もう長くは生きられないので好きに行動したら、大好きな公爵令息に溺愛されました

Karamimi

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第18話:どうやら私たちの関係が気に入らない様です

「それじゃあユリア、また明日」

ブラック様が私を馬車に乗せると、笑顔でおりていく。ここ数日、ブラック様は良く笑顔を見せてくれる様になった。

「ここまで運んでくださり、ありがとうございました。はい、また明日」

私もブラック様に挨拶をして、ドアを閉める。馬車が走り出した後も、ずっとこちらを見つめているブラック様。そんな彼に手を振ると、手を振り返してくれたのだ。

それがまた嬉しくてたまらない。最初は憧れの存在だったブラック様、学院に通えたら、ブラック様と仲良くなれたら嬉しい。そう思っていた。残り少ない時間をブラック様と過ごせたらと考えていたが。まさかここまでがっつりとブラック様の傍にいられるだなんて…

きっと私が病気だから、気にかけてくれているのだろう。分かっている、彼の様な方が私を好きになる事はないと。それでも夢見てしまうのだ。もし私が元気だったら、もしかしたらブラック様と…

自分でも図々しい夢だとわかっている。それでも、せめて夢くらいは見ても罰は当たらないだろう。そう、最近の私は、余命がごくわずかという事もあり、ずいぶんと図々しい性格になってきているのだ。

こんなに図々しい私を受け入れてくれているブラック様や友人達には、本当に感謝しかない。

ほっこりした気持ちのまま屋敷に着くと、なぜか使用人が待っていた。

「旦那様がお呼びです。すぐに居間にお越しください」

叔父様が?嫌な予感しかしない。もしかして、治癒魔法の依頼かしら?さすがに今治癒魔法を使ったら、もう命がないかもしれない。このままブラック様や友人たちとお別れだなんて、嫌…

それでも私に拒否権はない。急いで居間へと向かうと、怖い顔の叔父様と叔母様、カルディアが待っていた。わざわざカルディアまでいるという事は、治癒魔法の依頼ではないのね。よかった。

「お待たせして申し訳…」

「ユリア、あなた一体何をしていたの?いつまで私を待たせるのよ!」

真っ赤な顔で怒鳴るのはカルディアだ。

「申し訳ございません」

とりあえず謝っておく。

「ユリア、カルディアから聞いたぞ。お前、随分とサンディオ公爵家のブラック殿と親しくしているみたいではないか?どう言って取り入ったかは知らないが、彼に要らぬことを言っていないだろうな?」

「こんな見た目もみすぼらしい女に、ブラック様が興味を抱くわけありませんわ。ユリア、あなたまさかブラック様に付きまとっている訳ではないでしょうね?あの家に目を付けられたら、さすがに貴族界では生きていけないわ!本当にあなたは、疫病神なのだから」

「私はブラック様に何も申してはおりません。ただ、私が病気なので、きっと気にかけて下さっているだけです。ブラック様は本当にお優しい方なので…」

「それが目障りなのよ!大体あなた、もうすぐ死ぬのでしょう?人の善意につけこんで、ブラック様にまとわりつくだなんて、本当に目障りな女!お父様、早くこの女を始末してください!私、クラスにこの女がいるだけで、吐き気がしますの。そうだわユリアの病気が悪化したという事で、もう学院に通わせないという事でどうですか?」

えっ…もう学院に通えないですって?それだけはイヤよ!

「カルディアの言う通りだわ。ただ黙って学院に通っているだけならともかく、ブラック様にまとわりついているなんて。あなた、世間では十分ユリアが病気という事も理解してもらったし、もう学院には通わせないようにしましょう。大体この女の為に、馬車も豪華なお弁当も、私は気に入らなかったのよ」

「そんな…馬車もお弁当ももういりません。ブラック様にも極力近づかないようにします。ですからどうか、どうか学院だけは…」

「うるさい!死にかけの人間が、ギャーギャー文句を言うんじゃないわよ」

バチィィーーン

「キャァァ」

カルディアに思いっきり頬を殴られたのだ。ポタポタと血が落ちる。

「ちょうど顔にも怪我をしたしよかったじゃない。あなた、早速学院に休学届を出して下さいね。それからユリア、あなたの汚らわしい血で、床が汚れたわ。さっさと拭いて、自室に戻りなさい」

「…はい」

これ以上この人たちに何を言っても無駄だろう。急いで血を拭いて、その場を後にする。部屋に戻ると、一気に涙が溢れ出した。

もう泣かない、笑顔でいたい、そう決めたのに…必死に涙を拭き笑顔を作るが、それでも次から次へと涙があふれでるのだ。

「私、最近ちょっと図々しかったものね…だから罰が当たったのかしら…」

もう二度と、ブラック様や友人たちに会う事はない…そう思ったら、悲しくて辛くて。最後にもう一度、皆に会いたい。

胸が張り裂けそうで辛くて悲しくて、この日はどうしても涙を止める事が出来なかったのだった。


※次回、ブラック視点です。

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