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第26話:国に帰らないといけない様です
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正室として受け入れる…か…
マルモットがいなくなった今、確かにもう私が国に帰らない理由はない。でも…
無意識にカイ様を見た。すると、スッと目をそらされてしまった。
「ルイス様、1つお伺いしてもいいでしょうか?どうして私がこの国にいる事を知っているのですか?」
「ああ、それならバーイン王国の国王陛下が知らせてくれたんだ。僕が君を探していると知ってね。国王陛下、教えていただき、本当にありがとうございました」
ルイス様が、カイ様に頭を下げる。
「…いや…その…私は別に…」
カイ様はそう呟くと、俯いてしまった。そうか、カイ様はやっぱり私がどこの馬の骨か分からず、気になって私の身元を調査したのね。きっとずっとこの国に置いておきたくなかったのだわ。
そうよね、この国はずっと戦争に巻き込まれていた国。そんな中、どこの馬の骨とも分からない私を、無条件でずっとは置いておけないわよね…
でも、私は…
「ルイス様…国に帰る件、少し考えさせていただけませんか?急な出来事で、少し頭が混乱してしまって…」
「君は何を言っているのだ。アナスタシアはカルビア王国の公爵令嬢で、僕の婚約者なんだよ!考える余地なんてない。とにかく、すぐに国に帰ろう」
そう言うと、私の腕を掴んだルイス様。
「ルイス殿下、お待ちください。アナスタシア…嬢も急にあなた様がいらして、色々と混乱している事でしょう。どうか少しお時間を与えてあげてはいかがでしょうか?それまでは、我が国でゆっくりして行ってください」
「カイ国王陛下、お気遣いありがとうございます。しかし私は王太子という身。この国に来るだけで既に10日以上かかっております。あまり国を留守にする事も出来ませんので、明日にはアナスタシアを連れて帰国いたします」
明日には帰るですって。急にそんな事を言われても困るわ。
「ルイス様、私は半年以上の間、この国でお世話になって参りました。身も心も傷つき生きる希望すら消えかけていた私を、カイ様やクロハが支えてくれたのです。それに私は、この国が好きです。ですから…」
「アナスタシア、何を言っているのだい?君はスィーツリィ公爵家の令嬢で、僕の婚約者なのだよ!そんな我が儘が許されるとでも思っているのかい?とにかく、明日は僕と国に帰るんだ。そしてこれからはずっと2人で幸せに暮らすんだよ。アナスタシア、もう全てが解決したんだ。だから、安心して国に帰ってこればいい。君が帰る場所は、カルビア王国なのだから」
全てが解決した…
私が帰る場所は、カルビア王国…
「とにかく、明日にはこの国を出るから、今日中に国を出る準備をしておくように。いいね、わかったね」
「…はい…分かりましたわ…それでは私は準備がありますので、これで失礼いたします」
そのまま部屋から出て、自室に向かう。私はやっぱり、カルビア王国に連れ戻される運命なのね…
真実が明るみに出て、大好きだったルイス様の元に戻れる、それも正室として。でも…
ふと部屋から見える海を見る。今日も美しいエメラルドグリーンをした海。綺麗ね…
その時だった。
「アナスタシア、今大丈夫かい?」
私を訪ねて来たのは、カイ様だ
「はい、大丈夫ですわ」
カイ様を部屋に招き入れる。
「アナスタシア、その…よかったな、ルイス殿下が迎えに来てくれて。殿下から話しは聞いたよ。君は親友に裏切られたショックで、国を出てきたらしいね。でも、その女はもういない。君は随分苦労をしたんだ。だから、今度こそ、幸せになるんだよ」
そう言うと、ほほ笑んだカイ様。
「カイ様、私は国には戻りたくは…」
「アナスタシア、意地を張るのは良くないよ。きっと国に戻れば、幸せな日々が待っている。カルビア王国は戦争もない平和な国だ。いつ戦争が始まるかもしれない我が国にいるより、ずっと安全だよ」
「ですが…」
「それに、ルイス殿下はとても美しい男性だね。アナスタシアだって、彼を愛していたのだろう?きっと彼が、君を幸せにしてくれるよ」
カイ様は、私がルイス様と結婚して幸せになってくれることを望んでいるのね。でも私は…
「分かりましたわ…カイ様、正体の分からない私を、半年以上もこの国においていただき、ありがとうございました」
カイ様に頭を下げた。
「私は別に…」
「カイ様、申し訳ございませんが、今から帰国の準備を行いますので…」
「あ…ああ、そうだな。わかったよ。それじゃあ、私は失礼する」
そう言うと、カイ様は部屋から出て行った。その瞬間、今まで我慢していた涙が溢れ出した。私は確かに、ルイス様を愛していた。でも、マルモットに裏切られ、リーナを殺され、そしてルイス様はマルモットと結婚した。
ルイス様も王太子として、婚約者の座を開けておく訳にはいかなかったのだろう。わかってはいるが、私はショックだったのだ。
絶望の中出会ったのが、カイ様だった。カイ様と過ごすうちに、どんどん彼に惹かれて行った。たとえ気持ちが伝わらなくても、それでも私は彼のそばにいられたら、そう思っていた。でも…
その願いはもう二度と叶わない。だからと言って、ルイス様の元に戻り、また両親の操り人形として生きるのはどうしても受け入れられない。
だとすればと、私が出来る事は…
カイ様、恩を仇で返すような事をしてごめんなさい。でも私は、やっぱりカルビア王国には帰りたくはないのです。
※次回、カイ視点です。
マルモットがいなくなった今、確かにもう私が国に帰らない理由はない。でも…
無意識にカイ様を見た。すると、スッと目をそらされてしまった。
「ルイス様、1つお伺いしてもいいでしょうか?どうして私がこの国にいる事を知っているのですか?」
「ああ、それならバーイン王国の国王陛下が知らせてくれたんだ。僕が君を探していると知ってね。国王陛下、教えていただき、本当にありがとうございました」
ルイス様が、カイ様に頭を下げる。
「…いや…その…私は別に…」
カイ様はそう呟くと、俯いてしまった。そうか、カイ様はやっぱり私がどこの馬の骨か分からず、気になって私の身元を調査したのね。きっとずっとこの国に置いておきたくなかったのだわ。
そうよね、この国はずっと戦争に巻き込まれていた国。そんな中、どこの馬の骨とも分からない私を、無条件でずっとは置いておけないわよね…
でも、私は…
「ルイス様…国に帰る件、少し考えさせていただけませんか?急な出来事で、少し頭が混乱してしまって…」
「君は何を言っているのだ。アナスタシアはカルビア王国の公爵令嬢で、僕の婚約者なんだよ!考える余地なんてない。とにかく、すぐに国に帰ろう」
そう言うと、私の腕を掴んだルイス様。
「ルイス殿下、お待ちください。アナスタシア…嬢も急にあなた様がいらして、色々と混乱している事でしょう。どうか少しお時間を与えてあげてはいかがでしょうか?それまでは、我が国でゆっくりして行ってください」
「カイ国王陛下、お気遣いありがとうございます。しかし私は王太子という身。この国に来るだけで既に10日以上かかっております。あまり国を留守にする事も出来ませんので、明日にはアナスタシアを連れて帰国いたします」
明日には帰るですって。急にそんな事を言われても困るわ。
「ルイス様、私は半年以上の間、この国でお世話になって参りました。身も心も傷つき生きる希望すら消えかけていた私を、カイ様やクロハが支えてくれたのです。それに私は、この国が好きです。ですから…」
「アナスタシア、何を言っているのだい?君はスィーツリィ公爵家の令嬢で、僕の婚約者なのだよ!そんな我が儘が許されるとでも思っているのかい?とにかく、明日は僕と国に帰るんだ。そしてこれからはずっと2人で幸せに暮らすんだよ。アナスタシア、もう全てが解決したんだ。だから、安心して国に帰ってこればいい。君が帰る場所は、カルビア王国なのだから」
全てが解決した…
私が帰る場所は、カルビア王国…
「とにかく、明日にはこの国を出るから、今日中に国を出る準備をしておくように。いいね、わかったね」
「…はい…分かりましたわ…それでは私は準備がありますので、これで失礼いたします」
そのまま部屋から出て、自室に向かう。私はやっぱり、カルビア王国に連れ戻される運命なのね…
真実が明るみに出て、大好きだったルイス様の元に戻れる、それも正室として。でも…
ふと部屋から見える海を見る。今日も美しいエメラルドグリーンをした海。綺麗ね…
その時だった。
「アナスタシア、今大丈夫かい?」
私を訪ねて来たのは、カイ様だ
「はい、大丈夫ですわ」
カイ様を部屋に招き入れる。
「アナスタシア、その…よかったな、ルイス殿下が迎えに来てくれて。殿下から話しは聞いたよ。君は親友に裏切られたショックで、国を出てきたらしいね。でも、その女はもういない。君は随分苦労をしたんだ。だから、今度こそ、幸せになるんだよ」
そう言うと、ほほ笑んだカイ様。
「カイ様、私は国には戻りたくは…」
「アナスタシア、意地を張るのは良くないよ。きっと国に戻れば、幸せな日々が待っている。カルビア王国は戦争もない平和な国だ。いつ戦争が始まるかもしれない我が国にいるより、ずっと安全だよ」
「ですが…」
「それに、ルイス殿下はとても美しい男性だね。アナスタシアだって、彼を愛していたのだろう?きっと彼が、君を幸せにしてくれるよ」
カイ様は、私がルイス様と結婚して幸せになってくれることを望んでいるのね。でも私は…
「分かりましたわ…カイ様、正体の分からない私を、半年以上もこの国においていただき、ありがとうございました」
カイ様に頭を下げた。
「私は別に…」
「カイ様、申し訳ございませんが、今から帰国の準備を行いますので…」
「あ…ああ、そうだな。わかったよ。それじゃあ、私は失礼する」
そう言うと、カイ様は部屋から出て行った。その瞬間、今まで我慢していた涙が溢れ出した。私は確かに、ルイス様を愛していた。でも、マルモットに裏切られ、リーナを殺され、そしてルイス様はマルモットと結婚した。
ルイス様も王太子として、婚約者の座を開けておく訳にはいかなかったのだろう。わかってはいるが、私はショックだったのだ。
絶望の中出会ったのが、カイ様だった。カイ様と過ごすうちに、どんどん彼に惹かれて行った。たとえ気持ちが伝わらなくても、それでも私は彼のそばにいられたら、そう思っていた。でも…
その願いはもう二度と叶わない。だからと言って、ルイス様の元に戻り、また両親の操り人形として生きるのはどうしても受け入れられない。
だとすればと、私が出来る事は…
カイ様、恩を仇で返すような事をしてごめんなさい。でも私は、やっぱりカルビア王国には帰りたくはないのです。
※次回、カイ視点です。
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