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第8話:どうしていいか分かりません
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どれくらい走っただろうか。気が付くと大きな公園の前に来ていた。
「これからどうしよう。もう日も沈んでしまったわ」
既に辺りは日が落ち暗くなっている。ただ、あちらこちらに灯りがともされて始めている為、村の様に真っ暗ではない。
今日泊まる宿を探さないといけないのだが、こんなに大きくて立派な建物が立ち並んでいるのだ。どうやって宿を探せばいいのかしら?それに所持金も、もうほとんど残っていない。
さっきまで間違いなく幸せだったのに…やっぱり私、運を使い果たしてしまったのね。村に帰る事も出来ない。クロードも別も女性と幸せに暮らしている。私にはもう、帰る場所も居場所もないのだ。
「このままここで、野垂れ死ぬのかしら…」
ポツリとそんな事を呟いてしまう。ふと空を見上げた。
「こんなに立派な街にも、星が出るのね…」
村で何度も見た美しい夜空。夜空を見ているだけで、心が穏やかになる。
泣いていても仕方がない。私にはもう帰る場所がないのだから。とにかくホテルを探そう。それから仕事も。
ポケットに入っていた、アロマおばあさんから貰ったメモを手に取った。本当に親切で優しいアロマおばあさん。彼女ならきっと、私を助けてくれるはず。
でも…
きっと要らぬ心配をかけてしまうだろう。それにまだ自分で何もしていないのに、人に頼るのは間違っている。出来るところまで頑張ろう。
そんな思いで、立ち上がった時だった。
「君、見慣れない顔だね。ねえ、俺たちと一緒に飲まない?」
私の前に現れた男性4人。酔っぱらっているのか、顔が赤い。
「いいえ、結構です。急いでいますので、私はこれで」
「いいじゃないか!お前、男を誘う為にここに1人でいたのだろう?俺たちが相手をしてやるよ」
1人の男性が私の腕を掴んだのだ。
「イヤ、放してください!」
「よく見ると、かわいい顔をしているな。それにピンク色の髪をしているぞ。こんな綺麗な髪、見た事がない。これは上玉だ!」
何なのよ、この人たち。そういえば都会には、悪い人も多くいるのだった。とにかくこの場を逃げないと。
「私、急いでいますので!とにかく放してください!」
必死に手を振りほどこうとするが、上手く振りほどけない。それどころか…
「そんなこと言わずに、行こうぜ」
無理やり腕を引っ張られてしまったのだ。他の男性たちにも囲まれ、そのまま連れていかれる。どうしよう、このままだと私…
その時だった。
「お前たち、何をしているのだ?」
低い男性の声が聞こえたのだ。声の方を振り向くと、そこには鋭い目つきの男性が、こちらを睨んでいる。
「あなたは…ゼルス隊長…どうしてここに?」
なぜか男性たちが怯えだしたのだ。男性たちが怯えだすだなんて、きっととても恐ろしい方なのだろう。私も恐怖からカタカタと震えだす。
「それでお前たちは、何をしているのだ?」
さらに低い声で男性が言葉を発する。
「いえ、この女性が困っている様でしたので、話し掛けただけです。それでは失礼いたします」
逃げるように去っていく男性たち。ちょっと、私を1人残していかないで。私もその場を立ち去ろうとするが、恐怖で体が動かない。
男性たちの後ろ姿を見ていた男性が、クルリとこちらを向いたのだ。鋭い瞳と目が合う。
「あの…私は怪しいものではありません。今日この街に来たのですが、勝手がわからず。それでこの公園で、どうしたものかと考えていただけです」
だからどうか、私を見逃してください。恐怖から涙が溢れだす。
「この街に来たばかりなのか?それにしても、こんな夜に女性1人でウロウロとしているだなんて!それでこれからどうするつもりなのだ?」
「えっと…その…」
恐怖から何と答えてよいか分からない。とにかく、この場を立ち去らないと。
「私は大丈夫ですので。それでは失礼いたします」
ペコリと頭を下げ、荷物を持ってその場を立ち去ろうとしたのだが…
「その身なりではきっと、行く当てもないのだろう。仕方ない、こっちにこい」
何を思ったのか、男性が私の手を引き歩き出したのだ。もしかして私、売り飛ばされるのかしら?
「これからどうしよう。もう日も沈んでしまったわ」
既に辺りは日が落ち暗くなっている。ただ、あちらこちらに灯りがともされて始めている為、村の様に真っ暗ではない。
今日泊まる宿を探さないといけないのだが、こんなに大きくて立派な建物が立ち並んでいるのだ。どうやって宿を探せばいいのかしら?それに所持金も、もうほとんど残っていない。
さっきまで間違いなく幸せだったのに…やっぱり私、運を使い果たしてしまったのね。村に帰る事も出来ない。クロードも別も女性と幸せに暮らしている。私にはもう、帰る場所も居場所もないのだ。
「このままここで、野垂れ死ぬのかしら…」
ポツリとそんな事を呟いてしまう。ふと空を見上げた。
「こんなに立派な街にも、星が出るのね…」
村で何度も見た美しい夜空。夜空を見ているだけで、心が穏やかになる。
泣いていても仕方がない。私にはもう帰る場所がないのだから。とにかくホテルを探そう。それから仕事も。
ポケットに入っていた、アロマおばあさんから貰ったメモを手に取った。本当に親切で優しいアロマおばあさん。彼女ならきっと、私を助けてくれるはず。
でも…
きっと要らぬ心配をかけてしまうだろう。それにまだ自分で何もしていないのに、人に頼るのは間違っている。出来るところまで頑張ろう。
そんな思いで、立ち上がった時だった。
「君、見慣れない顔だね。ねえ、俺たちと一緒に飲まない?」
私の前に現れた男性4人。酔っぱらっているのか、顔が赤い。
「いいえ、結構です。急いでいますので、私はこれで」
「いいじゃないか!お前、男を誘う為にここに1人でいたのだろう?俺たちが相手をしてやるよ」
1人の男性が私の腕を掴んだのだ。
「イヤ、放してください!」
「よく見ると、かわいい顔をしているな。それにピンク色の髪をしているぞ。こんな綺麗な髪、見た事がない。これは上玉だ!」
何なのよ、この人たち。そういえば都会には、悪い人も多くいるのだった。とにかくこの場を逃げないと。
「私、急いでいますので!とにかく放してください!」
必死に手を振りほどこうとするが、上手く振りほどけない。それどころか…
「そんなこと言わずに、行こうぜ」
無理やり腕を引っ張られてしまったのだ。他の男性たちにも囲まれ、そのまま連れていかれる。どうしよう、このままだと私…
その時だった。
「お前たち、何をしているのだ?」
低い男性の声が聞こえたのだ。声の方を振り向くと、そこには鋭い目つきの男性が、こちらを睨んでいる。
「あなたは…ゼルス隊長…どうしてここに?」
なぜか男性たちが怯えだしたのだ。男性たちが怯えだすだなんて、きっととても恐ろしい方なのだろう。私も恐怖からカタカタと震えだす。
「それでお前たちは、何をしているのだ?」
さらに低い声で男性が言葉を発する。
「いえ、この女性が困っている様でしたので、話し掛けただけです。それでは失礼いたします」
逃げるように去っていく男性たち。ちょっと、私を1人残していかないで。私もその場を立ち去ろうとするが、恐怖で体が動かない。
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「あの…私は怪しいものではありません。今日この街に来たのですが、勝手がわからず。それでこの公園で、どうしたものかと考えていただけです」
だからどうか、私を見逃してください。恐怖から涙が溢れだす。
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「私は大丈夫ですので。それでは失礼いたします」
ペコリと頭を下げ、荷物を持ってその場を立ち去ろうとしたのだが…
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