40 / 87
第40話:自分の行動に猛反省です
しおりを挟む
学院に復帰た日の放課後、カルミアとファリサと一緒に、いつものレストランに向かった。
「ローズ、怪我の完治おめでとう。カンパーイ!」
「ありがとう、2人とも」
久しぶりに3人で食べるレストランでの夕食。つい話が弾んでしまう。
「それでローズはこれからどうするつもり?やっぱりマイケル様と付き合うの?」
急にそんなふざけた事を言いだしたのは、ファリサだ。危うくジュースを吹き出しそうになってしまった。
「ちょっと、どうして私がマイケル様と付き合うという話になるのよ!」
「だって、毎日マイケル様がお見舞いに来てくれたのでしょう。あの人、放課後になるといつも私たちの教室にノートを取りに来てくれたのよ。最初はね、ローズに怪我をさせた張本人という事で、絶対に許せない!って、思っていたけれど、誠実でとてもいい人じゃない。それに勉学も武術にも優れているし。マイケル様、密かに令嬢に人気があるみたいよ」
「確かにマイケル様はいい人だけれど、私たちはただの友達よ。それにそんなに素敵な人が、どうして私と付き合うという発想になるの?マイケル様に失礼よ!」
ファリサはすぐに恋仲にしたがる癖がある。本当に悪い癖だ!
「あら、ローズはとても魅力的な女性よ。それにマイケル様もまんざらではない様だし」
「もう、ファリサ、適当な事を言わないで!マイケル様は私を怪我させてしまった罪悪感もあって、色々と気に掛けてくれているだけなのよ。いい加減にしないと、本当に怒るわよ!」
「はいはい、ローズは鈍いのだから。マイケル様の事はまあいいわ。それで、アデル様の事はどうするの?アデル様、あなたが怪我をしてから、みるみるやつれちゃって…よほどあなたを守れなかった事を気にしていらっしゃるのね…」
「そうなのよ、アデル様、すっかりやつれちゃって。今日も悲しそうな顔をしていたし。やっぱり私の怪我を見ると、あの日の事を思い出して辛いのかしら?無理に顔を会わせない方がいいと思う?」
「あなた、アデル様の話になると急に食いついてきて…う~ん、そうね。やっぱりあなたの顔をみると、罪悪感が湧いてくるのではないかしら?ねえ、ローズ、あなたまだアデル様の事が好きなの?別れを切り出されたのに?」
「ええ、好きよ。別れを切り出されたのは仕方がないわ。だって私が、ティーナ様を悲しませてしまったのですもの。きっとアデル様、私を庇わなかった事をティーナ様に責められたのよ。それできっと、未だに思い詰めているのだと思うわ」
アデル様にとって、ティーナ様は全て。ティーナ様を悲しませる原因を作ってしまった事に、未だに後悔しているのだろう。
「ねえ、ローズ。本当にアデル様ってティーナ様の事が好きなの?」
今まで黙っていたカルミアが口を開いた。
「ええ、そうよ。本人からはっきりと聞いているもの」
カルミアったら、何を言っているのかしら?
「そうかしら…この2週間、私は何度もアデル様を見たけれど、本当に辛そうで、いつもため息を付いていたわよ。ティーナ様がいる場面でもね。本当にティーナ様が好きなら、どうしてそこまで落ち込むのかしら?だって、大好きなティーナ様は守れたのだから、それでいいじゃない」
「もう、カルミアは分かっていないわね。アデル様は人一倍心のお優しい方なのよ。役とはいえ、私を守れなかった事を悔いていらっしゃるのよ」
「たとえそうだとしても、あそこまでやつれるかしら?いくらなんでも、あの変わりようは異様よ」
「それだけアデル様は、今回の件でショックを受けているのではなくって?ねえ、ローズ。あなたまだアデル様の傍にいる気?ローズの顔を見ると、あの事故の時の記憶が蘇って、余計にアデル様は辛いんじゃない?あなたのおでこにはまだ、あの時の傷痕が残っているし、前髪だってまだちょっとおかしいわよ」
「確かにそうよね…ねえ、ローズ。あなたがアデル様の事が大好きで、やつれてしまったアデル様が心配でたまらないという事はわかるわよ。でも、あなたがアデル様に絡むことで、余計にアデル様を苦しめる原因になっているのではなくって?」
私が絡むことで、アデル様が余計に苦しんでいる…
その言葉が、胸に突き刺さった。
私、アデル様には笑顔でいて欲しい、そのために少しでも元気になってもらえたら。そう思って行動したつもりだった。でも、もしかしたら私がアデル様に絡むことで、余計に苦しんでいるのだとしたら…
「どうしよう、私、今日がっつりアデル様に絡んでしまったわ…今日のアデル様、本当に辛そうだった。もしかして、私の姿を見て事故の事を思い出したから…」
体中から血の気が引いていくのを感じた。私のせいで、アデル様が苦しんでいる…
「この世の終わりみたいな顔をしないでよ。とにかく、しばらくはアデル様とは距離を置いた方がいいんじゃないの?アデル様の気持ちが落ち着くまで」
「その方がいいわ。ついでにアデル様の事は諦めて、マイケル様との恋を本気で検討するのもアリよね」
「もう、ファリサは!どうしてそこでマイケル様が出てくるのよ。でも…2人ともありがとう。今日あなた達と話をしなければきっと私、明日からもアデル様を苦しめる事になっていたわ」
自分の浅はかな考えのせいで、もっとアデル様を傷つける結果になっていたかもしれない。今日2人と話が出来て本当によかったわ。
とにかく明日からは、アデル様にあまり近づかないようにしないと!
「ローズ、怪我の完治おめでとう。カンパーイ!」
「ありがとう、2人とも」
久しぶりに3人で食べるレストランでの夕食。つい話が弾んでしまう。
「それでローズはこれからどうするつもり?やっぱりマイケル様と付き合うの?」
急にそんなふざけた事を言いだしたのは、ファリサだ。危うくジュースを吹き出しそうになってしまった。
「ちょっと、どうして私がマイケル様と付き合うという話になるのよ!」
「だって、毎日マイケル様がお見舞いに来てくれたのでしょう。あの人、放課後になるといつも私たちの教室にノートを取りに来てくれたのよ。最初はね、ローズに怪我をさせた張本人という事で、絶対に許せない!って、思っていたけれど、誠実でとてもいい人じゃない。それに勉学も武術にも優れているし。マイケル様、密かに令嬢に人気があるみたいよ」
「確かにマイケル様はいい人だけれど、私たちはただの友達よ。それにそんなに素敵な人が、どうして私と付き合うという発想になるの?マイケル様に失礼よ!」
ファリサはすぐに恋仲にしたがる癖がある。本当に悪い癖だ!
「あら、ローズはとても魅力的な女性よ。それにマイケル様もまんざらではない様だし」
「もう、ファリサ、適当な事を言わないで!マイケル様は私を怪我させてしまった罪悪感もあって、色々と気に掛けてくれているだけなのよ。いい加減にしないと、本当に怒るわよ!」
「はいはい、ローズは鈍いのだから。マイケル様の事はまあいいわ。それで、アデル様の事はどうするの?アデル様、あなたが怪我をしてから、みるみるやつれちゃって…よほどあなたを守れなかった事を気にしていらっしゃるのね…」
「そうなのよ、アデル様、すっかりやつれちゃって。今日も悲しそうな顔をしていたし。やっぱり私の怪我を見ると、あの日の事を思い出して辛いのかしら?無理に顔を会わせない方がいいと思う?」
「あなた、アデル様の話になると急に食いついてきて…う~ん、そうね。やっぱりあなたの顔をみると、罪悪感が湧いてくるのではないかしら?ねえ、ローズ、あなたまだアデル様の事が好きなの?別れを切り出されたのに?」
「ええ、好きよ。別れを切り出されたのは仕方がないわ。だって私が、ティーナ様を悲しませてしまったのですもの。きっとアデル様、私を庇わなかった事をティーナ様に責められたのよ。それできっと、未だに思い詰めているのだと思うわ」
アデル様にとって、ティーナ様は全て。ティーナ様を悲しませる原因を作ってしまった事に、未だに後悔しているのだろう。
「ねえ、ローズ。本当にアデル様ってティーナ様の事が好きなの?」
今まで黙っていたカルミアが口を開いた。
「ええ、そうよ。本人からはっきりと聞いているもの」
カルミアったら、何を言っているのかしら?
「そうかしら…この2週間、私は何度もアデル様を見たけれど、本当に辛そうで、いつもため息を付いていたわよ。ティーナ様がいる場面でもね。本当にティーナ様が好きなら、どうしてそこまで落ち込むのかしら?だって、大好きなティーナ様は守れたのだから、それでいいじゃない」
「もう、カルミアは分かっていないわね。アデル様は人一倍心のお優しい方なのよ。役とはいえ、私を守れなかった事を悔いていらっしゃるのよ」
「たとえそうだとしても、あそこまでやつれるかしら?いくらなんでも、あの変わりようは異様よ」
「それだけアデル様は、今回の件でショックを受けているのではなくって?ねえ、ローズ。あなたまだアデル様の傍にいる気?ローズの顔を見ると、あの事故の時の記憶が蘇って、余計にアデル様は辛いんじゃない?あなたのおでこにはまだ、あの時の傷痕が残っているし、前髪だってまだちょっとおかしいわよ」
「確かにそうよね…ねえ、ローズ。あなたがアデル様の事が大好きで、やつれてしまったアデル様が心配でたまらないという事はわかるわよ。でも、あなたがアデル様に絡むことで、余計にアデル様を苦しめる原因になっているのではなくって?」
私が絡むことで、アデル様が余計に苦しんでいる…
その言葉が、胸に突き刺さった。
私、アデル様には笑顔でいて欲しい、そのために少しでも元気になってもらえたら。そう思って行動したつもりだった。でも、もしかしたら私がアデル様に絡むことで、余計に苦しんでいるのだとしたら…
「どうしよう、私、今日がっつりアデル様に絡んでしまったわ…今日のアデル様、本当に辛そうだった。もしかして、私の姿を見て事故の事を思い出したから…」
体中から血の気が引いていくのを感じた。私のせいで、アデル様が苦しんでいる…
「この世の終わりみたいな顔をしないでよ。とにかく、しばらくはアデル様とは距離を置いた方がいいんじゃないの?アデル様の気持ちが落ち着くまで」
「その方がいいわ。ついでにアデル様の事は諦めて、マイケル様との恋を本気で検討するのもアリよね」
「もう、ファリサは!どうしてそこでマイケル様が出てくるのよ。でも…2人ともありがとう。今日あなた達と話をしなければきっと私、明日からもアデル様を苦しめる事になっていたわ」
自分の浅はかな考えのせいで、もっとアデル様を傷つける結果になっていたかもしれない。今日2人と話が出来て本当によかったわ。
とにかく明日からは、アデル様にあまり近づかないようにしないと!
10
あなたにおすすめの小説
【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく
たまこ
恋愛
10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。
多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。
もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。
【完結】記憶にありませんが、責任は取りましょう
楽歩
恋愛
階段から落ちて三日後、アイラは目を覚ました。そして、自分の人生から十年分の記憶が消えていることを知らされる。
目の前で知らない男が号泣し、知らない子どもが「お母様!」としがみついてくる。
「状況を確認いたします。あなたは伯爵、こちらは私たちの息子。なお、私たちはまだ正式な夫婦ではない、という理解でよろしいですね?」
さらに残されていたのは鍵付き箱いっぱいの十年分の日記帳。中身は、乙女ゲームに転生したと信じ、攻略対象を順位付けして暴走していた“過去のアイラ”の黒歴史だった。
アイラは一冊の日記を最後の一行まで読み終えると、無言で日記を暖炉へ投げ入れる。
「これは、焼却処分が妥当ですわね」
だいぶ騒がしい人生の再スタートが今、始まる。
【完結】愛しき冷血宰相へ別れの挨拶を
川上桃園
恋愛
「どうかもう私のことはお忘れください。閣下の幸せを、遠くから見守っております」
とある国で、宰相閣下が結婚するという新聞記事が出た。
これを見た地方官吏のコーデリアは突如、王都へ旅立った。亡き兄の友人であり、年上の想い人でもある「彼」に別れを告げるために。
だが目当ての宰相邸では使用人に追い返されて途方に暮れる。そこに出くわしたのは、彼と結婚するという噂の美しき令嬢の姿だった――。
新聞と涙 それでも恋をする
あなたの照らす道は祝福《コーデリア》
君のため道に灯りを点けておく
話したいことがある 会いたい《クローヴィス》
これは、冷血宰相と呼ばれた彼の結婚を巡る、恋のから騒ぎ。最後はハッピーエンドで終わるめでたしめでたしのお話です。
第22回書き出し祭り参加作品
2025.1.26 女性向けホトラン1位ありがとうございます
2025.2.14 後日談を投稿しました
【完結】彼を幸せにする十の方法
玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。
フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。
婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。
しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。
婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。
婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。
【完結】そんなに好きならもっと早く言って下さい! 今更、遅いです! と口にした後、婚約者から逃げてみまして
Rohdea
恋愛
──婚約者の王太子殿下に暴言?を吐いた後、彼から逃げ出す事にしたのですが。
公爵令嬢のリスティは、幼い頃からこの国の王子、ルフェルウス殿下の婚約者となるに違いない。
周囲にそう期待されて育って来た。
だけど、当のリスティは王族に関するとある不満からそんなのは嫌だ! と常々思っていた。
そんなある日、
殿下の婚約者候補となる令嬢達を集めたお茶会で初めてルフェルウス殿下と出会うリスティ。
決して良い出会いでは無かったのに、リスティはそのまま婚約者に選ばれてしまう──
婚約後、殿下から向けられる態度や行動の意味が分からず困惑する日々を送っていたリスティは、どうにか殿下と婚約破棄は出来ないかと模索するも、気づけば婚約して1年が経っていた。
しかし、ちょうどその頃に入学した学園で、ピンク色の髪の毛が特徴の男爵令嬢が現れた事で、
リスティの気持ちも運命も大きく変わる事に……
※先日、完結した、
『そんなに嫌いなら婚約破棄して下さい! と口にした後、婚約者が記憶喪失になりまして』
に出て来た王太子殿下と、その婚約者のお話です。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
後妻の条件を出したら……
しゃーりん
恋愛
妻と離婚した伯爵令息アークライトは、友人に聞かれて自分が後妻に望む条件をいくつか挙げた。
格上の貴族から厄介な女性を押しつけられることを危惧し、友人の勧めで伯爵令嬢マデリーンと結婚することになった。
だがこのマデリーン、アークライトの出した条件にそれほどズレてはいないが、貴族令嬢としての教育を受けていないという驚きの事実が発覚したのだ。
しかし、明るく真面目なマデリーンをアークライトはすぐに好きになるというお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる