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第7話:王宮に向かいます
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「お嬢様、おはようございます。体調はいかがですか?」
「ええ、薬のお陰で、なんだか体が軽いわ。今日は王宮に行く最後の日ですもの。頑張らないとね」
そう、今日はロイド様を解放してあげる日。私ももう苦しまなくて済む。そう思うと、なんだか心が軽い。
「それでもどうか、ご無理をなさらない様にとの事です。特に心が不安定だと、進行が早いととお医者様がおっしゃっておられました。どうか心穏やかにお過ごしください」
「ええ、分かったわ。今日の話し合いが終わったら、お屋敷で過ごす予定だから、大丈夫よ」
この話し合いが終われば、後は屋敷で残りの人生を静かに送るだけだ。最期は使用人たちに見守られながら、静かに人生の幕を下ろしたい、そう願っている。
「それじゃあ、行ってくるわね」
軽やかな足取りで馬車に乗り込んだ。どうやらお父様は、先に行ってしまったようだ。役立たずの私の顔など、見たくないのだろう。
お父様も私がいなくなったら、養子をとるかもしれないわね。もしかしたら、若くてきれいな奥さんを迎えるかもしれないわ。そもそも、お母様が亡くなった時点で、後妻を迎えればよかったのに。
どうせお母様の事を、愛していなかったのだから。お父様が少しでもお母様の事を愛してくれていたら、お母様は…
て、今そんな事を考えても仕方がないわね。
さて、王宮が見えてきた。薬も飲んだし、きっと大丈夫だろう。そう思い、馬車から降りると
「セイラ嬢、昨日は大丈夫でしたか?かなり体調が悪かった様だけれど」
なんと、ラファエル様が待っていてくれたのだ。この人、どこまでいい人なのかしら?私なんかを待っていてくれるだなんて。
「ラファエル様、おはようございます。ご心配をおかけして、申し訳ございません。あの後医者に診察をしてもらったのですが、容態が思わしくなくて。それで今日、陛下やロイド様に大切なお話をするために来たのです」
「容態が思わしくないとは、一体どういうことですか?大切なお話しと言う事は、もしや命に関わる病気なのですか?」
いつも穏やかなラファエル様が、声を荒げて迫って来たのだ。もしかして、心配してくれているのかしら?
「ええ、実は母と同じ病気にかかっている様で。余命3ヶ月を診断されました。それでは私はこれで失礼いたします」
「余命3ヶ月…」
目を大きく見開き固まっているラファエル様に挨拶をして、その場を後にする。ラファエル様は、本当にお優しい方だ。私の心配をしてくれるのだから。
彼と会うのも、今日で最後かもしれない。そう思いつつ、使用人に案内された部屋に通された。そこにはお父様の姿が。
どうやらお父様と一緒に、陛下たちの元に向かう様だ。こうやってお父様と並んで歩くのは、いつぶりだろう。
そんな事を考えながら、陛下たちの元へと向かった。
「陛下、王妃殿下、王太子殿下、お待たせして申し訳ございません」
「ツィンクル公爵、セイラ嬢、今日は一体どうしたのだい?大事な話があると聞いたが」
陛下と王妃様が、不思議そうな顔でこちらを見ていた。ロイド様は無表情のまま、遠くを見つめていた。あの人、心ここにあらずだ。きっとミーア様の事を考えているのだろう。
分かっている事だけれど、やっぱり胸が痛い。ロイド様の顔を見ると、胸が張り裂ける様な痛みに襲われるのだ。
痛くて息が出来ない。でも今、うずくまる訳にはいかない。必死に呼吸を整える。しっかりしないと、最後位は笑顔でお別れしたい。
「セイラ、胸が苦しいのかい?大丈夫かい?」
何を思ったのか、急にロイド様が私の元にやって来たのだ。どうして今更、私に優しくするのだろう。それでも、優しくされると嬉しい。
「ロイド様、心配して下さりありがとうございます。どうやら私は、母と同じ病にかかっているそうなのです。余命3ヶ月と昨日、医者に宣告されました」
「夫人と同じ病気だって…」
「ツィンクル公爵、それは本当なのかい?夫人と同じ病気で、余命宣告をされているというのは」
「そんな…セイラちゃんまで…」
「ええ、薬のお陰で、なんだか体が軽いわ。今日は王宮に行く最後の日ですもの。頑張らないとね」
そう、今日はロイド様を解放してあげる日。私ももう苦しまなくて済む。そう思うと、なんだか心が軽い。
「それでもどうか、ご無理をなさらない様にとの事です。特に心が不安定だと、進行が早いととお医者様がおっしゃっておられました。どうか心穏やかにお過ごしください」
「ええ、分かったわ。今日の話し合いが終わったら、お屋敷で過ごす予定だから、大丈夫よ」
この話し合いが終われば、後は屋敷で残りの人生を静かに送るだけだ。最期は使用人たちに見守られながら、静かに人生の幕を下ろしたい、そう願っている。
「それじゃあ、行ってくるわね」
軽やかな足取りで馬車に乗り込んだ。どうやらお父様は、先に行ってしまったようだ。役立たずの私の顔など、見たくないのだろう。
お父様も私がいなくなったら、養子をとるかもしれないわね。もしかしたら、若くてきれいな奥さんを迎えるかもしれないわ。そもそも、お母様が亡くなった時点で、後妻を迎えればよかったのに。
どうせお母様の事を、愛していなかったのだから。お父様が少しでもお母様の事を愛してくれていたら、お母様は…
て、今そんな事を考えても仕方がないわね。
さて、王宮が見えてきた。薬も飲んだし、きっと大丈夫だろう。そう思い、馬車から降りると
「セイラ嬢、昨日は大丈夫でしたか?かなり体調が悪かった様だけれど」
なんと、ラファエル様が待っていてくれたのだ。この人、どこまでいい人なのかしら?私なんかを待っていてくれるだなんて。
「ラファエル様、おはようございます。ご心配をおかけして、申し訳ございません。あの後医者に診察をしてもらったのですが、容態が思わしくなくて。それで今日、陛下やロイド様に大切なお話をするために来たのです」
「容態が思わしくないとは、一体どういうことですか?大切なお話しと言う事は、もしや命に関わる病気なのですか?」
いつも穏やかなラファエル様が、声を荒げて迫って来たのだ。もしかして、心配してくれているのかしら?
「ええ、実は母と同じ病気にかかっている様で。余命3ヶ月を診断されました。それでは私はこれで失礼いたします」
「余命3ヶ月…」
目を大きく見開き固まっているラファエル様に挨拶をして、その場を後にする。ラファエル様は、本当にお優しい方だ。私の心配をしてくれるのだから。
彼と会うのも、今日で最後かもしれない。そう思いつつ、使用人に案内された部屋に通された。そこにはお父様の姿が。
どうやらお父様と一緒に、陛下たちの元に向かう様だ。こうやってお父様と並んで歩くのは、いつぶりだろう。
そんな事を考えながら、陛下たちの元へと向かった。
「陛下、王妃殿下、王太子殿下、お待たせして申し訳ございません」
「ツィンクル公爵、セイラ嬢、今日は一体どうしたのだい?大事な話があると聞いたが」
陛下と王妃様が、不思議そうな顔でこちらを見ていた。ロイド様は無表情のまま、遠くを見つめていた。あの人、心ここにあらずだ。きっとミーア様の事を考えているのだろう。
分かっている事だけれど、やっぱり胸が痛い。ロイド様の顔を見ると、胸が張り裂ける様な痛みに襲われるのだ。
痛くて息が出来ない。でも今、うずくまる訳にはいかない。必死に呼吸を整える。しっかりしないと、最後位は笑顔でお別れしたい。
「セイラ、胸が苦しいのかい?大丈夫かい?」
何を思ったのか、急にロイド様が私の元にやって来たのだ。どうして今更、私に優しくするのだろう。それでも、優しくされると嬉しい。
「ロイド様、心配して下さりありがとうございます。どうやら私は、母と同じ病にかかっているそうなのです。余命3ヶ月と昨日、医者に宣告されました」
「夫人と同じ病気だって…」
「ツィンクル公爵、それは本当なのかい?夫人と同じ病気で、余命宣告をされているというのは」
「そんな…セイラちゃんまで…」
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