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第59話:一体何が起こったの?
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「ユーリ様はお優しいのですね。アレックス様も、最初からユーリ様を大切にしていれば、あなた様を失う事はなかったのに…それにしても、どうしてユーリ様をあそこまで大切に思っていたのなら、私をお茶に誘ったのかしら?私にはさっぱりわかりませんわ」
首をコテンとかしげ、考え込んでいるセレナ様。その姿がとても可愛くてたまらない。セレナ様は令息がお好きなのだと思っていたが、どうやらそうではなく、断る事が苦手なタイプだった様だ。
「セレナ様は、誰か気になる殿方はいらっしゃらないのですか?とてもお可愛らしくて、令息たちに人気が高いのですから、どなたとでもご婚約できるのではないかと思いまして」
とてもお可愛らしいセレナ様が、未だに誰とも婚約を結んでいないことが、不思議でならないのだ。
「特に気になる殿方は、今のところおりませんわ。それよりも今は、宝石デザイナーのお仕事が楽しくてたまらなくて。いつかこの国一のデザイナーになれたらいいなと、考えていて…」
「国一の宝石デザイナーですか!今のセレナ様なら、きっとなれますわ。だってこんなにも素敵なアクセサリーを、作れるのですもの」
近くにあったイヤリングを手に取り、見つめる。本当に素敵なデザインだ事。
「ユーリ様にそう言ってもらえると、嬉しいですわ。ユーリ様、とりあえず好きな様にデザインして作らせていただいたのですが、もっとこうして欲しいという要望はございますか?」
「こんな素敵なアクセサリー、見たことがありません。それくらい素敵なので、私からは要望はありませんわ。後は木に飾るお花の宝石も、よろしくお願いしますね」
結局木に飾る宝石のお花も、セレナ様にお願いしたのだ。彼女ならきっと、立派な宝石のお花を作ってくれるはずだ。
「宝石のお花も今進めておりますので、もう少々お待ちください。それではアクセサリーの話はこれくらいにして、お茶にしませんか?せっかくユーリ様がいらしてくださったのですもの。もっと色々な話がしたいですわ」
「私もぜひ、セレナ様とお話しがしたいですわ。今回の交流をきっかけに、セレナ様ともお友達になれたら嬉しいです」
私の為に、色々と協力してくれているセレナ様。彼女とならきっとお友達になれる、そう思ったのだ。
「ええ、ぜひお友達に…」
「お取込み中のところ、申し訳ございません。今ファルスィン伯爵家から使いの方がいらっしゃいまして“すぐにお屋敷にお戻りください”との事です」
私達の話に入って来たのは、セレナ様付きのメイドだ。何やらかなり焦っている様だ。
「急に屋敷に戻れとは、一体どういう事かしら?それに私が勝手に戻ったら、ディアンと入れ違いになってしまうし…もしかして、何かあったのかしら?」
「落ち着いて下さい、ユーリ様。わざわざ使いの者をよこすだなんて、きっと何かあったのですわ。もしディアン様がいらしたら、その旨を伝えておきますので。とにかく一度、お屋敷に戻られた方がよろしいかと」
セレナ様の言う通りだ。このままここで考えていても仕方がない。とにかく、一度屋敷に戻らないと。
「セレナ様、申し訳ございません。屋敷に戻りますわ。また今度、お茶をしましょうね」
「私の事は気にしないで下さい。さあ、早くお屋敷に」
セレナ様に挨拶をした後、足早に馬車に乗り込んだ。一体何があったのだろう。もしかしてお父様かお母様の身に、何かあったとか?それとも領地にいる、お兄様やお義姉様に何かあったのかもしれない。
どちらにしろ、急に帰って来いという事だから、重大な事が起こったのだろう。もし家族の身に何かあったとしたら…
考えただけで、不安で押しつぶされそうになる。
大丈夫よ、きっとそこまで大したことじゃないわ。もしかしたら婚約披露パーティーの件で、何かいい案が思いついて、それを私に報告したくてお母様が呼んだのかもしれないわ。
あの人、たまに周りが見えなくなることがあるものね。
ただ、なんだか胸騒ぎがする。お願いします、どうか大したことではありませんように。
祈るような気持ちで屋敷に戻ってきた私は、馬車が停まるなり急いで屋敷まで向かった。
「ただいま戻りました。一体何があったのですか?」
屋敷に入るなり、近くにいたお母様に声をかけた。どうやらお母様は、無事な様だ。よかったわ。ただ、なぜか顔色が悪い。
「ユーリ、落ち着いて聞いて頂戴。実はね、ディアン様が…」
「ディアンがどうしたのですか?」
首をコテンとかしげ、考え込んでいるセレナ様。その姿がとても可愛くてたまらない。セレナ様は令息がお好きなのだと思っていたが、どうやらそうではなく、断る事が苦手なタイプだった様だ。
「セレナ様は、誰か気になる殿方はいらっしゃらないのですか?とてもお可愛らしくて、令息たちに人気が高いのですから、どなたとでもご婚約できるのではないかと思いまして」
とてもお可愛らしいセレナ様が、未だに誰とも婚約を結んでいないことが、不思議でならないのだ。
「特に気になる殿方は、今のところおりませんわ。それよりも今は、宝石デザイナーのお仕事が楽しくてたまらなくて。いつかこの国一のデザイナーになれたらいいなと、考えていて…」
「国一の宝石デザイナーですか!今のセレナ様なら、きっとなれますわ。だってこんなにも素敵なアクセサリーを、作れるのですもの」
近くにあったイヤリングを手に取り、見つめる。本当に素敵なデザインだ事。
「ユーリ様にそう言ってもらえると、嬉しいですわ。ユーリ様、とりあえず好きな様にデザインして作らせていただいたのですが、もっとこうして欲しいという要望はございますか?」
「こんな素敵なアクセサリー、見たことがありません。それくらい素敵なので、私からは要望はありませんわ。後は木に飾るお花の宝石も、よろしくお願いしますね」
結局木に飾る宝石のお花も、セレナ様にお願いしたのだ。彼女ならきっと、立派な宝石のお花を作ってくれるはずだ。
「宝石のお花も今進めておりますので、もう少々お待ちください。それではアクセサリーの話はこれくらいにして、お茶にしませんか?せっかくユーリ様がいらしてくださったのですもの。もっと色々な話がしたいですわ」
「私もぜひ、セレナ様とお話しがしたいですわ。今回の交流をきっかけに、セレナ様ともお友達になれたら嬉しいです」
私の為に、色々と協力してくれているセレナ様。彼女とならきっとお友達になれる、そう思ったのだ。
「ええ、ぜひお友達に…」
「お取込み中のところ、申し訳ございません。今ファルスィン伯爵家から使いの方がいらっしゃいまして“すぐにお屋敷にお戻りください”との事です」
私達の話に入って来たのは、セレナ様付きのメイドだ。何やらかなり焦っている様だ。
「急に屋敷に戻れとは、一体どういう事かしら?それに私が勝手に戻ったら、ディアンと入れ違いになってしまうし…もしかして、何かあったのかしら?」
「落ち着いて下さい、ユーリ様。わざわざ使いの者をよこすだなんて、きっと何かあったのですわ。もしディアン様がいらしたら、その旨を伝えておきますので。とにかく一度、お屋敷に戻られた方がよろしいかと」
セレナ様の言う通りだ。このままここで考えていても仕方がない。とにかく、一度屋敷に戻らないと。
「セレナ様、申し訳ございません。屋敷に戻りますわ。また今度、お茶をしましょうね」
「私の事は気にしないで下さい。さあ、早くお屋敷に」
セレナ様に挨拶をした後、足早に馬車に乗り込んだ。一体何があったのだろう。もしかしてお父様かお母様の身に、何かあったとか?それとも領地にいる、お兄様やお義姉様に何かあったのかもしれない。
どちらにしろ、急に帰って来いという事だから、重大な事が起こったのだろう。もし家族の身に何かあったとしたら…
考えただけで、不安で押しつぶされそうになる。
大丈夫よ、きっとそこまで大したことじゃないわ。もしかしたら婚約披露パーティーの件で、何かいい案が思いついて、それを私に報告したくてお母様が呼んだのかもしれないわ。
あの人、たまに周りが見えなくなることがあるものね。
ただ、なんだか胸騒ぎがする。お願いします、どうか大したことではありませんように。
祈るような気持ちで屋敷に戻ってきた私は、馬車が停まるなり急いで屋敷まで向かった。
「ただいま戻りました。一体何があったのですか?」
屋敷に入るなり、近くにいたお母様に声をかけた。どうやらお母様は、無事な様だ。よかったわ。ただ、なぜか顔色が悪い。
「ユーリ、落ち着いて聞いて頂戴。実はね、ディアン様が…」
「ディアンがどうしたのですか?」
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