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第4話:どの口が言っているのでしょう…
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まずは自室の中を色々と物色するが、タンスにはタオルが入っているだけ。もちろん、洋服などもない。よかった、実家から少し持ってきていたのよね。
鞄から着替えを取り出す。両親は王宮に色々と準備してくれているから必要ないと言っていたが、あの王妃様とエイダン様の事だ。きっとろくなものを準備してくれていないと思ったのだ。
予想通り過ぎて笑えたが、とにかく持ってきてよかった。でもこのドレス、どうやって脱ぐのかしら?せめてドレスぐらい脱がせて行ってくれたらよかったのに…
何とかドレスを脱ぎ捨て、湯あみをする。確かメイドたちはこれを使って洗っていたわよね。まさか王宮に来て自分で体を洗う事になるなんて…侯爵家では嫌々でも私のお世話をしてくれていたのに…
それでもなんとか湯あみを済ませ、髪を乾かすとそのままベッドに入った。明日にでも図書館に行って、着替えや体の洗い方などを勉強しないと。でも、図書館は本宮にしかない。どうしよう…そうだわ、こっそり抜け出して、王都の図書館に行きましょう。きっと変装すればばれないわ。
ここは王宮の端っこ。きっと簡単に抜けられるはず。さあ、今日は疲れた。さっさと寝よう。そう思い、目を閉じた時だった。
ドタバタと誰かが走って来る音が聞こえる。うるさいわね、一体誰がこんなところで走っているのよ。そう思っていると
バーン
「サーラ!!」
部屋にやって来たのは、なんとエイダン様だ。
「サーラ、こんな場所に閉じ込められて。母上が本当にすまなかった。母上にはきつく言っておいた。さあ、君はこんなところにいる人間じゃない。君の本当の部屋へと案内するよ。それにしても、君につけたメイドは本当に仕事をしない奴だな。こいつは首にする事にしたよ。だから安心してほしい」
この男は何を言っているのだろう。
「エイダン様、ここが私が与えられた部屋です。私は極力この部屋から出る事を禁止されておりますので。どうか、ご自分のお部屋にお戻りください。それから、私にこれ以上気を使ってくださらなくて結構です。それでは、私は疲れておりますので、おやすみなさい」
エイダン様をに背を向け、そのままベッドに潜り込んだ。
「サーラ、怒っているのだね。ごめんね。でも、もう二度と母上には君に関わらせないから安心して欲しい。さあ、僕たちの寝室に行こう。今日は初夜だからね」
散々私を虐げていたくせに、どの口が言っているのだろう。いい加減腹が立ってきた。
「エイダン様、どうか私の事は放っておいてください。あなた様は私の事がお嫌いなのでしょう。今まで散々私に暴言を吐いて来たではありませんか。私はあなた様に何も望んでおりません。私もあなた様が大嫌いですので。どうかお互い干渉せずに過ごしましょう」
私はもう自由に生きたいのだ。どうか放っておいて欲しい。
「サーラ…なぜそんな事を言うんだい?僕は君を愛している。確かに今まで君に酷い事をしたが、それもこれも、君と幸せになる為だったんだ。でも、こんな酷い部屋に連れてこられたら、機嫌が悪くなるのもわかるよ。本当にすまない。さあ、意地を張っていないで、僕たちの部屋に戻ろう。君の部屋もちゃんと準備してあるんだよ。ドレスや宝石も沢山準備した。きっと君も気に入るよ」
すると何を思ったのか、私を抱きかかえようとしたのだ。その瞬間、激しい嫌悪感が襲う。
「イヤ、私に触らないで!」
とっさにエイダン様を振り払った。そして、布団にくるまる。
「申し訳ございません。でも、ここが私が与えられた部屋でございます。王妃様からも本宮に行く事は禁止されておりますので。どうか私の事は、もう放っておいてください。さあ、出て行ってください。早く!」
とにかく、一刻も早くこの部屋から出て行って欲しい。
「サーラ、そんなに意地にならないで…僕はこの日を、どれほど楽しみにしていたか…」
「私もこの日を楽しみにしておりましたわ。だって離宮にこれば、もう誰も私に暴言を吐いたり、酷い事をしたりしないでしょう。あなた様にも王妃様にも、両親にも令嬢たちにも、誰にも会わずに済む。暴言を吐かれたり、頬を打たれたり、階段から突き落とされたり、水を掛けられることもないのですもの」
「そんな酷い暴力を受けていたのかい?すまない、僕は…」
「知らなかったとでも言うのですか?そもそもあなた自身、私に酷い態度を取っていたではありませんか?それなのに、今更愛している?ふざけないでください!私にも心があるのです。何年もの間、あの様な扱いをされていて、本当に私があなた様を愛していると思っているのですか?もしご自分が私に同じことをされても、愛する事が出来ますか?とにかく、これ以上私に構わないでください。話は終わりです。どうぞ、出て行ってください!」
再びエイダン様に背を向け、布団に潜り込んだ。気が付くと、涙が溢れていた。
「すまなかった…明日また来るから…」
そう言い残して、部屋を出たエイダン様。もう二度と来ないで欲しい。私はあなたを愛する事など、絶対にないのだから…
鞄から着替えを取り出す。両親は王宮に色々と準備してくれているから必要ないと言っていたが、あの王妃様とエイダン様の事だ。きっとろくなものを準備してくれていないと思ったのだ。
予想通り過ぎて笑えたが、とにかく持ってきてよかった。でもこのドレス、どうやって脱ぐのかしら?せめてドレスぐらい脱がせて行ってくれたらよかったのに…
何とかドレスを脱ぎ捨て、湯あみをする。確かメイドたちはこれを使って洗っていたわよね。まさか王宮に来て自分で体を洗う事になるなんて…侯爵家では嫌々でも私のお世話をしてくれていたのに…
それでもなんとか湯あみを済ませ、髪を乾かすとそのままベッドに入った。明日にでも図書館に行って、着替えや体の洗い方などを勉強しないと。でも、図書館は本宮にしかない。どうしよう…そうだわ、こっそり抜け出して、王都の図書館に行きましょう。きっと変装すればばれないわ。
ここは王宮の端っこ。きっと簡単に抜けられるはず。さあ、今日は疲れた。さっさと寝よう。そう思い、目を閉じた時だった。
ドタバタと誰かが走って来る音が聞こえる。うるさいわね、一体誰がこんなところで走っているのよ。そう思っていると
バーン
「サーラ!!」
部屋にやって来たのは、なんとエイダン様だ。
「サーラ、こんな場所に閉じ込められて。母上が本当にすまなかった。母上にはきつく言っておいた。さあ、君はこんなところにいる人間じゃない。君の本当の部屋へと案内するよ。それにしても、君につけたメイドは本当に仕事をしない奴だな。こいつは首にする事にしたよ。だから安心してほしい」
この男は何を言っているのだろう。
「エイダン様、ここが私が与えられた部屋です。私は極力この部屋から出る事を禁止されておりますので。どうか、ご自分のお部屋にお戻りください。それから、私にこれ以上気を使ってくださらなくて結構です。それでは、私は疲れておりますので、おやすみなさい」
エイダン様をに背を向け、そのままベッドに潜り込んだ。
「サーラ、怒っているのだね。ごめんね。でも、もう二度と母上には君に関わらせないから安心して欲しい。さあ、僕たちの寝室に行こう。今日は初夜だからね」
散々私を虐げていたくせに、どの口が言っているのだろう。いい加減腹が立ってきた。
「エイダン様、どうか私の事は放っておいてください。あなた様は私の事がお嫌いなのでしょう。今まで散々私に暴言を吐いて来たではありませんか。私はあなた様に何も望んでおりません。私もあなた様が大嫌いですので。どうかお互い干渉せずに過ごしましょう」
私はもう自由に生きたいのだ。どうか放っておいて欲しい。
「サーラ…なぜそんな事を言うんだい?僕は君を愛している。確かに今まで君に酷い事をしたが、それもこれも、君と幸せになる為だったんだ。でも、こんな酷い部屋に連れてこられたら、機嫌が悪くなるのもわかるよ。本当にすまない。さあ、意地を張っていないで、僕たちの部屋に戻ろう。君の部屋もちゃんと準備してあるんだよ。ドレスや宝石も沢山準備した。きっと君も気に入るよ」
すると何を思ったのか、私を抱きかかえようとしたのだ。その瞬間、激しい嫌悪感が襲う。
「イヤ、私に触らないで!」
とっさにエイダン様を振り払った。そして、布団にくるまる。
「申し訳ございません。でも、ここが私が与えられた部屋でございます。王妃様からも本宮に行く事は禁止されておりますので。どうか私の事は、もう放っておいてください。さあ、出て行ってください。早く!」
とにかく、一刻も早くこの部屋から出て行って欲しい。
「サーラ、そんなに意地にならないで…僕はこの日を、どれほど楽しみにしていたか…」
「私もこの日を楽しみにしておりましたわ。だって離宮にこれば、もう誰も私に暴言を吐いたり、酷い事をしたりしないでしょう。あなた様にも王妃様にも、両親にも令嬢たちにも、誰にも会わずに済む。暴言を吐かれたり、頬を打たれたり、階段から突き落とされたり、水を掛けられることもないのですもの」
「そんな酷い暴力を受けていたのかい?すまない、僕は…」
「知らなかったとでも言うのですか?そもそもあなた自身、私に酷い態度を取っていたではありませんか?それなのに、今更愛している?ふざけないでください!私にも心があるのです。何年もの間、あの様な扱いをされていて、本当に私があなた様を愛していると思っているのですか?もしご自分が私に同じことをされても、愛する事が出来ますか?とにかく、これ以上私に構わないでください。話は終わりです。どうぞ、出て行ってください!」
再びエイダン様に背を向け、布団に潜り込んだ。気が付くと、涙が溢れていた。
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