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第28話:ウィリアム様と婚約を結びました
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久しぶりに乗る馬車。確かに馬車は楽だけれど、やっぱりウィリアム様の馬に乗せてもらうのが一番いいわ。懐かしい景色を窓から眺める。この景色を見ていると、帰って来たと感じる。
「クレアがまさかウィリアム殿と恋仲になるなんてな。でも、お前が幸せになってくれるなら、私たちは嬉しいよ」
「本当ね、実はあなたの事、ずっとバーレッジ公爵夫人に相談していたの。そうしたら夫人が“息子が女の子を追い返さないなんて、きっとクレアちゃんを気に入ったのよ。ねえ、うちの息子はどうかしら?私に似て美青年よ”それが口癖だったの。まさか本当に2人が結婚する事になるなんて」
「そうなると、俺は公爵令息で騎士団長の義兄になるのか。なんか凄いな」
お兄様が得意そうにそう言って笑っていた。
「そんな事より、お前も早く婚約者を決めろ。もう19歳だろう!早くしないと20歳になってしまうぞ!」
どうやらお兄様に火の粉が飛んだようだ。確かにお兄様は今年20歳になる為、両親も焦っている様だ。
「その事なんだが、実は俺も結婚したい人がいるんだ。今度会わせるよ」
何ですって!いつの間に!両親も同じ事を思ったのか、お兄様に詳しく話せと迫っていたが、どうやら屋敷に着いた様だ。
1ヶ月半ぶりに帰って来た私の家。何年も離れていたような気がして、物凄く懐かしい。
屋敷に着いた事に気が付いていないのか、まだ馬車の中でギャーギャーやっている3人を放って先に降りる。
すると
「「「「「お嬢様、お帰りなさいませ!」」」」」
使用人一同が待っていてくれた。
「皆、待っていてくれたの?ありがとう。それから、ただいま」
「お嬢様、あぁ、何て事でしょう。あれほど髪を切るのはお止めくださいと申し上げたのに!これでは嫁の貰い手がありませんわ」
私に駆け寄り、泣きながら抱きしめるのはマレアだ。案の定、短くなった髪について文句を言っている。
「大丈夫よ、マレア。既に婚約する事が決まっているから」
「婚約ですって!まさか、あの浮気男のサミュエル様では無いですよね!」
「お嬢様、どういう事ですか!さすがにそれは反対です!どうかお考え直し下さい!」
他の使用人たちも、物凄い勢いで迫って来た。あまりの迫力に、完全にパニックになってしまった。
「相手は今回の討伐部隊を率いていた、騎士団長で公爵令息のウィリアム・バーレッジ殿だよ」
やっと馬車から降りて来たお父様が、助け舟を出してくれた。
「まあ、ウィリアム様と言えば、身分も高く物凄く優秀で有名な方ではございませんか。さすがお嬢様ですわ!」
かなり興奮気味のマレア。他の使用人たちも喜んでいた。
「さあ、少し遅くなったが夕食にしよう。今日は料理長がお前の為に、腕によりをかけて料理を作ってくれたんだ。今日はお前が帰って来ためでたい日だ。盛大に祝おう」
お父様に連れられて、食堂に向かう。それにしても、凄いご馳走だ。さすが料理長率いる家の料理人たち。
この日も夜遅くまで、使用人も一緒に晩餐を楽しんだのであった。
晩餐後は久しぶりに自室に戻り、湯あみをする。1ヶ月半ぶりの湯あみは物凄く気持ちよかった。やっぱり実際に体を洗うのと、魔法で奇麗にするのとでは全然違う。湯あみ後は、ベッドに入る。ミノムシの寝心地も良かったけれど、やっぱりフカフカのベッドが一番ね。
さすがに今日は疲れた。目を閉じた瞬間、すぐに意識を失ったのであった。
翌日
「お嬢様、起きてください!ウィリアム様がいらしていますよ」
しまった!寝過ごした!皆の朝ごはん…て、もう屋敷に帰って来ていたのだったわ。ん?今ウィリアム様と言った?
「マレア、ウィリアム様が来ているですって?」
「そうです、公爵様と夫人も一緒です!とにかく急いで下さい!」
何ですって!マレアに手伝ってもらいながら、久しぶりにドレスを着る。ドレスってこんなにも苦しいものだったかしら?短い髪も何とかハーフアップにしてもらい、急いで客間へと向かった。
「皆さま、お待たせして申し訳ございません」
慌てて頭を下げる。
「クレア、ごめん。疲れて寝ていたんだね。昼からなら大丈夫だと思ったんだが。それにしても、そうやって着飾ると、やっぱり令嬢だったのだな。物凄く美しいよ。さあ、こっちにおいで」
私の元にやって来たのは、ウィリアム様だ。いつも騎士団の服を着ていたウィリアム様。今日はスーツに身を包み、美しい銀色の髪もセットしている。どこからどう見ても、公爵令息だ。
それに、何より美しすぎる!討伐部隊に入る頃から美しいとは思っていたが、改めて見るとあまりの美しさに恐縮してしまいそうになる。そんな私の腰を抱き、自分の隣に座らせたウィリアム様。
緊張のあまり、少し距離をとろうとしたのだが、なぜかがっちり腰を掴まれていて動けない。
「クレア、どうして俺から逃げようとするのだい?もしかして、俺との結婚が嫌になった?」
耳元で呟くウィリアム様。
「いいえ、そんな事はありません。ただ、今日のウィリアム様があまりにも眩しすぎるので…」
両手をブンブン振って否定する。
「それならよかった。お前を狙っている奴らは多いからな。早く手を打たないと、取られてしまうかもしれないから。クレアは鈍いから気づいていなかったかもしれないが、団員のほとんどが、お前に好意を抱いていたんだぞ!幸いお前が慕っていたジークが、お前の事を女として見ていなかったのが救いだったな。あいつが本気を出したら、間違いなく取られていた」
「ウィリアム様、何を言っているのですか?そもそも、私はジークの事を兄の様に思っていましたし。それに、あそこは男性しかいなかったから、女性の私が珍しかっただけです」
「そう思っているのはお前だけだ!そもそも、女に興味が無いデビッドすら、お前に興味を抱いていたんだぞ!クレアは少し鈍すぎるんだ!大体、クレアの元婚約者のサミュエル殿だって、クレアの事を諦めていないじゃないか!とにかく俺には余裕がない。一刻も早く、クレアと婚約を結ぶ必要があるんだ!だから今日、婚約を正式に結ぶ為にここに来た。さあクレア、今すぐサインを!」
何かのスイッチが入ってしまったのか、急に物凄い勢いで私にサインを迫って来たウィリアム様。その姿はまるで、魔物討伐部隊に入った当初の騎士団長の様で、つい後ずさってしまった。
「ウィリアム、いい加減醜い嫉妬心で、クレアちゃんを困らせるのは止めなさい。クレアちゃんが怯えているでしょう!」
公爵夫人が、すかさずウィリアム様に注意してくれた。
「すまん、つい熱くなってしまった」
どうやら落ち着いてくれた様だ。よかったわ。
「コホン、それでは皆集まったし、本題に入ろうか。先ほどウィリアムが言った通り、今日は正式に婚約を結ぶ為にここに来たんだ。クレア嬢が来る前に私達はサインをしたから、後はクレア嬢がサインをしてくれれば完成だ。クレア嬢、ここにサインをしてもらってもいいだろうか?」
公爵が私に書類を渡して来た。どうやら私が眠っている間に、話しは全て済んだようだ。この書類にサインをすれば、正式にウィリアム様と婚約出来るのね。
そう言えば、この書類にサインするのは2回目ね。そう思いつつ、ペンを握った。ゆっくりペンを動かし、サインしていく。
「それじゃあこれを提出すれば、ウィリアムとクレア嬢の婚約が正式に結ばれた事になる。明日には大々的に発表しよう」
ついにウィリアム様と正式に婚約を結ぶのね。なんだか怒涛の展開で、正直頭が付いて行かない。でも、今度こそ幸せになりたい!そう強く願うクレアであった。
「クレアがまさかウィリアム殿と恋仲になるなんてな。でも、お前が幸せになってくれるなら、私たちは嬉しいよ」
「本当ね、実はあなたの事、ずっとバーレッジ公爵夫人に相談していたの。そうしたら夫人が“息子が女の子を追い返さないなんて、きっとクレアちゃんを気に入ったのよ。ねえ、うちの息子はどうかしら?私に似て美青年よ”それが口癖だったの。まさか本当に2人が結婚する事になるなんて」
「そうなると、俺は公爵令息で騎士団長の義兄になるのか。なんか凄いな」
お兄様が得意そうにそう言って笑っていた。
「そんな事より、お前も早く婚約者を決めろ。もう19歳だろう!早くしないと20歳になってしまうぞ!」
どうやらお兄様に火の粉が飛んだようだ。確かにお兄様は今年20歳になる為、両親も焦っている様だ。
「その事なんだが、実は俺も結婚したい人がいるんだ。今度会わせるよ」
何ですって!いつの間に!両親も同じ事を思ったのか、お兄様に詳しく話せと迫っていたが、どうやら屋敷に着いた様だ。
1ヶ月半ぶりに帰って来た私の家。何年も離れていたような気がして、物凄く懐かしい。
屋敷に着いた事に気が付いていないのか、まだ馬車の中でギャーギャーやっている3人を放って先に降りる。
すると
「「「「「お嬢様、お帰りなさいませ!」」」」」
使用人一同が待っていてくれた。
「皆、待っていてくれたの?ありがとう。それから、ただいま」
「お嬢様、あぁ、何て事でしょう。あれほど髪を切るのはお止めくださいと申し上げたのに!これでは嫁の貰い手がありませんわ」
私に駆け寄り、泣きながら抱きしめるのはマレアだ。案の定、短くなった髪について文句を言っている。
「大丈夫よ、マレア。既に婚約する事が決まっているから」
「婚約ですって!まさか、あの浮気男のサミュエル様では無いですよね!」
「お嬢様、どういう事ですか!さすがにそれは反対です!どうかお考え直し下さい!」
他の使用人たちも、物凄い勢いで迫って来た。あまりの迫力に、完全にパニックになってしまった。
「相手は今回の討伐部隊を率いていた、騎士団長で公爵令息のウィリアム・バーレッジ殿だよ」
やっと馬車から降りて来たお父様が、助け舟を出してくれた。
「まあ、ウィリアム様と言えば、身分も高く物凄く優秀で有名な方ではございませんか。さすがお嬢様ですわ!」
かなり興奮気味のマレア。他の使用人たちも喜んでいた。
「さあ、少し遅くなったが夕食にしよう。今日は料理長がお前の為に、腕によりをかけて料理を作ってくれたんだ。今日はお前が帰って来ためでたい日だ。盛大に祝おう」
お父様に連れられて、食堂に向かう。それにしても、凄いご馳走だ。さすが料理長率いる家の料理人たち。
この日も夜遅くまで、使用人も一緒に晩餐を楽しんだのであった。
晩餐後は久しぶりに自室に戻り、湯あみをする。1ヶ月半ぶりの湯あみは物凄く気持ちよかった。やっぱり実際に体を洗うのと、魔法で奇麗にするのとでは全然違う。湯あみ後は、ベッドに入る。ミノムシの寝心地も良かったけれど、やっぱりフカフカのベッドが一番ね。
さすがに今日は疲れた。目を閉じた瞬間、すぐに意識を失ったのであった。
翌日
「お嬢様、起きてください!ウィリアム様がいらしていますよ」
しまった!寝過ごした!皆の朝ごはん…て、もう屋敷に帰って来ていたのだったわ。ん?今ウィリアム様と言った?
「マレア、ウィリアム様が来ているですって?」
「そうです、公爵様と夫人も一緒です!とにかく急いで下さい!」
何ですって!マレアに手伝ってもらいながら、久しぶりにドレスを着る。ドレスってこんなにも苦しいものだったかしら?短い髪も何とかハーフアップにしてもらい、急いで客間へと向かった。
「皆さま、お待たせして申し訳ございません」
慌てて頭を下げる。
「クレア、ごめん。疲れて寝ていたんだね。昼からなら大丈夫だと思ったんだが。それにしても、そうやって着飾ると、やっぱり令嬢だったのだな。物凄く美しいよ。さあ、こっちにおいで」
私の元にやって来たのは、ウィリアム様だ。いつも騎士団の服を着ていたウィリアム様。今日はスーツに身を包み、美しい銀色の髪もセットしている。どこからどう見ても、公爵令息だ。
それに、何より美しすぎる!討伐部隊に入る頃から美しいとは思っていたが、改めて見るとあまりの美しさに恐縮してしまいそうになる。そんな私の腰を抱き、自分の隣に座らせたウィリアム様。
緊張のあまり、少し距離をとろうとしたのだが、なぜかがっちり腰を掴まれていて動けない。
「クレア、どうして俺から逃げようとするのだい?もしかして、俺との結婚が嫌になった?」
耳元で呟くウィリアム様。
「いいえ、そんな事はありません。ただ、今日のウィリアム様があまりにも眩しすぎるので…」
両手をブンブン振って否定する。
「それならよかった。お前を狙っている奴らは多いからな。早く手を打たないと、取られてしまうかもしれないから。クレアは鈍いから気づいていなかったかもしれないが、団員のほとんどが、お前に好意を抱いていたんだぞ!幸いお前が慕っていたジークが、お前の事を女として見ていなかったのが救いだったな。あいつが本気を出したら、間違いなく取られていた」
「ウィリアム様、何を言っているのですか?そもそも、私はジークの事を兄の様に思っていましたし。それに、あそこは男性しかいなかったから、女性の私が珍しかっただけです」
「そう思っているのはお前だけだ!そもそも、女に興味が無いデビッドすら、お前に興味を抱いていたんだぞ!クレアは少し鈍すぎるんだ!大体、クレアの元婚約者のサミュエル殿だって、クレアの事を諦めていないじゃないか!とにかく俺には余裕がない。一刻も早く、クレアと婚約を結ぶ必要があるんだ!だから今日、婚約を正式に結ぶ為にここに来た。さあクレア、今すぐサインを!」
何かのスイッチが入ってしまったのか、急に物凄い勢いで私にサインを迫って来たウィリアム様。その姿はまるで、魔物討伐部隊に入った当初の騎士団長の様で、つい後ずさってしまった。
「ウィリアム、いい加減醜い嫉妬心で、クレアちゃんを困らせるのは止めなさい。クレアちゃんが怯えているでしょう!」
公爵夫人が、すかさずウィリアム様に注意してくれた。
「すまん、つい熱くなってしまった」
どうやら落ち着いてくれた様だ。よかったわ。
「コホン、それでは皆集まったし、本題に入ろうか。先ほどウィリアムが言った通り、今日は正式に婚約を結ぶ為にここに来たんだ。クレア嬢が来る前に私達はサインをしたから、後はクレア嬢がサインをしてくれれば完成だ。クレア嬢、ここにサインをしてもらってもいいだろうか?」
公爵が私に書類を渡して来た。どうやら私が眠っている間に、話しは全て済んだようだ。この書類にサインをすれば、正式にウィリアム様と婚約出来るのね。
そう言えば、この書類にサインするのは2回目ね。そう思いつつ、ペンを握った。ゆっくりペンを動かし、サインしていく。
「それじゃあこれを提出すれば、ウィリアムとクレア嬢の婚約が正式に結ばれた事になる。明日には大々的に発表しよう」
ついにウィリアム様と正式に婚約を結ぶのね。なんだか怒涛の展開で、正直頭が付いて行かない。でも、今度こそ幸せになりたい!そう強く願うクレアであった。
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