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第24話:何が起こっているのでしょうか?
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翌朝、いつもの様に貴族学院へと向かった。朝少しお父様とお話をしたかったが、既に出かけていて会う事が出来なかったのだ。
お父様め、あんなに私の味方だと豪語していたのに、いざとなったらごねるだなんて、一体どういうつもりかしら?こちらは2人の命がかかっているというのに。
こうなったら、アルト様に直談判しようかしら?きっと私から婚約解消を言い出せば、きっとアルト様も喜ぶだろう。
ただ…
シャーラ様と仲を深めているはずのアルト様だが、相変わらず私に絡んでくるのだ。小説ではアルト様がカナリアに絡むシーンなんて、ほとんどなかったはずなのだけれど…
今朝も学院に着くと、アルト様が飛んできた。
「カナリア、おはよう。一緒に教室に行こう。それから、お昼は君の大好きなお菓子を持ってきたよ。一緒に食べようね。放課後は一緒に王宮で過ごそう。最近ずっと王宮に来て居なかったら、たまにはいいだろう?」
今日はいつも以上に私に絡んでくるのだ。
「あの、アルト様、私は…」
「殿下、今日も生徒会の仕事がありますから、放課後はカナリアと過ごす事は出来ませんよ」
すかさず話に入って来たのは、カルアお兄様だ。
「毎日毎日僕に雑用を押し付けて!僕の今の仕事は、カナリアと過ごすことだ。悪いが今日は、生徒会の仕事は休ませてもらうよ」
「いいえ、そんな事は許されません。今日もしっかり手伝っていただきますからね。それじゃあ殿下、また放課後」
お兄様たちが笑顔で去っていく。
「今日は絶対に生徒会の仕事はしないからな!カナリア、今日はずっと君と一緒にいたいんだ。最近なんだかんだ言って、僕を避けていただろう?今日はずっと一緒にいてもらうからね。そもそも君は、僕の婚約者なのだから」
なぜかものすごい勢いで迫って来るアルト様。目が血走っていて、なんだか怖い。
「ええ…分かりましたわ…」
あまりの気迫に、ついそう答えてしまった。でも私は、アルト様と一緒にいるつもりはない。既に他の令嬢の虜になっているアルト様の傍にいても、辛いだけだ。
そう思い、令嬢たちの輪に入ろうとしたのだが…
「カナリア、今日は僕と一緒にいる約束だったよね!悪いが君たち、カナリアは連れて行くよ」
なぜかすぐに、アルト様に連れ戻されてしまうのだ。本当に今日のアルト様は、どうしてしまったのかしら?結局アルト様から離れる事が出来ずに、放課後になってしまった。
「カナリア、急いで帰ろう。カルア達に見つからないうちに」
私の手を引き、走りだしたアルト様だったが
「殿下、今日は生徒会の仕事があると言いましたよね。さあ、参りましょう」
あっさりお兄様たちに捕まり、アルト様は連行されていく。
「カナリア、すぐに戻って来るから、いつもの部屋で待っていて欲しい。いいね、分かったね。勝手に帰ったら、許さないから!君は僕の婚約者なのだからね」
そう叫びながら、去って行った。
今日のアルト様、一体どうしたのかしら?まるで私の事が好きみたいな態度を取って。
でも、アルト様が好きなのは、シャーラ様なのだ。頭では分かっている。ただこうやって、アルト様に構われると、つい勘違いをしてしまうのだ。
私ったらダメね。こんな時は、現実を見るのが一番だ。きっとシャーラ様が、校舎裏でアルト様を待っているはず。シャーラ様が令嬢たちに絡まれていたあの日以来、彼女とは全くと言っていいほど絡みはない。
久しぶりに神的に美しいシャーラ様を見たらきっと、嫌でも現実を理解する事が出来るだろう。そう思い、裏庭に向かった。
ちょうど裏庭に差し掛かった頃、シャーラ様の姿が目に飛び込んできた。やっぱりシャーラ様は、ここでアルト様を待っているのね…
彼女の姿を見た瞬間、胸が張り裂けそうになった。ダメだ、やっぱり私には、辛すぎる。そう思い、その場を後にしようとした時だった。
「キャァ」
小さな悲鳴が聞こえたのだ。びっくりして振り返ると、なんとシャーラ様が黒ずくめの男に連れ去られようとしていた。
「シャーラ様!」
ビックリして彼女の名前を呼んだ私の方を、クルリと向いた黒ずくめの男たち。
「クソ、見られては仕方がない。お前も一緒にこい」
そう言うと、口に布を当てられた。これは嗅いではマズい奴だわ。でも、時すでに遅し。そのまま意識を飛ばしてしまったのだった。
お父様め、あんなに私の味方だと豪語していたのに、いざとなったらごねるだなんて、一体どういうつもりかしら?こちらは2人の命がかかっているというのに。
こうなったら、アルト様に直談判しようかしら?きっと私から婚約解消を言い出せば、きっとアルト様も喜ぶだろう。
ただ…
シャーラ様と仲を深めているはずのアルト様だが、相変わらず私に絡んでくるのだ。小説ではアルト様がカナリアに絡むシーンなんて、ほとんどなかったはずなのだけれど…
今朝も学院に着くと、アルト様が飛んできた。
「カナリア、おはよう。一緒に教室に行こう。それから、お昼は君の大好きなお菓子を持ってきたよ。一緒に食べようね。放課後は一緒に王宮で過ごそう。最近ずっと王宮に来て居なかったら、たまにはいいだろう?」
今日はいつも以上に私に絡んでくるのだ。
「あの、アルト様、私は…」
「殿下、今日も生徒会の仕事がありますから、放課後はカナリアと過ごす事は出来ませんよ」
すかさず話に入って来たのは、カルアお兄様だ。
「毎日毎日僕に雑用を押し付けて!僕の今の仕事は、カナリアと過ごすことだ。悪いが今日は、生徒会の仕事は休ませてもらうよ」
「いいえ、そんな事は許されません。今日もしっかり手伝っていただきますからね。それじゃあ殿下、また放課後」
お兄様たちが笑顔で去っていく。
「今日は絶対に生徒会の仕事はしないからな!カナリア、今日はずっと君と一緒にいたいんだ。最近なんだかんだ言って、僕を避けていただろう?今日はずっと一緒にいてもらうからね。そもそも君は、僕の婚約者なのだから」
なぜかものすごい勢いで迫って来るアルト様。目が血走っていて、なんだか怖い。
「ええ…分かりましたわ…」
あまりの気迫に、ついそう答えてしまった。でも私は、アルト様と一緒にいるつもりはない。既に他の令嬢の虜になっているアルト様の傍にいても、辛いだけだ。
そう思い、令嬢たちの輪に入ろうとしたのだが…
「カナリア、今日は僕と一緒にいる約束だったよね!悪いが君たち、カナリアは連れて行くよ」
なぜかすぐに、アルト様に連れ戻されてしまうのだ。本当に今日のアルト様は、どうしてしまったのかしら?結局アルト様から離れる事が出来ずに、放課後になってしまった。
「カナリア、急いで帰ろう。カルア達に見つからないうちに」
私の手を引き、走りだしたアルト様だったが
「殿下、今日は生徒会の仕事があると言いましたよね。さあ、参りましょう」
あっさりお兄様たちに捕まり、アルト様は連行されていく。
「カナリア、すぐに戻って来るから、いつもの部屋で待っていて欲しい。いいね、分かったね。勝手に帰ったら、許さないから!君は僕の婚約者なのだからね」
そう叫びながら、去って行った。
今日のアルト様、一体どうしたのかしら?まるで私の事が好きみたいな態度を取って。
でも、アルト様が好きなのは、シャーラ様なのだ。頭では分かっている。ただこうやって、アルト様に構われると、つい勘違いをしてしまうのだ。
私ったらダメね。こんな時は、現実を見るのが一番だ。きっとシャーラ様が、校舎裏でアルト様を待っているはず。シャーラ様が令嬢たちに絡まれていたあの日以来、彼女とは全くと言っていいほど絡みはない。
久しぶりに神的に美しいシャーラ様を見たらきっと、嫌でも現実を理解する事が出来るだろう。そう思い、裏庭に向かった。
ちょうど裏庭に差し掛かった頃、シャーラ様の姿が目に飛び込んできた。やっぱりシャーラ様は、ここでアルト様を待っているのね…
彼女の姿を見た瞬間、胸が張り裂けそうになった。ダメだ、やっぱり私には、辛すぎる。そう思い、その場を後にしようとした時だった。
「キャァ」
小さな悲鳴が聞こえたのだ。びっくりして振り返ると、なんとシャーラ様が黒ずくめの男に連れ去られようとしていた。
「シャーラ様!」
ビックリして彼女の名前を呼んだ私の方を、クルリと向いた黒ずくめの男たち。
「クソ、見られては仕方がない。お前も一緒にこい」
そう言うと、口に布を当てられた。これは嗅いではマズい奴だわ。でも、時すでに遅し。そのまま意識を飛ばしてしまったのだった。
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