23 / 40
第23話:クレアの為に沢山の人が動いてくれた~マケット伯爵視点~
しおりを挟む
クレアが魔物討伐部隊に入れられてから2週間が経った。妻はショックで寝込んでしまった。それはそうだろう。可愛い娘が魔物討伐部隊に入れられたのだ。
こんな理不尽な事はない。そして今日は、久しぶりの夜会だ。正直参加したくないが、参加しない訳にもいかない。
「父上、母上の体調が優れないようなので、俺が母上の代わりに参加します」
そう言ってくれた息子。彼には随分と助けられている。今日の夜会は、沢山の貴族が参加する大きな夜会だ。そんな中、男2人で参加すれば、どうしても目立つだろう。それも、先日正式にクレアとサミュエル殿の婚約が破棄されたのだ。
ある意味注目の的でもある。それでも、やはり参加しない訳には行かない。息子と2人、重い足取りで会場へとやって来た。
「やあ、マケット伯爵、それに令息も。今回の婚約破棄の件、残念だったな。一体何があったんだい?それに、夫人はどうした?」
私に話しかけてきたのは、古くからの友人でもある、アネッド伯爵だ。アネッド伯爵に今回の事を話した。クレアを思い、つい涙が込み上げてきて、途中から話せなくなってしまった。そんな私の代わりに、息子が話してくれた。
「なんてひどい話だ!そんな事があっていいのか!それじゃあ、クレアがあまりにも可哀そうだ!」
大声で怒鳴り出すアネッド伯爵。伯爵の言葉を聞き、皆が集まって来た。興奮した伯爵が、私の代わりにすべて話してくれた。
「それは酷い!いくら王女でも、それはあんまりだ」
「そんな恐ろしい事をするなんて!さすがにこんな事をされたら、陛下には今後忠誠を誓えない!」
「うちも昔あの王女には娘が酷い目に合ったんだ!さすがに今回の件は、見逃せない!」
口々に怒り狂う貴族たち。
そこにやって来たのは、グラードルフ侯爵だ。
「実はその件なんだが、どうやらサミュエル殿も王女に嵌められ、ずっと脅されていたんだ。そもそも、サミュエル殿に、王女を紹介したのは家の息子の様なんだ。本当に申し訳ない事をした」
深々と頭を下げる侯爵。たとえ嵌められたとしても、サミュエル殿がクレアを裏切った事には変わりない。
「まあ、サミュエル殿も王女に脅されていたですって。それは一体どういう事ですの?」
別の夫人が食いついて来た。
「さすがに私の口からは…」
そう濁すグラードルフ侯爵。そこへ、カードリッド侯爵がやって来た。
「グラードルフ侯爵、息子の為にありがとう。でも、サミュエルは騙されたとはいえ、王女と関係を持ったのは事実のようだ。マケット伯爵、本当に申し訳ない。陛下たちが戻ったら、我がカードリッド家からも正式に抗議をするつもりだ」
そう言って深々と頭を下げた侯爵。結局この日は、この話でもちきりだった。
1週間後
どうやら夜会での話が随分噂になっている様で、かなり王宮に貴族たちからの抗議が来ている様だと、アネッド伯爵が教えてくれた。ただ、陛下も王太子殿下もまだ不在の様で、王女がキーキー文句を言っている様だ。
さらにサミュエル殿にも、特に女性陣から批判が上がっているらしい。例え脅されていたとしても、クレアを裏切ったのは事実だ!と。
とにかくこのまま行けば、何とかクレアを討伐部隊から取り返す事が出来るかもしれない。そう思っていた時だった。
「旦那様、バーレッジ公爵夫人がいらっしゃいました」
「何だって!バーレッジ公爵夫人だと」
彼女は王妃様の実の妹だ。もしかしたら、姪を悪く言った事へと抗議に来たのかもしれない。そう思っていたのだが…
「先日の夜会の話、聞きました!本当に、あの子娘にはほとほと愛想が尽きましたわ!それで、夫人は大丈夫なのですか?大切な娘をあんな恐ろしい魔物討伐部隊に参加されたとなれば、寝込むのも当然です!とにかく、お義兄様とお姉様が帰ってきたら、激しく抗議いたしますのでご安心を!もちろん、あのバカ娘には今度こそ制裁を加えさせますので!」
私の顔を見るなり、物凄い勢いで話す夫人。話を聞くと、どうやら夫人の息子も王女に難癖をつけられ、騎士団長として討伐に参加している様だ。有難い事に、令息に陛下たちが帰って来るまでクレアを守る様依頼してくれるとの事。
さらに、手紙まで渡してくれると言ってくれた。
「とにかく、今回の件は私に任せてください!」
そう言って帰って行った夫人。早速今回の件を妻にも話した。
「まあ、バーレッジ公爵夫人がクレアの為にですって!なんて有難い話なのでしょう」
そう言って涙を流し、喜んでいた。その後も定期的に我が家を訪ねて来ては、妻の話し相手になってくれた夫人。そのおかげで、随分と元気になっていった。
「クレアへの手紙は私が書くわ」
そう言って、ペンをとった妻の姿を見て、ホッとした。本当に、バーレッジ公爵夫人には感謝してもしきれない。結局夫人の提案から少し時間が経ってしまったが、無事手紙を夫人に託すことが出来た。
ちょうどクレアが討伐に連れていかれて、1ヶ月が経過しようとしていた時だった。ちなみにこの1ヶ月、サミュエル殿はずっと部屋に閉じこもっているらしい。そんな事は家が知ったこっちゃないが、なぜかグラードルフ侯爵がいちいち報告してくるのだ。
どうやら、クレアを失ってショックを受けている様だ。遠回しにクレアが帰ってきたら、婚約を結び直してやって欲しいとも言われた。そもそも、カードリッド侯爵から打診されるなら分かるが、全く関係のないグラードルフ侯爵からとやかく言われたくはない。
でも、カードリッド侯爵からたとえ打診されたとしても、絶対に断るがな!クレアがあの男のせいで、どれほど傷つけられたか!
考えただけで腹ただしい。とにかく、クレアには別の人と幸せになって欲しい。妻もそう思っている様で、王都に戻った後のクレアの事を、バーレッジ公爵夫人に相談している様だ。とにかく、クレアには今度こそ幸せになってもらわないと!
そしてクレアが討伐に行って約1ヶ月半後。やっと陛下と王太子殿下が帰って来たそうで、バーレッジ公爵と夫人に呼び出された。なぜかカードリッド侯爵も一緒だ。
向かった先は、やはり王宮だ。王宮に着くと、既に陛下と王妃様、王太子殿下、さらにエミリア王女が待っていた。
私達が入るや否や、陛下が駆け寄って来た。
「マケット伯爵、夫人、今回の件、本当に申し訳ない事をした。とにかく、クレア嬢は今すぐ討伐部隊から連れ戻す様手配した。本当に、謝って済む問題ではないのは分かっている。でも謝罪されてくれ!本当に申し訳ない!」
物凄い勢いで頭を下げる陛下。さらに王太子殿下と王妃様まで頭を下げている。
「どうか頭をお上げください!娘を返して頂けるなら、私たちはそれだけで十分です!」
そう伝えたのだが…
「何をおっしゃっているのですか!マケット伯爵。夫人はショックで寝込んだのですよ。本当に、今回の件でさすがに堪忍袋の緒が切れました。お義兄様、お姉様、あんな娘を育てたあなた達にも責任があるのですよ!そもそも、か弱い令嬢から婚約者を寝取っただけでなく、討伐にまで行かせるなんて!一体どんな教育をしたら、こんなバカ娘に育つのですか!!!!」
顔を真っ赤にして怒鳴る公爵夫人。陛下も王妃様も小さくなっている。
「本当にすまないと思っている。とにかく、今回の件はさすがに私たちもまずいと思っている。貴族たちからも、随分と苦情が来ている様だし。とにかく処罰が決まるまで、エミリアは無期限の謹慎とする。さっさと連れていけ」
陛下が、王女に向かってそう叫んだ。
「どうして私が謹慎なのよ!そもそも、ウィリアムが私と結婚しなかったから悪いんでしょう!おば様にも責任があるわ!」
そう叫ぶエミリア王女。
「いい加減にしなさい!」
バチーン
エミリア王女の頬を叩いたのは、王妃様だ。
「あなたはどれだけの人を傷つけたら気が済むの?そもそも、あなたのせいでウィリアムも討伐に参加しているのでしょう!本当に、私はあなたの教育を間違えた様ね!マケット伯爵、夫人、本当にごめんなさい!」
泣きながら謝る王妃様。正直どうしていいのか分からない。
「それに、カードリッド侯爵、あなたが証拠として提示してくれた書類に目を通して愕然としたわ。こんなにも色々な男と体の関係があっただなんて!エミリア、この国では特に女性はそう言った事を守る事が美徳とされているの。あなたの様な女は、たとえ後妻でも貰い手はないわよ!」
さらに泣きながらエミリア王女を怒鳴りつける王妃様。いつもニコニコと手を振っているイメージしかない王女様の別の一面を見て、さらに動揺が広がる。
「とにかく、エミリアが起した今回の件で、私たちに出来る事があれば何でもします。ですから、何なりと申し付けてください。もちろん、慰謝料もしっかり払いますから」
そう言って再び頭を下げた王妃様。ふとエミリア王女の方を見ると、王妃様に叩かれたのが余程ショックだったのか、座り込んでしくしく泣いていた。
「ほら、あなたもそんなところで泣いていないで、謝りなさい!」
そんな王女の首根っこを掴んで、無理やりこちらに連れて来たのは、バーレッジ公爵夫人だ。
「私の言った事が聞こえなかったのかしら?ほら、謝りなさいと言っているのよ!」
そう言って、無理やり王女の頭を抑え付けている夫人。どうやら、謝るまで離すつもりはない様だ。
「申し訳…ありません…」
物凄く小声ではあるが、王女様から謝罪を頂いた。
「とにかく、エミリアはしばらく謹慎だ。早く部屋に連れていけ!」
陛下の言葉で、護衛騎士たちが王女を連れて行った。見てはいけないものを見てしまった気がするが、これで私たちの可愛いクレアは、あと数日で帰ってるだろう。ホッと胸をなでおろす、伯爵であった。
こんな理不尽な事はない。そして今日は、久しぶりの夜会だ。正直参加したくないが、参加しない訳にもいかない。
「父上、母上の体調が優れないようなので、俺が母上の代わりに参加します」
そう言ってくれた息子。彼には随分と助けられている。今日の夜会は、沢山の貴族が参加する大きな夜会だ。そんな中、男2人で参加すれば、どうしても目立つだろう。それも、先日正式にクレアとサミュエル殿の婚約が破棄されたのだ。
ある意味注目の的でもある。それでも、やはり参加しない訳には行かない。息子と2人、重い足取りで会場へとやって来た。
「やあ、マケット伯爵、それに令息も。今回の婚約破棄の件、残念だったな。一体何があったんだい?それに、夫人はどうした?」
私に話しかけてきたのは、古くからの友人でもある、アネッド伯爵だ。アネッド伯爵に今回の事を話した。クレアを思い、つい涙が込み上げてきて、途中から話せなくなってしまった。そんな私の代わりに、息子が話してくれた。
「なんてひどい話だ!そんな事があっていいのか!それじゃあ、クレアがあまりにも可哀そうだ!」
大声で怒鳴り出すアネッド伯爵。伯爵の言葉を聞き、皆が集まって来た。興奮した伯爵が、私の代わりにすべて話してくれた。
「それは酷い!いくら王女でも、それはあんまりだ」
「そんな恐ろしい事をするなんて!さすがにこんな事をされたら、陛下には今後忠誠を誓えない!」
「うちも昔あの王女には娘が酷い目に合ったんだ!さすがに今回の件は、見逃せない!」
口々に怒り狂う貴族たち。
そこにやって来たのは、グラードルフ侯爵だ。
「実はその件なんだが、どうやらサミュエル殿も王女に嵌められ、ずっと脅されていたんだ。そもそも、サミュエル殿に、王女を紹介したのは家の息子の様なんだ。本当に申し訳ない事をした」
深々と頭を下げる侯爵。たとえ嵌められたとしても、サミュエル殿がクレアを裏切った事には変わりない。
「まあ、サミュエル殿も王女に脅されていたですって。それは一体どういう事ですの?」
別の夫人が食いついて来た。
「さすがに私の口からは…」
そう濁すグラードルフ侯爵。そこへ、カードリッド侯爵がやって来た。
「グラードルフ侯爵、息子の為にありがとう。でも、サミュエルは騙されたとはいえ、王女と関係を持ったのは事実のようだ。マケット伯爵、本当に申し訳ない。陛下たちが戻ったら、我がカードリッド家からも正式に抗議をするつもりだ」
そう言って深々と頭を下げた侯爵。結局この日は、この話でもちきりだった。
1週間後
どうやら夜会での話が随分噂になっている様で、かなり王宮に貴族たちからの抗議が来ている様だと、アネッド伯爵が教えてくれた。ただ、陛下も王太子殿下もまだ不在の様で、王女がキーキー文句を言っている様だ。
さらにサミュエル殿にも、特に女性陣から批判が上がっているらしい。例え脅されていたとしても、クレアを裏切ったのは事実だ!と。
とにかくこのまま行けば、何とかクレアを討伐部隊から取り返す事が出来るかもしれない。そう思っていた時だった。
「旦那様、バーレッジ公爵夫人がいらっしゃいました」
「何だって!バーレッジ公爵夫人だと」
彼女は王妃様の実の妹だ。もしかしたら、姪を悪く言った事へと抗議に来たのかもしれない。そう思っていたのだが…
「先日の夜会の話、聞きました!本当に、あの子娘にはほとほと愛想が尽きましたわ!それで、夫人は大丈夫なのですか?大切な娘をあんな恐ろしい魔物討伐部隊に参加されたとなれば、寝込むのも当然です!とにかく、お義兄様とお姉様が帰ってきたら、激しく抗議いたしますのでご安心を!もちろん、あのバカ娘には今度こそ制裁を加えさせますので!」
私の顔を見るなり、物凄い勢いで話す夫人。話を聞くと、どうやら夫人の息子も王女に難癖をつけられ、騎士団長として討伐に参加している様だ。有難い事に、令息に陛下たちが帰って来るまでクレアを守る様依頼してくれるとの事。
さらに、手紙まで渡してくれると言ってくれた。
「とにかく、今回の件は私に任せてください!」
そう言って帰って行った夫人。早速今回の件を妻にも話した。
「まあ、バーレッジ公爵夫人がクレアの為にですって!なんて有難い話なのでしょう」
そう言って涙を流し、喜んでいた。その後も定期的に我が家を訪ねて来ては、妻の話し相手になってくれた夫人。そのおかげで、随分と元気になっていった。
「クレアへの手紙は私が書くわ」
そう言って、ペンをとった妻の姿を見て、ホッとした。本当に、バーレッジ公爵夫人には感謝してもしきれない。結局夫人の提案から少し時間が経ってしまったが、無事手紙を夫人に託すことが出来た。
ちょうどクレアが討伐に連れていかれて、1ヶ月が経過しようとしていた時だった。ちなみにこの1ヶ月、サミュエル殿はずっと部屋に閉じこもっているらしい。そんな事は家が知ったこっちゃないが、なぜかグラードルフ侯爵がいちいち報告してくるのだ。
どうやら、クレアを失ってショックを受けている様だ。遠回しにクレアが帰ってきたら、婚約を結び直してやって欲しいとも言われた。そもそも、カードリッド侯爵から打診されるなら分かるが、全く関係のないグラードルフ侯爵からとやかく言われたくはない。
でも、カードリッド侯爵からたとえ打診されたとしても、絶対に断るがな!クレアがあの男のせいで、どれほど傷つけられたか!
考えただけで腹ただしい。とにかく、クレアには別の人と幸せになって欲しい。妻もそう思っている様で、王都に戻った後のクレアの事を、バーレッジ公爵夫人に相談している様だ。とにかく、クレアには今度こそ幸せになってもらわないと!
そしてクレアが討伐に行って約1ヶ月半後。やっと陛下と王太子殿下が帰って来たそうで、バーレッジ公爵と夫人に呼び出された。なぜかカードリッド侯爵も一緒だ。
向かった先は、やはり王宮だ。王宮に着くと、既に陛下と王妃様、王太子殿下、さらにエミリア王女が待っていた。
私達が入るや否や、陛下が駆け寄って来た。
「マケット伯爵、夫人、今回の件、本当に申し訳ない事をした。とにかく、クレア嬢は今すぐ討伐部隊から連れ戻す様手配した。本当に、謝って済む問題ではないのは分かっている。でも謝罪されてくれ!本当に申し訳ない!」
物凄い勢いで頭を下げる陛下。さらに王太子殿下と王妃様まで頭を下げている。
「どうか頭をお上げください!娘を返して頂けるなら、私たちはそれだけで十分です!」
そう伝えたのだが…
「何をおっしゃっているのですか!マケット伯爵。夫人はショックで寝込んだのですよ。本当に、今回の件でさすがに堪忍袋の緒が切れました。お義兄様、お姉様、あんな娘を育てたあなた達にも責任があるのですよ!そもそも、か弱い令嬢から婚約者を寝取っただけでなく、討伐にまで行かせるなんて!一体どんな教育をしたら、こんなバカ娘に育つのですか!!!!」
顔を真っ赤にして怒鳴る公爵夫人。陛下も王妃様も小さくなっている。
「本当にすまないと思っている。とにかく、今回の件はさすがに私たちもまずいと思っている。貴族たちからも、随分と苦情が来ている様だし。とにかく処罰が決まるまで、エミリアは無期限の謹慎とする。さっさと連れていけ」
陛下が、王女に向かってそう叫んだ。
「どうして私が謹慎なのよ!そもそも、ウィリアムが私と結婚しなかったから悪いんでしょう!おば様にも責任があるわ!」
そう叫ぶエミリア王女。
「いい加減にしなさい!」
バチーン
エミリア王女の頬を叩いたのは、王妃様だ。
「あなたはどれだけの人を傷つけたら気が済むの?そもそも、あなたのせいでウィリアムも討伐に参加しているのでしょう!本当に、私はあなたの教育を間違えた様ね!マケット伯爵、夫人、本当にごめんなさい!」
泣きながら謝る王妃様。正直どうしていいのか分からない。
「それに、カードリッド侯爵、あなたが証拠として提示してくれた書類に目を通して愕然としたわ。こんなにも色々な男と体の関係があっただなんて!エミリア、この国では特に女性はそう言った事を守る事が美徳とされているの。あなたの様な女は、たとえ後妻でも貰い手はないわよ!」
さらに泣きながらエミリア王女を怒鳴りつける王妃様。いつもニコニコと手を振っているイメージしかない王女様の別の一面を見て、さらに動揺が広がる。
「とにかく、エミリアが起した今回の件で、私たちに出来る事があれば何でもします。ですから、何なりと申し付けてください。もちろん、慰謝料もしっかり払いますから」
そう言って再び頭を下げた王妃様。ふとエミリア王女の方を見ると、王妃様に叩かれたのが余程ショックだったのか、座り込んでしくしく泣いていた。
「ほら、あなたもそんなところで泣いていないで、謝りなさい!」
そんな王女の首根っこを掴んで、無理やりこちらに連れて来たのは、バーレッジ公爵夫人だ。
「私の言った事が聞こえなかったのかしら?ほら、謝りなさいと言っているのよ!」
そう言って、無理やり王女の頭を抑え付けている夫人。どうやら、謝るまで離すつもりはない様だ。
「申し訳…ありません…」
物凄く小声ではあるが、王女様から謝罪を頂いた。
「とにかく、エミリアはしばらく謹慎だ。早く部屋に連れていけ!」
陛下の言葉で、護衛騎士たちが王女を連れて行った。見てはいけないものを見てしまった気がするが、これで私たちの可愛いクレアは、あと数日で帰ってるだろう。ホッと胸をなでおろす、伯爵であった。
89
あなたにおすすめの小説
婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました
春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。
名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。
姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。
――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。
相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。
40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。
(……なぜ私が?)
けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。
【完結】呪いのせいで無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになりました。
里海慧
恋愛
わたくしが愛してやまない婚約者ライオネル様は、どうやらわたくしを嫌っているようだ。
でもそんなクールなライオネル様も素敵ですわ——!!
超前向きすぎる伯爵令嬢ハーミリアには、ハイスペイケメンの婚約者ライオネルがいる。
しかしライオネルはいつもハーミリアにはそっけなく冷たい態度だった。
ところがある日、突然ハーミリアの歯が強烈に痛み口も聞けなくなってしまった。
いつもなら一方的に話しかけるのに、無言のまま過ごしていると婚約者の様子がおかしくなり——?
明るく楽しいラブコメ風です!
頭を空っぽにして、ゆるい感じで読んでいただけると嬉しいです★
※激甘注意 お砂糖吐きたい人だけ呼んでください。
※2022.12.13 女性向けHOTランキング1位になりました!!
みなさまの応援のおかげです。本当にありがとうございます(*´꒳`*)
※タイトル変更しました。
旧タイトル『歯が痛すぎて無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになった件』
お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
旦那様、政略結婚ですので離婚しましょう
おてんば松尾
恋愛
王命により政略結婚したアイリス。
本来ならば皆に祝福され幸せの絶頂を味わっているはずなのにそうはならなかった。
初夜の場で夫の公爵であるスノウに「今日は疲れただろう。もう少し互いの事を知って、納得した上で夫婦として閨を共にするべきだ」と言われ寝室に一人残されてしまった。
翌日から夫は仕事で屋敷には帰ってこなくなり使用人たちには冷たく扱われてしまうアイリス……
(※この物語はフィクションです。実在の人物や事件とは関係ありません。)
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
何もしない公爵夫人ですが、なぜか屋敷がうまく回っています
鷹 綾
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスの妻となったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、屋敷を仕切ることも、改革を行うことも、声高に意見を述べることもしなかった。
指示を出さない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
「何もしない夫人」として、ただ静かにそこにいるだけ。
それなのに――
いつの間にか屋敷は落ち着き、
使用人たちは迷わなくなり、
人は出入りし、戻り、また進んでいくようになる。
誰かに依存しない。
誰かを支配しない。
それでも確かに“安心できる場所”は、彼女の周りに残っていた。
必要とされなくてもいい。
役に立たなくてもいい。
それでも、ここにいていい。
これは、
「何もしない」ことで壊れなかった関係と、
「奪わない」ことで続いていった日常を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる