全てを失ったと思ったのですが…騎士団の隊長に拾われ溺愛されました

Karamimi

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第24話:やっぱりリリアは笑顔が似合うな~ゼルス視点~

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 屋敷に着くと、荷物を持って急いで馬車から降りた。すっかり遅くなってしまった。きっとリリアも、お腹を空かせて待っているだろう。

「ただいま、リリア、遅くなってすまない」

「おかえりなさいませ、ゼルス様。お疲れになったでしょう。すぐに晩御飯の支度をしますね」

 笑顔で迎えてくれたリリア。一旦自室に戻り、着替えを済ませ、急いでリリアの元へと向かう。ちょうど準備が出来た様で、いい匂いがして来た。

「今日は牛タンのシチューか。うまそうだな。リリアも腹が減っているだろう。早速頂こう」

 2人向かい合わせに座り、食事を頂く。近くにはリリアが焼いたパンもたくさん並べられていた。相変わらずリリアの料理はうまいな!

「リリア、今日は昼に急に帰って来てすまなかった。ルークまで図々しく昼ご飯を食べて行ったりして。準備も大変だっただろう?」

「いえ、お2人とも喜んで食べて下さったので、私も嬉しかったです。1人で食べるよりも、誰かと食べた方がご飯も美味しく感じますし」

「そうか…それじゃあ、その…明日も昼に帰って来て食事をしてもいいかな?もちろん、ルークは来させないから。俺1人だけだから。実は騎士団にある食堂は、いつも人で溢れかえっていて。結局食べ損ねる事も多くて…」

「そうだったのですね。承知いたしました。ですが、毎日帰って来るのは大変ではありませんか?」

「いや、家から騎士団までは、馬で10分程度だから、そこまで苦にはならないよ。それにその…リリアの料理はその…とても美味しいから、家に帰って来てでも食べたいからね…」

 俺は一体何を言っているのだろう。なんだか恥ずかしくなってきた。

「そう言って頂けると嬉しいですわ。それでは、お昼も精一杯お料理を作らせていただきますね」

 ぱぁっと顔が明るくなったリリア。やっぱり彼女は、笑顔がとても可愛い…

「それで午後からは、何をしていたのだい?絵を描きたいと言っていたが、道具などは買えたのかい?」

 もしもリリアが先に自分の好きな画材道具を買っていたら、どうしよう。そう思ったのだが。

「それが、お店を見つける事が出来なくて…明日はもう少し遠くまで足を運んでみようと思っております」

「そうか。あの…リリア、君にプレゼントがあるんだ。ちょっと待っていてくれるかい?」

 急いで自室に戻ると、今日買って来た道具一式が入った袋を持って来た。

「これ、ちょうど今日、街をパトロールしていたら、画材道具が売っている店を見つけて…その、よかったらこれを使ってくれるかい?もし気に入らなかったら、捨ててもらっても構わないから」

 リリアは喜んでくれるだろうか。緊張してうまく笑えない。

「これは、絵を描く道具ですか!それもすべてそろっているわ。こんなにたくさんの筆と絵の具が。こんな色もあるのね…すごいわ。ゼルス様、こんな高価な物は…」

「これは今日の昼、急に押しかけてしまった罪滅ぼしだ。ルークまで図々しく押しかけてしまって、本当にすまなかった。俺のちょっとした気持ちだ。いらないのなら、ゴミと一緒に捨ててしまって構わないから」

「そんな、罪滅ぼしをして頂くような事は、何一つありませんわ。ですが、せっかくゼルス様が買ってきてくださったのです。有難く使わせていただきます。ありがとうございます」

 俺に向かって、それはそれは可愛らしい顔でほほ笑んでくれたのだ。その瞬間、一気に鼓動が早くなる。


「べ…別に大したことはしていないよ。それじゃあ俺は、風呂に入って来る」

 何だか妙に恥ずかしくなって、急いで風呂場へと向かった。俺の心臓は、完璧におかしくなったのかもしれない。

 だが、リリアがあんな風に喜んでくれてよかった。またあんな風に喜んでもらえる様に、そしていつか俺の事を…

 その為にも、もっともっと頑張らないと。

 ※長くなりましたが、次回からリリア視点に戻ります。
 よろしくお願いいたします。
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