大好きだった人には振られましたが、なぜかヤンデレ王太子に溺愛されました

Karamimi

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第3話:皆が私を気遣ってくれます

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翌日、久しぶりに制服に袖を通した。

「あの…お嬢様。もし辛ければ、ご無理をして学院に行く必要はないのですよ」

心配そうに私に話しかけてくれたのは、私のお世話をしてくれているメイドたちだ。皆不安そうに私を見ている。彼女たちも、私がどれほどカーター様を好きだったか知っているからだろう。

「ありがとう。でも、大丈夫よ」

いつまでも家に引きこもっていても仕方がない。それに長く休めば休むほど、学院に行きにくくなるだろう。気を引き締めて玄関へと向かう。するとそこには…

「アリア、おはよう。迎えに来たわよ」

そう、モカが迎えに来てくれていたのだ。

「おはよう、モカ。わざわざ来てくれるなんて、ありがとう」

「モカちゃん、娘の事を気に掛けてくれて、本当にありがとう。どうかアリアをよろしくね」

お母様もモカにお礼を言っている。

「任せてください。おば様!帰りもちゃんとアリアを送って来るから。そうそう、今日は皆で街に出て美味しいものを食べて来るから、少し遅くなると思います」

そう言えば、昨日モカがそんな様な事を言っていたわね。なんだか楽しくなってきて、モカの手を握った。

「それではお母様、行って来ます」

見送ってくれるお母様に手を振り、2人で馬車へと乗り込んだ。

「アリア、今日は王都に出来たばかりのスィーツのお店に行きましょう!動物の形をしたケーキが有名の様よ」

「まあ、動物の形ですって。それは楽しみね」

モカと話しをしているうちに、学院に着いた。大丈夫よ、きっと大丈夫!そう何度も自分に言い聞かせる。

モカが私の手を握り、微笑んでくれた。きっと大丈夫だろう。そう自分に言い聞かせ、ゆっくり馬車から降りる。私の姿を見た周りの生徒たちが、チラチラこちらを見ているが、気にせず2人で歩く。

有難い事に、私に話しかけてくれるモカのおかげで、教室まで普通に来られた。でも…
この教室の中には、きっとカーター様がいる。ゆっくり深呼吸をした。

「モカ、中に入りましょう」

モカの手をギューッと握り、意を決して教室に入る。私が入った瞬間、一瞬静まり返る教室。でも、次の瞬間

「アリア、おはよう」

「アリア、元気そうでよかったわ」

クラスの令嬢たちが、一斉に話しかけて来てくれたのだ。私の事を心配してくれる令嬢たち。モカが言った通り、皆私の事を心配してくれていた様だ。そう思ったら、嬉しくて涙がこみ上げて来た。

ダメよ、今泣いたら皆がまた心配するわ。必死に涙をこらえ

「ありがとう、私は大丈夫よ!」

そう答えた。

「ねえ、アリアと話していたのだけれど、今日皆で最近王都に出来た、あのスィーツのお店に行かない?」

モカが皆を誘い出した。

「いいわね、行きましょう!」

「賛成!」

その後は今日行く予定のお店の話で盛り上がった。そうしているうちに、授業が始まった。休み時間のたびに、皆が話しかけて来てくれる。

そしてお昼の時間になった。そう、いつもカーター様と一緒に食べていた。でも…

「アリア、お昼ご飯どこで食べる?」

当たり前の様に聞いて来てくれたモカ。周りには沢山の令嬢たちもいた。

「今日は天気がいいから、中庭で食べましょう」

私の提案に「いいわね、そうしましょう」と、皆も乗ってくれた。令嬢たちと一緒に、中庭に向かいお弁当を食べる。今日もいつもの様に、お弁当を自分で作った。そんな私のお弁当を見て、モカが

「アリアのお弁当美味しそう!私のとおかずを交換しましょう」

「ええ、いいわよ」

「それなら私のも!」

「私も」

結局みんなでお弁当を交換しながら食べた。皆でワイワイ言いながら食べるお弁当は、こんなにも美味しいものだったのね。

そして放課後、皆でスウィーツのお店へと向かう。本当に動物の形をしたケーキが並んでいる。せっかくなら、全てのケーキを食べよう!という事で、皆でシェアしながら食べた。

今までは、いつもカーター様との時間を何よりも大切にして来た。でも、辛い時に真っ先に手を差し伸べてくれたのは、友人たちだった。彼女たちの明るさや気遣い、そして何より優しさに、私の乾ききった心を少しずつ潤わせてくれる、そんな気がした。

「皆、今日はありがとう」

急に私がお礼を言ったからか、皆大きく目を見開いて立ち止まった。

「どうしたの?急に」

「私、この1週間ずっと辛くて…1人で塞ぎこんでいたの。もう自分の人生が終わってしまった、もうずっと1人ぼっちだ!そんな気持ちすら抱いていた。でも、今日皆と過ごして、私は1人じゃない!こうやって、私を支えてくれる大切な友達がいるって事に改めて気づいたの。正直すぐにカーター様を諦める事は出来ないけれど、なんだか前を向いて歩いて行けそうな気がする。そんな気持ちになれたのも、皆のおかげよ」

皆が居なかったら、きっと私は立ち直れなかっただろう。本当に感謝しかない。

「何を言ってるのよ!アリア、いつも私たちを助けてくれているのはあなたでしょう。そんなアリアが苦しんでいる時に、放っておける訳ないじゃない!それに、私たちもアリアと一緒だと楽しいし」

そう言ってにっこり笑ったモカ。皆も頷いている。

「ありがとう…モカ…皆」

嬉しくて瞳からどんどん涙が溢れてくる。そんな私を、皆が抱きしめてくれる。その温もりがたまらなく嬉しい。

「さあ、そろそろ帰りましょう!明日の放課後は学院でティータイムって言うのはどう?」

「いいわね、それなら異国から取り寄せたお茶があるの、明日持ってくるわ」

「それなら私はお菓子を持ってくるわね」

嬉しそうに話す令嬢たち。そんな令嬢たちと一緒に、おしゃべりしながら歩き出すアリアであった。
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