彼の幸せを願っていたら、いつの間にか私も幸せになりました

Karamimi

文字の大きさ
64 / 87

第64話:お兄様から手紙が来ました

しおりを挟む
マイケル様に告白されてから、1ヶ月が過ぎた。あれから特に何も言ってこないマイケル様。普段通りに接してくれるため、私もあれ以上何も言えないでいる。

今日もお昼休憩は、いつも通り教室でカルミアやファリサ、マイケル様、さらにアデル様と食べている。なんだか微妙なメンバーだが、それでも随分と慣れてきた。ただ、やはりマイケル様とアデル様は仲が悪い様だ。

今も
「ローズ、このお魚とても美味しいよ。あげるね」

いつもの様に、マイケル様がお魚をくれた。もらったら返すのが礼儀だ。

「ありがとうございます、それなら私はこのお肉を差し上げますわ」

「ローズ、カモ肉も食べて」

「ありがとうございます、それでは私からは、チキンのグリル焼きを」

「ローズ、この卵サラダも美味しいよ。あっ、これも」

次から次へと私に色々な物を与えてくれるマイケル様。ただ…そんなに食べきれないわ。

「マイケル、いくら何でも量が多すぎです。ローズは女性なのですよ。それもそんなカロリーの高そうなものばかり与えるなんて!」

「俺はローズが美味しそうに食べてくれる姿を見るのが好きなんだ。アデルは黙っていてくれるかい?」

こうやってすぐに喧嘩を始めるのだ。本当にこの2人は…最初は戸惑っていたカルミアやファリサだったが、今ではもうスルーしている。さすがね!

ちなみに勉強タイムのお陰で、前回のテストはびっくりする程皆上がった。本当にマイケル様のお陰だ。

ギャーギャー言いながらお昼休みを過ごした後、放課後はティーナ様とティータイムだ。なぜか最近、グラス様が大人しい。私と目が合った瞬間、そらすし。一体どうしたのかしら?
でもそのお陰で、ゆっくりティーナ様と話が出来るから、私としてはラッキーなのだが。

どうも気になるのよね。

「ローズ、どうしたんだい?難しい顔をして。ほら、君の好きなカモミールティを準備したよ。それから、ジャムの入ったマドレーヌもある。沢山食べて」

隣でアデル様が、私の世話を焼いてくれる。なぜか最近、私の好きなお菓子やお茶ばかり準備してくれるのだ。

「ありがとうございます。カモミールティを飲むと、心が落ち着きますわ。このジャム入りのマドレーヌも美味しいですね」

「そうだろう?家の料理長が腕によりをかけて作ったんだ。もちろん、僕が作るよう手配したんだよ!」

「そうだったのですね。ありがとうございます」

まさかアデル様、私の為にこのマドレーヌを準備してくれたのかしら?一瞬そう思ったのだが…

「私もこのマドレーヌ、大好きなの。しっとりとした生地に、ジャムが本当によく合うのよね」

なんだ、ティーナ様が好きだから準備したのね。私ったら、変な勘違いをしてしまって恥ずかしいわ。そもそも私は、アデル様から”ティーナ以外を好きになる事はない!”と宣言されているのにね。

でも、たとえアデル様がティーナ様の為に準備したお菓子でも、おこぼれを頂けるのは有難い。美味しくマドレーヌを頂いたのであった。

今日も夕方までお茶をして、馬車に乗り込んだ。最近執事が、お兄様級にうるさいのだ。一度夜に家に帰った事があってから、特に口うるさくなった。

“お嬢様、あまり帰りが遅い様でしたら、お坊ちゃまに報告いたしますからね!”

と、すぐにお兄様に報告しようとするし…

今日も急いで家路に着いたのだが、玄関で執事が待っていた。

「ただいま、今日はちゃんと夕方には帰ってきたわよ」

文句ないでしょ!という意味を込めて伝えた。

「お嬢様、お坊ちゃまより手紙が来ております。重要な手紙の様で、速達で届きました」

「何ですって、お兄様から?」

わざわざ速達で送ってくるなんて…
もしかして、結婚が早まったとか?

急いで手紙を開けるすると…

「大変!おばあ様が転んで大けがをして、今入院しているのですって。相当状況が悪い様で、今すぐグラシュ国に来て欲しいと書いてあるわ。どうしましょう…おばあ様が…」

忙しい両親に変わり、私たち兄妹の面倒を見てくれていたおばあ様。私にとって、大切なおばあ様。そんなおばあ様が、怪我をして入院しただなんて…

「お嬢様、落ち着いて下さい。体が震えていますよ」

「ごめんなさい…動揺してしまって。とにかく、明日にでもグラシュ国に向かうわ。悪いのだけれど、至急手配をしてくれる?学院にもしばらく休む手配を。それにしてもお兄様ったら、どうしておばあ様の状況をもっと詳しく書いてくれないのかしら?これじゃあ命に関する程の怪我なのか、そうでないのかすら分からないじゃない!」

とにかくグラシュ国に行って、おばあ様の様子を確認しないと。

とりあえず、いつ帰国できるか分からない。

カルミアやファリサ、それにティーナ様には報告していこう。手紙にしようかしら?いいえ、今はじっとしているのが辛い。とにかく、3人の家に向かう事にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく

たまこ
恋愛
 10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。  多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。  もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。

【完結】記憶にありませんが、責任は取りましょう

楽歩
恋愛
階段から落ちて三日後、アイラは目を覚ました。そして、自分の人生から十年分の記憶が消えていることを知らされる。 目の前で知らない男が号泣し、知らない子どもが「お母様!」としがみついてくる。 「状況を確認いたします。あなたは伯爵、こちらは私たちの息子。なお、私たちはまだ正式な夫婦ではない、という理解でよろしいですね?」 さらに残されていたのは鍵付き箱いっぱいの十年分の日記帳。中身は、乙女ゲームに転生したと信じ、攻略対象を順位付けして暴走していた“過去のアイラ”の黒歴史だった。 アイラは一冊の日記を最後の一行まで読み終えると、無言で日記を暖炉へ投げ入れる。 「これは、焼却処分が妥当ですわね」 だいぶ騒がしい人生の再スタートが今、始まる。

【完結】愛しき冷血宰相へ別れの挨拶を

川上桃園
恋愛
「どうかもう私のことはお忘れください。閣下の幸せを、遠くから見守っております」  とある国で、宰相閣下が結婚するという新聞記事が出た。  これを見た地方官吏のコーデリアは突如、王都へ旅立った。亡き兄の友人であり、年上の想い人でもある「彼」に別れを告げるために。  だが目当ての宰相邸では使用人に追い返されて途方に暮れる。そこに出くわしたのは、彼と結婚するという噂の美しき令嬢の姿だった――。 新聞と涙 それでも恋をする  あなたの照らす道は祝福《コーデリア》 君のため道に灯りを点けておく 話したいことがある 会いたい《クローヴィス》  これは、冷血宰相と呼ばれた彼の結婚を巡る、恋のから騒ぎ。最後はハッピーエンドで終わるめでたしめでたしのお話です。 第22回書き出し祭り参加作品 2025.1.26 女性向けホトラン1位ありがとうございます 2025.2.14 後日談を投稿しました

【完結】彼を幸せにする十の方法

玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。 フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。 婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。 しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。 婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。 婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。

王太子妃専属侍女の結婚事情

蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。 未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。 相手は王太子の側近セドリック。 ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。 そんな二人の行く末は......。 ☆恋愛色は薄めです。 ☆完結、予約投稿済み。 新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。 ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。 そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。 よろしくお願いいたします。

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて

ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」 お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。 綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。 今はもう、私に微笑みかける事はありません。 貴方の笑顔は別の方のもの。 私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。 私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。 ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか? ―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。 ※ゆるゆる設定です。 ※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」 ※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

【完結】そんなに好きならもっと早く言って下さい! 今更、遅いです! と口にした後、婚約者から逃げてみまして

Rohdea
恋愛
──婚約者の王太子殿下に暴言?を吐いた後、彼から逃げ出す事にしたのですが。 公爵令嬢のリスティは、幼い頃からこの国の王子、ルフェルウス殿下の婚約者となるに違いない。 周囲にそう期待されて育って来た。 だけど、当のリスティは王族に関するとある不満からそんなのは嫌だ! と常々思っていた。 そんなある日、 殿下の婚約者候補となる令嬢達を集めたお茶会で初めてルフェルウス殿下と出会うリスティ。 決して良い出会いでは無かったのに、リスティはそのまま婚約者に選ばれてしまう── 婚約後、殿下から向けられる態度や行動の意味が分からず困惑する日々を送っていたリスティは、どうにか殿下と婚約破棄は出来ないかと模索するも、気づけば婚約して1年が経っていた。 しかし、ちょうどその頃に入学した学園で、ピンク色の髪の毛が特徴の男爵令嬢が現れた事で、 リスティの気持ちも運命も大きく変わる事に…… ※先日、完結した、 『そんなに嫌いなら婚約破棄して下さい! と口にした後、婚約者が記憶喪失になりまして』 に出て来た王太子殿下と、その婚約者のお話です。

処理中です...