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第10話:陛下はやっぱりすごいです
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その日から一緒に食事を始めた私達。翌朝も一緒に朝食をとった。食後、早速陛下にプレゼントするために刺繍を入れようとしたのだが…
「アナスタシア様は、この国の騎士に興味がおありと昨日おっしゃっておられましたよね。ちょうど今、陛下たちが王宮の訓練場で稽古を行っておられます。宜しければ、ご覧になられませんか?」
そうクロハが声を掛けてきてくれたのだ。屈強の騎士様たちの訓練か。それはぜひ見てみたいわ。
「ええ、見たいわ。でも、私の様な者が訓練場に行っても大丈夫なのかしら?」
「その点は大丈夫です。さあ、参りましょう」
なぜか嬉しそうなクロハに連れられ、訓練場へと向かった。するとそこには、沢山の騎士たちの姿が。その中心にいるのは、陛下だ。次々と騎士たちをなぎ倒していきながら、激を飛ばしている。
陛下はもちろん、騎士たちも真剣そのもの。これが騎士たちの訓練風景なのね…あまりの迫力に、圧倒されてしまった。
「アナスタシア様、大丈夫ですか?申し訳ございません。さすがにご令嬢には、この様な場所は好みませんよね。さあ、戻りましょう」
「いいえ…大丈夫よ。ただ、あまりにも皆真剣そのもので。これが国を守るために命を懸けて戦う騎士たちの練習風景だと思うと、圧倒されて…皆血の滲む稽古をしながら、必死に国を守っているのね…凄いわ…」
「そうですね。私どもの国は、いつも他国に攻められ戦争の絶えない国でしたので…それでも陛下が国王になってからは、随分平和になったものですわ。でも、まだまだ油断は出来ませんが」
悲しそうに呟くクロハ。その時だった。
「アナスタシア嬢、どうしてこんな場所に?クロハ、どうして彼女をこの場所に連れて来たのだ!」
私達の元にやって来たのは、陛下だ。怖い顔でクロハに迫っている。
「陛下、お待ちください。私が訓練の風景を見たいとお願いして、連れてきてもらったのです。ですから、クロハは何も悪くはありませんわ。真剣に練習をされているところを邪魔してしまい、申し訳ございませんでした」
陛下に向かって、頭を下げた。
「イヤ…別に邪魔だなんて…ただ、訓練場はいつも殺気立っている…それに、その…怖い姿を見せてしまったし…私に恐怖を抱いたのではないかと、その…」
「怖い?どうしてですか?陛下を始め、皆様真剣に稽古をされている姿を怖いだなんて思いませんわ。やはり本物の騎士様たちは気迫が違いますね。私、感激いたしました!でも、これ以上私がいるとご迷惑になりそうですので、この辺で失礼いたします」
私が稽古場に来た事で、他の騎士たちもこちらを見ている。どうやら邪魔をしてしまった様だ。
「待て、アナスタシア嬢。私が部屋まで送ろう。さあ、行こうか?」
少し恥ずかしそうに手を差し出してくれた陛下。その手をしっかり握る。どうやらエスコートするときのルールを理解してくれた様だ。大きくてゴツゴツした手。ルイス様はもっとしなやかな手をしていたわ。て、どうしてここでルイス様が出てくるのよ。もう彼の事は忘れたはずなのに…
「アナスタシア嬢、その…やはり私の手は、触り心地が悪いだろう。毎日剣を握っているから」
「そんな事はありませんわ。確かにゴツゴツしておりますが、それは陛下が剣を振り続けた頑張りの証です。それから、私にあまり気を使って下さらなくても大丈夫ですわ。ですから、もう少しご自分に自信を持って下さい」
「そ…そうか、わかった」
スッと目をそらし、そのまま歩き出した陛下。それでもやはり、私の歩調に合わせてくれている。やっぱりこの人、優しい人なのだろう。
陛下にエスコートされ、一旦部屋に戻る。
それにしても陛下、とてもカッコよかったわ。自ら竹刀を振るい、騎士たちと同じように鍛えていらっしゃるだなんて。陛下自ら剣を取り、最前線で戦っていたと言うのは、本当だったのね。
国の為、民の為に危険を顧みず、ああやって日々厳しい訓練を行っている陛下を、すごいと思うし尊敬する。どうしてあんなにも素敵な殿方を、この国の令嬢たちは怖がるのかしら?
私がこの国の令嬢だったら、真っ先に陛下のお妃候補に名乗りを上げるのに…て、私は何を考えているのかしら?自国から逃げ出した私が、この国の陛下の婚約者候補に名乗りを上げるなんて、図々しい事この上ないわ。
この国に来て、陛下やクロハに優しくされた事で、ちょっと調子に乗っていたのかもしれない。
ふと窓の外を見ると、今日も美しいエメラルドグリーンの海が輝いていた。私はもう、公爵令嬢でも何でもない、アナスタシアなのだ。私が出来る事は、陛下に令嬢への苦手意識を克服してもらう手助けを行い、素敵な王妃様を迎えてもらう事。
それが命を助けてくれた陛下に出来る、唯一の恩返しなのだから…
「アナスタシア様は、この国の騎士に興味がおありと昨日おっしゃっておられましたよね。ちょうど今、陛下たちが王宮の訓練場で稽古を行っておられます。宜しければ、ご覧になられませんか?」
そうクロハが声を掛けてきてくれたのだ。屈強の騎士様たちの訓練か。それはぜひ見てみたいわ。
「ええ、見たいわ。でも、私の様な者が訓練場に行っても大丈夫なのかしら?」
「その点は大丈夫です。さあ、参りましょう」
なぜか嬉しそうなクロハに連れられ、訓練場へと向かった。するとそこには、沢山の騎士たちの姿が。その中心にいるのは、陛下だ。次々と騎士たちをなぎ倒していきながら、激を飛ばしている。
陛下はもちろん、騎士たちも真剣そのもの。これが騎士たちの訓練風景なのね…あまりの迫力に、圧倒されてしまった。
「アナスタシア様、大丈夫ですか?申し訳ございません。さすがにご令嬢には、この様な場所は好みませんよね。さあ、戻りましょう」
「いいえ…大丈夫よ。ただ、あまりにも皆真剣そのもので。これが国を守るために命を懸けて戦う騎士たちの練習風景だと思うと、圧倒されて…皆血の滲む稽古をしながら、必死に国を守っているのね…凄いわ…」
「そうですね。私どもの国は、いつも他国に攻められ戦争の絶えない国でしたので…それでも陛下が国王になってからは、随分平和になったものですわ。でも、まだまだ油断は出来ませんが」
悲しそうに呟くクロハ。その時だった。
「アナスタシア嬢、どうしてこんな場所に?クロハ、どうして彼女をこの場所に連れて来たのだ!」
私達の元にやって来たのは、陛下だ。怖い顔でクロハに迫っている。
「陛下、お待ちください。私が訓練の風景を見たいとお願いして、連れてきてもらったのです。ですから、クロハは何も悪くはありませんわ。真剣に練習をされているところを邪魔してしまい、申し訳ございませんでした」
陛下に向かって、頭を下げた。
「イヤ…別に邪魔だなんて…ただ、訓練場はいつも殺気立っている…それに、その…怖い姿を見せてしまったし…私に恐怖を抱いたのではないかと、その…」
「怖い?どうしてですか?陛下を始め、皆様真剣に稽古をされている姿を怖いだなんて思いませんわ。やはり本物の騎士様たちは気迫が違いますね。私、感激いたしました!でも、これ以上私がいるとご迷惑になりそうですので、この辺で失礼いたします」
私が稽古場に来た事で、他の騎士たちもこちらを見ている。どうやら邪魔をしてしまった様だ。
「待て、アナスタシア嬢。私が部屋まで送ろう。さあ、行こうか?」
少し恥ずかしそうに手を差し出してくれた陛下。その手をしっかり握る。どうやらエスコートするときのルールを理解してくれた様だ。大きくてゴツゴツした手。ルイス様はもっとしなやかな手をしていたわ。て、どうしてここでルイス様が出てくるのよ。もう彼の事は忘れたはずなのに…
「アナスタシア嬢、その…やはり私の手は、触り心地が悪いだろう。毎日剣を握っているから」
「そんな事はありませんわ。確かにゴツゴツしておりますが、それは陛下が剣を振り続けた頑張りの証です。それから、私にあまり気を使って下さらなくても大丈夫ですわ。ですから、もう少しご自分に自信を持って下さい」
「そ…そうか、わかった」
スッと目をそらし、そのまま歩き出した陛下。それでもやはり、私の歩調に合わせてくれている。やっぱりこの人、優しい人なのだろう。
陛下にエスコートされ、一旦部屋に戻る。
それにしても陛下、とてもカッコよかったわ。自ら竹刀を振るい、騎士たちと同じように鍛えていらっしゃるだなんて。陛下自ら剣を取り、最前線で戦っていたと言うのは、本当だったのね。
国の為、民の為に危険を顧みず、ああやって日々厳しい訓練を行っている陛下を、すごいと思うし尊敬する。どうしてあんなにも素敵な殿方を、この国の令嬢たちは怖がるのかしら?
私がこの国の令嬢だったら、真っ先に陛下のお妃候補に名乗りを上げるのに…て、私は何を考えているのかしら?自国から逃げ出した私が、この国の陛下の婚約者候補に名乗りを上げるなんて、図々しい事この上ないわ。
この国に来て、陛下やクロハに優しくされた事で、ちょっと調子に乗っていたのかもしれない。
ふと窓の外を見ると、今日も美しいエメラルドグリーンの海が輝いていた。私はもう、公爵令嬢でも何でもない、アナスタシアなのだ。私が出来る事は、陛下に令嬢への苦手意識を克服してもらう手助けを行い、素敵な王妃様を迎えてもらう事。
それが命を助けてくれた陛下に出来る、唯一の恩返しなのだから…
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