15 / 35
第15話:アナスタシア嬢が魅力的過ぎる~カイ視点~
しおりを挟む
アナスタシア嬢を部屋まで送ると、急いで自室へと戻ってきた。まだ心臓がバクバクしてる。とにかく落ち着かないと…こんな時はやっぱり、剣を振るうのが一番だ!
早速稽古場で汗を流す。するとそこに、クロハがやって来た。
「陛下、こんなところにいらしたのですね。陛下、何ですか、あの情けない姿は!令嬢への免疫がないのは分かりますが、もう少しスマートにエスコートできないのですか?それにしても陛下を見ても、怖がらない令嬢が現れるだなんて…いいですか!陛下、このチャンスを絶対に逃してはいけません。幸いアナスタシア様は、自国に帰るつもりもないようですし。このまま陛下の妻として…」
「おい、勝手な事を言うのは止めてくれ。彼女にだって、選ぶ権利があるんだ!それに、自国に帰れない彼女を、無理やり妻になど…」
「陛下、そんな弱気でどうするのですか?少なくともアナスタシア様は、今の時点であなた様に悪い印象を持っていらっしゃいません。それに、強い男性に魅力を感じていらっしゃる様でしたので、どんどんご自分をアピールするべきです。それとも、アナスタシア様では役不足とおっしゃるのですか?」
「な…何て失礼な事を言うんだ!彼女は非常に魅力的な令嬢だぞ!あんなにも素敵な令嬢が、私の妻になんてなってくれる訳がないだろう」
「それがいけないのです!本当に国王としては非常に優秀ですのに、令嬢の事になると途端にダメ人間になってしまわれるのですから!いいですか?またとないチャンスを、逃がすべきではありません!」
クロハのあまりの迫力に、圧倒されてしまう。クロハは元々私の世話係だった人物。いわば母親代わりの様な存在なのだ。そんなクロハには、実は私も強くは言えない。
「わ…わかった。でも私は、アナスタシア嬢を無理に手に入れる様なことはしたくない。それに彼女、何か心に深い傷を負っている様だし…」
「ええ、分かっておりますわ。アナスタシア様の時折寂しそうな顔が、私も気になっておりますの。ぜひ陛下のお力で、心に傷を負ったアナスタシア様を癒して差し上げて下さいませ」
満面の笑みでふざけたことを言うクロハ。好き勝手言って…
とにかく私は、令嬢を無理やり妻にするつもりはない!それだけは譲れないのだ。
「陛下、そろそろ夕食のお時間です。私はアナスタシア様の元に戻りますので。いいですか?きちんと湯あみをして、清潔にしていらしてくださいよ」
そう私に伝え、去っていくクロハ。汗をかいたのだから、湯あみをするのは当然だ!本当にクロハは口うるさいのだから。
とにかく、アナスタシア嬢を待たせては大変だ。急いで湯あみを済ませ、食堂へと向かう。よかった、まだアナスタシア嬢は来ていない。私が席に付いたタイミングで、彼女がやって来た。
瞳の色に合わせた、エメラルドグリーンのドレスに身を包んだ彼女は、やはり美しい。
「陛下、お待たせして申し訳ございません」
ペコリと頭を下げると、早速食事がスタートした。
「この国のお魚は本当に新鮮でおいしいですわ。まさかお魚を生で食べる事になるなんて。私の国では、お魚は火を通して食べるのが一般的でしたので」
「気に入ってもらえてよかった。アナスタシア嬢のいた国には、海はなかったのかい?」
「海はありましたが、王都から離れておりましたので。あまり海を見る機会もなかったのです。私は王都から出る事を、禁止されておりましたし…」
少し悲しそうに笑ったアナスタシア嬢。
「すまない、辛い事も思い出させてしまったかな?こっちは岩塩と呼ばれる塩だ。この塩はなんにでも合うんだよ。お肉にかけても美味しいよ」
とにかく話題を変えないと、そう思い、近くにあった塩を取り出し話を振った。
「本当ですわ。とても美味しいです。この国の食べ物は、どれも本当に美味しいですね。それに、陛下と一緒にお食事を頂いているから、なおの事美味しく感じるのかもしれませんね。やはり、誰かとこうやって話をしながら頂く食事が一番ですわ。陛下、私と食べて下さり、ありがとうございます」
そう言うと、アナスタシア嬢が嬉しそうに微笑んだのだ。その微笑を見た瞬間、一気に鼓動が早くなる。
「こ…こっちこそ、いつも1人で寂しく食べていたから、こうやってアナスタシア嬢が一緒に食べてくれると、嬉しいよ」
そう伝えた。その後も、和やかな空気の中、食事が進んだ。それにしても、食事1つとっても、アナスタシア嬢の動きは洗練されている。クロハの言う通り、かなり高貴な身分だったのだろう。そんな女性が、一体なぜ国に帰れないなどというのだろう。
もしかして家族が謀反を起こし、家が潰されたのかもしれないな。そうだとしたら、我が国でしっかり保護しないと。
早速稽古場で汗を流す。するとそこに、クロハがやって来た。
「陛下、こんなところにいらしたのですね。陛下、何ですか、あの情けない姿は!令嬢への免疫がないのは分かりますが、もう少しスマートにエスコートできないのですか?それにしても陛下を見ても、怖がらない令嬢が現れるだなんて…いいですか!陛下、このチャンスを絶対に逃してはいけません。幸いアナスタシア様は、自国に帰るつもりもないようですし。このまま陛下の妻として…」
「おい、勝手な事を言うのは止めてくれ。彼女にだって、選ぶ権利があるんだ!それに、自国に帰れない彼女を、無理やり妻になど…」
「陛下、そんな弱気でどうするのですか?少なくともアナスタシア様は、今の時点であなた様に悪い印象を持っていらっしゃいません。それに、強い男性に魅力を感じていらっしゃる様でしたので、どんどんご自分をアピールするべきです。それとも、アナスタシア様では役不足とおっしゃるのですか?」
「な…何て失礼な事を言うんだ!彼女は非常に魅力的な令嬢だぞ!あんなにも素敵な令嬢が、私の妻になんてなってくれる訳がないだろう」
「それがいけないのです!本当に国王としては非常に優秀ですのに、令嬢の事になると途端にダメ人間になってしまわれるのですから!いいですか?またとないチャンスを、逃がすべきではありません!」
クロハのあまりの迫力に、圧倒されてしまう。クロハは元々私の世話係だった人物。いわば母親代わりの様な存在なのだ。そんなクロハには、実は私も強くは言えない。
「わ…わかった。でも私は、アナスタシア嬢を無理に手に入れる様なことはしたくない。それに彼女、何か心に深い傷を負っている様だし…」
「ええ、分かっておりますわ。アナスタシア様の時折寂しそうな顔が、私も気になっておりますの。ぜひ陛下のお力で、心に傷を負ったアナスタシア様を癒して差し上げて下さいませ」
満面の笑みでふざけたことを言うクロハ。好き勝手言って…
とにかく私は、令嬢を無理やり妻にするつもりはない!それだけは譲れないのだ。
「陛下、そろそろ夕食のお時間です。私はアナスタシア様の元に戻りますので。いいですか?きちんと湯あみをして、清潔にしていらしてくださいよ」
そう私に伝え、去っていくクロハ。汗をかいたのだから、湯あみをするのは当然だ!本当にクロハは口うるさいのだから。
とにかく、アナスタシア嬢を待たせては大変だ。急いで湯あみを済ませ、食堂へと向かう。よかった、まだアナスタシア嬢は来ていない。私が席に付いたタイミングで、彼女がやって来た。
瞳の色に合わせた、エメラルドグリーンのドレスに身を包んだ彼女は、やはり美しい。
「陛下、お待たせして申し訳ございません」
ペコリと頭を下げると、早速食事がスタートした。
「この国のお魚は本当に新鮮でおいしいですわ。まさかお魚を生で食べる事になるなんて。私の国では、お魚は火を通して食べるのが一般的でしたので」
「気に入ってもらえてよかった。アナスタシア嬢のいた国には、海はなかったのかい?」
「海はありましたが、王都から離れておりましたので。あまり海を見る機会もなかったのです。私は王都から出る事を、禁止されておりましたし…」
少し悲しそうに笑ったアナスタシア嬢。
「すまない、辛い事も思い出させてしまったかな?こっちは岩塩と呼ばれる塩だ。この塩はなんにでも合うんだよ。お肉にかけても美味しいよ」
とにかく話題を変えないと、そう思い、近くにあった塩を取り出し話を振った。
「本当ですわ。とても美味しいです。この国の食べ物は、どれも本当に美味しいですね。それに、陛下と一緒にお食事を頂いているから、なおの事美味しく感じるのかもしれませんね。やはり、誰かとこうやって話をしながら頂く食事が一番ですわ。陛下、私と食べて下さり、ありがとうございます」
そう言うと、アナスタシア嬢が嬉しそうに微笑んだのだ。その微笑を見た瞬間、一気に鼓動が早くなる。
「こ…こっちこそ、いつも1人で寂しく食べていたから、こうやってアナスタシア嬢が一緒に食べてくれると、嬉しいよ」
そう伝えた。その後も、和やかな空気の中、食事が進んだ。それにしても、食事1つとっても、アナスタシア嬢の動きは洗練されている。クロハの言う通り、かなり高貴な身分だったのだろう。そんな女性が、一体なぜ国に帰れないなどというのだろう。
もしかして家族が謀反を起こし、家が潰されたのかもしれないな。そうだとしたら、我が国でしっかり保護しないと。
212
あなたにおすすめの小説
あなたへの愛を捨てた日
柴田はつみ
恋愛
公爵夫人エステルは、冷徹な夫レオニスを心から愛していた。彼の好みを調べ、帰宅を待ちわび、献身的に尽くす毎日。
しかし、ある夜会の回廊で、エステルは残酷な真実を知る。
レオニスが、未亡人クラリスの手を取り囁いていたのだ。
「君のような(自立した)女性が、私の隣にいるべきだった」
エステルは悟る。自分の愛は彼にとって「重荷」であり、自分という人間は彼にとって「不足」だったのだと。その瞬間、彼女の中で何かが音を立てて砕け散る。
【完結】もう辛い片想いは卒業して結婚相手を探そうと思います
ユユ
恋愛
大家族で大富豪の伯爵家に産まれた令嬢には
好きな人がいた。
彼からすれば誰にでも向ける微笑みだったが
令嬢はそれで恋に落ちてしまった。
だけど彼は私を利用するだけで
振り向いてはくれない。
ある日、薬の過剰摂取をして
彼から離れようとした令嬢の話。
* 完結保証付き
* 3万文字未満
* 暇つぶしにご利用下さい
婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
余命わずかな私は、好きな人に愛を伝えて素っ気なくあしらわれる日々を楽しんでいる
ラム猫
恋愛
王城の図書室で働くルーナは、見た目には全く分からない特殊な病により、余命わずかであった。悲観はせず、彼女はかねてより憧れていた冷徹な第一騎士団長アシェンに毎日愛を告白し、彼の困惑した反応を見ることを最後の人生の楽しみとする。アシェンは一貫してそっけない態度を取り続けるが、ルーナのひたむきな告白は、彼の無関心だった心に少しずつ波紋を広げていった。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも同じ作品を投稿しています
※全十七話で完結の予定でしたが、勝手ながら二話ほど追加させていただきます。公開は同時に行うので、完結予定日は変わりません。本編は十五話まで、その後は番外編になります。
愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」
「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」
「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」
貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・?
何故、私を愛するふりをするのですか?
[登場人物]
セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。
×
ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。
リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。
アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?
醜女の私と政略結婚した旦那様の様子がおかしい
サトウミ
恋愛
この国一番の醜女である私と結婚したイバン様。眉目秀麗で数多の女性と浮き名を流した彼は、不祥事を起こしたせいで私なんかと結婚することになってしまった。それでも真面目な彼は、必死に私を愛そうと努力してくださる。
──無駄な努力だ。
こんな色白で目と胸の大きい女を、愛せるはずがない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる