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第24話:罪は償ってもらう~ルイス視点~
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「マルモット、本当に君は、アナスタシアが輿入れしてくる事を、楽しみにしていたのかい?」
マルモットの発言がどうしても許せなくて、再度マルモットに確認する。
「ええ、もちろんですわ!アナスタシアは私の親友ですもの。どうしてそんな事を聞くのですか?ルイス様だって、私がアナスタシアが目覚めなくて、悲しんでいたのを知っているではありませんか?」
瞳に涙を浮かべて、マルモットが話しかけてくる。こいつ、涙まで浮かべている、さすがだな。僕もすっかり、この女の演技に騙されていた。
「そうか…わかったよ。それじゃあ、これを聞いてくれるかい?」
アナスタシアが姿を消した昨日のマルモットとアナスタシアの会話を再生させた。やはり何度聞いても、腸が煮えくり返る会話だ!
「この音声をどうやって手に入れたのですか?あの場所には、私とアナスタシアしかいなかったはずなのに!どうして…」
真っ青な顔をして、呟いている。
「アナスタシアの耳には、昔僕があげた録音機能付きのイヤリングが付いていたんだよ。3年前は犯人を特定できる音声を拾っていなかったのに。まさか今回、真犯人が自ら暴露するとはね…そしてアナスタシアに毒を盛った張本人と結婚してしまうなんて…」
「お待ちください、ルイス様。これは誤解です。ですから…」
「僕に気安く触ったり名前を呼ばないでくれ!君が昨日アナスタシアに贈った毒を公爵家から回収して調べたが、確かに3年前アナスタシアに使われた毒と同じだった。公爵令嬢で当時僕の婚約者だったアナスタシアに毒を盛るだなんて、このままお咎めなしという訳にはいかないぞ!とにかく僕は、君との婚姻を継続する事なんて、とてもできない!」
僕に触れようとしたマルモットを振り払い、はっきりと告げた。
「そんな…」
その場にへたり込み、涙を流すマルモット。どうしてこの女が涙を流すんだ!泣きたいのはこっちだ。いいや…泣きたいのはアナスタシアだろう。まさか親友に毒を盛られただけでなく、婚約者まで取られるだなんて…
可哀そうなアナスタシア。早く見つけ出して、今度こそ僕が幸せにしてあげないと!
「殿下、落ち着いて下さい。確かにマルモットが行った事は、極刑に値する事です。でも、今更そんな事を言われても。現にあなた様達王族は、アナスタシア嬢のメイドを犯人として、裁きを下したではありませんか。今更マルモットが犯人だったと他の貴族たちに知られては、王族はあの時きちんと調査をしなかったのか!と、王家にまで火の粉が被ります」
必死にスィーツリィ侯爵が訴えかけてくる。
「その事なのだが、真実を知ってしまった以上、このままマルモットをルイスの妻にしておく訳にはいかない。そこでだ、マルモットは重い病気にかかった後病死したという事にして、これから死ぬまでずっと幽閉するという事でどうだろう?」
「幽閉ですって!そんな…お父様、何とかしてください!3年前だって、お父様が毒を準備して、あの女のメイドに罪を擦り付ける様手配してくださったのではありませんか?どうか今回も…」
「マルモット、お前は何を言っているのだ!陛下、申し訳ございません。マルモットは少し混乱している様で。マルモットの幽閉の件、承知いたしました!とにかくこれ以上、大事にはしたくありませんので」
「そんな…お父様!酷いですわ…私、幽閉なんてされたくない!せっかくあの女からルイス様を奪い取ったのに…ルイス様、私は確かに罪を犯しました。でも…ルイス様を愛するがあまりに、度を越してしまったのです。どうかご慈悲を…」
「何がご慈悲だ!君の醜い行動のせいで、アナスタシアも僕も深く傷ついたのだぞ!そもそも君がアナスタシアに毒を盛らなければ、今頃僕たちは王宮で平和に暮らしていたのに!僕たちの幸せな未来を奪っておいて、何がご慈悲をだ!君にはこの国で一番過酷と言われる、最北にある施設に行ってもらう。そこで一生暮らすんだ」
「そんな…あそこは1年生きれたらいいところと言われているくらい、過酷な場所です。あんな場所に入れられたら、私は…」
「とにかく、これ以上話は不要だ!施設への移動が整うまで、地下牢に閉じ込めておけ!」
近くにいた騎士たちに指示を出す。
「イヤ…ルイス様!どうかご慈悲を…ルイス様!!」
泣き叫びながら去っていくマルモット。
「陛下、王妃殿下、ルイス殿下、この度は娘の不始末、大変申し訳ございませんでした。あの子は混乱すると、訳の分からない事を言う癖がありまして…私はマルモットがアナスタシア嬢に毒を盛った事など、全く知りませんでした。ですので…」
「分かっている。スィーツリィ侯爵には、辛い決断をさせてしまった事、申し訳なく思っている。もう下がってもよい」
「それでは失礼いたします」
ペコリと頭を下げて去っていくスィーツリィ侯爵。
「父上、本当にあの男は、マルモットの悪事を知らなかったのでしょうか?」
「…いいや、きっとマルモットが言った通り、侯爵も絡んでいるのだろう。侯爵に関しては、私の方で調査を進めよう。ルイスは引き続き、アナスタシア嬢の捜索を」
「もちろんです。一刻も早くアナスタシアを探さないと!可哀そうに、全てに絶望したアナスタシアは、きっと今も辛い思いをしているはずです。必ずアナスタシアを見つけ出して見せます」
その後僕は、王太子の仕事を行いながら、必死にアナスタシアを探した。でも…どんなに必死に探しても、アナスタシアは見つからないどころか、手がかりすら見つからなかった。
そうしている間に、スィーツリィ侯爵家が毒物栽培の容疑で逮捕、侯爵はマルモットと同じ場所に幽閉され、侯爵家も取り潰された。
さらにマルモットが幽閉先で、命を落としたとの連絡も入って来た。ちょうどアナスタシアがいなくなって、半年が立とうとしている時だった。
アナスタシアを苦しめたあの女はもうこの世にいない。でも…肝心のアナスタシアが、未だに見つからないのだ。
周りからは、もうアナスタシアはこの世にはいないだろう、いい加減諦めた方がいいとまで言われていた。そんな中、今回アナスタシアが生きているという話が舞い込んできたのだ。
待ち望んだアナスタシア生存の知らせ。
待っていてくれ、アナスタシア。今すぐに迎えに行くから…
※次回、アナスタシア視点に戻ります。
マルモットの発言がどうしても許せなくて、再度マルモットに確認する。
「ええ、もちろんですわ!アナスタシアは私の親友ですもの。どうしてそんな事を聞くのですか?ルイス様だって、私がアナスタシアが目覚めなくて、悲しんでいたのを知っているではありませんか?」
瞳に涙を浮かべて、マルモットが話しかけてくる。こいつ、涙まで浮かべている、さすがだな。僕もすっかり、この女の演技に騙されていた。
「そうか…わかったよ。それじゃあ、これを聞いてくれるかい?」
アナスタシアが姿を消した昨日のマルモットとアナスタシアの会話を再生させた。やはり何度聞いても、腸が煮えくり返る会話だ!
「この音声をどうやって手に入れたのですか?あの場所には、私とアナスタシアしかいなかったはずなのに!どうして…」
真っ青な顔をして、呟いている。
「アナスタシアの耳には、昔僕があげた録音機能付きのイヤリングが付いていたんだよ。3年前は犯人を特定できる音声を拾っていなかったのに。まさか今回、真犯人が自ら暴露するとはね…そしてアナスタシアに毒を盛った張本人と結婚してしまうなんて…」
「お待ちください、ルイス様。これは誤解です。ですから…」
「僕に気安く触ったり名前を呼ばないでくれ!君が昨日アナスタシアに贈った毒を公爵家から回収して調べたが、確かに3年前アナスタシアに使われた毒と同じだった。公爵令嬢で当時僕の婚約者だったアナスタシアに毒を盛るだなんて、このままお咎めなしという訳にはいかないぞ!とにかく僕は、君との婚姻を継続する事なんて、とてもできない!」
僕に触れようとしたマルモットを振り払い、はっきりと告げた。
「そんな…」
その場にへたり込み、涙を流すマルモット。どうしてこの女が涙を流すんだ!泣きたいのはこっちだ。いいや…泣きたいのはアナスタシアだろう。まさか親友に毒を盛られただけでなく、婚約者まで取られるだなんて…
可哀そうなアナスタシア。早く見つけ出して、今度こそ僕が幸せにしてあげないと!
「殿下、落ち着いて下さい。確かにマルモットが行った事は、極刑に値する事です。でも、今更そんな事を言われても。現にあなた様達王族は、アナスタシア嬢のメイドを犯人として、裁きを下したではありませんか。今更マルモットが犯人だったと他の貴族たちに知られては、王族はあの時きちんと調査をしなかったのか!と、王家にまで火の粉が被ります」
必死にスィーツリィ侯爵が訴えかけてくる。
「その事なのだが、真実を知ってしまった以上、このままマルモットをルイスの妻にしておく訳にはいかない。そこでだ、マルモットは重い病気にかかった後病死したという事にして、これから死ぬまでずっと幽閉するという事でどうだろう?」
「幽閉ですって!そんな…お父様、何とかしてください!3年前だって、お父様が毒を準備して、あの女のメイドに罪を擦り付ける様手配してくださったのではありませんか?どうか今回も…」
「マルモット、お前は何を言っているのだ!陛下、申し訳ございません。マルモットは少し混乱している様で。マルモットの幽閉の件、承知いたしました!とにかくこれ以上、大事にはしたくありませんので」
「そんな…お父様!酷いですわ…私、幽閉なんてされたくない!せっかくあの女からルイス様を奪い取ったのに…ルイス様、私は確かに罪を犯しました。でも…ルイス様を愛するがあまりに、度を越してしまったのです。どうかご慈悲を…」
「何がご慈悲だ!君の醜い行動のせいで、アナスタシアも僕も深く傷ついたのだぞ!そもそも君がアナスタシアに毒を盛らなければ、今頃僕たちは王宮で平和に暮らしていたのに!僕たちの幸せな未来を奪っておいて、何がご慈悲をだ!君にはこの国で一番過酷と言われる、最北にある施設に行ってもらう。そこで一生暮らすんだ」
「そんな…あそこは1年生きれたらいいところと言われているくらい、過酷な場所です。あんな場所に入れられたら、私は…」
「とにかく、これ以上話は不要だ!施設への移動が整うまで、地下牢に閉じ込めておけ!」
近くにいた騎士たちに指示を出す。
「イヤ…ルイス様!どうかご慈悲を…ルイス様!!」
泣き叫びながら去っていくマルモット。
「陛下、王妃殿下、ルイス殿下、この度は娘の不始末、大変申し訳ございませんでした。あの子は混乱すると、訳の分からない事を言う癖がありまして…私はマルモットがアナスタシア嬢に毒を盛った事など、全く知りませんでした。ですので…」
「分かっている。スィーツリィ侯爵には、辛い決断をさせてしまった事、申し訳なく思っている。もう下がってもよい」
「それでは失礼いたします」
ペコリと頭を下げて去っていくスィーツリィ侯爵。
「父上、本当にあの男は、マルモットの悪事を知らなかったのでしょうか?」
「…いいや、きっとマルモットが言った通り、侯爵も絡んでいるのだろう。侯爵に関しては、私の方で調査を進めよう。ルイスは引き続き、アナスタシア嬢の捜索を」
「もちろんです。一刻も早くアナスタシアを探さないと!可哀そうに、全てに絶望したアナスタシアは、きっと今も辛い思いをしているはずです。必ずアナスタシアを見つけ出して見せます」
その後僕は、王太子の仕事を行いながら、必死にアナスタシアを探した。でも…どんなに必死に探しても、アナスタシアは見つからないどころか、手がかりすら見つからなかった。
そうしている間に、スィーツリィ侯爵家が毒物栽培の容疑で逮捕、侯爵はマルモットと同じ場所に幽閉され、侯爵家も取り潰された。
さらにマルモットが幽閉先で、命を落としたとの連絡も入って来た。ちょうどアナスタシアがいなくなって、半年が立とうとしている時だった。
アナスタシアを苦しめたあの女はもうこの世にいない。でも…肝心のアナスタシアが、未だに見つからないのだ。
周りからは、もうアナスタシアはこの世にはいないだろう、いい加減諦めた方がいいとまで言われていた。そんな中、今回アナスタシアが生きているという話が舞い込んできたのだ。
待ち望んだアナスタシア生存の知らせ。
待っていてくれ、アナスタシア。今すぐに迎えに行くから…
※次回、アナスタシア視点に戻ります。
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