あなたの事は好きですが私が邪魔者なので諦めようと思ったのですが…様子がおかしいです

Karamimi

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第28話:初めて腹を割ってアルト様と話が出来た気がします

 必死にアルト様に謝った。

「だからカナリアは、僕に最近冷たかったのだね…僕は君に避けられ、どれほど辛かったか…」

「本当に申し訳ございませんでした。でも今日、シャーラ様とアルト様がそんな関係ではないという事が、はっきりと分かりました。私はきっと、あの熱のせいで、思考回路が停止していたのかもしれません」

 本当はあの熱のせいで前世の記憶を取り戻したのだが、さすがにそんな事は言えない。ただ、シャーラ様とアルト様が恋仲だと疑っていたのは、事実だ。だからその事実だけは、きちんと伝えた方がいいと思ったのだ。

 それから、もう一つ私が伝えなければいけないことがある。

「アルト様、私は物心ついた時から、アルト様をお慕いしておりました。あなた様と婚約できた時は、天にも昇るほど嬉しかったのです。これからはアルト様と一緒にいられる、少しでもアルト様を支えられたら、そう思っておりました。でも、あの夢のせいで、私はすっかり自信を無くしてしまって…アルト様の幸せの為に、私が身を引くべきだと考えたのです。今思えば、きちんとアルト様と話をするべきでしたわ。そうすれば、自分がいかに愚かな勘違いをしているか、すぐにわかったはずなのに…」

 私の完全な勘違いのせいで、アルト様にはたくさん心配をかけてしまったし、悲しい思いをさせてしまったのだ。それに私自身も、随分苦しみ、悲しい思いをした。

「それを言うなら、僕も同じだよ。僕がもっと、カナリアの話に耳を傾けていれば…もっとカナリアと話をしていれば、カナリアが変な勘違いをする事はなかったのかもしれない。これからは、少しでも不安な事や気になる事があったら、何でも話をしよう。カナリア、僕もね、物心ついた時から、カナリアが大好きだ。でも、カナリアの気持ちが分からなくて、ずっと不安だった。今日、カナリアの素直な気持ちが聞けて嬉しいよ」

「アルト様…こんな私ですが、これからもずっと傍にいて下さいますか?」

「もちろんだよ、僕はずっとずっとカナリアと一緒にいるよ。君がいないと、僕は生きていけない程、君を愛している。カナリアこそ、僕を置いて国を出たりしないよね?」

「ええ、もちろんですわ。私もアルト様が大好きです!これからも、ずっとずっと一緒です!」

 ギュッとアルト様に抱き着いた。アルト様と一緒にいられるのなら、国を出る必要はない。確かに旅は楽しみだったが、アルト様の方がずっとずっと大切なのだ。

「あぁ…また僕のカナリアが戻ってきてくれた!もう二度と離さないよ」

 ポロポロと涙を流し、私を抱きしめるアルト様。私も涙が溢れだす。

「私ももう二度とアルト様から離れません。ずっとずっと一緒にいたいです!」

 前世の記憶が戻った時は、本当に悲しくて辛かった。アルト様の為に、彼を忘れなければと、必死になった事もあった。

 でも…

 全て私の勘違いだったのよね…

 私は本当に、何をやっているのかしら?でも、確かにあの物語に転生したと思ったのに…

 もうどうでもいいか。だって、アルト様は今でも私を愛してくれているのだから。アルト様があの時助けてくれたから、今私はここにいられる。本当に幸せね。

 ただ…

「アルト様、どうして私たちの居場所が分かったのですか?」

 密かに疑問に思っていたことがある。それは、どうして私たちの居場所が分かったかという事だ。

「それはね、居場所を特定できるブローチと、撮影機能が付いたピアスを君に付けていたからだよ」

「えっ?居場所が特定できるブローチと、撮影機能が付いたピアス?」

「そうだよ、このブローチとピアスがそうだ。だからすぐに、カナリアの居場所が分かったんだ。それにこの撮影機能のお陰で、ルミン嬢の悪事も暴けそうだしね。このピアスは、カナリアの様子をリアルタイムで見られるんだ。あの女!カナリアを誘拐するだなんて許せない。それに、カナリアに触れたあの男たち、絶対にただでは済まさないから…」

 それはそれは悪い顔をしているアルト様。この人、まさか私にそんな物を付けていただなんて…だから私の居場所を、瞬時に突き止めて、どんな時でも私の元に駆けつけていたのね…全く気が付かなかったわ。

「ただ公爵家は警備が厳しいうえ、電波の妨害を受けていて、公爵家内でのカナリアの様子は全く分からなくてね。本当に不安だったんだ。カナリア、これを持っていてくれるかい?」

「あの…これは?」

「これはね、電波妨害を阻止する機械なんだ。この機械をカナリアが持っていてくれたら、カナリアの様子がいつでもわかるんだよ。もちろん僕は、カナリア以外に興味がないから、公爵家に不利益を与える事はないから、安心して」

「えっと…その…」

 それはこれからも、私をずっと監視するという事よね…さすがにずっと見られているのは、嫌だわ…

「あの、アルト様、さすがにずっと監視されているのは、ちょっと…それに家族のプライバシーもありますし…さすがにピアスの方は…」

 百歩譲って居場所を特定されるのはいいとしても、私の行動を逐一みられているのは、さすがに耐えられない。

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