんな珍しい調味料もあるのね。今度使ってみましょう。いつもつい同じ調味料ばかり使ってしまうので、最近は味のマンネリ化を感じていたのだ。
ちょうど調味料などを整理し終わった頃、お昼の時間になった。朝作ったお弁当を皆で食べていると、1人の騎士がこちらに向かって走って来た。
「おい、魔物の群れだ!こっちに向かっている!」
「何だと!今すぐ戦うぞ!急げ!」
騎士団長の指示で、早速魔物の群れの場所へと向かう。次々と攻撃魔法を掛けて行き、あっという間に退治した。
「お前本当に強くなったよな。たった2週間で大したものだ!偉いぞクレア」
そう言って私を後ろから抱きしめ、頭を撫でるジーク。完全に女だと思われていない。
その時だった。
なぜか不機嫌そうな顔の騎士団長が、ジークの腕を掴み、私から離した。
「おい、ジーク。お前のさっきの攻撃魔法は一体なんだ!あんなんじゃあ、これから通用しないぞ。午後は俺がお前に稽古を付けてやる!覚悟しろよ!」
なぜかそう言って去って行った。私の目には、完璧な攻撃魔法だったと思うのだが、騎士団長には納得行かなかった様だ。
「何だよ、ふざけるなよ!大体私情を挟むなっていつも言っているの、騎士団長なのに!」
そう言って怒っているジーク。
「ジーク、大丈夫?私も一緒に参加しようか?」
「バカ、そんな事したら、余計騎士団長に俺がしごかれるだろう!とにかくお前は、自主練でもしていろ!」
そうジークに言われた。どうして私が一緒にいたら、余計しごかれるのかしら?さっぱり分からない。
そして午後、騎士団長に連れていかれたジーク。遠目からも、恐ろしいほどしごかれているのが分かる。どう見ても私の100倍は厳しそうだ。
やっぱり騎士団長は鬼ね。一緒に稽古に参加しなくて良かったわ。騎士団長にしごかれるジークを見て、心からそう思ったクレアであった。
ただ、相変わらず騎士団長には毎日毎日怒鳴られまくっているが、人間慣れるものである。最初は恐怖でしかなかった騎士団長の怒鳴り声にも、随分と慣れた。
ちなみに私が来てから2週間、誰も命を落としていない。
副騎士団長からは
「クレアはどうやらうちの隊の守り神の様だ。君が来てから誰も命を落としていないよ」
なんて事を言ってくれた。嬉しくてつい頬が緩む。
そんな私を、鬼の形相で睨む騎士団長。そう言えば、騎士団長は女嫌いだったわよね。私がもてはやされるのが、きっと気に入らないのだろう。
そしてついにこの辺りの魔物は全て退治してしまったので、もっと奥の方に引っ越す事になった。そう、今日はお引越しなのだ。朝早く、皆のお弁当を作った。どれくらいの距離を移動するかは知らないが、念のため移動中でも食べられる様に作っておいたのだ。
「よし、テントも全部片づけたし、そろそろ行こうか」
副騎士団長の言葉で、皆が馬にまたがる。あら?もしかして、馬で移動するのかしら?そう、そのまさかである。どうしよう、私、馬に乗れないわ。アタフタしている私に気が付いたのはジークだ。
「どうしたんだ?クレア。そうか、お前馬に乗れないのか。仕方ないな。俺が一緒に乗せてやるよ、こっちにおいで」
「ありがとう、助かるわ!」
良かった、ジークが乗せてくれる事になり、ホッと胸をなでおろす。その時だった。
「お前、馬に乗れないのか?」
この声は…
恐る恐る声の方を振り向くと、やっぱり騎士団長だ。
「申し訳ございません!」
必死に謝る。きっとまた怒鳴られるのだろう。そう思っていたのだが…
「ジーク、お前の馬だと負担が大きいだろう。こいつは俺の馬に乗せる」
え?騎士団長の馬に?それだけは嫌…じゃなかった、恐れ多い。どうしよう!周りをキョロキョロしていると、副騎士団長と目が合った。
「ウィリアム。僕がクレアを乗せていくよ。クレア、おいで!」
天の助け!優しい副騎士団長が助け舟を出してくれた。
「俺が乗せると言っているだろう!ほら、とっとと来い!」
副騎士団長の元に向かおうとしていた私の腕を掴み、無理やり馬へと乗せられた。まさか騎士団長に乗せてもらうなんて!恐ろしすぎる…
「それじゃあ、行くぞ」
騎士団長の声で馬が走り出した。ここに来た時ぶりに乗る馬。でも、なぜだろう。案内人の時よりずっと乗りやすい。それに、私の事を後ろからしっかり支えてくれているので、以前の様な恐怖は全くない。
でも、さすがに馬ぐらい乗れないとまずいわよね。きっと“お前、馬ぐらい乗れないなんて騎士失格だ!”そう言われるのだろう。そう思っていたのだが…
「速さは大丈夫か?怖くないか?」
「はい、大丈夫です」
「そうか、怖かったら言えよ」
これは本当に騎士団長なのかしら?そう思う程、優しい言葉を掛けてくれる。気になって後ろを振り返ってみたものの、やっぱり騎士団長だ。
「おい!しっかり前を向いていろ!落馬したいのか!!」
すかさず騎士団長に怒鳴られた。やっぱり騎士団長だわ!1時間くらい走ったところで、どうやら目的地に着いた様だ」
「騎士団長様、馬に乗せて頂き、ありがとうございました。私も今後は馬に乗れる様に練習します」
だから許してね、そんな思いで伝えたのだが…
「別に馬になど乗れなくてもいい!とにかくお前は魔力を上げ、魔物を倒す事だけを考えろ。もし馬に乗る事があったら…俺がいつでも乗せてやるから…」
ん?最後の方がよく聞こえなかった。
「おい!聞いているのか?」
「はい、聞いております!分かりました、騎士団長様!」
いつもの様に怒鳴られたので、とりあえず返事をしておいた。次の寝床になる場所は、川の近くの開けた場所だ。早速この場所に、テントを建てていく。よし、自分のテントくらいは自分で建てないとね。
そうだわ、魔法で建てられるのかしら?そう思ったが、皆自力で建てていた。やっぱり自分の力で建てないといけないのね。でも、どうやって建てるのかしら?
「クレア、お前どうせテントの建て方も知らないのだろう。俺たちが建ててやるよ」
そう言ってやって来たのは、ジークとハルだ。本当に2人は私の事を気に掛けてくれている。
「ありがとう。でも私も自分のテントぐらい自分で建てたいの。どうやって建てればいいのか、教えてくれる?」
自分で出来る事は何でもやりたい。ここに来て、そう強く思う様になった。
「よし、それじゃあ、3人で建てよう。クレア、ここを持って」
ジークの指示に従い、テントを建てていく。でも、結局ジークとハルがほとんどやってくれた。私って、やっぱり役立たずだわ…
「クレア、ここにいたのか?悪いが料理を作る為の場所を今準備しているのだが、どんな感じがいいかな。結局料理を作るのはお前だろう?」
別の騎士が呼びに来てくれた。
「まあ、わざわざ私に聞きに来てくれたの?ありがとう。今から行くわ」
騎士と一緒に料理を作る場所へとやって来た。既にある程度形が出来ており、後は調味料や食材を置いて行くだけだ。
「もうここまで出来ているのね。ありがとう。後は私がやるからいいわ」
早速自分が使いやすい様に調味料と食材を並べていく。まあ、こんな珍しい調味料もあるのね。今度使ってみましょう。いつもつい同じ調味料ばかり使ってしまうので、最近は味のマンネリ化を感じていたのだ。
ちょうど調味料などを整理し終わった頃、お昼の時間になった。朝作ったお弁当を皆で食べていると、1人の騎士がこちらに向かって走って来た。
「おい、魔物の群れだ!こっちに向かっている!」
「何だと!今すぐ戦うぞ!急げ!」
騎士団長の指示で、早速魔物の群れの場所へと向かう。次々と攻撃魔法を掛けて行き、あっという間に退治した。
「お前本当に強くなったよな。たった2週間で大したものだ!偉いぞクレア」
そう言って私を後ろから抱きしめ、頭を撫でるジーク。完全に女だと思われていない。
その時だった。
なぜか不機嫌そうな顔の騎士団長が、ジークの腕を掴み、私から離した。
「おい、ジーク。お前のさっきの攻撃魔法は一体なんだ!あんなんじゃあ、これから通用しないぞ。午後は俺がお前に稽古を付けてやる!覚悟しろよ!」
なぜかそう言って去って行った。私の目には、完璧な攻撃魔法だったと思うのだが、騎士団長には納得行かなかった様だ。
「何だよ、ふざけるなよ!大体私情を挟むなっていつも言っているの、騎士団長なのに!」
そう言って怒っているジーク。
「ジーク、大丈夫?私も一緒に参加しようか?」
「バカ、そんな事したら、余計騎士団長に俺がしごかれるだろう!とにかくお前は、自主練でもしていろ!」
そうジークに言われた。どうして私が一緒にいたら、余計しごかれるのかしら?さっぱり分からない。
そして午後、騎士団長に連れていかれたジーク。遠目からも、恐ろしいほどしごかれているのが分かる。どう見ても私の100倍は厳しそうだ。
やっぱり騎士団長は鬼ね。一緒に稽古に参加しなくて良かったわ。騎士団長にしごかれるジークを見て、心からそう思ったクレアであった。
132
あなたにおすすめの小説
婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました
春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。
名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。
姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。
――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。
相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。
40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。
(……なぜ私が?)
けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。
【完結】呪いのせいで無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになりました。
里海慧
恋愛
わたくしが愛してやまない婚約者ライオネル様は、どうやらわたくしを嫌っているようだ。
でもそんなクールなライオネル様も素敵ですわ——!!
超前向きすぎる伯爵令嬢ハーミリアには、ハイスペイケメンの婚約者ライオネルがいる。
しかしライオネルはいつもハーミリアにはそっけなく冷たい態度だった。
ところがある日、突然ハーミリアの歯が強烈に痛み口も聞けなくなってしまった。
いつもなら一方的に話しかけるのに、無言のまま過ごしていると婚約者の様子がおかしくなり——?
明るく楽しいラブコメ風です!
頭を空っぽにして、ゆるい感じで読んでいただけると嬉しいです★
※激甘注意 お砂糖吐きたい人だけ呼んでください。
※2022.12.13 女性向けHOTランキング1位になりました!!
みなさまの応援のおかげです。本当にありがとうございます(*´꒳`*)
※タイトル変更しました。
旧タイトル『歯が痛すぎて無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになった件』
お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
旦那様、政略結婚ですので離婚しましょう
おてんば松尾
恋愛
王命により政略結婚したアイリス。
本来ならば皆に祝福され幸せの絶頂を味わっているはずなのにそうはならなかった。
初夜の場で夫の公爵であるスノウに「今日は疲れただろう。もう少し互いの事を知って、納得した上で夫婦として閨を共にするべきだ」と言われ寝室に一人残されてしまった。
翌日から夫は仕事で屋敷には帰ってこなくなり使用人たちには冷たく扱われてしまうアイリス……
(※この物語はフィクションです。実在の人物や事件とは関係ありません。)
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
何もしない公爵夫人ですが、なぜか屋敷がうまく回っています
鷹 綾
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスの妻となったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、屋敷を仕切ることも、改革を行うことも、声高に意見を述べることもしなかった。
指示を出さない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
「何もしない夫人」として、ただ静かにそこにいるだけ。
それなのに――
いつの間にか屋敷は落ち着き、
使用人たちは迷わなくなり、
人は出入りし、戻り、また進んでいくようになる。
誰かに依存しない。
誰かを支配しない。
それでも確かに“安心できる場所”は、彼女の周りに残っていた。
必要とされなくてもいい。
役に立たなくてもいい。
それでも、ここにいていい。
これは、
「何もしない」ことで壊れなかった関係と、
「奪わない」ことで続いていった日常を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる