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第37話:前を向いて進みたいです
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笑顔で私たちの方にやって来たのは、友人達だ。よかったわ。さらに
「私もご一緒してもいいかしら?」
美しい微笑を浮かべたセレナ様までやって来たと思ったら、なぜか私の隣に並んだのだ。どうして私の隣にやって来たのだろう?不思議でたまらない。
ただ、2人の姿を見ても、もう胸が痛まない。私、もう大丈夫だ。それがなんだか嬉しくてたまらない。
「ユーリ、そんなに嬉しそうな顔をしてどうしたの?」
「何でもないのよ、レーナ。今日あなた達が来るのを、楽しみにしているわね。それじゃあ、また後でね」
門のところまで来ると、そのまま友人たちに手を振って馬車に乗り込んだ。
「待ってくれ、ユーリ。僕は君と話が…」
なぜか私の方に向かって走って来るアレックス様の姿が目に入ったが、扉を閉めそのまま走り出した。そもそもあの人、ずっとセレナ様の虜だったじゃない。私が苦労して買ってきたお菓子だって、セレナ様と一緒に召し上がっていたし。
私がアレックス様と距離を取ると、急に言い寄ってきたりして…正直信用できないのよね。ただ、アレックス様は大切な幼馴染だ。ディアンが王都に戻って来たとき、私とアレックス様の仲がギクシャクしていたら、きっと悲しむだろう。
ディアンにとって、私もアレックス様も大切な幼馴染なのだ。だから彼の為にも、最低限の関係は築いておかないと。
屋敷に着くと、昼食を頂き、3人が来るのを部屋で待つ。しばらく待っていると
「お嬢様、レーナ様、カリン様、マリアン様がお見えになられました」
「分かったわ、すぐに行くわね」
皆が来てくれた様だ。急いで皆の待つ居間へと向かった。
「皆、来てくれてありがとう。話したい事が色々とあって」
「私たちも、ユーリに聞きたい事が沢山あるの」
「ユーリ、アレックス様と何かあったの?今日やたらユーリに絡んでいた様だけれど…それに、半期休みに入る前も、ユーリの事を気にしていた様だったし」
「散々ユーリに冷たい態度を取っていたのに、本当にどうなっているの?」
「皆、落ち着いて。とにかくまずはお茶にしましょう。それからこれ、お土産のポプリよ。今日学院で渡そうと思ったのだけれど、皆が家に来てくれることになったから」
早速ポプリを皆に渡した。
「とても可愛いポプリね。それもいい香りがするわ…このポプリ、カスタマーディス伯爵領の特産品ではなかったかしら?」
そう呟いたのは、マリアンだ。
「さすがマリアンね、実はね、半期休みに領地に向かう途中に、ちょっとカスタマーディス伯爵家の領地にお邪魔させてもらったの。そこで貰ったのよ。ほら、私、カスタマーディス伯爵家のディアンとは幼馴染でしょう?だから久しぶりに会ったの」
「ディアン様と言えば、体が弱くてずっと領地で暮していたのよね。そういえばあなた達、昔とても仲が良かったのよね。もしかしてそれで、ディアン様と恋仲になったとか?」
「ちょっと、どうしてそういう話になるのよ。ディアンは私にとって、大切な幼馴染よ。ただ…ディアンのお陰で、アレックス様を忘れる事が出来たの。でも…」
アレックス様の事、3人になんて言ったらいいのかしら?
「今まで何をしても自分から離れていかなかったユーリに急に距離を置かれた事で、ユーリがいかに自分にとって大切な存在か気が付いた。みたいなことを言われたの?」
「僕にはユーリしかいない、今まで冷たくしてごめんね。これからはずっと一緒だ。とか、臭いセリフを吐いていたりして…」
「それにしても、今まで散々ユーリを傷つけ、その上セレナ様に夢中だったくせに。図々しい男ね」
「どうして皆、アレックス様が私に言い寄って来た事を知っているの?もしかして、アレックス様から相談されていたの?」
ビックリして3人に聞き返した。
「どうして私たちが、あの男の相談に乗らないといけないのよ。見ていたら分かるわ、それにしても、本当に図々しい男。ユーリがどんな思いで、あの男を諦めようとしたか」
「本当よね、6度もユーリの告白を断ったくせに」
「結局あの男は、自分の事しか考えていないのよ。正直あんな男にユーリを渡したくはない。でも、ユーリはずっとあの男が好きだったのだものね。だからもし、ユーリがアレックス様を受け入れるというのなら、私たちは止めないわ」
「皆…」
真っすぐ私を見つめてくる3人。
「ありがとう、皆。私ね、今日、アレックス様とセレナ様の姿を見ても、何にも思わなかったの。それと同時に、私は前に進みたい。もうアレックス様に振り回されたくはない。そう強く思ったわ。ただ、アレックス様は私の大切な幼馴染だから、これからは友人の1人として接していけたら…」
そう言いかけた時だった。
「私もご一緒してもいいかしら?」
美しい微笑を浮かべたセレナ様までやって来たと思ったら、なぜか私の隣に並んだのだ。どうして私の隣にやって来たのだろう?不思議でたまらない。
ただ、2人の姿を見ても、もう胸が痛まない。私、もう大丈夫だ。それがなんだか嬉しくてたまらない。
「ユーリ、そんなに嬉しそうな顔をしてどうしたの?」
「何でもないのよ、レーナ。今日あなた達が来るのを、楽しみにしているわね。それじゃあ、また後でね」
門のところまで来ると、そのまま友人たちに手を振って馬車に乗り込んだ。
「待ってくれ、ユーリ。僕は君と話が…」
なぜか私の方に向かって走って来るアレックス様の姿が目に入ったが、扉を閉めそのまま走り出した。そもそもあの人、ずっとセレナ様の虜だったじゃない。私が苦労して買ってきたお菓子だって、セレナ様と一緒に召し上がっていたし。
私がアレックス様と距離を取ると、急に言い寄ってきたりして…正直信用できないのよね。ただ、アレックス様は大切な幼馴染だ。ディアンが王都に戻って来たとき、私とアレックス様の仲がギクシャクしていたら、きっと悲しむだろう。
ディアンにとって、私もアレックス様も大切な幼馴染なのだ。だから彼の為にも、最低限の関係は築いておかないと。
屋敷に着くと、昼食を頂き、3人が来るのを部屋で待つ。しばらく待っていると
「お嬢様、レーナ様、カリン様、マリアン様がお見えになられました」
「分かったわ、すぐに行くわね」
皆が来てくれた様だ。急いで皆の待つ居間へと向かった。
「皆、来てくれてありがとう。話したい事が色々とあって」
「私たちも、ユーリに聞きたい事が沢山あるの」
「ユーリ、アレックス様と何かあったの?今日やたらユーリに絡んでいた様だけれど…それに、半期休みに入る前も、ユーリの事を気にしていた様だったし」
「散々ユーリに冷たい態度を取っていたのに、本当にどうなっているの?」
「皆、落ち着いて。とにかくまずはお茶にしましょう。それからこれ、お土産のポプリよ。今日学院で渡そうと思ったのだけれど、皆が家に来てくれることになったから」
早速ポプリを皆に渡した。
「とても可愛いポプリね。それもいい香りがするわ…このポプリ、カスタマーディス伯爵領の特産品ではなかったかしら?」
そう呟いたのは、マリアンだ。
「さすがマリアンね、実はね、半期休みに領地に向かう途中に、ちょっとカスタマーディス伯爵家の領地にお邪魔させてもらったの。そこで貰ったのよ。ほら、私、カスタマーディス伯爵家のディアンとは幼馴染でしょう?だから久しぶりに会ったの」
「ディアン様と言えば、体が弱くてずっと領地で暮していたのよね。そういえばあなた達、昔とても仲が良かったのよね。もしかしてそれで、ディアン様と恋仲になったとか?」
「ちょっと、どうしてそういう話になるのよ。ディアンは私にとって、大切な幼馴染よ。ただ…ディアンのお陰で、アレックス様を忘れる事が出来たの。でも…」
アレックス様の事、3人になんて言ったらいいのかしら?
「今まで何をしても自分から離れていかなかったユーリに急に距離を置かれた事で、ユーリがいかに自分にとって大切な存在か気が付いた。みたいなことを言われたの?」
「僕にはユーリしかいない、今まで冷たくしてごめんね。これからはずっと一緒だ。とか、臭いセリフを吐いていたりして…」
「それにしても、今まで散々ユーリを傷つけ、その上セレナ様に夢中だったくせに。図々しい男ね」
「どうして皆、アレックス様が私に言い寄って来た事を知っているの?もしかして、アレックス様から相談されていたの?」
ビックリして3人に聞き返した。
「どうして私たちが、あの男の相談に乗らないといけないのよ。見ていたら分かるわ、それにしても、本当に図々しい男。ユーリがどんな思いで、あの男を諦めようとしたか」
「本当よね、6度もユーリの告白を断ったくせに」
「結局あの男は、自分の事しか考えていないのよ。正直あんな男にユーリを渡したくはない。でも、ユーリはずっとあの男が好きだったのだものね。だからもし、ユーリがアレックス様を受け入れるというのなら、私たちは止めないわ」
「皆…」
真っすぐ私を見つめてくる3人。
「ありがとう、皆。私ね、今日、アレックス様とセレナ様の姿を見ても、何にも思わなかったの。それと同時に、私は前に進みたい。もうアレックス様に振り回されたくはない。そう強く思ったわ。ただ、アレックス様は私の大切な幼馴染だから、これからは友人の1人として接していけたら…」
そう言いかけた時だった。
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