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第23話:お父様の様子が変です
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貴族学院に入学して半年が過ぎようとしていた。シャーラ様とアルト様の仲が深まっていると気が付いてから、早3ヶ月、ある程度の準備が整ったのだ。
これでやっと、アルト様を解放してあげられる。この3ヶ月、本当に辛かった。極力アルト様には関わらないようにした。もちろん、シャーラ様にも。
邪魔者でもある私が、2人の前をウロチョロする訳にはいかない。正直まだ、アルト様の事は大好きだ。だからこそ、いい加減2人を解放してあげないと。もしかすると、そろそろ2人が駆け落ちをしてしまうかもしれない。
早速今日にでも、お父様に相談してみよう。
そう思い、お父様の帰りを待つ。今日は随分と遅いのね。もしかして、既にアルト様に私とアルト様の婚約解消の話をしているのかしら?いいえ、そんなはずはないわ。だって私がいいと言うまで、その話はしない約束だったもの。
その時だった。
「お嬢様、旦那様がお帰りになられました」
「ありがとう、すぐに行くわ」
やっとお父様が帰ってきたのだ。既にメイドに私から話しがある旨を、お父様に伝えてもらっているだろうから、きっと居間で待っていてくれているはず。
案の定、既にお父様が居間で待っていた。
「お父様、お帰りなさい。今日は随分と遅かったのですね」
「ああ、まあ…色々とあってな」
「そうだったのですね。お父様、やっと国を出る準備が整いましたわ。すぐにでも国を出たいのですが、まずはアルト様との婚約を解消しないといけませんね。既に医者の診断書も、書いていただいてあります。明日にでも、アルト様や陛下、王妃殿下に話しをしましょう」
私はあの原因不明の高熱以降、体調がすぐれない日があるという設定になっている。世継ぎの事もあるし、王妃になる令嬢は健康でなくてはならないのだ。
その為、体調悪化を理由に、アルト様との婚約を解消してもらうシナリオを考えたのだ。そして私は、療養のため、領地に向かう…と見せかけて、国を出るつもりでいる。
我ながら完璧なシナリオだ。
やっとこれで、アルト様を解放してあげられる。きっとアルト様もシャーラ様も、とても喜んでくれるはず。これで2人とも、死ななくて済むのね。もちろん、私も。
「カナリア、その件なのだが…その…ちょっと今すぐ婚約を解消するのは、難しくなってな…その…もちろん、いずれ婚約を解消して、国を出たいというカナリアの夢は必ず叶えてやりたいと思っている。ただ…その…今はちょっと…」
何やらお父様の様子がおかしい。一体どうしたのかしら?
「お父様、どうされたのですか?どうして今は、婚約を解消できないのですか?」
そういえば、異世界に転生した場合、筋書き通りに話しが進むよう、強制的に物語通りに話しが進む様に持っていかれるという話を聞いたことがある。まさかその、強制力が働いてしまったのかしら?
これはまずいわ。このまま私とアルト様が婚約を白紙に戻せなかったら、シャーラ様とアルト様のお命が…
それに大好きなアルト様が、絶望の中死んでいくなんて、絶対に嫌!何とかしないと!
「お父様、お願いします。どうかアルト様と婚約を解消させてください。そうで無いと、私は…」
ポロポロと涙を流し、必死にお父様に訴えた。お父様は私の涙に弱いのだ。
「カナリア、泣かないでくれ。頼む、カナリアが泣くと、私も悲しくなるのだよ」
「それでは、私とアルト様の婚約を、白紙に戻していただけますか?」
お父様の顔を見つめ、必死に訴える。でもなぜか、スッと目をそらされたのだ。
「カナリア、どうしてそこまでアルト殿下が嫌なのだい?確かに束縛は酷いし、すぐにカナリアの自由を奪おうとする。嫉妬深くてどうしようもない男だが、あれでも王太子としては非常に優秀なんだよ。最近は少しサボっているが、いつもはものすごいスピードで公務もこなすし。国を良くしようと、街に出て孤児院なども回っているし」
「そんな事は知っておりますわ。私もアルト様と一緒に、孤児院を何度も回っておりましたので。アルト様は、誰にでも優しい人です。“僕が国王になったら、貧しい子供たちが安心して暮らせる国にしたい”とおっしゃっていらっしゃいました。私もその手助けが出来たらと、思っておりましたから…」
アルト様は本当にお優しい方なのだ。親のいない貧しい子供たちが、安心して暮らせる国を作りたいと、色々と動いている。そんなお優しいアルト様を、私も王妃として支えたいと、常々思っていた。でも、もう叶わない夢ではあるが…
「それじゃあ、カナリアはアルト殿下が嫌いではないのだね。それなら、あえて婚約を解消する必要はないだろう。ただ、国を出て旅をしたいというカナリアの気持ちも分からなくはないから、私から折を見て殿下に相談しよう。2週間くらいなら、許可が下りるかもしれないから」
「お父様?何をおっしゃっているのですか?私はアルト様と…」
「すまない、カナリア。今日は少し疲れていて…また後日、改めてゆっくり話をしよう。それじゃあ、私はこれで」
「待って下さい、お父様!」
私の叫び声も空しく、足早にお父様が去って行った。一体どうしたというの?昨日までは、間違いなく私の味方だったのに…
もしかして、本当に物語の強制力が働いたというの?このままだとまずいわ。本当にアルト様とシャーラ様が、死んでしまう。
そんなのは嫌よ。
とにかく、何とかしないと!
これでやっと、アルト様を解放してあげられる。この3ヶ月、本当に辛かった。極力アルト様には関わらないようにした。もちろん、シャーラ様にも。
邪魔者でもある私が、2人の前をウロチョロする訳にはいかない。正直まだ、アルト様の事は大好きだ。だからこそ、いい加減2人を解放してあげないと。もしかすると、そろそろ2人が駆け落ちをしてしまうかもしれない。
早速今日にでも、お父様に相談してみよう。
そう思い、お父様の帰りを待つ。今日は随分と遅いのね。もしかして、既にアルト様に私とアルト様の婚約解消の話をしているのかしら?いいえ、そんなはずはないわ。だって私がいいと言うまで、その話はしない約束だったもの。
その時だった。
「お嬢様、旦那様がお帰りになられました」
「ありがとう、すぐに行くわ」
やっとお父様が帰ってきたのだ。既にメイドに私から話しがある旨を、お父様に伝えてもらっているだろうから、きっと居間で待っていてくれているはず。
案の定、既にお父様が居間で待っていた。
「お父様、お帰りなさい。今日は随分と遅かったのですね」
「ああ、まあ…色々とあってな」
「そうだったのですね。お父様、やっと国を出る準備が整いましたわ。すぐにでも国を出たいのですが、まずはアルト様との婚約を解消しないといけませんね。既に医者の診断書も、書いていただいてあります。明日にでも、アルト様や陛下、王妃殿下に話しをしましょう」
私はあの原因不明の高熱以降、体調がすぐれない日があるという設定になっている。世継ぎの事もあるし、王妃になる令嬢は健康でなくてはならないのだ。
その為、体調悪化を理由に、アルト様との婚約を解消してもらうシナリオを考えたのだ。そして私は、療養のため、領地に向かう…と見せかけて、国を出るつもりでいる。
我ながら完璧なシナリオだ。
やっとこれで、アルト様を解放してあげられる。きっとアルト様もシャーラ様も、とても喜んでくれるはず。これで2人とも、死ななくて済むのね。もちろん、私も。
「カナリア、その件なのだが…その…ちょっと今すぐ婚約を解消するのは、難しくなってな…その…もちろん、いずれ婚約を解消して、国を出たいというカナリアの夢は必ず叶えてやりたいと思っている。ただ…その…今はちょっと…」
何やらお父様の様子がおかしい。一体どうしたのかしら?
「お父様、どうされたのですか?どうして今は、婚約を解消できないのですか?」
そういえば、異世界に転生した場合、筋書き通りに話しが進むよう、強制的に物語通りに話しが進む様に持っていかれるという話を聞いたことがある。まさかその、強制力が働いてしまったのかしら?
これはまずいわ。このまま私とアルト様が婚約を白紙に戻せなかったら、シャーラ様とアルト様のお命が…
それに大好きなアルト様が、絶望の中死んでいくなんて、絶対に嫌!何とかしないと!
「お父様、お願いします。どうかアルト様と婚約を解消させてください。そうで無いと、私は…」
ポロポロと涙を流し、必死にお父様に訴えた。お父様は私の涙に弱いのだ。
「カナリア、泣かないでくれ。頼む、カナリアが泣くと、私も悲しくなるのだよ」
「それでは、私とアルト様の婚約を、白紙に戻していただけますか?」
お父様の顔を見つめ、必死に訴える。でもなぜか、スッと目をそらされたのだ。
「カナリア、どうしてそこまでアルト殿下が嫌なのだい?確かに束縛は酷いし、すぐにカナリアの自由を奪おうとする。嫉妬深くてどうしようもない男だが、あれでも王太子としては非常に優秀なんだよ。最近は少しサボっているが、いつもはものすごいスピードで公務もこなすし。国を良くしようと、街に出て孤児院なども回っているし」
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アルト様は本当にお優しい方なのだ。親のいない貧しい子供たちが、安心して暮らせる国を作りたいと、色々と動いている。そんなお優しいアルト様を、私も王妃として支えたいと、常々思っていた。でも、もう叶わない夢ではあるが…
「それじゃあ、カナリアはアルト殿下が嫌いではないのだね。それなら、あえて婚約を解消する必要はないだろう。ただ、国を出て旅をしたいというカナリアの気持ちも分からなくはないから、私から折を見て殿下に相談しよう。2週間くらいなら、許可が下りるかもしれないから」
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もしかして、本当に物語の強制力が働いたというの?このままだとまずいわ。本当にアルト様とシャーラ様が、死んでしまう。
そんなのは嫌よ。
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