あなたの事は好きですが私が邪魔者なので諦めようと思ったのですが…様子がおかしいです

Karamimi

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第25話:訳が分かりません

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「…様、カナリア様」

 う~ん、この声は…

 目を覚ますと、そこにはシャーラ様の姿が。

「シャーラ様?ここは?」

 体が動かないし、周りは薄暗い。どうやら部屋の様だが。よく見ると、縄で縛られていた。一体どうなっているの?ここはどこなの?

「ごめんなさい、私のせいで、カナリア様まで巻き込んでしまって」

 そう言ってポロポロと涙を流すシャーラ様。一体何が起こっているの?全く理解できない。

「シャーラ様、一体何が起こっているのですか?もしかして誘拐された?身代金目的かしら?それにしても、貴族学院の警備は完璧なはずなのに、どうしてあの人たちは、貴族学院に入れたのかしら?」

 小説ではシャーラ様が誘拐されるシーンなんて、書かれていなかった。一体何が起こっているのか、さっぱりわからない。

「カナリア様、身代金目的ではありませんわ。きっと、あの方の仕業ですわ…あの方は、ずっと私を疎ましく思っておりましたので…私がシモン様と恋仲になった事を、快く思っていないのでしょう?」

「えっ?ちょっと待って!シモン様と恋仲とは、一体どういうことなのですか?シャーラ様は、アルト様と恋仲なのでしょう?」

「カナリア様は、一体何をおっしゃっていらっしゃるのですか?私が愛しているのは、シモン様ただ1人ですわ」

「そんなはずはないわ。あなたはヒロインで、アルト様がヒーローなのよ。だって私、小説で読んだのですもの。それなのに、シモン様が好き?訳が分からないわ。一体どうなっているの?完全に話しが変わっているじゃない」

 完全に取り乱した私は、シャーラ様に詰め寄った。

「カナリア様?一体何をおっしゃっているのですか?もしかして、あなた様も…」

 シャーラ様が、何かを言いかけた時だった。ガチャガチャと、ドアの鍵が開く音が聞こえたのだ。その瞬間

 “カナリア様、隠れて下さい”

 シャーラ様にそう言われ、近くにあった机の下に押し込まれたのだ。

 そしてゆっくりとドアが開いた。中に入って来たのは、何と公爵令嬢のルミン様だ。どうしてルミン様が、ここにいるの?

 目を丸くして、ルミン様を見つめる。

「シャーラ様、ごきげんよう。ご気分はいかがですか?」

 ニヤリと笑ったルミン様が、シャーラ様に話しかけている。

「やはりあなた様だったのですね。どうしてこんな事を?」

「どうしてですって?あなたが私の大切なシモン様を奪ったからよ!私はずっと、シモン様が好きだった。それなのに、あなたが私からシモン様を!絶対に許さないわ」

 ギロリとシャーラ様を睨むルミン様。何なの、これは。一体どうなっているの?確かにルミン様がシモン様に、好意を抱いていると聞いたことがある。実際に貴族学院でも、何度もルミン様がシモン様に話しかけている姿を、見たことがあるわ。

 ちょっと待って、そういえばシャーラ様が令嬢に文句を言われていたあの日、確かシモン様がどうとか、ルミン様がどうとか言っていた気がする。

 一体どうなっているの?ここは小説の世界ではないの?ヒロインがシャーラ様で、ヒーローがアルト様。そして2人は、悲劇的な運命を背負った悲しいお話しの舞台だったはず…

 完全に混乱する私を他所に、目の前ではあり得ない光景が繰り広げられていく。

「ルミン様、私は確かにシモン様を愛しています。でも、私は何も悪い事などしていませんわ。それなのに、私を誘拐するだなんて…こんな事をして、許されると思っているのですか?」


「こんな事をして、許されると思っているの?ですって?大丈夫ですわ、あなたはここでこの男たちに強姦されて、命を落とすの。強姦に襲われて死んだことにすれば、私が罪に問われることはないし。何よりあなたさえいなくなれば、シモン様は私のものよ。さあ、早くこの女を始末してしまって」

 近くに控えていた男たちに、指示を出すルミン様。ちょっと待って、ルミン様は何を言っているの?ゆっくり男たちがシャーラ様に近づいて来た。

「嫌よ…来ないで。嫌、助けて…」

 ポロポロと涙を流すシャーラ様。まるで小説の世界に飛び込んだような光景が、今まさに広がっているのだ。これはすごいわ…

 て、感心している場合ではない。すぐにシャーラ様を助けないと。

「あなた達、シャーラ様から離れなさい!」

 机の下から這い出した私は、シャーラ様を庇う様に立った。もちろん私だって、こんな大柄の男たちを前に、恐怖でしかない。でも、私が怯えていてはダメだ。私がシャーラ様を守る。

 そんな思いで、彼らの前に立ったのだ。

「ど…どうしてカナリア様が、ここにいらっしゃるの?」

 真っ青な顔をして、私を指さすルミン様。ちょっと、さすがに人に指を指すのは良くないわ。

「どうしてって、たまたまシャーラ様が連れ去られる姿を見てしまった為に、私も連れてこられたからですわ。それよりもルミン様、あなた様とシャーラ様のやり取り、しっかり目撃させていただきましたわ。いくらシモン様がお好きだからって、やっていい事と悪い事があります。さすがに見逃せません!」

 はっきりルミン様にそう告げた。さすがに公爵令嬢で王太子殿下の婚約者でもある私に、手を出す事なんて出来ないだろう。

 そう思ったのだが…
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